変な勧誘に返事をしたら魔法少女にされちゃった!?
一体どうなる!?

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多分続きません




「はぁ…」

 

 

会社が終わり、ようやく帰れると思った矢先、突然の豪雨に見舞われた。

 

 

「ッ、今日は雨降るなんて予報でも言ってなかったろ…」

 

 

悪態をつきながらスマートフォンで最寄りのコンビニを探す。ここから駅まで行くにしても、傘を差さずにとなると着く前に全身が濡れてしまうだろう。

 

 

「…走るか」

 

 

バッグを傘替わりに、コンビニまで走り出した。

 

28歳、ブラック企業務め、彼女なし、趣味は特段ない。

上等な容姿と性格ではないが平凡程度であり底辺よりはマシ、という自尊心だけが生きる活力。そんな男だ。

 

 

「クズって事は認めるけど、この悪運はねぇだろ…」

 

 

視界に捉えたコンビニへと駆け込む。そこそこ濡れたが…まあマシな部類だ。店員の気に抜けた挨拶が聞こえてくる。早速ビニール傘をレジへと運んだ。

 

 

「レシートは?」

 

「要らないです」

 

 

淡々と料金を払い、ビニール傘を受け取る。電車の時間まで余裕があったが少し急ぎ足でコンビニを出る。

 

 

「やっぱ激しいな…ん?」

 

 

大型ビジョンを見れば、"昨晩、公園で焼死体が発見された"というニュースが放送されていた。この街では時々あることだ。"何も無い場所での溺死""食事中の家族が餓死"といった不思議な死に方が。

 

時々あるといっても半年に1回出るかどうかといった程度で、住民も気にしている様子はない。

 

 

「まあいいや」

 

 

そういう俺も気にしていない。何故だか、自分には関係ないと思ってしまうのだ。あくまで非日常の出来事で、自分には関係ないと。

 

 

「────」

 

 

誰かが腕を掴んだ。ふと振り返って見れば、ローブを被った人物がそこに居た。顔は雨のせいかよく見えない。

 

 

「あの、離してくれませんか?」

 

「────」

 

 

口を動かしているのは見えるが、雨の音に掻き消され全く聞こえない状態だ。だが、こんな知り合いは私の知り合いには居ない。きっと宗教勧誘とかだろう。そう思いお断わりの言葉を告げる。

 

 

「すみません、急いでるんで…」

 

「────」

 

 

すると相手は首をブンブンと横に振る。いや、俺は急いでるんだが。心の中で文句を浮かべていると腕を掴む力が段々と強くなっくる。

 

 

「…痛い痛い痛い!分かった、分かりましたよ!」

 

「────!」

 

 

このままでは腕が折れる、そう感じたから話だけ聞いてすぐに帰ろう、そう思って返事をした瞬間……意識が途絶えた。

 

 

 

──────────────────────────

 

;???

 

 

気が付けば、真っ暗な闇の中に居た。四肢は固定され、口にはなにか大きな物が詰め込まれており喋ることもままならない。

 

 

「ンーッ!ンーッ!!」

 

 

どれだけ頑張っても、くぐもった声しか出せなかった。怖すぎるし不安でしかない。変な人に話しかけられただけでこれだ、どうやら俺の運気は底辺だったらしい。

 

視界も恐らく何かで塞がれているらしい。絶望的で最悪な状況だ。

 

どうにかできないかと思考を巡らせていると、カツカツと誰かが近付いてくる音がした。恐らくハイヒールで、その人物は女性だろう。

 

 

「そろそろ安定期に入ったかなー?」

 

 

その声が聞こえた瞬間、出来る限りの力でもがいた。

 

 

「ンーンッ!!ンーーッ!!」

 

 

だが、手足の拘束はビクともせず、やはり口から言葉は出せなかった。どうしてか、身体に力を入れずらい。

 

 

「あらあら元気ね、ちょっと待ってなさい」

 

 

シュルリ、目元を塞いでいた布を取られる。急に目に光が入ったせいか、眩しく感じて瞑ってしまう。

 

 

「こっちも外しちゃおうかしら」

 

 

次に口に詰め込まれていたものが取り出される。異物感がまだあるが、気にしている場合じゃない。すぐに声をあげた。

 

 

「何だよこ、れ…」

 

 

説明しろ、そう言いおうとした途端、新たな疑問が生まれてしまった。

 

"声が高かった"。普段より、柔らかい質感の声だった。

 

 

「どういう事だよ…?おい教えろお前!!」

 

「ちょーと待ってねー」

 

 

視界もハッキリし、眼前の女性に説明を求める。それに対して女性は銀色の髪を揺らし、手元のタブレットを操作した。

 

すると無機質だった天井に、少女の姿が写し出される。

 

雪のように白い肌に、サイドテールの銀髪。衣服はさながら入院患者といった所だろうか。自分と同じように手足は拘束されている。

 

 

「これが君だよー、うんうん流石私の娘」

 

「………?」

 

 

…訳が分からない。どうかこれが夢でありますように。

あまりの情報量に思考が停止しそうになる。

 

 

「いやー、君が承諾してくれて助かったよ」

 

「は?」

 

「ん?あの時分かったって言ってくれたじゃないか」

 

「いや言ってない…」

 

(いや待てよ?思い返してみれば言ったかもしれない…けど絶対そういう意味で言った訳じゃ無い筈だしこの人に言った覚えもない…)

 

 

冷静に過去の事を思い出しながら考える。ついでではあるが、自分の分かる範囲では記憶に違和感はないことにも気づけた。

 

 

「あー、なるほどね。もしかしてあの時の言葉、聞こえてなかった?」

 

「説明するとね、私と君の受精卵を急速成長させた身体に君の脳の…えーと、ざっくりいうとデータをまるまるコピーしたのさ」

 

(ん?)

 

「そして魔法少女になる素質もしっかりとある」

 

(んんん???)

 

「まあなんだ、君は魔法少女になる。OK?」

 

「全然OKじゃない」

 

 

突然のこと過ぎてまた頭痛がしてきた。というか魔法少女って巫山戯てるのか?いやもうこの状況が巫山戯ているし、そういうものとして聞くしか道はないみたいだ。

 

 

「あ、君に拒否権なんてないからね、えーと…"マルグリット"」

 

 

マルグリット、恐らく俺の名前だろう。それを聞き、天井に写った自身の身体を再び見る。しかしまあ、こんな身体になってどうにかこうにか出来るわけがない。仮に警察に駆け込めたとしてもホラ吹き扱いが関の山だ。

 

 

「分かった、お前がやれって言う事はやる」

 

「お前じゃなくて"クレア・シューゲル"だよ。あ、お母さんでもいいよ?」

 

「そ・の・代・わ・り!俺の面倒はしっかり見てくれるんだよな?」

 

「もちろん。…でもひとつだけ、条件がある」

 

 

突然、神妙な顔付きで語るクレア。辺りの空気も重くなったように感じ、思わず息を飲む。

 

 

「俺じゃなくてボクって言って?」

 

 

マルグリットは、酷く、ガッカリした。

 

 

「…それじゃあ早く外してくれない?」

 

「あ、手足固定してたね、そういえば」

 

 

マルグリットは、再び、ガッカリした


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