術式がドラ〇もんの道具で説明できるんだが? 作:妄想癖のメアリー
────ミゲルが合流してから約10分。礼司対夏油、ミゲルの戦いは、先ほどよりも熾烈を極めていた。
(一本生成しちまえば、後はほぼ消費無しで運用できるが……)
『次元剣』を使用する際の呪力のほとんどは、
次に呪力でコーティングを行い、自ら供給を行わなくても独立して動かすことができるのだ。
(一番厄介なのはこいつの呪具だ)
そう言って礼司は、先ほどから半分の長さに焼き切れたミゲルの呪具を一瞥する。
(コーティングが乱れると即座にぶっ壊れちまう。俺が呪力を流し続ければ問題ないんだけど……)
「どうした! 攻撃の手が止んでいるぞ!」
その思考は、夏油の手によって現実に戻される。見えない壁にも慣れてきたのか、ミゲルが壁を乱し、夏油が呪具で突破するという流れによって、少しずつではあるが、確実に礼司は押されていった。
(しょうがない。『アレ』も使うか……加減が効かないから殺しちゃわないか心配だけど)
礼司は先ほどミゲルを吹き飛ばした時と同じように、夏油の背中にポータルを開く。
「君のその攻撃は対処済みだよ!」
そう言って繋がっていないポータルに呪力を飛ばし、破壊する夏油。礼司は、攻撃の手が止んだ一瞬で距離を取る。
額に汗をかく礼司を見ながら、夏油は得意げに語り出した。
「君のポータルは強力だが、繋ぐ地点の距離が遠ければ遠いほどタイムラグが発生する。その隙に破壊してしまえば、対処は簡単だよ」
そう。礼司の気圧差による吸い込み攻撃は、まず
(って言っても1秒もないくらいのラグなんだけど……すげえなマジで)
礼司は夏油の勘の鋭さに素直に感嘆する。
────攻防を始めてから約15分。夏油は既に礼司の手の内を潰しつつあった。
「じゃあこれはどうよ」
「何……!?」
突然自らの横にポータルを開く礼司。気圧差攻撃なら自滅してしまうため、別の攻撃だとあたりを付ける夏油。
しかし、あまりの速度で飛来した『何か』に、飛び込む事しかできなかった。
「夏油!?」
大きな音を立てて地面をえぐったそれは、特段珍しいものでもない。
「
「直撃すると脳天も吹き飛ぶよ。死なせたくないし、気を付けてね」
そう。礼司が発射したのは、山の中ではよく見かける大きな石だった。
息を吐く暇もなく、同じような石がどんどん飛んでくる。
「戦う場所をここにしたのには、猿どもの保護だけじゃなかったのか! 油断も隙も無い子だよホントに」
狙いを付けられないように、鋭角によける夏油。しかし、これでは距離を詰めることができない。
(恐らく、あれは複数個のポータルを使った技。2つのポータルをその辺の石の上下に開き、自由落下によって加速させる。
そして、加速しきった石を別のポータルに接続し射出……さらに術式でコーティングをしているのか、貰いどころが悪ければ一発だ!)
流線形(弾丸のような形)にコーティングされた石は、空気抵抗を極限まで減らし、射出する際の精度も申し分ない。
そしてすべての弾丸を打ち終わったと思えば、再度地面に埋もれた弾丸が消えていく。
「再利用も可能かい! 随分凶悪な技だ……ミゲル! ポータルを破壊しろ! 呪具の効果で、近づけば自動的に破壊される!」
「分カッタ!」
凄まじい速度で、ポータルが破壊されていく。あまりの対応の速さに、礼司は苦い顔を浮かべている。
(ッチ。気づくのが早いな……問題はあの呪力の籠ったお守りだ。どうにかして破壊できれば……)
呪力を放出するためには外気に当てる必要があるのか、ポケットの中などではなく、そのまま腰にぶら下げられている。
────礼司が出した結論は
異空間から武骨な鉄の棒らしき物を取り出した礼司。長さは30㎝前後、近接戦をするには、あまりに物足りない。
(『次元剣』が破壊されるなら、
術式反転によるコーティングが行われる。
今回は先ほどとは違い、一本の棒にかなり多くの呪力が練られていた。
「いいね。今回も負けるつもりはないぞ、礼司君!」
呪力の流れから、先ほどと同じ異次元を生成したと考えた夏油は、武器を構え駆けだした。
────気が付いたのは偶然、ただの勘だろう。寒気がした夏油は、攻撃することを止めて横に回避する。
「マジか。それバレるのか」
明らかにリーチ外で剣を振った礼司。しかし、離れているのにも関わらず、その場には切断されたであろう夏油の髪の毛が転がっていた。
(一体どういう事だ! 何故
話を戻すが、礼司の『次元剣』を夏油が視認できたのは、ひとえに術式を発動させたことによる呪力の流れを読んだからに他ならない。呪力によって剣の形を保っている異空間は、呪術を扱える人物なら見えて当然なのだ。
しかし、実際に刃の部分が目視できるわけではない。なので
「なるほどね……君の『次元剣』は、手に触れている間、
「……さあ、どうだか」
そう誤魔化した礼司だったが、夏油の読みは正解だった。
呪力によって異空間を引っ張ってくるこの術式は、礼司の呪力次第で粘土の様に自由に形を変えられるのだ。しかも、注視しないとその変化を見ることはできない。基本的に知能のない呪霊などは、最初の見た目に騙されて突っ込んできて真っ二つだ。
(そして、異空間には質量がない……いや、そう設定している可能性の方が高いか。短くすることも可能だろう。うかつに懐に飛び込むのは死に直結する)
「ミゲル! 手元の呪具を狙え! 自由自在に長さを変えるから、よく見ないと真っ二つだぞ!」
「無茶言ウナ! ソレニ連絡ハマダナノカ!? モウ縄モホトンド残ッテナイゾ!」
「もう少しだ! それまで耐えるんだ!」
(連絡だと……? 一体何をするつもりだ?)
何やら企んでいる様子の2人に気が付いたのか、礼司は攻撃を続けながら思案する。
(夏油の目的は、百鬼夜行前に移動能力を持つ俺を殺すことだと思っていたが……時間稼ぎ? 一体何のために)
恐らく相手の最高戦力である2人と、五条にも通じるであろう使い捨ての呪具。ここまで本気を出している事から、自らの殺害が目的だと思っていたのだが、どうやら違うらしい。
(情報、あるいはどちらかでも生け捕りにしたかったけど、これは無理そうだな)
「なんか企んでるみたいだけど、俺もタダで殺される気は無いよ」
そう言ってジャンプした後、術式を使って空中に立つ礼司。
撃墜しようとする2人だったが、10メートルほどの高さに立つ礼司と自身の間に、
「────これはちょっと疲れるから、あんまりやりたくなかったんだけど……近くに大きいダムがあって助かったよ」
「不味い!? ミゲル! ポータルを破壊しろ!」
礼司の言葉から最悪の想定をした夏油。周りを確認するが、もうすでに自身の周りを囲うようにリングのようなポータルが出来ている。
「それは
────開け」
────その瞬間。直径20メートルもの水の柱が、夏油達を襲った。
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