その首置いてけザフト共 作:みども
作戦を練り直し行われた、オペレーション・スピットブレイク、第二次パナマ攻勢。
攻勢をかけるザフトは再編した戦力を主に3つに分け、海と空から3箇所より同時に強襲上陸を仕掛けるかたちでパナマへと侵攻してきた。
「橋頭堡を確保しろ! ディン隊は制空権を確保、グーン隊は海より支援砲撃を仕掛け、使い捨て対ビームシールド装備のジンワスプ隊とゾノ隊を前衛として上陸! 戦線を力任せに押し込み、陸上部隊を上陸させるのだ!」
ウィラードの指揮のもと、第1派のグングニール投下ポイントを確立するために海上を制圧したザフトが次々とパマナに上陸を仕掛ける。
重装甲のゾノと、即席の使い捨て対ビームシールドを装備したジンワスプを先陣に盾として展開し、迎撃に出てきたストライクダガーの大軍の攻撃を防ぎつつ、グーンとディンによる海と空からの援護のもと上陸戦力を逐次投入。
確保した橋頭堡から前線を押し上げ、グングニール降下ポイントの確保を目指して攻勢を仕掛ける。
緒戦で海上戦力に甚大な被害が出ていたこと、艦艇などよりもその性能からダガーの大量生産を優先していたことなどから、海上戦力の不足していたパナマ守備隊は海戦による迎撃の戦略を当初より放棄しており、ストライクダガーの大軍を用いた陸上での迎撃体制を整えていたため、ザフトは上陸に関しては苦戦することなく遂行することができた。
しかし、上陸とともに迎撃に出撃してきたストライクダガーの大部隊が橋頭堡の確保を目指すザフトの攻勢の前に立ち塞がる。
プラント本国からカーペンタリアに送られた援軍もあり戦力の増強をしてきたザフトだが、大西洋連邦がパナマに補充してきた戦力はさらに圧倒的なものであり、数でザフトを圧倒的に上回るストライクダガーが強固な壁となった。
ジンのバルルス改よりも高威力かつ射程も長く、軽量で小さいためシールドと併用した取り回しが可能なストライクダガーのビームライフル。
機銃や散弾銃にも耐えられるシールド。
出力、機動力においてザフトの主力MSであるジンやディンを上回るストライクダガーは、パイロットの技量に依存せずそのスペックを一定以上引き出せる操縦サポートAIによりナチュラルでも戦える。
設計や武装が簡略化されていることで生産性を重視されて作られ、さらにまだ改善や戦場に対応した進化の余地を十分に残す、最初期の量産機として非常に優れたMSとして完成されたストライクダガーは、その数の暴力もあり上陸を仕掛けるザフトの前に堅牢な要塞として立ち塞がってきた。
所詮はナチュラルのおもちゃなどという認識がありビーム兵器対策が不十分だった第一次上陸作戦の時と違い、今回のザフトは油断もなくまたストライクダガーの対策として使い捨ての対ビームシールドを搭載したMSを盾がわりに用意してきた。
これにより、圧倒的な数を生かし上陸の瞬間を狙ってくるストライクダガーのビームライフルによる飽和攻撃と言える大量の攻撃の被害を抑えることはできたが、それでも連合のストライクダガーの大軍の前に攻勢の足は容易に止められてしまう。
「くっ……こいつら、なんて動き──ぐあ!?」
ストライクダガーの操縦サポートAIの基礎に入っている戦闘データは、MSを駆使してMSと戦ってきた連合に属するコーディネイターたちの経験が生かされたデータをベースとしている。
主敵であるザフトの主力兵器がMSだったことから、MSに対抗するMSをコンセプトに作られているストライクダガーは、対MS戦闘の経験が圧倒的に劣るザフトを相手に数の優勢とスペックの高さを活かして、これまでの連合とは一線を画すザフトと一対一でも勝つことが困難ではない戦闘をこなせる。
それは数を質で埋めてきたという今までのザフトの戦略を根底から崩す新兵器であり、ビーム兵器の対抗策を用意するという付け焼き刃では押し切れない強さを見せつけてきた。
「何度来たって同じなんだよコーディネイター!」
「今までの借りを返すぞ! 海に叩き落とせ!」
「ナチュラルどもめ……!」
3箇所から上陸を仕掛けたザフトだが、圧倒的な大軍、そしてストライクダガーという新兵器で対抗してくる連合に押し戻され、1箇所では橋頭堡の確保に失敗し上陸部隊が蹴散らされて海に叩き落とされる始末である。
戦況の不利を見たウィラードは、せめて1箇所でもグングニールを起動する拠点を地上に確保しなければ戦線を押し上げることもできないと判断し、残る2箇所の上陸ポイントのうちの1箇所に増援を派遣することとした。
「スコルツェニー隊に打電だ。上陸ポイントCに対して攻勢を仕掛けるように命令を出せ。ナチュラルども──とりわけ大西洋連邦の連中は奴にジブラルタルで受けた仕打ちがあるからな、すぐに群がるだろう。上陸ポイントCを囮として連合戦力を誘引し、奴らが撃退に成功したと油断している上陸ポイントBへ機を見て本命の戦力を注ぎ込み再上陸を敢行。のちグングニールを投下する。上陸ポイントBを基点にパナマ攻略を目指す!」
「了解!」
ウィラードは、上陸に成功している南部のポイントへ大西洋連邦の恨みを買っているスコルツェニーが率いる部隊を投入し、連合の部隊を誘引。
その隙に一度海へ撃退されてしまった中央に本命となるイージスとバスターを有するクルーゼ隊を加えた戦力を用いて再度上陸を仕掛け、連合の戦力を引き付ける囮と油断をつく奇襲による二重の攻勢で本命となる第一波グングニール投下ポイントとなる橋頭堡の確保を進める作戦を展開した。
「ウィラード隊よりスコルツェニー隊へ。上陸ポイントCへの増援を要請、直ちに先行している強襲上陸部隊を支援し橋頭堡確保のための戦闘を行ってください」
『この戦況でスカ!? 私のゾノをみたらナチュラルども間違えなく群がってきますけど、ウィラードさんまで私に死んで来いとかいうつもりですかい!? せめて理由を教えてください!』
「囮です」
『あ、そういうこと。じゃあ行ってきます──じゃねえんだよ!』
「あなたが囮となれば、イージスとバスターの属するクルーゼ隊が本命の攻撃を仕掛けられます」
『議長閣下のご子息の為とあれば、このスコルツェニー命を擲つ覚悟であります! 行くぞスコルツェニー隊!』
半分死んでこいというかのような命令に最初は難色を示したスコルツェニーだが、本命の攻撃をアスランの属するクルーゼ隊が敢行するという話を聞いた途端に手のひら返しでやる気を見せて出撃していく。
ヘルマン・スコルツェニーという男。
ザフトの同輩たちの間では、数で圧倒的に優勢ながら負けたウランバートル攻防戦や二台拠点の一角であるジブラルタルを守りきれず失陥するなど負け戦もある為、やる気のある時はある程度活躍するが使えない時は役立たずという気分屋気質な指揮官という認識がされている。
「まったく、ふざけた男だ。だが、やる気になったならば囮くらいにはなるか」
いくら本職のある義勇軍のザフトとはいえ、普段の態度も軍人らしからぬ飄々としたふざけた男なので、ウィラードからの評価は高くない。
それでもやる気になればそれなりに戦果を上げてくるし、あれでも一応新星攻防戦で活躍した実績があるから白服を授かるにいたった男だからと、ウィラードはため息まじりに囮の役目をスコルツェニーに任せ、本命となるクルーゼ隊への攻撃準備をするようにも指示を出す。
「クルーゼ隊にも打電だ。スコルツェニー隊に誘われて戦力が動いた機会を狙い、再度上陸ポイントBへの強襲上陸を仕掛ける為、それにG兵器の参戦準備を進めておけと。それから宇宙の艦隊にも上陸ポイントBへのグングニール投下準備を進めるように指示を出せ」
もたついては、すぐにストライクダガーの大軍が戦線を引き直し海に叩き落とそうと押し寄せてくる。
橋頭堡の確保とグングニールの起動を可能な限り素早く進められるように、各所へ準備を進める指示を出す。
ウィラードからの命令を受け、スコルツェニー隊に続きクルーゼ隊も動く。
上陸準備をすすめるとともに、第一次上陸作戦においてもストライクダガーを相手に圧倒的な戦闘力を見せつけたG兵器であるイージスとバスターの出撃準備も整えた。
また、ウィラードは残る1箇所のいまだに上陸してから陸上でストライクダガーの大軍を相手に攻防戦が続く上陸ポイントAで戦う部隊にも指示を出す。
「上陸ポイントAの部隊にも打電だ。クルーゼ隊の上陸とグングニールの起動後、ナチュラルには混乱が生じるだろう。上陸ポイントBの後続部隊とともに連携し、混乱するナチュラルの部隊を挟撃し構築する戦線を接続する。それに向け、橋頭堡の維持に努めよと」
「了解。ウィラード隊よりティアレ隊へ。この後、上陸ポイントBに対する再上陸を展開する為、その後続部隊と合流するまで橋頭堡の維持に努めよ」
『こちらティアレ隊、了解。しかし、このままでは10分と持ちそうにない、せめて増援を!』
「ダメだ。持ち堪えさせろ」
スコルツェニー隊が動いているとはいえ、その情勢はまだ戦場全体には伝わっていない。
いまだに橋頭堡を残している上陸ポイントAにて戦うティアレ隊を主力とするザフトの部隊に対してもストライクダガーの大軍の攻勢が牙を向いている。
このままでは持ちそうにないとティアレ隊から増援要請が来たが、しかしそちらに増援を回せば囮作戦が看破される可能性があるとウィラードは増援の派遣をしないこととした。
「スコルツェニーが上陸すれば、あやつにナチュラルどもは戦力を割く。戦線を海岸線まで下げても構わん、それまで持ち堪えさせるのだ」
「了解」
第一次上陸作戦の時も、大西洋連邦の軍勢はスコルツェニー隊に群がっていた。
今回もスコルツェニーが動けばそれに釣られるはずだという確信があったウィラードは、囮作戦を看破される可能性を減らすためにもティアレ隊への増援は許さなかった。
そのためティアレ隊をはじめとする上陸ポイントAの橋頭堡の維持を続けるザフト部隊は苦戦を強いられることとなるが、しかしスコルツェニーのゾノが上陸するとともにパナマ守備軍が大多数の戦力を南に差し向けたことでかろうじてその維持に成功することとなった。
「ウィラード隊長、スコルツェニー隊に釣られてナチュラルどもが主戦力を南に差し向けました!」
それは宇宙と海から戦況を観測するザフトの監視部隊を通じて確認され、すぐにウィラードに伝えられる。
思惑通りスコルツェニー隊の囮に連合が食いついたことを確認したウィラードは、クルーゼ隊へ出撃命令を出した。
「よし、本命を出す! クルーゼ隊に出撃命令! 橋頭堡確保とともにグングニールの第一波を投下、起動準備に入るように指示を出せ!」
「了解! ウィラード隊よりクルーゼ隊、出撃を命令します! 上陸ポイントBへの強襲上陸を開始、橋頭堡並びにグングニール降下ポイントの確保をしてください!」
『了解。クルーゼ隊、出撃します』
クルーゼ隊の副官であるアデスが出撃命令を受け、本命となる部隊がパナマに対して強襲上陸を仕掛ける。
イージスとバスターを先頭に、一度の撃退に成功したこととスコルツェニーの登場により戦力の薄くなっていた海岸に展開する連合の部隊に対して攻撃を仕掛けた。
「アディオス、大西洋連邦の諸君! 私はヘルマン・スコルツェニー、元ジブラルタル指揮官であり、スプルーアンスとかいう劣等人種の名将を葬った真の名将、優等人種たるコーディネイターであります! ほら、仇取りたいんでしょ? かかってこいよ。それとも怖気付くのか、そんな数で? 相手になってやるぜキャピタリストの手先共。ニュートロン・ジャマーのせいで貧困層は死ねって言われた哀れで無様な貧乏人、捨て駒軍人にならなきゃ食っていけない可哀想な連中、コーディネイターだったら生き残れる財産築いていたかもしれないのに哀れなことだ──うおっ!? すっごい群がってきたマジかよ!?」
スコルツェニーは上陸とともに、自分がジブラルタルの瓦礫とともにスプルーアンスを消し飛ばした張本人だと堂々と名乗りをあげ、大西洋連邦の目を一気に惹きつけた。
スプルーアンスを敬愛していたパナマの指揮官は仇であるザフトの将の登場に怒りをあらわにし、各戦線に散っていたパマナ守備戦力の大半をスコルツェニー討伐に向けて動かした。
さらにはナチュラルに対する差別発言、エイプリール・フール・クライシスの死者に対する冒涜。
聴く側にとっては耳障りなことこの上ない罵詈雑言は、大西洋連邦の兵士たちの怒りを爆発させる。
その挑発効果は抜群であり、連合の大戦力が南部の橋頭堡に群がり、スコルツェニー隊を加えたザフトの部隊と大規模な激突を起こした。
その代償として、連合は他の戦線が薄くなっている。
その瞬間を狙っていたウィラードの命令により出撃した、イージスとバスターを先頭とするクルーゼ隊を主力とするザフトの部隊が、一度は撃退されたポイントに対して再上陸を仕掛けた。
「頼んだよ、ディアッカ」
「任せといてくださいクルーゼ隊長! イザークたちの仇取らせてもらうぜ。そら、まとめて吹き飛びな!」
まずはバスターが2つの武装を連結させることに超高インパルス長射程狙撃ライフルを用いて、連合の部隊を箒に払われるゴミのように蹴散らす。
バスターの誇る高火力のよる一掃。
その効果は絶大であり、スコルツェニー討伐のために主戦力を出払わせていた連合の残存守備隊を一撃で壊滅に追い込んだ。
「道は開けた。これより上陸並びにグングニール降下ポイントの確保を行う。いよいよ我らの出番だ諸君。各員の奮戦を祈る」
「クルーゼ隊に続け!」
クルーゼの指揮の元、クルーゼ隊をはじめとする部隊がバスターの掃討により空となった戦場に対して一斉に上陸を仕掛ける。
一度海にザフトの上陸部隊を追い返したポイントを狙った再上陸は、バスターの存在もあり連合にとって奇襲となり、目に見えて対応が遅れていた。
南北の橋頭堡で激戦が繰り広げられている中、ほぼ無傷で上陸に成功したクルーゼ隊は、迅速に橋頭堡を確保。
後続を呼び込む拠点を作るとともに、グングニール降下ポイントも素早く確保し戦線を構築。
この頃には連合側もさすがに対応を行い、続々と増援を派遣してきていたが、その前に立ち塞がったのがイージスを駆使するアスランだった。
「アスラン。我々の命運はこの一戦に、君の活躍かかっている。見せてくれたまえ、君の戦いを」
「──はい!」
あの時掴んだ感覚。
自分の中の何かが弾け、思考がクリアになり、世界の全てが自らの思うままに動いているかのような全能感に包まれた、あの感覚。
一度の覚醒を経て、アスランは不思議とその感覚がまるで生まれた時から得ていたかのような、戦場に立てば自在に表に出せる制御を獲得していた。
クルーゼの期待する声、父が期待する声、隣で戦う仲間がかける声。
それに応えるように、アスランは一瞬だけ自分の中に広がる深い海のような思考の中に沈み、その中心に輝くそれを弾けさせる。
「────」
それが弾けた瞬間、アスランの思考は再びクリアとなった。
敵の動きが、味方の動きが、戦場の全てが手に取るようにわかる感覚。
イージスのビームサーベルを展開し、友軍を置いていくようにイージスは単騎で突出しストライクダガーの大軍の中に飛び込む。
「イージス……!?」
約3週間前、パマナに残骸の山を築いたその赤い機体は、パマナ守備軍の中で恐怖の存在として刻み付けられていた。
「ひ、怯むな! 数で囲って──」
怯える部下に発破をかけ戦うよう命令を出すロングダガーに登場する指揮官だが、その言葉は最後まで紡がれない。
無数のビームライフルの光線を一撃の被弾もなく潜り抜けてきたイージスが振り回すビームサーベルによって一瞬で瓦礫に変えられた。
母を奪った憎きナチュラル。
友を奪った憎きナチュラル。
もう、
「うおおおぉぉぉ!」
覚醒したアスランの駆使するイージスは、取り囲むストライクダガーを次々に瓦礫に変えていく。
反撃も掠められず、すぐさま瓦礫に変えられる。
後ろに目がついているかのように後方からの攻撃にも反応し、ビームライフルとビームサーベルを駆使して次々にストライクダガーを撃破していく。
かつて、パナマに瓦礫の山を築いたアスランの駆使するイージスが。
再びパナマを守る連合の部隊にその猛威を振るい始めた。
その活躍はまさに一騎当千。
対峙するストライクダガーの大軍を単騎で蹴散らして戦線に穴を開け瓦礫を量産するアスランに、連合の部隊は被害だけでなく動揺と混乱が広がる。
「グゥレイト! さすがだぜアスラン!」
さらにその混乱でできた穴に、圧倒的な殲滅力を持つもう一つの脅威であるバスターがその火力を生かして次々にストライクダガーを撃破し穴を広げ、被害の拡大しズタズタになった戦列に上陸してきたザフトの部隊が突撃した。
それがさらなる混乱を生む。
スペックにおいてはジンやディンを上回り、操縦サポートAIのおかげでMS戦闘においてはコーディネイターの操るMSとも渡り合える連合のストライクダガーだが、動揺と混乱が広がり戦列も崩壊したところに仕掛けられる攻勢には流石に無力だった。
圧倒的に数で勝る連合だが、いいように撃破されていくストライクダガーはそれまでの活躍が嘘のように、まるでいつものようなMSを相手に質で圧倒され破壊されていくスピアヘッドやリニア・ガンタンクのように蹴散らされていく。
新たにザフトが獲得したこの橋頭堡を中心とした戦線は大きく押され、戦況は一気に動き出した。
「させるかコーディネイター共が! 南に展開する主力と北で交戦する部隊からもありったけの予備戦力を動員しろ! イージスとバスターを落とせ!」
パナマの指揮官はスコルツェニーを使った囮作戦だったことに気づき、すぐに対応する。
スコルツェニーを討とうと南に向けた部隊や、北の橋頭堡を潰そうとしている方面の部隊からも多くの戦力を引き抜き、さらには予備戦力も基地から大量に出撃させて、クルーゼ隊を中心とするこのザフト部隊の対応に動かす。
それにより、連合の戦力が大きくグングニール降下ポイントに集められることとなった。
「グングニール投下! 起動を急がせい!」
そこに、衛星軌道からグングニールが投下される。
「な、なんだあれは……! 思い通りにさせるな! 破壊して仕舞えば関係ない、コーディネイター共を殲滅しろ!」
それが何か良くない結果をもたらすザフトの新兵器であると察したパナマの指揮官は破壊を命令するが、そこに立ち塞がるのが2機のG兵器である。
覚醒したアスランが操るイージスと、圧倒的な火力を持つバスターである。
「グゥレイト! 数だけは多いぜ!」
バスターが自慢の火力を生かし、迫り来る連合の大部隊に対してロングレンジから強力な一撃を叩き込む。
それにより被害が出て戦列に乱れが出た連合の部隊に、指揮官用の白いディンに乗り込むネビュラ勲章を授与されたこともあるザフトのエースであるクルーゼや、黄昏の魔弾の異名を持つミゲル、イージスを扱う覚醒したアスランらが切り込み傷口を作り、凄腕のザフトのエースたちが作った傷口によって乱れに乱れた戦列をザフトの後続部隊が次々と崩していくことで、数で圧倒的に勝る上に兵器の質の面でも互角以上となったダガーからなる連合を次々と撃破して、グングニールに近寄らせなかった。
「起動準備完了!」
「よし、ザフトの栄光をとくと見よナチュラル共! グングニール起動!」
その奮戦と連合側の混乱により、グングニール起動の時間は確保された。
準備が整ったことを受け、ウィラードはすかさずその起動を命令する。
グングニールが放つ強烈なEMP。
電磁パルス攻撃によって、その戦線に集まっていた連合側のすべての兵器が、その機能を失った。
グングニールは対応できるレベルのEMP対策を施せば防げるので、個人的には準備の手間がかかる割に1発限りしか使えない戦略兵器としては二流の代物だと思っています。そしてその1発目を行い威力を見せつけなければ、戦略兵器は価値がない……