逃げられるわけがないんだよなぁ……(哀れみ)
千束ちゃんがタイプだったので執筆。例の話をみて、幸せにしてあげたくて理解ある彼を付けた。だがまってくれこれは本来百合の花が咲かないといけないじゃないか。

はい。というわけで千束ちゃんが理解ある彼とたきなちゃんを抱いたらそれは実質的に百合と言えるのではないのだろうか。(暴論)

なんて、そんなおとぎ話

キャラ崩壊・設定崩壊注意

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最強リコリスに飼われています。助けてください

 

 

「……きっとさ。このままだと私たちって殺し合うんだよね」

 

「そうなるだろうね」

 

ここは、“アラン機関”。天才を見つけ育てる支援機関。そして少年少女の箱庭。

 

「やだなぁ…勝ち負けが分からないって」

 

「それを言うなら俺もだろう」

 

少年少女はまさしく幸運だった。そう同じ幸せと同じ苦痛を同じ分だけもって生まれたから。そう、それは正に比翼の鳥。

 

「だから…約束」「………ああ。約束」

 

「「死ぬときは一緒だ(よ)」」

 

これはもし少女の“殺しの才能”が少女だけで無く、とある少年も持っていたら。

そして少女に与えられた支援が“心臓”ではなく、“たった唯一の理解者”であるのならば。

 

そう。それは誰かが夢にみた泡沫の夢の物語である。

 

 

 

 

「…なるほどな。」

 

この世界は腐っている。そう。いつの日か思ったのだろう。

 

『XIII。貴様には命令を与える。』

 

ここはリリベル。かつて日本に存在しているといわれる影の組織“八咫烏”を前身とした暗殺・傍聴・スパイなんでもござれの国家の汚れ役。それがここリリベル。

 

『テロリストより電波塔の奪還命令。受託しました。』

 

そんなリリベルのとある隊員の一人であるが、今回の命令。つまりは日本最奥手の電波塔がテロリストに占拠されてしまった事件は、本来ならばリリベルが受けるはずのない任務の一つ。

 

だと言うのにこう俺が命令を受けているのには、もう一つ。リリベルの対になる組織。“リコリス”があるからだろう。勿論、分かる通りにリコリスを目の敵にしている我らリリベルだが、正直に言ってどうでもよい事ではある。

 

(老害どもが……)

 

頭の中で悪態を吐く。どうでも良い争いことに首を突っ込んで死ぬのはゴメンだ。

約束があった。誓いがあった。そうそれだけの理由だ。リリベルに居るのは。

 

「…………ああ。そっか」

 

「死んでくれや。リコリス。」

 

「そう言うことなんだね。」

 

10年前のあの日。俺が死んで“風ノ宮 千綿”が生まれた日。

そうして、俺の全てがとある少女に飼われた日だった。

 

 

 

 

「おはようございまーす。」

 

ここは喫茶店『リコリコ』街の中に何処でもあるような小さな和風喫茶店。

ここにはオーナーと一人の店員。自称看板娘の店員。…そして……

 

「来たか。看板娘の飼い犬くん」

 

「黙れアラサー」

 

この喫茶店の常連客の中でも知っている人は一握りな、通称看板娘の飼い犬。

その四人でこの店は成っている。…ただまあ飼い犬と言うだけあってその姿には威厳は無いが。

 

「ライン越えだっそれはっ!!」

 

「飼い犬もライン越えだっ!!」

 

先ほどから飼い犬と喧嘩しているアラサーこと、中原ミズキ。赤縁のハーフリムの眼鏡がトレードマークである彼女は、言ってはならない禁句が言われたと、飼い犬にちょっかいを出す。

 

「はい。そこまでだよ。千綿。」

 

飼い犬…千綿の腕をアームロックの要領でキメるその少女は、ここリコリコの自称…看板娘。錦木千束である。黄色みがかった白色の髪をボブカットに切りそろえ、左サイドに添えた巻き髪と赤いリボンがアシンメトリーさを引き立てている。

 

「たーすーけーてー」

 

そうしてここでアームロックを決められて、腑抜けた声で助けを呼ぶこの男は風ノ宮 千綿。紫色みがかった黒髪と、星空を宿したかのような赤紫色の瞳をしている千束と同い年ぐらいの少年…千束の飼い犬である。

 

「だーめ。昨日勝手な事したでしょ」

 

「……ちなみに勝手ってなんですか……」

 

「え?…一人で勝手にご飯食べて、一人で勝手にお風呂入って、一人で勝手に寝た」

 

「はっはは…見事に尻に引かれてるな。千綿」

 

「……自由をください……」

 

曰く、ご飯を勝手に一人で食べて、全部のことを勝手にしたと言うのだ。

というか忘れてはいないが、彼らは異性なのである。おかしな話であるがここでは間違っているのは千綿であるとして尻に引かれているなと笑っているのは、ここ『リコリコ』のオーナー。ミカである。ハードボイルドな黒人であり、千綿・千束両方とも多大なる恩がある。

 

「というかこんな事より今日新人来るんだろう?」

 

「そうなの?」

 

「ああ。そうだな先日の一件でな」

 

「あの乱射っ子ですか??」

 

正解だ。と言わんばかりにミカは頷く。

それをみて、千綿はため息をつく。そうそれはつい先日のお話。

 

『銃千丁!!??』

 

千丁もの銃の取引の情報をリコリスは手に入れたとリコリコに情報が入った。

少なくとも、平和の国“日本”としても千もの銃が日本に入ることなどあってはならないことだと、本部から曰く付きだとして敬遠されているリコリコに話が回ってきたのだ。

 

『ああ。お前は何か知っているか?風ノ宮??』

 

『無茶言わないでくださいよ。楠木さん。』

 

千綿が通話をしている相手は、かのリコリスの司令官。楠木だった。

何故、ここ和風喫茶店の店員に裏組織の司令官とのホットラインがあるかは今は置いといて、それほど切羽詰まった状態だと言うのだ。

 

『“あそこ”とは縁切ってます。というか切らざるを得なかったこと、知ってるでしょ』

 

『ああ。あれは驚いたぞ。昔話でも読んでる気分になった。』

 

そう。それは10年前に発生した駆け落ち事件。

リコリスがリリベルを飼い慣らしたという本来ならばあり得ない事件。現状の対立状態を除いたとしても、楠木にとってこれほど好条件は無かった。

 

『…そうでも無いでしょう』

 

『いや。事実いい買い物をしたとは思うよ。』

 

お前ほどの人員を、多少の情報と物資で交換できるのならば安いものさ。

そう楠木は呟く。勿論、この契約には色々と裏話があるが対立していたリリベルのあの顔を見るだけで胸がすく思いだったと楠木は想起する。

 

『命令だ。風ノ宮千綿。いやXIII』

 

そう。和風喫茶店の店員、看板娘の飼い犬とは偽りの名。その正体は、国内外問わず国に仇なす外敵を殺す組織の一つ。“リリベル”に置いて、過去現在未来その全てで最強であると語られた忌数字・聖者の番号を担った伝説のXIIIであった。

 

『錦木千束と共に銃千丁の取引を抑えろ。』

 

そして錦木千束も和風喫茶店の看板娘とは偽りの名。その正体は、国内外問わず国に仇なす外敵を殺す組織の一つ。“リコリス”に置いて、過去現在未来その全てで最強と呼ばれたリコリスの中でも伝説の少女である。

 

『ちなみにもう一人リコリスが人質になっている』

 

『あのさぁ………』

 

どうりで、千束の気配を感じないと思ったと納得する。

相変わらずここの司令官は俺のことが嫌いなのか?と千綿は邪推する。

ただ、まあ嫌われていてもおかしくは無いかとすぐに思い直す。何故ならばそう。最強リコリスの牙を折ったのも、俺のせいだから。

 

『じゃあ頑張ってくれたまえ』

 

『………了解。』

 

その手に学生鞄を持って、千綿は通信を切る。

恨み言を吐きたい気分だが、ぶっちゃけるとまだまだましな部類の指令だ。

何処ぞの“リリベル”に比べるのならば。

 

「さて。仕事のお時間だ。」

 

 

 

⦅時間と場所が変わり、千束side⦆

 

「はぁ……」

 

千束は一人、物陰に隠れながら誰にも聞こえないよう小さくため息をついた。

銃千丁もの取引。それは確かにリコリスも見逃せない案件だとして人員を使って押収に行くのはまあ分かる。というかその為の組織だ。

 

(でも捕まるような人員を送るかなぁ!?)

 

そう。千束が迂闊に動けない理由。それはリコリスより派遣された人員が相手の人質になってしまった時点で千束の計画はおじゃになってしまった。

とある理由から暗殺組織でありながら不殺を掲げている千束にとってこのまま制圧に向かうと人質が犠牲になりかねない。それだけは避けたい。

千日手。いつものようにするか。と覚悟を決めた千束に一つの通信が入る。

 

『…こちらバルーン。位置についた。』

 

その通信を聞いて、千束は笑みを浮かべる。そうその通信は千綿からだ。

やっぱりそうだ。いつだって私の事を全部分かってくれるのは千綿だけだ。

そうしてこれを相思相愛と言うのを知っている千束は満面の笑みを浮かべながら、その耳につけた通信装置を二回叩く。

合図の意味は━━了解だ。

 

『3カウント。』

 

『3』

 

どこかのビルから千綿の影が伸びる。

 

『2』

 

物陰に隠れていた千束が銃の撃鉄を下す音がする。

 

『1』

 

千綿が除いていたであろうスコープから人質を取っているであろう男の頭に照準が当てられる。

 

『0』

 

同時に、千綿の狙撃銃から人質を取っているであろう男に弾は射出され、千束はその男を気絶されるために動くはずだった。

 

『…………スカーレットッ!!!』

 

その瞬間、特徴的な音が千束の耳に入ると同時に千綿との通信装置で自分のコードネームが呼ばれる。

そう。その特徴的な音とは、機関銃の弾丸をばら撒く音。

いくらリコリス最強と呼ばれる千束でもその中に突っ込む気概は今はない。

 

『LMGブッパ!?…リコリスか?』

 

え?正気??と呆然とするような声が聞こえるが、それはそうだ。いくら一人で持てる軽機関銃…LMGと言えどそれを無造作にブッ放すリコリスが居るのだ。

千束も流石にこれは呆然としながらも、すぐに体制を立て直し、引き下がる。

 

 

この後、取引されたはずの銃は見つからず、取引は3時間前に終了していたことが判明していたことが判明した。そう。リコリスは偽情報を摑まされたのである。

勿論、この大失態に隠蔽をかける為、今回機関銃をブッ放したリコリスを左遷という形でここ喫茶店『リコリコ』に島流しとしたのだ。

 

 

「あの…」

 

「君がその……」

 

そこに立っていたのは黒髪の美少女だった。正直に言おう。

千綿のドンピシャだったと言えるだろう。滑らかな黒髪、そして少し吊り目な感じ。千綿にとって一目惚れかもしれない衝撃が走った。

………………はずだった。

 

「はいだめー」

 

「ぅぎゃっ!!」

 

千綿は黒髪の美少女と触れ合う直前。後頭部から衝撃が来た瞬間、地面に叩きつけられる。そして衝撃が来る前の声からして━━

 

「千束ォォ!!」

 

そう。どう考えても千束以外に居ないだろうと千綿は考える。

勿論、そう考える時点で色々とあるがそれが彼らの友情ということにする。

 

「リコリスに変な目向けてるからでしょ」

 

ミズキが呟くように消える。その言葉に賛成するかのように千束が首を縦に振る。

 

「驚かしたね。新しくここの所属になる人でしょ?」

 

「はい。井ノ上たきなです。よろしくお願いします」

 

黒髪の美少女は…たきなは頭を下げて、そうしてここリコリコの生活は始まったのだった。

 

 

 

そうこれは、少年少女が(主に少女が)美味しくいただきながら、平穏な日常を送る。

どこか一風変わったリコリス・リコイル。

 

 





錦木 千束

原作との大きな相違点は一つ。アラン機関の支援が“理解者”ならばというif。
故に原作とは違い、血生臭いが意外と順風満帆に暮らしている。
不殺を掲げている理由は……
だが、少し変わった育ちをしているせいかその理解者を重いと言えるほど愛しており、まあその結果が文中の駆け落ち事件なんて語られる事になる。
リリベルでは十三の聖者を堕落させた魔女“モルガナ”として悪名高いなんて裏話もある。
比翼の鳥は永遠に落ちる事なく。
ちなみに、この物語のラストはたきなちゃんも、理解者…千綿も抱いて終了。



風ノ宮 千綿(かぜのみや ちつら)

名前の由来はフウセントウワタ。花言葉は“隠された能力”
錦木千綿と同じ才能を有していた天才。故に支援は“理解者”である。
そしてリリベルに置いて最強だった少年。
いまでは千束に飼われるだけの少年であるがそういう生き方の方が合ってるなとは口に出しても言わない。尚、そういうくっ殺染みた性格のせいで千束には毎回負けてるというか負ける。(確定された未来)
比翼の鳥は、万里を超えて飛び続ける。
ちなみに、この物語のラストは千束ちゃんに抱かれて終了。


続きは好評であれば。


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