その首置いてけザフト共   作:みども

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記念すべきアズにゃん登場回になります。
満を辞して最前線にも赴く盟主王が参上!


悪の三兵器2

 

 

 南アメリカ独立戦争と呼ばれた、パナマ陥落後に起きた傀儡政権対する武力蜂起。

 前期の戦況はパナマ失陥の混乱により大西洋連邦が本格的な介入に時間がかかったこと、大西洋連邦がペルーに築いた巨大MS工場を反乱軍占領したことにより、多くのストライクダガーを獲得した反乱軍側が優勢を獲得した。

 兵力不足を補うために南米からも兵士を徴用しストライクダガーのパイロットとしてパナマの前線に配備していたことが仇となり、パナマを落とした際に大量に発生したその捕虜たちは裏で蜂起を唆していたスコルツェニーが反乱軍へ参加させるために南米にて解放したことで、反乱軍は占領したストライクダガーのパイロットの確保にも成功していた。

 

 わずか1ヶ月でブエノスアイレスの占領を果たし、南米大陸から傀儡政権側の勢力を完全に排除することに成功した南アメリカ合衆国は、悲願の独立を達成することに成功する。

 

 反乱軍改め、新たな親プラント国である南アメリカ合衆国の新政権との協力関係の構築、プラントとの同盟の締結などに関する諸々の話を進めるため、別件でカーペンタリアに赴いていたスコルツェニーは急遽南米に向かうこととなる。

 その際、南太平洋にてそのスコルツェニーが搭乗するボズゴロフ級“ニーラゴンゴ”が連合の新型水中戦仕様MSと遭遇し交戦することとなった。

 海戦の王者であるグーンを4機、ゾノを2機を沈められるという大損害を受けることになるも、敵が単機であったこともあり数で優勢だったスコルツェニーの方が最終的にはゾノを用いて制圧に成功する。

 

 そして捕虜となった新型機のパイロットは、パナマで相対し南アメリカ独立戦争にも参加した連合のエースパイロットの1人エドワード・ハレルソンと親交があることが判明し、スコルツェニーはハレルソンに説得してもらい連合の新型MSをパイロットごと味方に引き入れるべく新政権幹部との会合を済ませた後に急遽ハレルソンを呼び出しその依頼を行った。

 

 捕虜となった新型機のパイロットであるジェーン・ヒューストンと恋人の関係にあるハレルソンは、スコルツェニーからの依頼を即座に承諾。

 大西洋連邦の一方的な侵攻によって一度滅ぼされながらも復興を果たした故郷の国にて、ハレルソンは愛する人との再会を果たすこととなった。

 

 連合の新型水中戦用MS“フォビドゥンブルー”。

 トランスフェイズ装甲を採用している、水中戦用の機体として開発された新型のG兵器である。

 後期Gシリーズの1機として製造されたこの機体は、デュエルをはじめとするザフトに認識されている今までの前期Gシリーズには無かった重力圏内における、とりわけ水中戦に特化した仕様で製造された機体であり、水中戦闘ではゾノやグーンを圧倒するスペックを持つ存在だった。

 

 連合側は次々に新型のMSの開発を進めている。

 南アメリカを味方に引き入れることに成功したとはいえ、MSの技術に関して連合に遅れをとり始めていることを認識したスコルツェニーは、この新型機の存在を本国に知らせるべくハレルソンがヒューストンを説得して味方に引き入れたことを確認した後に機体と共に南米に引き渡し、すぐにカーペンタリアに戻るべくニーラゴンゴの出航準備に取り掛かる。

 

 しかし、出発直前となって大西洋連邦が大規模な艦隊を編成して南アメリカ合衆国を再征服するべく大西洋を南下しているという情報が入ってきた。

 

「え? それじゃあ何かな、私のカーペンタリア帰還も延期ということですかな?」

 

「沈みたければ止めはしません」

 

「はい残りましょう!」

 

 南米に残る部隊の指揮はドライに任せ山積みの仕事を片付けるためにカーペンタリアに蜻蛉返りで戻る予定だったスコルツェニーだが、急遽大西洋連邦の派遣してきた艦隊の迎撃に参加することとなった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 地球連合の実質的な盟主の地位に君臨している、世界最大の資本力を有する大国、大西洋連邦。

 民主主義という名の資本主義者(キャピタリスト)たちの傀儡国家などと揶揄されることも多いこの国において、最も大きな権力を持つ人物というのは、選挙によって選ばれた大統領ではない。

 この国の力の象徴である経済力、それを掌握し裏から操る経済界の重鎮たちが名を連ねる組織“ロゴス”が母体となっている反コーディネイターの過激派組織“ブルーコスモス”のトップに君臨する男である。

 

 彼の名は“ムルタ・アズラエル”。

 若くして数多くの事業にて敏腕を振るい一大財産を築く財閥の長であり、ブルーコスモスのトップの地位に立つ人物である。

 

 その連合の最高権力者と言って良い力を持つ人物は、現在南米の再占領に向かう大西洋連邦の大艦隊の旗艦にてある報告を受けていた。

 

「──なるほど、フォビドゥンブルーは負けましたか。いやぁやはりダメですね、不完全な機体というのは」

 

 その報告は、南米に向かっていたボズゴロフ級と後期Gシリーズの1機であるフォビドゥンブルーが南太平洋にて遭遇し、交戦の結果ザフト側のMS8機中6機を撃破するも制圧され鹵獲されたというものだった。

 

 鹵獲された機体はフォビドゥンブルー。

 現在本国にて開発中である新型MS“後期Gシリーズ”の制式型機、そのテストタイプの機体である。

 

 後期Gシリーズの機体はこの艦隊にも配備されているが、フォビドゥンブルーが鹵獲されたという件に関してアズラエルはさほど動揺した様子はない。

 連合の技術の結晶である後期Gシリーズといえど、フォビドゥンブルーはあくまでも正式機である“ディープフォビドゥン”のテストタイプに過ぎない。ナチュラル用の有人機というMSにはパイロットの安全を考慮した制約があり、結局のところコーディネイターの操る機体とはその可能な動作に変えられない壁が存在した。

 

 不完全な機体。

 フォビドゥンブルーに対するアズラエルの評価はその高くない。失ったところで後継機であり制式タイプであるディープフォビドゥンの前座に過ぎないため、痛くも痒くも無かった。

 

「データは十分に取れているんでしょう? なら、早くディープフォビドゥンの開発を急ぐように伝えてください」

 

「了解」

 

「やれやれ、パイロットもまた機体に合う投資をしてこそ完成するというのに」

 

 最新鋭機であるフォビドゥンブルーが敗北したという知らせを受けてもさして動揺することなく、むしろある意味当然の結果だったというかのようにため息を漏らすアズラエル。

 

 所詮ナチュラルの有人機では、ダガー系統の機体までが限界。

 本命の最新鋭機である後期Gシリーズは無人機か、或いはコーディネイター並の動きをしても問題ない操作を担える()()()()()()()()()()が担当してこそその真価を発揮する。

 それがアズラエルの考えるMSであり、そしてこの艦隊には彼の肝入りで開発されたそのすべての部品が万全に揃っている完成された後期Gシリーズの最新鋭機が配備されていた。

 

「その点、こっちはしっかり完成された機体ですからねえ。先ずは、今後連合から去るなどという地球の国家を裏切る真似をするような愚かな人たちが出ないように、実地試験も兼ねて南米で慣らし運転と行きましょう」

 

 南米の再占領に向かうために大西洋を南下しているこの艦隊には、そのアズラエルの肝入りで完成させた連合製後期GシリーズのMSが3機配備されている。

 

 火力支援と戦闘指揮機能を主体とする、GATーX131“カラミティ”。

 重力圏内における飛行能力を有する、GATーX370“レイダー”。

 特殊な装甲による高い防御性を生かした先陣を切る突撃戦闘を主目的として開発された、GATー X252“フォビドゥン”。

 

 いずれもフェイズシフト装甲を発展・改良しエネルギー消費効率を抑えた“トランスフェイズ装甲”を採用し、それにより火力や機動性にバッテリー容量を割くことで高い攻撃性を獲得した、バスター、イージス、ブリッツの後継機ながら全く異なる機体と言って良い形で完成したMSである。

 

 艦隊はやがて、南米首都ブエノスアイレスの近海に到達する。

 ストライクダガーを揃えたとはいえ、海軍を有さない南アメリカ合衆国には海上でこの大西洋連邦の大艦隊を迎撃する戦力はないため、大西洋を南下する艦隊が首都の近海にくるまで指を咥え見ているしかできなかった。

 

「まずは降伏勧告を。内容は──」

 

「射程に入っているのでしょう? そういうのは良いので、さっさと始めちゃってください」

 

 では、まずは降伏勧告に取り掛かろうとした艦隊司令官だが、その前にアズラエルが射程に入ったならばさっさと始めるようにと攻撃開始の要請をしてきた。

 

「降伏勧告は?」

 

「相手は独立国を勝手に名乗るテロリストです。そんなもの必要ないでしょう? 時間というのは黄金より貴重なものなんですよ、そんな貴重なものを無駄にしないでください」

 

 流石に勧告くらいはするべきではないか? 

 一度はそう反論した艦隊司令官だが、アズラエルは南米新政権をテロリストと呼称しそんなものに交渉する必要などないと、勧告なしの攻撃を再度要請する。

 

 大西洋連邦の実質的な最高権力者に、海軍大将とはいえ所詮国家の歯車たる軍人の枠を出ない立場では逆らえるはずもない。

 致し方ないと、艦隊指令は降伏勧告なども一切行わず艦隊に南アメリカ合衆国首都ブエノスアイレスへの攻撃を命令した。

 

「艦隊旗艦“パウエル”より艦隊各艦に通達。南アメリカ合衆国解放作戦を開始する。我らの盟友、正当なる南アメリカ合衆国政府の国土をテロリストより回復するため、ブエノスアイレスに対し攻撃を開始せよ。繰り返す、ブエノスアイエスに対して攻撃を開始せよ」

 

 命令を受け、艦隊から多数のミサイルが発射され、続々とストライクダガーが発艦していく。

 

 南アメリカ合衆国と大西洋連邦。

 かつて大戦初期に矛を交えた南北アメリカ大陸の国家が、新たな兵器を用いて再び戦火を交えることとなる。

 

 




生体CPUあってこそGシリーズは完成する。パイロットも部品とみなすブルコス上層部は、ジェーン・ヒューストンのフォビドゥンブルーに対する評価はあまり高くなさそうかと……。

ちなみにディープフォビドゥンですが、本来の無人機はロートフォビドゥンですが、流石にあの金食い虫がこんな段階から登場するのは無理があるだろと、人工知能による半自動操縦を発展させた遠隔操作無人機の制式量産機として開発された機体という改変をしています。
パイロット乗せてないので無茶な機動もできますし、バッテリー切れ=水中の棺桶になる問題も解決しています。

サブタイトルでわかるかと思いますが、いよいよあのトリオも参戦してきます。
初陣はオーブ解放作戦ではなく、南米攻略。スーパーコーディネイターを乗せた核動力機なんていうチートMSのフリーダムがいないので、原作と比べ大西洋連邦側がかなり優勢でしょうか。
しかし南米には切り裂きエドと白鯨がいるし、何よりオーブと違ってザフトが本格介入しているから、どうなるか……時期的にプラントではあの機体も完成しているはずですし……
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