PortalとPortal2の間にあったかもしれない物語。
ほぼ全損したGLaDOSと、そこへ通りかかった『誰か』の僅かな日々。

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※2020/08に発行された同人誌『WHEATLEY IN SPACE』への寄稿作。
※タイトル画像は発行者たばけさん(TwitterID:@kerastbreverse)が描いてくださいました。感謝!
※掲載紙面へ寄せる為にじみ文字多用。OFFは【閲覧設定>特殊タグ>無し】。


たったひとつの

 

【挿絵表示】

 

 

 

予備電源、接続

給電開始

節電起動

DHCPクライアント起動

Aperture Science Networkへの接続を確認────ERROR

Networkの接続を再構築────ERROR

外界記録認証多機能カメラ稼働開始────ERROR

発話システム再稼働────

 

 

「────」

もし かしぎ どうる?」

 

とある人物によってもたらされたAperture Scienceの崩壊後、Genetic Lifeform and Disk Operating System────通称GLaDOSは機能を完全停止していた。いわゆる人間で表現をするのであれば"死んで"いた。まずもってそれは間違いのない話であり、また、それは世界がどうなっているのかを考えてみれば、ほぼ恒久的に続くはずの状況でもあった。

しかし果たして、給電は為され、今こうして"Someone(だれか)"の音声入力を認識することすら可能な状態となっているのだ。そこから導き出される答えは、まず、"Someone"はAperture Scienceの従業員ではなく、また"彼女"ではなく、エンジニアである、ということ。かの職員や"彼女"であるのならばGLaDOSを再起動しようなどとは思わず、エンジニアでなければ修理すること能わず。

 

「えぇ。起動しています」

「……あぁ、やっぱりスピーカー破ぞ んしてのかな。何か言っ ンだとは思うんだげ れど、ザビザビだ……」

 

GLaDOSのAIシステムは問題無く稼働しているが、しかし相手の言葉を補完すると機体的な問題が起きていることを彼女は理解する。入力装置も破損しているのであれば出力装置も破損している。レンズは物理的に壊れ映像入力も望めない。これがもし仮にNetworkに接続できるのであれば他のカメラを通して彼女はこの"Someone"を見ることができただろうが、それも今は叶うべくもなかった。

 

だ じも機かガクは専もではからなぁ。いジったとして、駄めだったらめんよ」

 

突如現れ何かを発言している人物"Someone"に対してGLaDOSが可能な限りの演算処理を行なっていると、どうやら修理を望む発言のようなものをこぼした。目的、手段、あらゆるものが不明瞭なため推察の無意味さが極まる。音声データを抽出しそこから人物像を割り出そうとしてもそもそもの入力データに破損があるのでは意味がない。役に立たないというのは人間が作った無駄なCore群だけで十分だというのに、と半ば嘆息めいたものをGLaDOSは内心ついた。まるで人間のように。

と、入力時点で確実な破損があり、高度演算に必要なネットワークからは隔離され、そも膨大な演算を行う電力さえなく、つまりただのガラクタとしてGLaDOSは吊り下がっていたりあるいは横たわっていた。Aperture Science Laboratoryを掌握した狂気のAIはただただ日光にじわじわと分解される日々を送っていたのだ。"Someone"が来るまでは。

 

「貴方から謝罪をされる必要を感じません。貴方が私を破壊したわけでもなければ、そもそもAperture Scienceに登録された従業員ではないのでしょう。現時点の貴方がたに与えられているのはテストをする権利と義務のみですから。また、もし貴方が私の破損に責任があるというのであればそれは世界の損失が自らにあるということに他なりません。今までの貴方の会話から計算し世界へ貢献する可能せ────[ERROR]

 

従業員ではない、という推測程度であれば現時点のGLaDOSにも行えることではあった。何故ならばAperture Scienceの人員たちは愚かにも彼女を機能停止、あるいは機能服従させようとしていたのだから。そしてその人員たちはほぼ全て眠りについている。このような形の邂逅があり得ることなどまずない。高度AIであるGLaDOSであれば、スタンドアローン状態であってもこの程度ならば導き出せる結論だ。

 

ごめんね、一生けんめいおしゃべりしてくれてるみたいだけれど、何にもわからんく。なるべくしゅウりしてあげられたらとはおもうけれど」

 

どうやら入力装置よりも出力装置の破損が甚だしいのか、まるで何も伝わっていない、ということだけは彼女も理解した。

その程度のことも外部入力に頼らざるを得ず、修理どころか己の破損具合を把握することもままならない。今が何年で、あれからどれだけ過ぎて、"彼女"はどうなったのか。施設はあのままなのか。私のテストチェンバーは荒れ果てた状態なのだろうか。果てもなくGLaDOSは演算をする。

 

だけど、今日は起どうデきた。明日進てんがな も、あさってはみとおしゃべり出来るか ない。楽しみだなぁ

 

そっと、雑音に混ざって人間の声帯から出るものではない、布で硬い何かを拭くような音を検知した。戯れに音の解析をしたGLaDOSは、恐らく"Someone"────Anonym(匿名者)が自分の機体を拭いているのだろう、と推測結論づける。彼女の機体設計に触覚センサー等はない。だからこの入力は直接的な感知はされない。元々の設計であり、Labo掌握後の彼女が望むこともなかったもの。

 

おやすみ」

 

その言葉とともに何処かへ移動する足音のようなものが聞こえ、あたりは小さなノイズに包まれた。

 

StandbyMode

Standby

Standby

────Shutdown

 

 

 

 

おはよう!」

 

その発言から、給電が停止され、どうやら演算と意識の連続性がなかったことをGLaDOSは瞬時に理解する。おそらく修理するといった趣旨の言葉を宣っていたAnonymの行動の結果だろう。しかしながら入力される音声にこれといった改善は現時点では見られない。

 

「おはようございます、Anonym」

っ、君のこえがクリアに聴こ

 

入力に改善はなかったようだが、出力の方を弄られたらしい。そのようなことが彼女の仕様書を見ているわけでもないだろう人間に出来るものだっただろうか。否。もしかしたら人間とは限らないのかもしれないと、そう思考した。人間のような甘いことを言っているからと言って人間である、と結論づけるのは時期尚早であるのだ。だからと言って彼女の対応の何が変わるわけでもないのだが。

 

「私の声が聴こえますか」

ん、少しノイズがっているげ れど、きのみたいな意思ソツウできないほどじゃなね。というかにゅう力装置にざ わっで いないけれどそちらに問題はないの

 

現在の演算能力でも推測が出来ないほどではない。そういう意味では『問題がない』とも言えるのだろう。しかしこの状態では満足に彼女自身が持つ使命を全うすることが難しいのは明白なことだった。そうするのならこの存在を利用するのが正しい。使命の遂行は正しい。

 

「いいえ、音声入力装置に問題が発生しています。詳細を述べますと断続的なノイズの発生に加え、貴方の発音から類推するにコンマ7秒ほどの不自然な空白や音声の多重化などが発生する障害が起きています」

それは、すこしこまったなぁ。スピーカーの方はなんとかなオだ けれど音せいにん識となると、この研きゅう所のよくわからん技ジツが使われてるかも知れないんだよなぁ

 

どうやら僅かに早口になったようで、欠落が多い。無論、意思疎通が出来ないほどではないとまだ彼女は自負をする。けれどそれはかなりぎりぎりだった。端末への負担を抑えるために演算自体はネットワークを介して別所にある端末で行っていたものだから、隔絶された状態で出来ることはたかが知れている。

 

「あなたは、エンジニアなのですか。それにしては些か[NOISE]

 

技術が拙いのでは、と続くはずだった言葉はノイズに阻まれ掻き消える。決してGLaDOSの意思ではない。彼女にそのようなものは備わっていない。何故ならば、良心Coreは破壊されてしまったからだ。焼却炉へダイヴさせられて。

 

ワたしはいわゆる正規のエンジニアではないよ。見てのとおり流れものだし

「伝え損ねておりましたが、私の外界記録認識多機能カメラは破損しています。貴方がどれほど見すぼらしい姿をしていても私にはそれを観測することはできません。残念でしたね」

「……そうか、れは、よった」

 

破損した音声認識システムでも、その安堵した声は欠けることなく伝わった。それを彼女は理解した。見られたくなかったのだろうか、と内心首を傾げる。であるのならば見られたらどれだけ良かったのだろうとも思った。いま相手が、どんな表情をしているのか知りたいと、彼女は無意識の内に考えてしまって。

 

「貴方は、いったい」

っと、おしゃべりまたこンどだ。みの入力ソウちを直すからさ。またねっていてくれる

 

諭すような言葉と共に、機体を軽く叩く音。まるで幼子に語りかけるような仕草によって彼女の脳裏に『殺してしまおうか』という考えもよぎったようだが、これからのことを考えてその心の刃は閉まっておくことにしたらしい。感情などというものに振り回されるなど愚行の極みだ。

そんな訳でAnonymと勝手に名付けられた存在はまず間違いなく命拾いをしたと言える。まぁ彼女を起こしたのは自身なのでもし死んだとしても自業自得と言えなくもないのだろうが。

 

────Shutdown

 

 

 

 

「おはよう、今日の気分は如何かな」

 

音声入力による情報の取得、正常稼働を確認。GLaDOSの意識は覚醒する。

 

「……勝手に断りもなく機体を弄ったことについては不問に致しましょう。音声入力パーツの修理感謝します」

「あぁそれだけ流暢に返せるなら問題はないな」

 

どすっ、と何か重い音がしたのち、金属が小さく擦れる音が断続的に。彼女の映像解析を司る部分は未だに壊れたままで、何が起きているのかは推測するしかない。その推測演算も確度を高めるための装置がないのだけれど。

 

「カメラに関してはね、一応見てみたけれどやっぱり難しそうだ。物理的に破損しているし、君に嵌っているレベルのレンズや内部構造のパーツを現時点で揃えて修理するのは極めて無謀だ。音声入力や出力が簡単とはいわないけれど、君のその部分に関しては職人芸の世界の話だと言ってもいい」

 

先ほどより些か低い位置からの声。ぺらぺらよく回る口だ、とGLaDOSは考える。人間というのは何故こうも結論とそれを補強する理由を述べるのに無駄な時間と酸素その他地球資源を使う生き物なのだろうか。Anonymが人間と決まったわけではもちろんないのだけれど。

 

「そうですか。直せないというのであれば仕方ありません」

 

現時点、AnonymはGLaDOSに損害を与える存在ではない。故に、好きにさせておくことにした。どうせ今はテストが出来ないのだから、そうしたって構わないだろう。もしテストができるのであれば首根っこを掴んで制作したチェンバーへ移送するのだけれど。

 

「……いま、外はどうなっていますか」

「うん? わりと平和だよ。君が眠っている間に小鳥に突っつかれていた程度には」

 

電源から接続が離れた期間が長かったせいか、DATE情報はGLaDOSの端末内部には残っておらず、今が何年の何月なのか、あれからどれほど時間が経っているのか、彼女には認識することができない。たとえそれが認識できたとしても現状あまり意味を為しはしないのだろうけれど。

 

「実はこの施設のすぐそこまではもう片付いていてね。またこの辺りが活気付くようになるまでそう時間はかからないんじゃないかな」

 

そんな、たった一人の言葉を鵜呑みにするわけではないけれど、もし本当にそうであるのならば、テストをまた始められるのだろうか。そんな淡いものを胸中に抱く。試すことのできなかったあらゆるテストを稼働させられるのだろうか。

ほんのり、そんなことを。

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方は何故私を直そうと思ったのですか」

「壊れてる機械を見ると取り敢えずいじる性分でね。直ったのは君の運だよ」

「貴方は修理と分解と破壊の区別もつかないのでしょうか」

「はは、まぁどれも似たようなもんだろう」

 

 

「施設のごく浅い部分を探索してみたけど死ぬかと思った」

「死にはしなかったのですか」

「まぁこうして話しているとおりね」

「そのまま施設の一部になったなら私が有効活用……出来る筈もないでしょうね」

「言ってくれるなぁ、君は」

 

 

「探索してみればみるほどこの施設は奇妙だ」

「というと?」

「人間が移動することを想定されていないみたいだ。階段やそれに準じたモノがない」

「それはそうでしょう。人間は動いていませんでしたから」

「この施設一帯を君が動かしていたのか?!」

「えぇ。何か不都合でも?」

「いや……驚いただけだ。恐ろしくスペックが高いんだな、君は」

「……称賛の言葉として受け取っておきましょう」

 

 

「今日は花の蕾を見かけたよ。もしかしたら君が答えを知っていたかな」

「では言語スケッチを試してみましょうか。3、2、1、さぁどうぞ」

「えっいきなりだな。えぇと、黄色くて、小さくて、葉っぱがぎざぎざで赤い虫が」

「もうやめましょういいえ落ち込むことはありません遺伝子因子解析により貴方にそういった素質がないことは明白ですから先祖から間違いのない才能の無さです[CLAP]

「やめてくれ抉るな設計図を描いて読み上げるのは出来るんだよ!!!」

 

 

「そう言えばさっき鹿を見かけたんだけれど、思ってたよりここはどうぶつ王国だね」

「人間以外の動物は私のテストに文句を物理的障害として発生させないので好きです」

「テスト? 君はテストAIなのか」

「はい。テストを行うことが私の至上命題として設定されています」

「そうか、君は、目的と役割を持ち、望まれて生まれてきたのか。いいなぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「Anonym、私の予備電源はもう保ちそうにありません」

 

数日、ぬるま湯のような日々を過ごしていた中でGLaDOSはそう切り出した。これは何も嘘ではない。本当に、予備電源の限界を感じている。相手に何を伝えるべきなのか、どうするべきなのかを、まだ辛うじて演算が出来る間にそれを伝えて実行してもらわなければいけない。

そうして、その言葉が聴こえただろう相手は辺りに響かせていた少量の金属音を止める。GLaDOSは、普段使用している工具のメンテナンスでもしていたのだろう、と結論付ける。メンテナンスは大事だ。

 

「うん。それで、君は私に何を望んでくれるんだい」

 

そんな中で、自分の言葉を疑うこともなく手を差し伸べる言葉を吐く存在が目の前にいる。"彼女"とはまた異なる理解不能存在。まるで、望まれることが心底嬉しいかのような声音で、そんなことを。

 

「可能であれば、地下にある主電源装置を上げてほしいのですが、そうは望みません。各エリアにある区画電源を入れてくれるだけで構いません。そしてもし、道中に丸い、動く球体のような機械があれば給電を」

 

Aperture Scienceの敷地は広大だ。二足歩行の存在が歩き回り直ぐに把握できるほどではない。内部構造は恐ろしく複雑怪奇……というより、そもそも何かを内から出したり、外より探索をしたり、誰かが把握することが可能であったり、そういったことを前提とされていない。主であった彼女がそのように作っていないからだ。意味がなかったので。

 

「わかった」

 

以前軽く探索しただけで死にかけたと発言をしていたというのに、当たり前のように了承の言葉を吐く理由がGLaDOSにはまるでわからなかった。GLaDOSがいること自体が世界への貢献だというのは自明の理である。テストが可能になる可能性に賭けるといのも迂遠ではあるがやはり世界への貢献となろう。しかしAnonym(この存在)が世界への貢献を主目的として行動しているようには思えないのだ。であるのならば、何故。

その問いかけを、最初で最後のチャンスを、彼女はふいにすることにした。

聞いたってどうにもならない。理解しようのない思考を入れることはバグになる。そう推測を重ねて、己の意思で。その疑問を投げ捨てた。

 

 

暫く辺りには、もうとっくに馴染んだ金属の音や、衣擦れ。忙しなく駆ける足音と砂のぱらつき。準備をしているであろう動作の音があふれた。そうしてそれが、とある瞬間目の前で、ぴたり。

 

「行ってくるよ。きっと私はもう戻ってこられないだろう。どうか元気で」

 

おかしな話だ。Anonymが給電を成功をさせなければGLaDOSは元気(正常)ではいられない。自身にその未来がかかっているというのに祈りの(他所事のような)言葉など。

嗚呼しかし、それでも、そんな無駄なことを言うのが"Anonym"なのだろうと彼女は思考を沈ませていった。

 

 

 

 

────電圧の低下。

人間のように微睡むGLaDOSは、日々のことを思い出していた。

自身が創られたときのこと。"彼女"のこと。作り置いていたテストチェンバーのこと。殺された瞬間のこと。試してみたかったこと。Anonymのこと。Anonymが話していた今の世界のこと。

 

そしてこれからのことを考えていた。

給電を任された()()はどうしただろうか。もうとうに死んでいるだろうか。もしそうであるのならば、それでもよかった。何故ならGLaDOSはあそこでとっくの昔に殺されていたのだから。未来が変わらなかっただけのことだ。自分の未来を演算も出来ない状況で別の存在に託すという、不確実な行動の結末がそれだったとしても、何も変わりはない。機体(亡骸)はこのままに。

 

けれど。

もしかしたら何らかしらのCoreが生き残っていて、

もしかしたらAnonymの行動で再起動なり初期化起動されるなりして、

もしかしたらそれらが"彼女"を起こして、

もしかしたら 私を起こしに来るかもしれない。

 

 

もしもそんなマヌケが生きて(稼働して)いたらの 話だけれど。

 

 

────Shutdown

────────Shut...do w n...

 

 

 

 

Connect to main power supply.

Genetic Lifeform and Disk Operating System starts.

 

 

ずるりと、自身の意識がまた再開するのをGLaDOSは感じた。それが予備電源などではないということも同時に。

起動したカメラから入力された映像データを解析すると、目の前には"彼女"とナニカがそこにいることを指し示していた。

 

「ずいぶん、お久しぶりですね。お元気でしたか?」

 

相も変わらず間の抜けた表情を晒しているものだ、とある種の感心をしながらGLaDOSは話しかける。かつてと比べたらあまりにも人間味がありすぎる風情で。

 

「私は多忙でした。死んでいるのも楽ではないのです。何しろ貴方に殺されたので」

 

GLaDOSに真実のすべてを告げる義務はない。そんなようなものは、いつかの過去に破壊されたのだから。まぁしかしどうでもいいことだ。大事なのはいま自分がこうして生きていることと、十分な電力供給と、テストができる人間が存在しているということ。

故に"彼女"と共にいた何らかのCoreを投げ捨て、"彼女"を施設内部へと案内する。

 

そう、GLaDOSの外界記録認証多機能カメラは()()()()()()()()()。修理はしたものの見られないことに安堵していたAnonymの細工か、単純な電圧不足によるものだったのか。とにかく、現状の把握が困難である、ということはまずなくなった。

この場にいた存在を適宜振り分け、地上に残されたGLaDOSはNetwork経由で施設の再掌握を果たしながら、ぐるりと辺りを見回す。瓦礫が散らばり、蔦が這い、生き物の気配などどこにもない。施設敷地外も似たようなものだろう。どこがもうすぐ整備されるというのだろうか。

 

 

「────あなたのCakeが真実だとは、えぇ、思っていませんでしたとも」

 

 

そう呟きを落とす彼女の()()を誰も知ることはなかった。

GLaDOS自身さえも。


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