燃ゆる龍、覇道の道征く   作:紳爾零士

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明けましておめでとう御座います。
1月に入ってちょっと忙しくてこんな日に皆さんに新年のご挨拶をさせていただきました。ゆっくりではありますが、今年も進めていきますのでよろしくお願いします。

さて、残りはあと書きにて書かせて頂こうかと思います。では、本編!


第316話

…戦々恐々。静かなのは水面のみ。

天帝の放つ覇気は大将の首に縄かける。向かうは死地で、一般兵卒は立つことすら不可能。

 

軍艦の上では二人の雄が睨み合う。だが、桁違い。黄猿は額から汗を流しながらも、その人物をただ見ていた。

 

…大将は皇帝と張り合う為の海軍の切り札。しかし、バンドラは生まれてはいけなかったイレギュラー。四皇の怪物と海軍の英雄に育てられたハイブリット。黄猿の一挙手一投足をバンドラは知っているのだ。

 

「…来い。」

 

バンドラも本気も本気。身体に唐草模様のような字が現れる。天神災害・極の力。それは100%のワザワザの力を覇気で押さえつけるもの。常人ならば、意図せず死ぬ。10秒待って上等だ。だが、バンドラは徐々に慣れていた。それがまさに無限の力を引き出していた。

 

敵わぬと知ってなお、黄猿は向かう。

バンドラがゼファーの味方になっては困るからだ。だから、戦闘不能まで追い込む。…その手筈だった。

 

マストから飛び、次の瞬間、バンドラの首を目掛け、蹴りを放つ。

 

光の速度で放たれたそれをバンドラはただしゃがんで避けた。

 

「ッ!?」

 

次に黄猿が見た景色は逆さま。甲板に頭から叩きつけられる。頭から血を流す黄猿。

 

立て直し、前へと人差し指を向ける。それは光のガトリング砲と言わんばかりに空間を跳弾し、いくつもの弾丸がバンドラに向かう。

 

バンドラはそれを見えているかのように避けていく。間を縫うように避け、黄猿も認識できぬ速度で前へと出る。

 

「グハッ!?」

 

次の瞬間、黄猿の胸にはバツ字の傷がついていた。薄くも深くもないが、黄猿の胸の灼熱感と口から出る鮮血は自身がダメージを食らったことを認識させた。

 

黄猿は即座に距離を取る為、後ろへと飛ぶ。マストの根の甲板に座り、息を整える。少し揺らぐ視界が映しとるのは狂骨をこちらに向けて構えたバンドラだった。

 

「能力に頼りすぎだぜ。…この抜刀術は能力と侍の技の合わせだ。基礎だけでもここまで戦える。能力が全てじゃねえんだよ。黄猿。」

 

低くそう言い放つバンドラ。

 

しかし、バンドラも違和感を感じていた。確実に先程の斬撃で息の根を止めたと思っていた。黄猿はたった一瞬、その生命本能からか半歩引いて斬撃を受け流したのである。受け流しきれなかったが。

 

「…もっと速度を上げようかね〜。」

 

…次の瞬間、黄猿は立ち上がるとともに甲板を蹴る。その速度はまさに瞬間移動。黄猿が移動したと感じることができるのは一撃もらった後だろう。

 

再び首を狙った横薙ぎの蹴り。

 

「これで終わりだよ〜。」

 

間延びしたように言われる言葉。バンドラはそれを…身体を弓形に反らせ、避ける。

 

「あっぶねぇなァァァッ!!」

 

ほとんど死角。認識するのも不可能な光速の蹴りをバンドラは再び避けた。

 

直後、バンドラは反撃と言わんばかりに黄猿の身体へ頭突きを放つ。

 

黄猿はそれを光の粒子となり避けた。

 

次の瞬間、バンドラの後ろに立ち、光の剣を作り出す。

 

「『天叢雲剣(あまのむらくも)』」

 

「ここら辺だろッ!!」

 

背中から振り下ろされる一撃。それをバンドラは身体を捻った回転を使い、狂骨で弾くとともに、バンドラは再び黄猿と向かい合うよう、ステップを切る。

 

黄猿はバンドラを袈裟に捕え、上から光速で剣を振り下ろす。

 

バンドラはそれを狂骨の刃で受け止めると同時、黄猿へ武装色を纏った苦無を投げる。

 

黄猿はそれを認識。光の粒子となり、三度バンドラの背後を取る。

 

小さな船の上。海の上が災害でも起こるかのように荒立っていた。

 

軍艦とはいえ二人が本気になり合うには狭すぎた。

 

「『龍氷牙(りゅうひょうが)』…」

 

「ッ!?」

 

黄猿は違和感を感じ、少し後ろへと飛ぶ。しかし、遅かった。

 

バンドラが甲板へと左掌を伏せると船を飲み込みながら、エレジアの海岸スレスレまで氷河が出来上がったのである。…まさに無茶苦茶。

 

「フィールドを広げようぜッ!!」

 

「くっ!?」

 

黄猿へ投げられた苦無も冷気を纏っていた。黄猿はそれを避け、バンドラの背後を何度目になろうと取る。

 

蹴りをかまそう。そう考えた黄猿の目の前にはニヤリと笑うバンドラの顔があった。

 

「なにッ!?」

 

「くどいのは…嫌いだッ!!」

 

そう言い、黄猿の腹部に衝撃が走る。バンドラの右肘が黄猿の鳩尾に入っていたのである。

 

「グハッ…!!」

 

口から唾液と血の混じった空気を吐く黄猿。

 

もうなりふり構っていられない。黄猿はまたマストまで登るとダメージを最小限まで抑えるように息を吐く。

 

「君は強いね〜。あの優男がなんでそんなのに変わっちまったのかね〜。…でも、君はまだまだ若い。なんでもかんでも我儘が効くとは思わないことだよ〜。」

 

語尾の間延び感とは変わり、声はひどく冷徹だった。

 

直後、再び黄猿はバンドラへとマストを蹴り、向かう。…バンドラはまたかと呆れたように笑った。…だが、次は違った。

 

「…へぇ。」

 

黄猿が空中で増えたのだ。光が乱反射するかのように何人も何人も増えていく。

 

一体がバンドラの前へと出る。蹴りはバンドラの真正面で止まり、バンドラを飲み込むほどの極光を放つ。

 

バンドラはそれを無理やり狂骨で切り突き進む。しかし、黄猿は一体ではない。

 

袈裟に捕えたかと思えば、それはフェイク。即座に背後の二人の黄猿へ苦無を飛ばす。…が、またフェイク。空中で技を喰らうも霧散。

 

バンドラの頭上から先程の3倍ほどの光の雨が降り注ぐ。それは豪雨なんかじゃない。甲板は蜂の巣になり、氷すらも破壊し尽くす。このまま黄猿はバンドラを海へと落とすつもりだった。

 

現にバンドラは避ける一方。

 

ステップで避けまくるが、しているうちに足場は無くなっていく。更には前から黄猿の分身が一体、また一体と向かってくる。それすらも捌き切るのは至難の業。

 

しかし、バンドラは一味違った。

 

「…鬱陶しい。」

 

低くそう呟くと…バンドラは船の真ん中で静止する。武装色のせいでバンドラの身体に降り注ぐ光の雨はバンドラを傷つけるに値しない。しかし、徐々に足場は小さく無くなっていく。

 

バンドラは右腕を上へと上げ、掌を開ける。すると黒雲がバンドラの肩からモクモクと上がっていき、上空で塒を巻く。その黒雲を一目見て、目を見開く。

 

「『雲仙龍』」

 

たなびく黒雲は徐々に龍の形となり、地鳴りのような咆哮を上げる。黄猿は勝負を急ごうと、分身を三体だけ残し、一斉にバンドラへ格闘を仕掛けようと進む。…しかし、一歩バンドラの方が早かった。

 

「『奉天・(いかずち)』」

 

直後、轟音とともに海上の氷を破壊し尽くす落雷が黒雲から放たれる。黄猿は愚か、海上すらも大きく揺るがし、軍艦を燃やし尽くすもの。

 

もとより、黄猿の猛攻に蜂の巣となりボロボロとなった軍艦は砕け散るのを待つだけだった。

 

バンドラは元いた船に乗り移る。

 

雷が止んだ時、そこにはもうなにもなかった。身体中を焦がした黄猿がゆらゆらと甲板のかけらへと落ちる。軍艦はなに一つなく、焦げた微かな木片のみが海上に浮かんでいた。

 

「…我儘か。」

 

ボソリと呟き、狂骨を収めるバンドラ。

前を向けばそこには、すでにボロボロであるにも関わらず、バンドラへと向かってくる大将『黄猿』。甲板のかけらを蹴り、バンドラへと拳を突き立てる。

 

バンドラはもはや何もせずにその一撃を受け止める。左掌がじんわりと痛みを感じるも、バンドラの顔は無表情だった。

 

「…俺は海軍はヒーローだと思っていた。小さい頃から憧れだったんだよ。…けどさ。お前らは違うじゃんか。」

 

「…。」

 

「…今回の先生の件だってそうさ。臭いもんに蓋をする。暴走した先生をアンタらは殺そうとする。」

 

…優しく低い声でそう言うバンドラ。黄猿はゆっくりと地面に膝をつき、倒れ伏した。




着々と天帝海賊団の戦力が集まってまいりました。
ヤマト、エース、クザンと前線級の化け物揃い。強さは折り紙つきでしょう。勿論、バンドラのハーレムとしてもどんどんと成長を続けています。本筋上はシリアスになってきてるので、イチャイチャは出来ないけれども…。

クリスマス、年末年始とイベントあっても出来ないしね。何したらいいでしょうな。定期化するとか言って忙しくて出来てないし…すみません…

あと、個人的にはエースヤマト以外ももっと活躍させたい。バンドラ一強感は良いけども。という裏話。

最後になりますが、この小説を選んでお読みいただきありがとうございます。感想の方も楽しんで読ませていただいております。どのような感想、アドバイスでも私のモチベーションに繋がりますのでお気軽にお書きください。これからも頑張っていきます!
…あと、R18版もそろそろ…。では!
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