術式がドラ〇もんの道具で説明できるんだが?   作:妄想癖のメアリー

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前半は礼司君視点で進みます。

ちょっと短いです。


師弟関係誕生?

 

 

 

「よし、これで大丈夫。まったく。あんまり無理するんじゃないよ?」

 

「……ありがとうございます」

 

 後頭部にできたたんこぶを治療をしてくれた家入さんにお礼を言う。

 いや、こんな事に能力使わせて、ホントすいません。

 ……調子に乗るとろくでもないな。ホントに。

 

「あははは! いやーホントウケる! マジで」

 

「いつまで笑ってんだよ!」

 

 怪我を治療してもらっている最中も、ずっと笑ってる五条先生。ホントいつまで笑ってんだよ……

 

「いやーだっておもろいんだもん。合格貰って、意気揚々と術式を見せてやる! って言って速攻お説教って」

 

「……うるせえな」

 

「RTAでもしてんの?」と。ここぞとばかりに煽ってくる五条先生に、自然と子供のような態度を取ってしまう。

 何分間違ってないから、余計に腹が立つ。

 

 ────あの後五条先生の術式でポータルを壊してもらっため、大事にはならなかったが……いや、大事だ。

 怪我人こそ俺だけで済んだものの、あの広くてきれいなグラウンドは、今や見るも無残な事になっているだろう。

 

「それにしても、中々ポカしたね? 先生こんなに張り切ってくれると思ってなかったよ」

 

「上から見てたけど、トラックと芝生半分くらい取れてたよ? 一体いくら修理にかかるのやら」

 

「はい……すみません」

 

 夜蛾学長にもこっぴどく叱られた。

 しかも頭ごなしに怒るのではなく、俺のことを心の底から心配してのお叱りだったから、余計に心に刺さる。

 

「まあでも良かったんじゃない? 何ともなくて。あれだけやる気ある中鍛錬で死んじゃったら、成仏しきれず呪霊になっちゃうよ」

 

 ……この人はいっつもふざけてる癖に、たまにいいこと言うからズルい。

 

「金ならいくらでもあるし! 大丈夫だよ。腐ったミカン共に払わせればいいし」

 

「そういう問題じゃねえよ!?」

 

 やっぱり倫理感ぶっ飛んでるわ。俺が言えた義理じゃないけど。

 そんな俺たちのやり取りを見ていた伊地知さんが、ビクビクしながら五条先生に話しかける。

 

「その……上にはどのように報告するつもりですか? 礼司君は高専にすら所属していない子供です。その子供が……こんな」

 

 伊地知さんがこちらをチラチラと伺う……引かないでよ。悲しくなるからさ。

 確かに。どう説明するんだろう。

『呪術師の小学生が、調子に乗ってぶっ壊しました』とでも言うのかな? 

 ……だとしたら、俺の呪術師生活は、始まって一日で終わりを迎える事になりそうだ。

 

「んー。どうしようね?」

 

「いっそ弟子にでもしてしまったらどうだい? お前のネームバリューなら、あいつらも下手に手が出せないだろう」

 

「私天才かも」と語る家入さん。

 ……俺が弟子に? 五条先生の? 

 

「お、いいねそれ。どうせ今後は僕が保護者になる予定だったし」

 

 五条先生も乗り気のようだ。

 マジか、こんなトントン拍子で進むもんなのか? 

 助けを求めるように伊地知さんに目を向けるが、「諦めてください」と目が語ってる。

 

「ちょ、そんな簡単に決めちゃ駄目でしょ!? 俺が五条先生みたいになっても良いんですか2人とも!?」

 

「君遠慮しなくなったねー。仮にも僕先生よ?」

 

 隅っこでしょぼくれているこのバカ目隠しは置いておくとする。

 そんな世にも恐ろしい脅しをかけるが、2人ともまったく気にする様子がない。

 

「あっはは。君が五条に? 無いない。こいつのクズさは生まれつきだよ」

 

「ええ。恐らく君が苦労人になって終わりでしょう」

 

「伊地知。後でケツバットね」

 

「何で私だけ!?」

 

 一体どんな信頼だよ……

 後、伊地知さんを虐めないであげて。俺が悪かったから。

 

「礼司は僕の弟子になるの、そんなに嫌?」

 

 ……その聞き方はズルくない? 

 

「……嫌じゃないけど、それって俺のやった事の責任を先生がとるって事でしょ? ……住むところも用意してもらってるのに、悪いなって」

 

 だってそうじゃん。これからいろいろ迷惑かけるかもしれないのにさ。

 そんな俺に対して、五条先生は呆れたようにため息を吐く。

 

「君、自分の年齢分かってる? いくら今まで1人でやれてきたからって、ホントはランドセル背負ってなきゃいけない年齢なんだよ? 子供のやった事の責任を取るのが、大人の責任なんだよ」

 

「そうかもしれないけど……」

 

「今回に限っては、五条が言ってることが正しいよ。第一、君はこいつに言われて術式を使った。そこに間違いはない」

 

 俺の頭に手を置いて撫でながら語る家入さん。

 だがそう簡単に割り切れる話でもないのだ。

 

「そうそう! 僕なんて10歳のころは術式でムカつくやつぶっ飛ばしてたから。それに比べれば優等生だよ」

 

「あんたと一緒にするな……分かった。ありがとう五条先生」

 

 ここまで言われてしまっては、逆に否定したら野暮だろう。

 本心からのお礼だったが、五条先生は真面目に受け取るつもりはないようだ。

 

「何改まっちゃって。ウケる。それにちょっと泣いてる? わー泣き虫」

 

「あまり虐めてやるな。お姉さんが慰めてあげよう。ほら、よしよーし」

 

 ……泣いてないし。家入さんも抱き着いてこないで欲しい。後、滅茶苦茶棒読みだし。絶対からかってるだけだ。

 

「うげぇ。それ、マジで似合わないよ? キッモー」

 

「たまにはいいだろう? 包容力のあるお姉さんキャラも」

 

「ほら、もう一回撫でてあげよう」とか言ってる。

 ……もし俺に年上の兄弟がいたら、こんな感じだったのだろうか。

 

 

 

「────じゃ、そういう事だから。伊地知、上の奴らに伝えといてね。僕これから礼司の特訓メニュー考えるから」

 

 

 

 ────こういうところはマジで似ないようにしよう。

 

 そう誓いを立てた昼下がりであった。

 

 

 

 

 

 

 

「────礼司は呪力操作に関してはほぼ完璧だから、術式の方。スタミナをつけようか。はい、これ」

 

 時間は過ぎて夜。俺と五条先生は、自宅のリビングで座っていた。

 呪力の特訓はやらなくていいらしい。

 

「これ、何?」

 

「見てわからない? ()()()()()だよ。丁度伸びてたからさ、切ってもらったやつパクッてきたの」

 

 いや、見りゃ分かるけど、そういう意味じゃねえよ。

 って。床に落とすなよバカ!? 掃除大変だろ! 

 

「……髪の毛を使って何すんの? こんなちっこいの、ポータルに入れても大して変わらないよ」

 

「じゃあ試しに入れて見なよ」

 

 ……なんか嫌だな。って、何だこれ!? 

 

「重!?」

 

「君の作り出す異空間は、実際の物の大きさや重さの他に、()()()()()()()()()も重さとして認識するみたいだね。

 

 朝に君のポータルに『赫』をぶち込んだ時、すぐ壊れたでしょ? 多分それと同じ原理かな」

 

 吐き気と倦怠感を押さえつける俺に、五条先生は続けて語る。

 

「便利なポータルも、すぐ壊されちゃったら意味ないでしょ? この特訓は必ず役に立つよ。それともどうする、諦める?」

 

「そんなこと、一言も言ってねえだろ……やってやるよ」

 

「いいね。これ全部入れても平気なくらい強くなったら、僕の行きつけの焼肉奢ってあげるよ?」

 

「その言葉、忘れないでね五条先生」

 

 ……こんな性格しておいて、教えるのとかやる気出させるのマジでうまいよなこの人。

 俄然やる気が出てきた。まずは四分の一から頑張ろう。

 

「あ、もっとあった。これも含めてね」

 

 そう言ってさっきの倍の量の髪の毛を取り出す五条先生。

 ……やっぱクソムカつくわ。

 

「だから! 床に置くなっちゅうの!」

 

 白い大理石に白い髪の毛は掃除しにくいだろうが。

 

 

 

 

 

 

 

「それで、どうだった。天鳳の奴は」

 

 礼司が己を襲う倦怠感と戦っている中、五条は夜蛾と件の子供について話していた。

 

「学長を怖がってたって感じ? ……冗談冗談。怖い顔して子供好きなんだから」

 

 一発ボケをかました後、彼に対する評価を述べる。

 

()()()。間違いなく。術式もそうだけど、一番すごいのは彼の目だ。傑と会った時は、確かに準一級の上の方って感じだったけど、もう既に一級術師と並んでも遜色ないくらいになってる。あれで黒閃を経験してないんだ。僕を超すポテンシャルは、間違いなくあると思うよ」

 

 ニコニコと楽しそうに語る五条に対し、夜蛾の表情は硬いままである。

 心配性な彼に呆れながらも、その可能性を捨てることは、五条にもできなかった。

 

()()()()()()()()()()

 

「ある。術式が術式だし、早いうちに上層部に消される可能性もあるだろうね。あそこまで暗殺に向いている能力、僕は見た事無いよ」

 

「……そうか」

 

 最悪の可能性を想像したのだろう。その表情を一層歪める夜蛾だったが、五条の方は心配していないようだ。

 

「だからそれまでに強くする。並みの術師じゃ手が出せないくらいにね。これから体も呪力も成長するだろうし、育てるのが楽しみだ」

 

「僕の一番弟子は、将来有望だね」とご機嫌に語る五条。

 

「分かっていると思うが、余り入れ込みすぎるなよ。呪術師は、いつも死と隣り合「あんま萎えること言わないでよ」……」

 

 

 

「────死なせるつもりも、傑に渡すつもりもないよ。だって、僕の一番弟子だからね」

 

「……ならいい」

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ、礼司君は悟の弟子になったのか。まあ。悟らしいと言ったららしいけど」

 

 そう楽しそうに呟くのは夏油。礼司が初めて会った呪術師で、彼の師匠の悟の親友でもある男だ。

 

「夏油様。誰の話をしているの?」

 

「そんな話より、いっしょに遊んでよー」

 

 そんな彼の思考に割り込んでくるのは、2人の少女。年は礼司と同じくらいだろうか。

 

「君たちと同じ、呪術師の卵さ」

 

「私たちと同じ?」

 

 お互いの顔を見あって、こてんと首をかしげる2人。

 礼司と接した夏油は少し麻痺をしていたが、基本10程度の子供はこんな感じだろう。

 

「ああそうさ。もし会う事があったら、仲良くしてあげて欲しい。────私たちの家族になる予定の子供だ」

 

「家族が増えるの?」

 

「私別にいらなーい。夏油様が居ればそれでいいもん」

 

「わ、私も!」

 

 そんなことを言う可憐な双子に、微笑みかける夏油だが、しっかりと叱るところは叱る。

 

「こら、そんなこと言ってはいけないよ。私達呪術師は、皆平等に家族なんだから」

 

「一緒に住んでないのに家族なの?」

 

「私、よくわかんない」

 

「今は分からなくてもいいさ、時間はいくらでもあるんだからね」

 

 2人をなだめた夏油は、たった1人の自分の親友に向けて呟く。

 

 

 

 

 

「────彼、礼司君は私が最初に見つけたんだ。君に渡すつもりはないよ」

 

 

 

 

 




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