問題児たちが異世界から来るそうですよ?~忘却の魔王~ 作:ソヨカゼ
今回は少し遅くなった上に文章が今まで以上に雑になってます。
原作を知らない人は『いきなりどうした?』みたいなことになるかもしれません。
あまりにも解りづらい等のコメントがありましたら速攻書き直しも覚悟してます。
そんな三話ですが、どうぞ!
夜空を真っ赤に染める褐色の光は、それが触れた木や草を石に変えながら四人を呑み込んだ……はずだった。
バリンッ!!
ガラスが砕けるような音と共に、光の柱はいとも容易く砕け散る。
『……えっ?』
姿無き来訪者はその事実に息を飲む。
それもそのはず、褐色の光は彼らにとって切り札に他ならないのだ。
それがあっさりと破れたという事実を認めたくないのは仕方のないことだろう。
しかしそれとこれとは話は別だ。
これを好機だと思ったレーテは光の柱が降ってきた方へと跳ぶと、虚空を握りしめる。
地面を蹴ったときに腕の中でキャッという悲鳴が聞こえたが、レティシアではないだろう……たぶん。
感覚からして手首だとわかると、レーテは己がうちに秘めたギフトを発動させた。
「刈り取れ……
刹那、レーテと彼が掴んでいる何者かの体が淡く光出す。
光が収まると同時にレーテは手にしたものを地面へと叩きつけ、自分も着地する。
「ま、君程度の記憶だとこんなところかな?」
「い、今のはいったい……というか、いつまで私を抱えている気だ!?」
地面に降りて安心したことでレーテに抱かれているのを再認識したレティシアは、顔を真っ赤にしてジタバタしだす。
しかしレーテは話すどころかキュッと抱き寄せ、アワアワするレティシアの反応にニヤつくばかり。
全くの逆効果だった。
「うぅ……」
「あはは、可愛いなぁ」
ウリウリとレティシアで遊び続けるレーテに痺れを切らしたのか、金髪とヘッドフォンがトレードマークの十六夜が近づいてくる。
「おいこらロリコン魔王」
「開口一番に何て事を言ってるんですかこの問題児様はッ!?」
スパンッとキレの良い音を出しながらハリセンを振るう黒ウサギ。
どうやらこのウサ耳、相当突っ込みなれているらしい。
「それに忘却の魔王といえば、白夜叉様に退けを取らないくらいの大物。もし気を悪くしてギフトゲームを仕掛けられたらどうなるかわかっているのですか!?」
「その時は返り討ちにしてやれば良い。仮にも打倒魔王を掲げたんだ、そのくらいして当然だろ」
やけに必死な黒ウサギを見て十六夜は鼻で笑う。
そう、彼らのコミュニティはつい先日『打倒魔王』を掲げたばかり。
そんな自分達が目先の獲物を前に黙ってなるものか強く当たる。
しかし、黒ウサギはなおも食い下がった。
「それとこれとは話が別です!それに、白夜叉様にも言われたじゃありませんか!もしも忘却の魔王と名乗るやつに出会したら絶対に自分達から仕掛けるな。何かの間違いで目をつけられたのなら一目散に逃げろと!!」
どうやら白夜叉はレーテの事を彼らに伝えていたらしい。
しかし心外だなとレーテは思う。
いくら自分が気まぐれな天災と称された魔王だからといって、たかが一発二発殴られた程度で怒るほど心が狭いわけではない。
いや、もしかしたらレーテの日常を守るためにわざわざ大袈裟に伝えたのかもしれないが……とりあえず後で直接聞けば良いかとレーテは思考を現状へと戻す。
「確かに、今の君たちが僕と戦うのは賢明な判断じゃないだろうね。後、僕はロリコンじゃないから。ただ守備範囲が広いだけだから。具体的には生まれたての赤ちゃんから三十代前半の淑女まで。それ以上は何がなんでも認めませんから」
「た、確かに広い!?……のでしょうか?いえ、そもそも今そんな話してましたっけ!?」
シリアスな雰囲気を一気にぶち壊された黒ウサギはあれあれ?と首をかしげる。
どうやら相当テンパっているらしいが、そんなことはお構いなしに十六夜とレーテは話を戻した。
「そんなことより、奴さん逃げちまったぜ?魔王なんだからてっきり『俺の逆鱗に触れた奴等は皆殺しだ』とか言って追いかけるもんだと思ってたぜ」
「まぁそんな奴等もいるにはいるけどさ。今回はこれで良いんだよ。あれはただの挨拶なんだからさ」
「なるほど、どうやらお前はかなり俺好みの素敵な魔王様らしいな」
十六夜が犬歯を剥き出して笑う。
どうやら十六夜は残虐非道な文字通りの魔王様との決闘がお望みらしい。
対するレーテも満更ではないらしく、型にはまったような冷酷な笑みを見せる。
二人の間で火花が飛び交い、今まさに自身の誇りをかけた魔王とのゲームが
「いい加減にしてくださいこのお馬鹿様方ッ!!」
……始まらなかった。
それどころかバシバシッ!と小気味良いハリセンの音が二つ。
見ると、先程まで混乱していた黒ウサギがいつの間にか復活していたのだ。
「ははは、冗談だよ。それに、僕のギフトは戦闘向きじゃない。僕に出来るのは精々相手の記憶を消すことと奪うことだけさ」
「タヌキが。むしろテメェ、ギフトなんて使わなくても黒ウサギくらいなら楽勝で勝てるんだろ?」
「どうだったかな。仮にそうだとしても、素手で石化のギフトを砕くような規格外とは戦いたくないさ」
先程とはうって変わり、渇いた笑みを浮かべるレーテ。
そう、石化のギフトを砕いたのはレーテではなく十六夜なのだ。
黒ウサギの安全を確保した十六夜は、裏拳気味に拳を振り抜いた。
レーテに見えたのはそこまでだが、それでギフトが消えたのだからまず間違いないだろう。
さて、とレーテは踵を返し入ってきた方へと歩き出す。
「おい、どこ行く気だ?」
「サウザンドアイズにね。なんなら君たちも来るかい?たぶん、面白いものが見られると思うよ」
じゃあ待ってるから、と言い残しレーテは去っていく。顔を見合わせた十六夜と黒ウサギはしばらく考えた後、館で待つ仲間を呼びに屋敷へと駆けていくのだった。
「その……いい加減、下ろしてくれないか?」
「ダーメ。君は僕のモノなんだし。そもそも君が逃げ出したのが原因なんだから。しばらくこのままね」
「………」
☆☆
「ヤッホー白夜叉さん。さっきぶりだねぇ」
「ッ!?」
「ん?なんだ、思ったよりも速かったな」
レーテはサウザンドアイズ支店に着くなり入口で待機していた青髪の店員に連れられて白夜叉の私室まで通された。
襖を開けると上座に座る白夜叉、それに対峙するように立っていたペルセウスのリーダー、ルイオスが目に入る。
急な来店だったが、店員を待機させていたことからレーテが来るのを予想していたのだろう。
むしろ驚いているのはルイオスだ。
冷や汗を流しながらレーテと彼が抱えているレティシアの顔を交互に見てクソッと毒づいている。
その視線に気づいたレーテはクスリと笑う。
「あはは、町で偶然見かけたから捕まえちゃった。いやぁ驚いたよ、まさかペルセウスは商品の管理もろくに出来ないなんてね」
「そっそれは……ち、違うんだ!商品の管理は部下に、そう部下に任せていて」
「だから部下のせいだとでも言う気かい?」
自分のミスを認めないだけでなく部下のせいにしようとするルイオス。
その行動に何を思ったのか、レーテの笑みはよりは冷やかな鋭いものへと変わる。
「部下の過失は上司の過失。何のためにコミュニティにリーダーが存在すると思う?」
「それは、その……そう、部下だ!あんただって僕の部下に手を出しただろ!?いったい何をした!何をしたらあんなになるんだよ!!まるで幼児退行したみたいに変な声出すし泣き出すし……もうウンザリだ!!」
どうやらノーネームを襲った奴等は直接ルイオスのところに来たらしい。
予想以上に気が動転していることから察しは着いたが、どうやら事はレーテの思い通りに進んでいるようだ。
「あぁ、あれかい?……なに、ただちょっと記憶を消させてもらったのさ。具体的には産まれてから今までのを全部、ね?」
レーテのギフト『忘却の魔王』に出来ることなど記憶の消失と剥奪の二つにつきる。
物理的な破壊力など奥の手を使わない限り皆無。
だがしかし、人間を壊す上でここまで有効的なギフトはないだろう。
「それと僕が手を出したみたいなことを言ってるけど、それ間違いだから。先に手を出したのはそっちだよ?」
「違う、僕じゃない。あいつ等が勝手にやったことで、ペルセウスには関係ないんだ!!」
なおも責任から逃げようとするルイオスにレーテの笑みはいよいよ絶対零度まで冷え上がる。
「あぁ、今ので確信したよ。今の君には少しキツ目の仕置きが必要だってね」
突如虚空が光だし、ルイオスの前に二つのギアスロールが現れる。
一方はこの箱庭のどこでも見られる一般的なギアスロール。
しかし、もう一方は違った。
「ホ、
それは魔王を魔王たらしめるもの。
彼らだけが持つ特殊な権限であり、理不尽なゲームを強制できる箱庭の災厄。
漆黒のギアスロールだった。
「さぁ選ぶと良い。万に一つでも勝てる可能性を取るのか、その可能性さえも捨てるのか。もしも後者を選ぶなら、僕は魔王として相手になろう」
ーDETAー
・Sな魔王様?
・守備範囲は生まれたての赤ちゃんから三十代前半の淑女まで?
・実は強い?
・ギフト『忘却の魔王』は記憶を消す&奪うだけ?
・決めるときは決める魔王様でした!!
最近は東方ボーカルとかyou tube で漁ってます。
いつか東方のssを書いてみたいと思う今日この頃。
何か良い手はないものか………。
と、本編に関して一言。
『なかなか話が進まなくてスミマセン!!』
作者も自覚してますし、一応次で一巻の内容を終える予定ですので!!
ただ、二巻に入る前にレーテのコミュニティについて触れようとか思ってます。
はい、それでは次の話も気長に待っていただければと思います。
それではっ!!