リコリス・リコイル 平和を守る物語   作:クウト

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お久しぶりです。
久しぶりに書きました。
けど戦闘シーンとかマジで無理。ただでさえ下手なのにどうしよこれ。
……読んでくれる人がいたら……できれば、リコリコ六話見直してから……。


第二十九話

翌朝。

昨日は散々だった。

この家に襲撃者が二人来たらしい。そいつらを千束が撃退してくれたのだが……部屋の中で銃を撃ちまくるわ窓破壊するわと……ほんと……もう……。

はぁ、一応ファーストリコリスなのだから遊ばず速やかに確実に制圧してほしい所なんだがなぁ。

まぁダミーの部屋で戦闘だからまだいいと思う事にしようか。……だけどなぁ。それでも壁に穴が空くわ、窓ガラスは割れるわ……あぁ、出費が……。

 

「疲れてますね」

 

「ん?たきなか。おはよう」

 

「おはようございます。朝ごはんですよね?手伝います」

 

「んー。じゃあ適当に頼む」

 

今日のメニューはいつも通りサンドイッチだ。

適当に具材を用意しておけばいいだけだし、リコリコでの経験を積んでいるたきなであれば簡単に終わるのだ。それに何より俺の好物だったりもする。

そんな訳で朝食はたきなに任せて俺は部屋の片付けを始める事にした。千束のやつ、お泊まり会〜!パジャマパーティ〜!なんて言って散らかすだけ散らかしやがって……はぁ、俺はあいつの親でもなんでもないんだがなぁ。

 

「前から聞きたかったんですけど」

 

「ん?」

 

「サンドイッチ好きなんですか?」

 

「お?わかる?」

 

「いや、結構作ってるなぁと思って」

 

もはや癖みたいなもんだなぁ。

初めて覚えた料理だったと思うし、何より千束とミカ先生と一緒に騒ぎながら作ったことが忘れられないのだ。だから朝食やまかない何かは、気がつけばこればかり作ってしまう。

 

「そうだなぁ。みんなで食卓を囲んでさ。ワイワイしながら作って食べるの楽しくない?」

 

「なるほど」

 

まぁ、それだけじゃないが。

理由をもう一つ追加するとしたら。

 

「「千束が喜ぶから」」

 

「……さすがだなぁ」

 

「ふふん」

 

はは。得意げで可愛い。

たきなもすっかりウチに馴染んでくれていることを改めて実感したよ。なんてな。

 

「あの、修哉さん」

 

「ん?」

 

キッチンで料理しながらたきなが話しかけてくる。

ちょっとだけ真面目な顔をしているから何かあったのだろうか?

 

「リリベルって知ってますか?」

 

「おう。知ってるよ」

 

「修哉さんも知ってましたか」

 

「だって俺、元々そこに入れられる予定だったみたいだし」

 

「へ?」

 

「ん?」

 

「……」

 

「……ほら、聞かれなかったから……」

 

それに普通に過ごしてたらこんな話しないし。

私だけ知らなかったと目で訴えてこないでほしい。

 

「まぁ、なんだ。昔色々とあってな」

 

たきなにも詳しく話す時期なのかもしれない。

もう立派なリコリコの一員なのだし、よく一緒に行動もしている。関係を深める為に俺たちの過去を知ってもいいのかもしれない。

けれど。

 

「今はあんまり時間もないし、今度時間とって詳しく話そうか」

 

「いいんですか?」

 

「もちろん。たきなも大切なうちの一員だからな」

 

「……」

 

「ん?どした?」

 

「い、いえ!千束起こしてきます!」

 

「おー。いってらー」

 

どこか焦りながら千束が寝ている寝室へと向かうたきな。だがその綺麗な黒髪の間からチラリと見える物があった。

 

「耳真っ赤じゃん」

 

心から思った事だったから言葉にしたのだが、少し恥ずかしい台詞だったかもなぁ。

 

「……コーヒーでも淹れよ」

 

俺も少し恥ずかしい気分になってきたのを忘れる為にキッチンへと向かうのだった。

 

 

 

あれから騒がしい朝食を終えてリコリコへと出勤。

いつも通り働いて、普段と何も変わらない日常。

……まぁ、その裏にはリコリスが狙われていたりして、ここ最近では無かったほど物騒な世の中になっていたりもするのだが……。

 

「ふぅ、皿洗いおわり〜。休憩休憩」

 

「お疲れ。コーヒー淹れてるぞ」

 

「ありがとう先生」

 

リコリコのキッチンから抜け出しカウンター側に座る。

……さて、リコリコのホールへと来たのだが……。

ここに騒がし担当の千束は姿は無かったが、その代わりと言わんばかりに難しい顔をして唸っているたきながいた。俺と先生とミズキさんは三人でたきなを眺めていたのだが。

 

「どったの?そんな難しい顔して」

 

年長者……リコリコのお姉さんであるミズキさんがたきなに話しかけてくれた。……考えを読んで睨むな怖いわ。

 

「……勝てないんです」

 

「へ?」

 

「あ〜……」

 

「何度考えてもおかしいんです」

 

いや、まぁうん。ごめん。

そりゃ明らかにおかしいって事には気がつくよなぁ。

 

「家事の分担をじゃんけんで決めてるんですが……何度やっても千束に勝てないんです」

 

……むぅ……視線が痛い。

わかってるから二人して責めるような目で見ないでほしい。

 

「あんた、言ってないの?」

 

「あー、タイミングがね」

 

「はぁ、まったく」

 

「ため息やめて。俺が悪かったから」

 

「え?何かあるんですか?」

 

説明してやれとばかりにミズキさんが睨んでくる。

怒るかなぁ?怒るだろうなぁ。

仕方ない。言い出せなかった俺が悪いと思ってしっかりと話してしまおう。

 

「千束にじゃんけんで勝つにはコツがいるんだよ」

 

「へ?じゃんけんに……コツ?」

 

「いや、まぁコツというかズルというか」

 

頭にいっぱい?マークが出てそうな顔。

 

「いいか?千束は目がいい。異常だと言ってもいい」

 

「まぁ、そうですね」

 

「アイツは相手の服や筋肉の動きを見て、相手の次の行動を予測するだろ?」

 

「はい」

 

「つまり、最初はグーから始めると次の手が読まれる」

 

「……」

 

ポカンと口を開いたまま固まるたきな。

いや、うん。そうだよなぁ。これに気がついちゃうといろんな感情が湧き上がって一瞬フリーズしちゃうよなぁ。

 

「たきながグーを出した状態だと、アイツはパーを出せば勝つ。たきなが最初はグーからパーかチョキにしようとしたらなら千束はチョキを出せばあいこで絶対に負けない」

 

「…………」

 

「つまりあいこの確率は三割。勝つ確率は……まぁ、うん。ゼロだよね?」

 

「………………」

 

「千束にじゃんけんで勝つにはだな。最初はグーをやめて、あいつに考える時間を与えないぐらい勢いよく不意をついてじゃんけんぽん!で勝つしかない。……って事なんだけど」

 

「……………………」

 

「ちなみに……失敗してあいこになったら勝てなくなる。アイツにじゃんけんで勝つには完全に不意をついた最初の一手で勝ちきるしかないんだよな」

 

「修哉さん」

 

「ごめん」

 

最初から勝てない勝負だったと気がつくにつれて歪んでいく顔を見ていると心が痛んだ。

いやね?そりゃあ言い出せなかった俺にも罪悪感はあった訳でね?だからこそ家事は俺もやってた訳で……言い訳ですね。ごめんなさい。

こんな微妙すぎる空気感の中店の奥から千束が現れた。

 

「組長さんとこに配達行くわ〜……ん?何?この空気感」

 

「気にすんな」

 

色々と複雑そうではあるが、千束の相棒として直ぐに気持ちを切り替えるたきな。苦労をかけるね。ごめんね。

あと千束。おそらくだけど、お前は帰ったらたきなからの説教です。

 

「すぐ支度します」

 

「あぁ、大丈夫大丈夫!さっきクルミと話してたんだけどリコリスの制服でバレてるんじゃないかってわかってね。これなら〜全然〜わかんなーい」

 

「そのためのポンチョなのね」

 

制服をすっぽりと隠すポンチョ。

確かにこれなら分からないが……そんな単純な事でいいのだろうか?まぁとりあえず制服の件については後で先生からDA側に伝えてもらわないとな。

 

「そそ。って訳で行ってきまーす。あ、たきなはシュウのお手伝いしてあげてね。在庫確認とかしないとだし!って訳で行ってきまーす!」

 

「あ、ちょっと千束!」

 

「ほっとけほっとけぇ。在庫確認が面倒なだけなのよあれ。って訳で在庫確認はアンタに任せるわよ修哉」

 

「えぇ……アンタも面倒なだけじゃねぇか」

 

はぁ。

ミズキさんにも仕事を押し付けられた……とりあえず休憩はやめて仕事するかね。

 

 

 

それからしばらくたきなと仕事をしている。

簡単に在庫の確認してみたが特に必要そうなものはなさそうだ。

 

「ふぅ。問題無さそうだな」

 

「この間足りないものは確認して追加しましたし、そこまで足りないものは出ないだろうなとは思ってました」

 

「言ってよ」

 

「修哉さんと一緒に仕事がしたかったんですよ」

 

「嬉しい事言ってくれるなぁこの後輩は。コーヒー……はもう飲み過ぎだし、お茶でも淹れようか」

 

「はい!」

 

「あ、私のも〜」

 

「……」

 

「何よ?」

 

「なんもないよ?なんもしてねぇなこいつとか思ってないから」

 

「なにぃ!?」

 

「あ、先生のも淹れるね」

 

「助かる」

 

お茶お茶〜。

騒がしいミズキさんは放っておく事にする。あと少し疲れもあるし甘い物でも食べよう。

片付けが面倒だから簡単な物はないかとキッチンに入って色々と物色を始めたのだが。

 

「わあぁああああああ!!!!!」

 

「騒がしいな」

 

クルミが大きな声をあげて叫んでいる。

しかも何かドッタンバッタンと大騒ぎ中。

まったく。何かのゲームで負けたりしたのだろうか?普段はこんな事ないんだが。

 

「修哉さん!修哉さん早く!!」

 

んん?たきなまで……。

珍しい大声に俺は少し急ぎながらお茶の用意を終わらせる。

 

「お茶お待たせ」

 

「しゅ、修哉!!見てくれ!!」

 

「ん?」

 

お茶を用意したので店内へと向かい騒ぎすぎだと注意しようとしたのだが、その前にものすごく焦っているクルミに見せられるタブレットの画面。そこにはリコリスたちの姿が写っている。

 

「リコリス?なんで?」

 

「…………」

 

「……クルミ?」

 

あぁ、そうか。大体わかってしまった。

気まずい顔をしているクルミ。ふざけている時とか店員として失敗した時なんかも見る顔だが、こんな真面目な時に見ることは珍しい。

つまり……これはお前が原因の一つなんだな。

俺はカウンターにお茶を置いて更衣室へと向かうことにする。

 

「出るぞたきな。千束に連絡してから急いで戦闘準備をしろ」

 

「へ?は、はい!!」

 

ぬるりと漏れ出しそうになる怒りを無理やり抑える。前にクルミには千束に何かあれば殺すとは言ったが、今それをしても千束が助かるわけではない。

だからこそ。

 

「クルミ。千束を死ぬ気で探し出せ」

 

「わ、わかった!」

 

たきなとクルミに指示を飛ばす。

ミカ先生とミズキさんは俺が何かを言う前にもう準備に入っている。

組長さんのところへ向かったのなら道は絞れる。

途中人通りが少ない道があるから、仕掛けられたのならそこの可能性が高い。

手早く着替えを終えて、装備も整えた。

連絡を終えただろうたきなは、まだ俺が居るのに何故か一緒に更衣室へと入ってきているのだが……いくら急がないといけないとはいえ……まぁ、君がいいならそれでいいけどさ。

俺はたきなの方は見ないまま部屋から出てバイクの準備を行うために移動を開始する。

 

「お待たせしました!」

 

「乗れ。移動しながら状況を聞く。クルミ、通信の調子は大丈夫か?」

 

『あぁ、問題ない』

 

ヘルメットのスピーカーからクルミの声が聞こえてきた。

 

『急げ。千束はもう接敵しているぞ。ボクもすぐに見つける』

 

「任せる。それに安心しろ。千束なら俺が行くまで持たせれるだろうよ」

 

たきなが後ろに乗ったことを確認してバイクを走らせる。少し荒い運転になるが流石リコリス。運転の邪魔になるような事も全くない。

 

「修哉さん」

 

「大丈夫だ」

 

大丈夫。

あいつならそれなりの時間を稼げる。

だが限界があるのも事実だ。だからこそ

 

「修哉さん!!」

 

「どした?そんなに大きな声を出さなくてもマイクがちゃんと声を拾ってるぞ?」

 

何故か大きな声を出すたきな。

何かあったのだろうか?忘れ物?流石に取りに行く時間はないから勘弁してほしいのだが。

 

「千束が心配なのはわかります。けど、わたしは修哉さんの心配もしてるんです」

 

「俺?」

 

「いいですか?殺したらダメですからね?千束が悲しみますから」

 

「……あぁ」

 

あー、そっちね?

状況によるよ。としか言えない。

もし、万が一。

千束が殺されていたのなら……。

その時は。

 

「大丈夫」

 

言い聞かせる。

 

「信じますからね?」

 

大丈夫。

 

「あぁ、ちゃんと殺さない程度に殺すよ」

 

アイツは死なない。

 

「殺してますよねそれ!!」

 

まだまだ、やりたい事はいっぱいあるんだ。

……たきなとの会話をしながらも考えが止まらない。

 

「ははっ。冗談冗談」

 

まだまだ、一緒に居たいんだ。

……焦っているのがわかる。

 

「……ぜんっぜん冗談に聞こえませんからね?」

 

だから、何がなんでも守り通す。

……大丈夫。間に合う。

 

「その時は、たきなが止めてくれるだろう?」

 

待ってろよ千束。

 

「はぁ……そうですね。任せてください」

 

俺とたきながすぐに行く。

 

「頼もしい仲間を持てて嬉しい限りだな」

 

迎えに行くからな。

……絶対に助けるから。

 

 

 

嫌に焦る気持ちを抑え込みながらバイクを走らせる。

移動中にたきなから聞いたのだが、千束と連絡は取れたものの大きな衝撃音と共に連絡が途絶えたらしい。鈍器で殴られでもしたのか?とも思ったが、その程度なら不意をついても避けられる。

なら恐らくだが、猛スピードで迫ってきた乗り物に轢かれた可能性が高いはず。いつもはアレでもファーストリコリスである千束なら大きな怪我はないはず。

だから、大丈夫。

 

「修哉さん!あれ!!」

 

「あぁ」

 

バイクを停める。

道路に落ちているのは千束が着て出て行ったポンチョ、そして千束のスマホが落ちていた。

 

「クルミ」

 

『今すぐ町中のカメラをハッキングする』

 

「……いや、この近くに公園があったろ?そこを見てくれ」

 

『そんな限定的な場所でいいのか?』

 

「いい」

 

バイクのライトで照らされている地面を見る。

千束のゴム弾の跡だけでなく、襲撃者達が乗っていたと思われる車のタイヤ痕。千束の抵抗があったのなら簡単に連れて行かれたとは思えない。なら、あいつならこの近くの公園に行って見晴らしのいい場所で戦うはずだ。

普通なら隠れたりするのだが、あいつ弾避けれるからな。時間さえ稼げれば俺が来ると思っているはずだ。

 

『わかった。すぐに調べる』

 

「あぁ、俺もこのまま向かうよ」

 

クルミとの通信を終える。

 

「本当にいいんですか?」

 

「信じろ。行くぞ」

 

「はい」

 

たきなを乗せてバイクを走らせる。

少しして公園にたどり着きそうな頃、クルミから通信が入った。

 

『ビンゴだ。そこに千束がいるぞ!ッツ!急げ修哉!囲まれそうだぞ!』

 

クルミの焦った声を聞いたと同時に、嫌な感じを覚えた。作業着のような服を着た数人の男が見えたからだ。

 

「ちょっ!修哉さん!?」

 

「間違えだったら責任取るよ」

 

バイクのスピードを上げ、すれ違いざま腕を打つける。大きな衝撃はあるが、その程度では俺の体には何も問題はない。

 

「ほんと、化け物ですね」

 

そんなことを言いながら、たきなもすれ違いざまに二人撃って倒してるじゃん。それも俺の銃を勝手に使って特製ゴム弾で仕留めてるし。

っと、さぁさぁ。行動開始だぞ。

 

「たきなは隠れて援護を。俺は正面から潰しに行く」

 

「脳筋ですか?」

 

「回り込むほど時間がないんだよ」

 

「まぁ、そうですね」

 

倒れた男の近くに転がる拳銃。

さて、すぐに行くぞ千束。

 

 

 

たきな。

ごめん。

約束守れないかもしれない。

騒がしい。

車は六台。

人はザッと数えて約二十五。

千束を殴っているのが一人。

 

殺せ。

 

ダメだ。

 

殺せ。

 

『……!!!……!!!!!』

 

耳障りな音。

女の子一人囲んでギャーギャーと騒ぐ音がうるさい。あぁ、ダメだ。

 

一人。

 

「うぐぅあ!!」

 

「なに!?」

 

二人。三人。四人。

銃を撃つ。当たる。外さない。

 

「シュウ!!ダメ!」

 

黙っていろ。

すぐに助ける。

 

「ははっ!面白いのが釣れたなぁおい!」

 

周りの奴らが銃を構える。

気にしない。急所に当たらなければいい。

俺は千束ほど上手くよけれはしないが、たきなが言うには身体は化け物並みらしい。防弾の制服も着ているのだ。多少の衝撃は気にもならない。

だから。

 

「シュウ!」

 

まっすぐ。

 

「いいなぁ。いいなぁお前!!」

 

銃だけじゃ心許ない。

ナイフを使おう。

待ってろ千束。すぐにこいつを。

 

「殺す」

 

『頭を冷やしてください』

 

ドパンッ!

側頭部に衝撃。

視界がブレる。赤い何かがチラつく。血?いや、違う。これは……。

あーくそ!この射線……ここから攻撃が来るとは考えもしなかった。でも……いや、お前、その弾でどんだけの距離。ほんと、お前は射撃では化け物級だと思うよ。だけど、おかげで。

 

「ッッツツ!!帰るぞ!!!」

 

「待ってましたぁ!」

 

目が覚めた。

 

 

 

倒れている千束を抱えて走る。

 

「右!!ひだっ!右!あ、待って待って逆!シュウからじゃなくて私あぁ、ちょっ!!行きすぎ!」

 

「うるせぇ!!ややこしい指示出してないで応戦しろ!!」

 

「やってるって!」

 

タックルするかの様に正面から掬い上げて抱えた千束が大騒ぎ中です。お前なぁ!いくらお前を担ぎ上げる様に抱えてるおかげで後ろを見れる状態だと言ってもその適当な指示じゃあわかるわけないだろうが!!!

 

「うほぉお!速い速い!!さっすがシュウさん!」

 

ゴム弾を撃ち続けなんとか逃げているが……。

先生。早く早く!!車来てくれないと逃げ切れないぞこれ!!あとたきなぁ!お前も早く来いって!!

 

「たきなも拾うからな!」

 

「あ、やっぱり!?アレたきなだよね!?あの弾で何処から?シュウの頭に直撃って正直ドン引き」

 

『聞こえてますからね?』

 

「本人に言ってやれ!!早くこっち来い!」

 

『すぐに合流します』

 

この騒がしい中でもたきなが居る方向がわかる。

その場所に向けて走っていると、聞き覚えのあるエンジン音が聞こえてきた。

リコリコの車だ。

 

「修哉さん!」

 

「捕まれ」

 

飛びついてくるたきなを抱える。

一瞬バランスを崩しかけるが、それよりも早く足を出して加速。

 

「やっぱりおかしいです」

 

「うるせぇわい!!」

 

このおかしさのおかげで助かってるんですけど!?

猛スピードで公園に入ってきた車。俺はそこに合流するために猛ダッシュ。千束とたきなは引き続き銃で牽制してくれるおかげでリコリコの車と合流できた。

 

「乗れぇ!」

 

「待ってました先生!!」

 

「あだぁ!!」

 

「うぐぅっ!!」

 

「むぐぅ!!」

 

俺は千束とたきなを車の中に放り投げる。

勢い強かったかな?先生の本気の呻き声とか初めて聞いたかもしれん。

 

「ミズキさん!出して!」

 

「はいよぉ!!」

 

「え?」

 

「ちょっ!修哉さん!?」

 

ドアを閉める。

あー、バイクどうしよ。

そう思いながら車の上に飛び乗り。

ドカン!と一発。

 

「「「はぁああ!?!?」」」

 

「修哉!!」

 

「ごめんなさい!!!!」

 

拳を叩きつけ車のルーフを叩き割った。

そこに手をかけて自分を固定。これならどれだけ振り回されても俺なら落ちない。ただ後でみんなからクソほど怒られるだろうなぁ。先生も怒鳴ってるし……。

って!!!!

 

「み、ミズキさぁん!!!避けて避けて!!!!」

 

遠心力ならまだしもこれは無理!!

目の前から無人の車が走ってきたのだ。

おそらく敵側のハッカーが操っているのだろうが……これ、流石に落ちちゃうよ俺。

……うん。ぶつかったら落ちるからぁ!!

 

ドンッ!

 

と、大きな衝撃。

ふわりと浮かぶ身体。

あかんやつです。

みんなが俺を呼ぶ声がする。

そんな時だった。視界の端に嫌なものが見えた。

 

「ッ!」

 

体を捻る。

軽く痛むがなんとか着地して走る。

 

「クルミぃ!!!ぶつけろぉ!!!」

 

『仕方ないなぁ。後で新しいの買ってもらうからな?』

 

何個でも買ってやる!!!

だからアレ止めろぉ!!!!

構えられるのはロケットランチャー。当たれば木っ端微塵だ。

当たらないとわかっていても銃を乱射。無理ですよねぇ!!!くそぉお!!!みんな避けてくれよ!!

そんな願いが通じたのだろうか?

ランチャーを構えたやつにクルミのドローンが激突する。そして。

 

『弾切れです!!』

 

『あー!ダメだこれ!ヤァバイヤバイヤバイヤバイ!!!』

 

みんなが乗っている車は飛んでくる弾頭を見事避ける事に成功する。だが……。

 

「いやぁ!!!!ダメダメダメダメ!!!これ死ぬ!」

 

『シュウぅうう!!!』

 

「よーし!!!俺!飛び込みまーす!!!お前らまた後でな!!」

 

みんなに背を向けて猛ダッシュ。

嫌な予感を感じながら飛び上がる。

空中で体勢を変えてカバンの中にある防弾性の盾を広げるのだが……。

あー、これ。気絶とかしたら死ぬよなぁ。

なんて思いながら俺は冷たい川の中へと爆風で吹き飛ばされるのだった。




地味にたきなを強化してしまってるなぁ。
これ、最終決戦の時バランス保てんだろ……。
どうしましょまーじまさぁん!!
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