告げられる真実
エレジアから出て3日が経った。私はどのタイミングで真実を伝えるかで考えていた。唐突に伝えるのは何か違う気がする。きっかけも無いし、話すには覚悟がいる。ウタを傷つけるのは確実だ。出来るだけダメージを少なくする方法じゃないと。やっぱり簡単なのは、自分たちのせいで押し通すのが楽だ。けど、何れは話さなければならない。ほかの誰かじゃなくて私が伝えないと行けない。同性で歳が同じ私なら遠慮なくぶつかってこれるだろうし。
「それでもさぁ……子供に『君は国を滅ぼしたんだよ』なんて言えないよね。トットムジカがウタを利用しただけだし。本当に間が悪かっただけなんだろうね」
ゴードンさんのトットムジカに関する話を思い出しながら、出来るだけ傷つけず伝える方法を考える。今、船は東の海のフーシャ村に向かっているらしい。フーシャ村と言えばルフィや山に行けば山賊とエースに会えるかもしれない。でも、シャンクスの左腕がある以上、エースとルフィに面識は無い。これはまぁ、諦めた方がいいかな。でも、ルフィと会うことになると少し緊張するなぁ。主人公と会うだなんて……ワクワクしてきた。そんな気持ちを落ち着かせるために、外に出ると
「どういうこと!?シャンクス!この記事は!!!」
ウタの怒る声が聞こえた。私は急いで声のする甲板に向かう。そこではシャンクスとウタ、赤髪海賊団が集まっていた。ウタの手には新聞が握られていた。ニュース・クーが配っていた記事だろう。
「シャンクス達がエレジアを滅ぼしたって……何でそんなことをしたのよ!!!どうしてなの!?答えてよ!!!」
「ま、まぁ、落ち着けよウタ。これには事情が」
「事情ってなによ!歓迎してくれていた皆を殺して、滅ぼすのに事情があるの!?海賊だけど皆はそんな人達じゃないと思っていたのに!!!どうしてよ!!!」
ウタは大粒の涙を零しながら訳を聞く。しかし、理由が理由なだけに、誰も話すことが出来ない。娘同然のウタにお前が歌った歌で魔王が復活して、その魔王が滅ぼしたなんて言えない。だから、真実を伝える方にも覚悟がいる。伝えるタイミングはここだと思い私は……。
「ウタ……真実を聞く覚悟はある?」
皆の間をかき分けてウタの近くまで行く。もう一歩踏み出せばもう言うしかない。この言葉は、
『真実を伝える覚悟はある?』
という自問も含まれている。ウタの回答次第で私も答えないといけない。正直言うと伝える側も辛い。傷つけるとわかってて言わないといけないのだから、でも伝えられる方も辛いのは一緒かそれ以上だ。ウタは涙を袖で拭い
「……ある!聞かせて、何があったのか!私の知らない時に!あの国でシャンクス達とエレジアに何があったのかを!」
ああ、やっぱりすごいなぁ。私なら、心の準備をさせてとか、覚悟するのに時間がかかるのに。この世界の人は、やっぱり強いよ。気づいたら拳を強く握りしめていた。
「……分かった。じゃあ、私の部屋に来て。そこで、全てを話すよ」
「カナンまだ早いだろ!」
「お頭止めねぇのか!」
シャンクスに私を止めるように言う。これからの事を思えば妥当な事だ。だが、
「任して良いんだな?カナン」
「……うん、任せて。私の出来るうることをするから」
「なら、お前に任せる。お前ら、話はここまでだ」
シャンクスはそう言い私に任してくれた。ありがとう、シャンクス。私も覚悟を決めて部屋に向かう。ウタはその後ろを着いてくる。その間の会話は無くて重い空気が場を支配していた。
扉を開ける腕も重く感じる。扉を開けて、私は椅子に座り、ウタをベットに座らした。
「本当に教えてくれるのよね?カナン……」
「うん、ウタの覚悟も聞いたし……私も話す覚悟は決めた。でも、話す前に一つ言いたい」
私は話す前にウタに言う。出会って1ヶ月、色々な勝負をしたけど、ウタは私のことを知らない。私もウタの事は少し自信が無い。それで信頼なんてあるのかという話だが、言いたい。
「ウタはひとりじゃないよ。シャンクス……赤髪海賊団がいるし、私も居る。それだけは何があっても忘れないでね」
「え?……う、うん」
突然の事に戸惑うウタ。その反応は可愛いからもう少し見ていたいけど、これ以上後回しはできない。
「じゃあ、話すね。あの日、あの夜に何があったのかを」
私は話す。トットムジカの事、ウタのこと、エレジアが火の海に包まれたこと、それを止めるべく、ウタを取り戻すべく赤髪海賊団がトットムジカと戦ったこと。これから話すを事淡々と真実を話すのでは無く、トットムジカに焦点を合わしながら、ウタはトットムジカ利用された事を表に出しなが話す。
「実はねウタが歌った曲の中に、『TotMusica』と言う曲があったらしいの。古めかしい楽譜覚えてない?ウタウタの能力者が、それを歌うと魔王・トットムジカが復活するらしいの」
「魔王……?」
「うん、危険な存在の魔王。それで、そのトットムジカが復活して、暴れだしたの。シャンクス達赤髪海賊団はトットムジカに相手に奮戦したけど、ほとんどの、住民は死んでしまってエレジアは壊滅してしまった……。そんな罪を背負わせない為に、ゴードンさんが身代わりになろうとしたけど、シャンクスが、エレジアを滅ぼしたのは自分たちの仕業にしようと言って今に至るかな……」
言ったことは真実ではある。ウタは悪くない。私が頼まれているウタを見るだけではなく、休憩するように間に入れば、こんなことにならなかったかもしれない。もっと近くで見れば、気づけたかもしれない。話せば話すほど、自分の後悔が湧き上がって嫌になる。
「これが、あの日、エレジアで起こった真実……その全てだよ。ゴードンさんの推察では、ウタウタの実の能力者のウタの歌声に誘われて出てきて、自分が復活する為にウタを利用した……トットムジカが悪いんだよ!だからそんなに気を……!」
そう言いかけて私は止まる。ウタが大粒の涙を涙を流して今にも崩れそうな雰囲気を漂わしていたから。どこかに消えてしまいそうな義姉を見てもう、気休めなんて言えないと
「あっ……そんな……私……私が……エレジアを……エレジアの人達を……幸せにするはずの歌で、不幸に……!」
涙を零しながら私を見るウタ。私はその目を逸らさず、立ち上がりベットに座り大粒の涙を零しているウタを抱きしめる。
「え……?」
「大丈夫、ウタは悪くない。さっきも行ったけど、悪いのはウタを利用したトットムジカだよ」
「それでも……私が……歌ったから……私がいっぱい人を殺した……私が……大好きな歌で……人を…!」
「……今は泣いていいよ。いくらでも、義妹の前でね。受け止めるよ。ただ忘れないで、私も赤髪海賊団も守るし支えてくれるよ」
「あ……あぁ……あああああああああ!!!!」
「もう、こんな事で泣かせないようにするから」
ウタに聞こえないように、誓うように小さく呟く。泣くウタを強く抱き締めて、落ち着くまで何度も頭を撫でる。気づいたら寝息を立てていた。泣き疲れたみたいだ。私はそっとベットに寝かし、布団を被せて外に涙を拭き取り部屋を出る。
「上手くいったのか?」
シャンクス達が私の部屋の前で集まっていた。みんな不安そうな顔をしている。それにしても女の子の部屋に野郎共が集まる光景は面白いといえば面白い。
「今は泣き疲れて寝てる。これから、皆でウタを支えていこうね」
「勿論だ!」
「赤髪海賊団の音楽家が立ち直らないと寂しいもんなぁ!」
「うん、というわけでさ、女の子の部屋で集まって辛気臭い雰囲気を出すなら、甲板で宴でもして空気を入れ替えてきて……!!!」
ウタを起こさないように圧を出しながら、他のみんなを甲板に追いやる。
「ありがとうなカナン。ウタのこと」
「気にしないでよ。こういうのは私の方が向いてると思うし」
「本当にウタと同じ九歳か?」
「そうだよ。色々あるもんだよ子供にもね」
私はウインクをして、部屋に入る。その前に
ぐぅ〜〜〜〜
私のお腹が鳴る。顔が熱くなるを感じながら
「父さん、使って悪いんだけど、ご飯お願い」
「ハッハッハ!やっぱり子供だな」
「笑うな!」
船は進んでいく、フーシャ村を目指して。赤髪海賊団の絆はまた強くなったと私は思う。
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6年後のカナンの強さ
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四皇幹部と同等 最高幹部相手は辛い
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四皇幹部に少し辛い 最高幹部相手は防戦
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四皇幹部に勝てる 最高幹部相手は辛勝