仮面ライダーエターナル 永遠の悪魔   作:Hetzer愛好家

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マキシマムドライブ受けるのと艦娘の砲雷撃の直撃。どっちが痛いのかな?
まあ、マントあれば関係ないけど。


第七話 Tの殲滅作戦/過去に縋る

 予定されていた一大殲滅作戦の決行日。上層部が想定していたよりも多くの海域を奪取され、当初よりも戦局は悪いと言わざるを得ない。

 

 だが、そんな現状を見てみぬふりして作戦の決行を各鎮守府の提督に命令した。

 

 これまでも、人類滅亡のカウントダウンが始まった状態から、何とか持ち直して優勢にまで戦局を傾けられた。過去に出来たのなら、戦力が以前より充実している現在で無理なはずがない。

 

 確証も根拠もない、ある種の祈りにも似た願望。それを下の人間に押し付け、自分たちは最悪を想定して国外逃亡の準備を進める。奇跡的に世間の目に曝されてないだけで、日本海軍の上層部はクズ人間の集まりだった。

 

 そんなクズに踊らされる提督も被害者だ。殆どの人が知らないだけで、華やかな職に見える彼らは都合良く捨てられるコマのような物。この殲滅作戦も、上層部は撤退を許さず最後の一人になるまで戦わせるつもりだ。

 

 だが、そんな絶望的状況であっても。他の提督が特に否定も反対もしない中で、横須賀の提督二人は冷めた目で全体を俯瞰していた。

 

 横須賀鎮守府は世界でも有数の鎮守府。だが、提督二人は「艦娘は最低限しか出さない」と示していた。その理由は上層部には明かされていないが、戦地へ赴く艦娘にはしっかりと伝えられている。

 

「この戦いは負ける。数が多ければ勝てるなんて甘い話は一切ない」

「だから、仮面の戦士が前線に現れたら逃げろ。必ず生きて帰ってこい」

 

 首を傾げつつも、彼らの命令には忠実に従うと決めている艦娘は了承した。

 

 出撃する艦隊が必要最低限である以上、彼らには他の提督よりも多少の余裕がある。

 

 その余裕を、二人はとある事柄に関する調査の時間に当てることにしたのだ。

 

「相棒、どうだ?」

「全ての情報が集まった。やはり君の予想は正しかったよ」

 

 ハラリと紙を置いた右の提督。その紙を見て、「やっぱりな」という表情を浮かべた左の提督。

 

「大道提督、並びに彼のケッコン艦である航空母艦加賀は殺されたことになっている。それも海軍上層部によって」

「理由は?」

「大道提督の人望に嫉妬だ」

 

 心底バカバカしいとため息をつく左の提督。

 

「仕事柄、こんな人間ばかり遭遇するのが欠点だな。依頼者にどうやって説明するんだよ、これ」

「彼らが生きている以上、直接コンタクトを取って依頼者に説明してもらうのがベストだろうね。僕らが説明しようとするには、少々事情が込み入りすぎてる」

 

 彼らは提督。それに違いはない。しかし、彼らはもう一つの仕事を兼任していた。

 

 それは“探偵”だ。行方不明者が多発する現在において、ちょっとグレーなゾーンまで踏み入れる探偵は、それなりの数の人間に支持されている職業なのだ。

 

 まあ、全てがハッピーエンドで終わることは稀であり。多くは物悲しいラストを迎えてしまうのが現状だが。

 

「取り敢えず後回しだな。今考えるのは……」

「撤退のタイミング、だろ?」

 

 こんな会話をしている間にも、海軍上層部が立てた杜撰な殲滅作戦は進行中だ。

 

 右側の提督が無線機を手に取り、連合艦隊最後方を進む自艦隊へ連絡を取る。

 

「敵の出現はあるかい?」

『あ、司令官なのです。出撃からかなり経っているのですが、全く深海棲艦が現れなくて不気味なのです……」

「……そうか。それなら指摘されない程度に航行速度を落とし、少しでも連合艦隊との距離を取るんだ。仮面の戦士が現れても、すぐ逃げられるようにね。奴が能力を使用すれば、君たちの命が危ない」

『了解なのです!』

 

 優秀な二人は、仮面の戦士が使用するガイアメモリの持つ能力についても調査を終えていた。

 

 使用メモリはエターナルメモリ。全てのガイアメモリを支配するために生み出されたとされる、最強最悪の魔性の小箱。

 

 その能力は凶悪の一言に尽きる。

 

「T2以前の全てのガイアメモリ。そして艦娘の艤装。これらを全ての機能を停止させる、か」

「詳しい原理は不明だが、おそらくはガイアメモリが艦娘と適合するように製造されているからだろう。使用元の艦娘をも無力化できれば、邪魔者は存在しない世界を生み出せる。世界その物を手にするのも容易だ」

 

 凄まじいその力を再確認し、改めて提督二人は顔を顰める。

 

 そんな敵と真正面から戦って、艦娘が勝てる未来が全く見えない。メモリの能力を使われたら、その時点でゲームオーバーなのだから。

 

 しかも、このエターナルメモリ以外にも仮面の戦士はガイアメモリを使用していたとの情報もある。変幻自在な戦闘スタイルに加え、一撃必殺の無力化能力。全く隙がない。

 

「……っ! 何か、嫌な予感がする!」

 

 共に撤退策を黙って練っていた二人であったが、突如左側の提督が顔を上げて無線を取った。

 

 その尋常ならざる様子に、右側の提督も意識を現実に戻して無線機に耳を傾ける。

 

「おい、大丈夫か!」

『し、司令官さん、何かが変なのです! 電以外全ての艦娘が急に動けなくなっちゃったのです! あ、雷ちゃん何で沈むのです!? 何も攻撃は受けてないのに……!』

「マズい、奴が出たんだ! おい、早く逃げろぉ!!」

『え、ひゃっ!? だ、誰なのです? 無線返すので──』

『少し黙れ。おい、聞こえてるんだろ? 提督さんよ』

 

 遅かった。何もかもが遅かった。

 

 対策なんか練っている時間が惜しかったのだ。四の五の言わず撤退させていれば。こんな最悪に近い状況にはならなかったのに。

 

「大道、克己……!」

『よお、世界の切り札となり得る男。腹を割って色々話そうぜ?』




エターナルメモリの力は本作オリジナルの物です。
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