「いやぁ、快適快適!レッド・フォース号も良かったけど、新しい船だけあって快適だなぁ」
現在進行形で私はエレジアに向かってます。理由はウタに会いに行くためです。まぁ、この船ウタを乗せること前提で色々言ったのもあるし、何か先走った感じがあるけど、まぁいいかな。お金は自分で稼いだし、海賊の人達には悪けど有難く使わせてもらうよ。
「でも、本当に一人だと虚しいなぁ。ウタと二人も良いけど、それはそれでまだ寂しいいね。二人しか居ないし……仲間集める?でも、この時期で乗る人いるかなぁ」
私はふと仲間というのを考えていた。勿論ウタと二人で航海することに文句は無いし、嬉しいし、最高だけど、こんな広い船に二人はアレだし、ウタも何だかんだ仲間を増やそうと言うかもしれないと考えていた。あと、単純に航海士と料理人枠が欲しい、まぁ、最悪料理は当番制にしてもいいしなんだけど、航海士は欲しい、新米でも良いから、考えるリソースを減らしたいのが本音だけど。
「戦闘員、船医、船長か副船長の兼任になるかもだし……う〜ん、そん時はそん時かな。なるようになれだ」
私はそう一人で呟いて、刀を振るう。別に剣士の誇りも、最強の剣士になりたいというのは無いけど、母から受け継いだ刀を持っている限り負けたくないし。鈍って守れませんでしたは言い訳にならないしね。そしてある海域にたどり着いた、全くの無風の領域。
「さて、ここからが勝負だね。さて、
私は大きく息を吐き準備を整える。
「来るなら来なよ、殺生はあんまり好きじゃないし、食べるの目的じゃないからしたくないんだけど……邪魔するなら……ね?」
準備を整えて私は鍛錬をする。見聞色の覇気で気配を感じ取れるようにしておいて何時でも動けるようにだけはしている。
「よし、いい時間だし、ご飯も作っとこ……いや、ご飯の方から来たかな?」
私は船首の方を見るのと同時に海水を派手に撒き散らしながら、船のを一口で丸呑みが可能なサイズの海王類が現れる。……うん、デカい。まぁ、ルフィ達が出会うであろう海王類よりかは小さいんだろうけど……。
「まぁ、凪の帯を渡ろうとしているんだし、その位はね?と言うか実際、他の海賊はどうやって海域を跨いでいるんだろう……気になるなぁ。こういう危険は冒すのは避けたいんだよね……とりま……」
私は斬魔に手をかけ覇気を流し込む。未だに覇王色を纏わせる域には辿り着けていない。それでも鍛えたものがある。母との4年、レイリーさんとの6年の合計10年……。
「私の昼ご飯の材料にはなってもらおうか!」
未だに届かぬものあれど、目の前の障害を切り伏せない通りはない。
私は月歩を使い瞬時に海王類を刀の射程に収めて
「これで終わり、刹那二重双閃……!」
一度の居合で二回斬り、もう一度納刀し、再度居合で二回切って納刀する。刹那に二度斬撃重ねるのを2度する剣技。母が初めて見せてくれた技……。これひとつ完成させるのに、教わり始めて三年かかった最初の技。
私は納刀して船に戻る。海王類は何をされたか気づいていない様子で止まり、もう一度こちらも来ようとする頃に……体が八等分に綺麗に切れ、海に浮かぶ肉片となる。
「よし、必要分だけとって先に進も」
私は急いで剥ぎ取りだけして、先に進む。ここから先は面倒だから、あまり気づかれないように調整して進む。パドルの勢いを全速力から最低限進む程度に緩めて航行する。そして私は
「とりま食べようかな!」
先程倒した海王類の調理に移り、とりあえず凪の帯を過ごす。
そして、それから4日が経ちました。なんと言うか、何度死ぬかと思いましたよ。日に5回は出てくるしで、特に夜遭遇した時は軽く終わったと思いましたよ。
「デカすぎなんだよ!ここの海王類……!ここ数日ずっと海王類を食べてるじゃん!」
そんなこんなで、やっと凪の帯を突破することが出来た。本当にどうしようもないサイズが出なかったのは運が良かったとかしか言いようがない。
「さて、あと少しだ…!エレジアに着いたらゆっくりしよー!」
私は甲板に大の字になってゆったりと休憩をとる。この4日間は船に気を使う期間だったよ!私は月歩でどうとにもなるけど、船はそうも行かないから怖かったんだよね!
私は日向ぼっこを満喫して眠りにつく。そんな風に過ごしてゆったり過ごしつつ、何が来ても大丈夫なようにしてエレジア到着まで過ごす。もうすぐだね!待っててよ!ウタ!
「え?見たことない船?」
ウタは何時ものようにレッスンをして、休憩をしている時にその話を聞く。
「赤と黄色が基調の船がこっちに来てるのよ。まぁ、ドクロを掲げていないから海賊じゃないのは確かなんだけど」
「海賊じゃないからって安心できない……!ここには軍は居ないし、身を守る手段がないじゃん!案内して下さい!」
「分かった!」
エレジアの生き残って生活をしていた人達と、ゴードンとウタは港に辿り着く。
「かなり凄い船だ……大きさで言えばシャンクスの船よりかは少し小さいが……。一体誰が何の目的で……!」
「ようやく復興してきて生活出来ているのに……ただの観光客ならいいんだけど」
島民の警戒は高い。それはゴードンもウタもだ。だが、階段が下ろされて一人の少女が歩み降りてくる。白いYシャツに黒い外套。ショートパンツにポーチ。左腰に二本の刀。黒目のストッキングに黒のブーツを履いた赤髪の少女だ。
「何が目的だって?そんなの決まってるじゃん」
ウタより少し身長の低い少女は島民とゴードン、ウタを見渡した後に真っ直ぐウタを見つめて
「お姉ちゃんに会いに来たに決まってんじゃん。久しぶりだねウタ!6年ぶりだね!」
「うそ……カナン?」
「そうだよ!正真正銘!赤髪のシャンクスの娘で、ウタの可愛い可愛い妹ですよー!」
カナンは少し揶揄うように言うとウタはカナンを優しく抱き寄せて頭を撫でた
「え!?う、ウタ!?」
「元気で良かった。突然修行するとか言い出した時はどうなると思ったけど……元気で良かったわ」
カナンは借りてきた猫のように大人しくなっていた。
「まぁ、久々の再開だし、お姉さんぽくできたかな?」
見事に返されたカナンは真っ赤に顔を赤くして言う
「ふ、不意をくらっただけだよ…!」
「でた!負け惜しみぃ!いつも煽ってたのカナンの方だしね!」
そんな姉妹の微笑ましい光景を見て島民が笑う。
「まさか、あの時の女の子がここまで成長しているとは思わなかった。久しぶりだね」
「ゴードンさん、お久しぶりです!」
「ああ、6年ぶりだね。ウタからは沢山話は聞いているよ。6年前と様変わりしているだろうが、ようこそエレジアへ!私たちは君を歓迎する!長旅だっただろう!先ずは疲れを癒すといい。ウタ、城まで案内してあげなさい」
「勿論だよゴードン!ほら、行くわよカナン」
「うん」
ウタとカナンは手を繋ぎ城まで歩く。途中の町並みを案内したり、城に辿り着いてから、城の部屋について話をしたりして歩く。そして、寝室に辿り着く。
「ここが私の寝室」
「凄い、豪華じゃん……!私なんて、野宿とか、廃屋とかで寝るのざらだったのに……!」
「そりゃ、あんた無人島とかで修行とかしてたんでしょ?」
「うん、まぁ、そうだね」
「それで良く死な無かったわね。それで、聞きたかったんだけどさ、あの船ほかに誰乗ってるの?」
その質問は至極真っ当な質問だった。一人で乗るような船ではなく大勢が乗っていてもおかしくなかったからだ。だが、
「私一人だけ」
カナンはなんて無いふうに言う。
「はぁ?そんなはずないでしょ?じゃああんな立派な船どうしたのよ」
ウタは訝しんでカナンに聞く。
「ウォーターセブンで造ってもらった。4億で」
カナンは首を傾げて答える。ウタは驚いてカナンに近づき
「え?は!?よ、4億ベリーで!?なんの為に!?」
カナンはウタの手を繋ぎ、とびきりの笑顔で言う。
「ウタに会いに来たのと、世界を見て回るためだよ」