術式がドラ〇もんの道具で説明できるんだが?   作:妄想癖のメアリー

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割とアニメの影響で礼司君が伏黒って呼んじゃうかも、もしそうだったら間違いです!


意地

 

 

 

 

「お! お疲れー。その様子だと受かったみたいだね」

 

「おう! 人形にしこたま殴られたし、痛いとこ突かれたけどなんとか合格だった!」

 

 俺と美々子たち、たまに恵が会話に入ってくると言うやり取りを10分ほどした後、悠仁が玄関から出てきた。五条先生はまだお話し中らしい。

 

 正直なんだかんだ言って受かるだろうなとは思ってはいた。だって、悠仁落ちたら死刑だもん。夜蛾さん優しいからね。だがいい表情をしてる。夜蛾さんの指導が上手いこと刺さったらしい。

 

「ってあれ。2人増えてない?」

 

「あ、そっか。悠仁の同級生だよ。ほら、2人とも紹介して」

 

 話は悠仁の合格からいつの間に増えていた美々子と菜々子の方へと向かう。

 

「天鳳菜々子! アンタより一個年上だから、敬え!」

 

「天鳳美々子。別に敬わなくてもいい。よろしく」

 

「お前はちゃんと挨拶しろ、あほ。恵ん時に学ばなかったのか?」

 

 何故か毎回上から目線の菜々子にデコピンを入れる。会った時から気が強いとは思ってたけど、最近はもっと凄い事になってる。

 

「いったい! 女の子殴るなんてサイテー!」

 

「あっはは……ってか、天鳳? 礼司とおんなじじゃね?」

 

「婚約者だから、将来のために名乗ってる」

 

「ええ!? 2人も!?」

 

「バカ。頭の悪い嘘つくんじゃねえよ」

 

 もう片割れのアホにも軽くチョップを入れる。菜々子と違って、こいつはナチュラルにこういう嘘をついてくるから勘違いされやすい。

 

「痛い……礼司のいじわる」

 

「だったら金輪際嘘つくんじゃねえよ……ったく。悪いな悠仁。こいつらこういう所あるからさ」

 

「別にいいけど、結局どんな関係なん?」

 

「姉だよ姉。2人とも年は16。訳あって留年してる」

 

「ふーん。ってか、礼司の方が弟なの意外だわ」

 

「それは俺も思う」

 

 恵も参戦してきた。これで3:2で俺の勝ちだな。

 

「はぁ!? ムカつくんですけど!」

 

「姉より優れた弟は居ない。そう本に書いてあった」

 

「漫画だろそれ……だったら俺に勝ってから話を始めるんだな」

 

 夏油の所で呪いを見てきたのか、2人とも呪術のセンス自体は結構ある。だがまだ負けてやるつもりはない。俺の目標は五条先生だからな。

 

「お給料の件でも思ってたけど、礼司ってどんくらい強いの? どこでもドアも戦い向きって感じじゃなさそうだし」

 

「お、じゃあ今度賢い戦い方ってもんを教えてやるよ」

 

「……因みにだが、礼司は五条先生以外の、全ての術師が束になってかかっても倒せないぞ」

 

 流石に話盛りすぎじゃない? 強いと思ってくれるのは嬉しいけどさ。

 

「マジで!? もう漫画じゃん!」

 

「俺も礼司に呪術の使い方を教えてもらったからな。虎杖もあと一か月もすればこいつの凄さが分かるぞ」

 

 コイツ、なんだかんだ懐くような距離の詰め方するからな。犬系と猫系の良いとこ取りみたいな性格してる。ちょっと鼻がムズムズするわ。

 

「うわー。伏黒の奴、めちゃ礼司にラブじゃん」

 

「……その類の女子には人気出そうな組み合わせ」

 

 あ、恵がキレてる。そりゃ勝手に男友達とカップリング作られたらキレるよな。俺? 霞ちゃんで慣れた。

 今の女の子って普通にBL好きだよね。映画とかドラマとかでも普通にそれメインの話多いし。

 

「お疲れー。お! 美々子と菜々子も揃ってるじゃん! これで新しく入ってくる子以外、全員集合だね。ってどったの恵」

 

「……なんでもないです」

 

 何とも絶妙なタイミングで五条先生がやってきた。恵も吐き出せない激情を飲み込んでため息を吐いている。今度生姜に合う料理作ってやるよ。だから今は我慢して。

 

「じゃあこれから悠仁には高専の寮紹介するから、礼司たちは明日原宿ね、時間は後で伝えるから」

 

「ん、オッケー」

 

 自宅前にポータルを開こうとすると、悠仁が不思議そうな目でこちらを見て来る。

 

「あれ? 礼司たちは寮行かないの?」

 

「礼司の貯金思い出せよ。寮なんか住まなくても問題ないだろ」

 

 俺も昔は諸々毎月5万で生活してたのにな……変わっちまったよ。

 

「そっかー。じゃあそっちの姉ちゃん2人も?」

 

「もちろん。あたしら一緒に住んでるし」

 

「姉弟で術師の才能あるって結構珍しいんじゃない?」

 

 あ、そう言えば義理だって言ってなかったな。

 

「礼司たちの姉弟関係は義理だ。実際に血が繋がってるわけじゃない」

 

「そうそう。と言っても、肉親で術師ってのは案外いるもんだよ? 術式って遺伝するし」

 

 感心したように息を吐く悠仁を背にポータルに入る。今日こそは2人のご機嫌取りをしないと、後々つけが回ってくるから急がないと。

 

「因みに、あの2人と礼司の初対面は、大体1年前くらいだ。同棲してるのも、あの2人が一緒に住みたいって言ったことが始まりだ」

 

「え!? じゃあ何、さっきの婚約者って言うのも」

 

「あの2人が礼司に好意を持ってるって話は、俺らの間じゃ割と有名な話だ」

 

 ……余計なこと言いやがって。絶対俺が居なくなった後その話で盛り上がるだろ……ウザ。

 

「モテるんだなぁ……礼司って」

 

「中学では主に先輩で構成されたファンクラブがあったらしいぞ」

 

 ────現実逃避を目的に、俺は急いでポータルを閉じた。

 

 

 

 

 

 ポータルで自宅から駅のトイレに出た俺は、すぐ近くの集合場所へと向かう。正直呪力の無駄遣いだけど、朝の睡眠時間には代えられない。

 お、居た居た。五条先生は相変わらず遅刻か……まあ、余裕あるからいいけどさ。

 性格こそ真逆の2人だが、悠仁自体がコミュ力あるタイプの人間だからか、意外とすぐ仲良くなってる。悠仁の性格が、恵の琴線に触れてるってのも大きいだろうけど。

 

「6人で多い方って言ってたけど、流石に少なすぎねぇ?」

 

「じゃあオマエ、今まで呪いが見えるなんて奴。会ったことあるか?」

 

「……ねぇな」

 

「それだけマイノリティなんだよ、呪術師は」

 

 そんな2人に手を振りながら歩いていく。背が高い自覚はあるが、この人混みだと気づかなくてもおかしくない。

 

「おっす2人とも。お! 悠仁制服間に合ったんだ。似合ってるじゃん」

 

「おはよう礼司。おうっ、ピッタシ。でも皆と微妙に違ぇんだな」

 

 ワンポイントのフードが付いてる。なかなかいいセンスしてるわ。

 

「その様子じゃ俺と同じで、五条先生が勝手にカスタマイズ頼んだ感じだな?」

 

 相変わらず子供みたいな人だよなホント。これで滅茶苦茶強いんだから質が悪いわ。

 

「あ、なるほどね。じゃ多分そうだわ。礼司はどんなカスタマイズしてもらったの? 見た目は同じっぽいけど」

 

 やっぱカスタムって憧れるよなー。俺もそうだもん。

 

「気になる?」

 

「気になる気になる!」

 

「じゃあ披露しちゃうか。まずは制服の内側をご覧ください」

 

(なんか始まったよ……)

 

 ボタンを外して中に張ってある物を悠仁に見せる。

 

「これは……なに? お札?」

 

「そう。俺の呪力が込められていて、俺の術式をサポートしてくれる。これを平らな壁に張れば、日本中どこでもテレポートできる優れモノだよ」

 

「すげえ! チョー便利じゃん!」

 

 毎回いい反応をしてくれるから悠仁は教え甲斐がある。恵なんかはずーっと無表情だから何考えてるか分かんなくて大変だったからな。

 

「そして最後に……じゃじゃん!」

 

 袖口に空いた穴から、刃渡り15㎝ほどのナイフが出て来る。術師にのみ見えるようにした次元剣だ。自由に飛ばせるから別にいらないんだけど、こういうのは雰囲気が大事なのだ。

 

「うぉ! かっけぇ! アサシンクリードじゃん!」

 

「お、知ってる? いいセンスしてるねー」

 

「映画で見たことあるから……ってヤバいじゃん! ここで出したら通報されちゃうって!」

 

 あ、やべ。説明忘れてた。

 

「大丈夫だ。礼司のコレは、術師にしか見えないように設定してある。お前も説明すんならちゃんとしろ」

 

「ごめんごめん」

 

 そんなやり取りを続けていると、五条先生が少し遅れてやってきた。

 

「おまたせー! あれ? ミミナナどこ行ったの?」

 

「新しいクレープ屋に行くってそれっきり」

 

 絶対朝から食うもんじゃないと思うんだけど。

 

「あ! 俺もクレープ食いたい!」

 

「それより。何で原宿集合なんですか?」

 

「本人がここが良いって」

 

 

 

 

 

「────そんじゃ改めて。釘崎野薔薇。同級生がこんな美少女だなんて、恵まれてるわよアンタ達」

 

 癖強い子来たな……サラッと無かったことにしてるけど、さっきもモデルのスカウトの人に自分から行ってたし。まあ自己肯定感高いのは良いと思うけど。

 

「俺、虎杖悠仁。仙台から」

 

「伏黒恵」

 

「天鳳美々子! 女子同士だし、仲良くしよー」

 

「天鳳菜々子。よろしく」

 

「天鳳礼司。よろしくね野薔薇ちゃん。こいつら2人は俺の義姉。同年代の友達いないから仲良くしてやってくれ」

 

 自己紹介をしたは良いが、絶対失礼な事考えてるよな。顔に出てるもん。

 

(────名前呼び+ちゃん!? 同級生なのに姉とかいう意味不明な事は置いといて、あたしチャラ男無理なんですけど!)

 

「はぁ……私ってつくづく環境に恵まれないのね」

 

 ほら来た。数少ない呪術師の仲間なんだから、仲良くしようぜ……

 

「これからどっか行くんですか?」

 

「フッフッフ。せっかく1年が全員揃ったんだ。しかもその内2人はお上りさんと来てる。行くでしょ? 東京観光」

 

 ……恵と目が合う。なんとなーく先の展開は予想が付いた。五条先生も人が悪いんだから。

 

 

 

 

 

「いますね。呪い」

 

『嘘つきー!』

 

 そらそうよ。五条先生がそんな素直に観光なんてさせてくれるわけない。まあ大方野薔薇ちゃんの適性を見る感じだろうな。

 

「礼司。私終わるまでお店みたいんだけど」

 

 五条先生が悠仁と野薔薇ちゃんに説明を行っている中、美々子と菜々子がポータルを開けとせがんでくる。まあそこそこ時間かかるだろうし、別にいいとは思うけど。

 

「五条先生に聞いてきな。2人が終わるまでだったら大丈夫だと思うけど」

 

 あんまり路上に大人数でいるのも良くないからな。

 説明を終えた五条先生の下に向かう2人。それを見た恵が俺に話しかけて来る。

 

「お前甘すぎるんじゃないか? あの2人に」

 

「なに? 恵も一緒行きたかった? 別にあの2人ならいいって言うと思うけど」

 

「茶化すな。第一、まだアイツらは苦手だ」

 

 結構はっきり言うのね。まあ元呪詛師だし、まだ折り合いはつかないか。

 

「……まあ言いたいことは分かるけどさ、あいつらの今までの人生考えてみろよ。別にちょっとワガママ言っても罰なんか当たんねえって」

 

「……」

 

「それにこいつらは俺にとっての……いや、何でもない」

 

 流石にこれを引き合いに出すのは人として終わってるか。あぶねえあぶねえ。

 

「『俺にとっての唯一の家族』か?」

 

 バレちゃったか。ったく何やってんだ俺。

 

 ────少し長くなるが、恵の出自についての話を聞いてほしい。こいつ父親の名字は禪院。お察しの通り御三家の血筋だ。それだけだったら問題ないんだが、皮肉なことに禪院家相伝の術式『十種影法術』を持って生まれてきたせいで、呪術師にならざるをえなくなった。

 当時中学生だった恵は、そりゃあ呪術師になりたくないって騒いでた。最初に呪術教えに行った時もめっちゃ反発されたし。そんな恵が術師を真面目に目指そうとした理由が、彼の腹違いの姉であり、たった一人の家族でもある津美紀さんだった。

 善人だった彼女が呪いによって倒れ、「幸せになるべき善人が報われないこと」に嫌気がさしたんだろう。術師になって、善人が幸せを享受できるような世界を作ることを決意して、恵は術師になった。

 

 ────そんな恵の前で、唯一の家族だから甘やかしてるだって? ふざけてんじゃねえよ。

 

「……ごめん」

 

「下手くそな気遣いしてんじゃねぇ。津美紀も、お前にそんなことされて喜ぶと思うか?」

 

「でも……」

 

「唯一の家族なんだろ、大事にしろよ。俺が悪かった。自分の気持ちに、折り合いがついてなかった」

 

 こいつは、「幸せになるべき善人」に自分のことをカウントしてない。だから自己評価が低いんだ。ホント不平等だよ。この世界は。

 

「分かった。だが俺は、お前との約束を忘れたつもりもないからな」

 

「……何で覚えてんだよ」

 

 お、めちゃくちゃ目そらした。別に俺、何も言ってないんだけどなー。

 

「ニヤニヤしてんじゃねえ。ウザい」

 

「ククク……ごめんって。っちょ!? 引っ叩くのはなしじゃない!?」

 

「うるせぇ」

 

 

 

『約束する! ……俺、絶対津美紀さんの呪いを解く! だからお前も、いい加減腹くくれよバカ!』

 

 

 

(呪力すらロクに使えなかった俺をバコスコぶん殴りやがって……ありがとな。礼司)

 

 

 

「ん?どうかしたの恵」

 

「何でもねえよ」

 

 

 




その言葉が、どれだけ彼にとって救いになったのでしょうか?

改行について

  • 会話の間に改行入れてほしい(今まで)
  • 入れないで欲しい
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