夏休みの終わり、家でずっとごろごろしていた自分。
終わってない宿題から逃げようとすると神様が現れた。
からかい半分、本音半分で休みを願ったが・・・・・・?

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夏休みの夢。

 夏休みが今日から始まる。

心がウキウキしていて、部活なんてどうでもよかった。

いくらごろごろしていても怒られない。

そんな夢のような40日間だ。

ごろごろごろごろ・・・・・・。

 さて、夢というものはいつか終わりが来るもので、覚める時がとうとう訪れた。

 

8月31日、夏休み最終日。

 

夏休みのしおりをあてに、部屋に転がってたスクールバッグを逆さに、それから机に積み上げた教科書の山を崩し、黙々と宿題を集める。

そうやって出来た宿題の山が俺の目の前に立ちはだかる。

午前10時の日差しが後光のようだった。

神様のようだが、こいつはまるで嫌いなクラスメイトのように生意気な顔でもして見下す。

 ここに至るまでの39日、実は外に全くと言っていいほど家から出なかった。

篭城生活を、このあまりに現実的な夢の中でやり遂げてしまったのだ。

祭りへ行ってたこやきでも食うとか、花火でも見るとか、プールにでも行くとか、そんなわいわいとした出来事は籠城世界には無縁だった。

好きなあの子と手を繋ぐ?

夢の中で死ぬ程繋いだし、なんなら擦り切れるほど下品な妄想で嫌いになりかけた。

そうして残ったのは、精神的最期の14時間と、中途半端に手をつけてあったらしい宿題の山だけだ。

ため息をついて、床でも見ていた。

 

「夏休み、終わって欲しくねぇなー。」

 

後悔混じりに呟いていたら、目の前にいかにもな神様の姿のおっさんが出てきた。

後光は自前だ、マジのやつだktkr。

 

「そなたの欲しいものはなんじゃ?」

 

・・・・・・いや、そんな事を聞く前に、まず疑うに決まってるじゃないか。

テンプレに則りすぎて正気に戻っちまったぞ。

 

「その前に、あなたは誰ですか?」

 

誰でも言うような平凡な質問でも投げてみる。

というより、真っ先に誰でも聞きたくなる事を言うしか出来なかった。

 

「ワシか、ワシは見ての通り神様じゃよ?

まぼろしなんかじゃないぞ?」

 

神様のくせにめちゃくちゃ平凡な返しをされた。

・・・・・・あまりの絶望が、ついに幻を生み出したぞ。

そう思ってしまった。

でもどうせ、宿題の山も希望も無いから付き合ってやろうじゃないか。

 

「そなたの欲しいものはなんじゃ?」

 

欲しいものねぇ・・・・・・金、女、力。

108回10セットの煩悩退散ラッシュ如きで俺の煩悩は屈しない。

脳内で欲望がダンスしている。

踊れ我が煩悩、楽しいか?

 結局熟考に熟考を重ね1時間。

この間にドリルの1つでも終わらせられたかもしれない。

それでも願いが叶うならどうでもよかった。

 

「・・・・・・ずっと休んでいたいです。」

「ほほう、ずっと休んでいたいとな?

よし、その願いを叶えてしんぜよう。」

 

キラキラフラフラクールクル、やすみがほしーなほいほいさ!!

 

・・・・・・あからさまに胡散臭い魔法を神様が唱えると、神様は何事も無かったかのように正面にたってこちらを見る。

急に落ち着くな。

 

「よし、お前は今日からフリーダムじゃ。

色々やってくるが良い。」

 

フリーダムの部分だけ無駄にネイティブな発音をした神様は、目の前から煙を撒いて消えていった。

別に何か変化があった訳でも無いが、籠城生活に適応するべく発展した昼夜逆転生活の弊害が身体に来た。

最終日だというのに、昨夜もオールした。

やっぱり自分の苦手な妄想なんだろうと思ってベッドに身を投げた。

 

9月1日、始業式

 

 案の定半日寝てれば嫌でも夜中に起きる。

正気にかえってしまったので、ついにドリルと面を向き合い、媚を売る準備もした。

それでも言い訳だけは思いつかず、重い足取りで職員室の前を通る。

教室を通るためには、必ず手前の職員室を通らないといけないのが苦痛で仕方がなかった。

神様よ、どうか本物であってくれ。

そんな思いが通じてしまったのだろう。

いつもうるさいぐらいの職員室が静かだった。

先生も校長先生もいない。

あの神様がやってのけた、そうにしか見えない!!

・・・・・・うざったらしいあいつとか、趣味を語り合う友もいなかったが。

本当に誰もいなかった。

廊下が静かなら教室もまた静かだ。

人っ子一人見当たらない。

全ての人間が消え去ったような錯覚から来る静寂が全てだった。

・・・・・・本当に休みなんだよね?

そう疑いながら結局家に帰ってきた。

親は普通にいた。

そのまま自室に走ってベッドに飛び込んでそのまま寝てしまった。

 目が覚めると朝だった。

うっわやぶぁい、しゅくだいおわってない、ちっこくしそー。

寝すぎで逆に重たい身体を無理矢理動かし、宿題すら入ってない空のスクールバッグを片手に、着替えもせずパジャマで学校までやってきた。

 学校に入ってまあびっくりしたこと。

今日も誰もいない、どこを見回しても、女子トイレに凸しても誰もいない。

・・・・・・もしかして、神様やっちゃいました?

マジでやっちゃいました!?

うひょ〜〜〜〜〜!!

うきょきょきょきょ〜〜〜!!!!

ぴろぴろぴろりんろ〜〜〜ん!!!!!!

全てが絶頂だった。

・・・・・・が、絶頂からすぐにある事に気がついた。

教室のカレンダーを何となく見たら今日は9月1日の日曜日じゃないか。

・・・・・・1日が2回続くなんてありえない。

となると、神様は本当にまぼろしで、人がいないのもおかしい話では無かった。

部活が休みだったし、2日も連続で学校に来る人なんているわけが・・・・・・。

いるわけが・・・・・・。

始業式の準備やらで先生はそこにいた。

ついでに好きな子も。

え・・・・・・そんな、うそ・・・・・・。

好きな子はとても頭が良く、代表に立つことも珍しくない。

始業式前に練習をする為に来ていたのだろう。

そんな事もあって教室のドアを開くと、そこに謎の奇声を発しながら中央を舞う、パジャマ姿の変態はそこにいた。

2人は口を開けてしばらく動かなかった。

それを見ていた自分も、変な体勢で動けなかった。

時が止まった、人生が終わった。

さらば、我が青春。

 この後親に電話で連絡が行き、めためたに怒られた。

宿題は2割もやってなくて、そこでもめためたに怒られた。

口伝いに広がる変態の出現はクラスを沸かせ、後輩に伝えられ、学校の奇妙な伝説として自分の名が刻まれた。

関わった人間は全員、様々な思いを胸に真っ赤な顔をしていた。




・・・・・・実はこれ、ハーメルン始める前どころか、なろうでエタる前に書いたやつです。
大体7年ほど寝かせてました、見ないふりしてました。
それを色々手直しして投稿しようかと思ったので投げました。
うひょひょの下りは原文ママです。

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