Muv-Luv IGLOO [M.L.I] 記録無き戦人達への鎮魂歌 (再投稿) 作:osias
白銀武は元々、極々普通の一般学生だった。
白陵大付属柊学園3年・・・幼馴染の鑑純夏、親友の鎧衣尊人(よろい=みこと)とふざけ、下校後にはゲーセンで対戦型ロボットゲーム『バルジャーノン』を遊ぶ、そんな生温くも幸せな時間を送っていた。
しかし、その平穏は何の前触れも無く崩れ去った。
2001年10月22日、運命の日。
武は起きると、彼は自分が平行世界(パラレルワールド)にいる事に気づく。
破壊された自分の故郷、そして同じ名前でも違う価値観と理念で動く人々。
そして、人類に敵対的な地球外起源種
Beings of the
Extra
Terrestrial origin which is
Adversary of human race
『BETA』の存在
1998年までに人類はその人口を30%まで落としていた。
(当初これを聞いた武は驚いたが、現在の武は一週間で28億人、世界人口(110億人)の約3割を死なす世界から来ているため、その心情は複雑である。)
彼は国連軍訓練兵になり、元の世界でのクラスメート達がいる207B分隊に入る。
武は足を引っ張りつつも、持ち前の性格で生まれや過去、政治的な理由で集められた207B分隊を纏め。彼は様々な人に会う、元の世界での担任、この世界の訓練校教官神宮司まりも、天才物理学者の香月夕呼博士、シュリンダーに浮かぶ謎の脳髄を守る少女社霞。彼はバルジャーノンで鍛えた操縦技術を駆使し、滅びに近づく世界を精一杯生きる。
後々に彼は気づかされるが、この世界を彼は何度もループする事になる。
2度目の2001年10月22日、正しくは前ループの記憶を持ったままの2001年10月22日。
彼は起きると自分の前世界での記憶が蘇る。
必死に生き、そして死んだ世界。
今度はその記憶をもとに世界を変えようと動く。
積極的に香月夕呼博士に近づき、情報を提供する。
知る災害(BETAの奇襲)を予言し、敢えて何もせず、的中させる事で信頼を得る。
戦術機用OS:XM-3(エクスエムスリー)を開発し、
衛士(パイロット)達の寿命を延ばす。
訓練兵207B分隊に入り、成長した武は彼らを引っ張り、成長させる。
順調に、順調にいっていた、いっていたと思っていた。
だが、運命は、世界は彼を嘲笑うかのように、不幸を運ぶ。
日本帝国内でのクーデター。
XM-3トライアル時のBETA襲撃
それにより、恩師、神宮司まりもの死、
まりもの死は未熟な武の責任であり、
その重荷に耐え切れず、武は元の世界に逃げる。
しかし、因果導体の彼は死という運命を運び、
元の世界のまりもすらも殺してしまう。
世界はバランスを保つために、人々から武の記憶を消し始める、
幼馴染の鑑純夏さえもその運命に逆らえなかった・・・
不運は続く、
純夏は事故にあい、植物状態となる。
武は決意する
全てを終らせるためにBETAのいる世界へ戻る。
そこで待っていたのは00ユニット(生体反応ゼロ、生物的根拠ゼロの人型人工生命体)になった幼馴染であった。
そう、社霞が守っていた脳髄こそ、彼の幼馴染である。
幼馴染がこの世界にいなかったわけではなく、彼が『認識』しなかっただけであった。
武は00ユニットとなった純夏を支え、支えられる。
(彼女と結ばれなかった事がループの原因であったが詳細はここでは割合させてもらう)
最後には仲間全員と彼女の犠牲の上で中国に位置するオリジナルハイヴを破壊する。
日本に戻った彼は、役目を果たしたように世界から消滅した。
そして、3度目・・・彼は全く違う世界、宇宙世紀0079年10月22日に目覚め、今にいたる・・・
○○○●●
西暦1999年10月28日
オリヴァーは武から聞いた彼の人生(ものがたり)を纏めていた。
その情報はオリヴァー達にとって最も重要なものである。
宇宙世紀(UC)世界に帰還するヒント。
これからとるべき行動。
この世界での常識。
そういったものを知り、決めるために必要な事であった。
武達がこの世界に着て一週間が経った。
その間オリヴァーと武はミノフスキー粒子についてのレポートを纏めた。
実際この世界にはミノフスキー=イヨネスコなる人物はいないが今更名前を変えるのもめんどくさいし、偉人に対しての冒涜になるという事で同じ名前が使われた。
オリヴァーと武は殆ど寝ておらず、目の下にクマをつくっていた。
学術雑誌に投稿する物になると、参照する論文などこの時代の物を全く知らないオリヴァー達は夕呼の助けを借り、取りあえず『粒子を発見したのが不自然じゃない』ように見せる論文を書き上げた。
第一著者をオリヴァー=マイ、第二を香月夕呼、第三を白銀武とし、オリヴァーが無名であっても、夕呼の名声を借り、確実に信憑性のあるものが仕上がった。
当然、自分達が不利になるような電波妨害の効果などは伏せられ、核反応炉を作るのに必要な効果についてのみ書かれていた。これによりミノフスキー=イヨネスコ型熱核反応炉を発表しても多少の不自然さをカバーできる。武達が持つ技術が無ければミノフスキー粒子を観測できないため、電波妨害効果を発見される確立は低い。
モニクはこの世界の情勢を学び、自分達の立場が有利になるように夕呼と交渉を続け。
現状として夕呼と同盟関係を結び、人類全体、特にハイヴを持つ国々(アジア、ヨーロッパ内の国)の戦力を増強するための準備を行った。
ケニーは一人、MSの整備を続け、武とXM-3の制作をしていた。
XM-3の基礎はオリヴァーと霞で3日で作り上げ。
その後、霞は自室で2日ほど眠り続け。
最初の3日間武はミノフスキー粒子についてのレポートを書いていた。
交替する形でオリヴァーは武が書いたレポートの肉付けを開始し、
武とケニーはバグ取りを始める。
最初、戦術機の操縦にケニーは戸惑ったが1分後には「何か、慣れたな」と言い放ち問題なく操縦していた。
武はXM-3が記憶よりも早く、そして上質な物が出来上がるという確信をもっていた。
それも、現在使用されている戦術機OSが1度目、2度目のループよりも良く、更にUC世界の知識と技術で底上げされているからである。
そして、現在XM-3のβ版が完成し、レポートも終了し、一息ついた彼らは夕呼から手渡された資料を見ながら今後についての会議を行っていた。
「しかし、この資料を手に入れてて良かったな、生で見ていたら吐いていた自信あんぜおりゃ」
ケニーがBETAの写真付き資料をヒラヒラと扇ぎながら、冗談めいたセリフを吐く
「ロンズ中・・・大尉の言う通りですね、私もこの化物共には正直驚かされました」
モニクは何時ものように中佐と言おうとして咄嗟に現在の階級に言い換える。
4人は既に国連の軍服に着替え、襟には新品の階級章が光っていた。
「しかし、敵戦力を考慮した上でこのMS・・・TSF(Tactical Surface Fighter戦術歩行戦闘機)を評価した場合、お粗末としか言えません。人材が足りないのに、生き残るための機構が全くない、ある所か自爆システムまであります」
全高18~30m超、『戦術歩行戦闘機』Tactical Surface Fighter(TSF)、通称『戦術機』はこの世界の人型機動兵器である。兵器特性は3次元機動と柔軟な任務適応能力、高い運動性、兵装の汎用性で対BETA戦の要とも言える。現在第3世代まであり、第1は重装甲による高防御性、第2世代は機動力の強化、第3世代は反応性の向上が行われた。構造には連邦軍のコアブロックシステムのような脱出機構はついておらず、逆にS-11 SD-SYSTEM (SELF-DESTRUCTION-SYSTEM)と言われる自爆システムが搭載されている。S-11は戦術核に匹敵する高性能爆弾である。高威力ではあるがハイヴの反応炉を破壊するのには設置位置が良くて2-3発必要である。実際は脱出した所でBETAに捕食されるので現在の戦術ではS-11が取り付けられている。ちなみにアメリカ軍の戦術は若干違うので取り付けられていない。
「オリヴァーさん、この時代では上出来な方ですよ、俺が元いた世界じゃ、精々人間サイズのロボットが下手なダンスか歩く程度。人の乗れる程の人型機動兵器はありませんでしたよ」
「・・・僕は未だに自分が西暦1999年にいると意識できていないのかもしれませんね・・・」
「それは私とて同じだ・・・」
二人は溜息を吐く、こっちの世界にきてから二人の溜息は増えていた
「ロンズ大尉は何か余裕ですね」
武は飄々としているケニーに尋ねた
「少年、分からない事、如何しようもない事は考えてもしょうがない。それ即ち杞憂なり」
皆が珍妙な動物を見るようにケニーを見つめた
「な、なんだ?」
「ロンズ大尉もそれなりに教養があったのだと驚いていた所です」
モニクは肩を軽く上げる
「嬢ちゃんなぁ。喧嘩売ってんのか?」
それに反応するようにケニーがモニクを睨み、ドスのきいた声を出す
「しかし、この世界にある現在のレベルだと、合金、加工などの技術にも手を加えなければミノフスキー=イヨネスコ型熱核反応炉も大きくなってしまいます。他の企画で上がっている兵器を作るのにも材料も機材も足りません」
「オリヴァーさん、相変わらずスルースキル高いすね・・・」
「技術屋。ヴァル・ラングは使えないのか?」
「ご存知の通り、現在06MSS(ヴァル・ラング)は優先して09(ドム)、15(ギャン)の整備をしています。材料さえあれば新しくMSは作れますが、素材に合わせて設計やプログラムを変える作業をしないといけないので、整備をしながら、設計、開発、生産を同時にやるとなると、現実的ではありません」
「・・・それについては香月副指令と話して、何とか日本帝国の工場を借り、材料も手配してもらえるようにした」
「ほー、で嬢ちゃん、奴さんは何で釣ったんだ?」
「手始めにギャンの情報と核反応炉の可能性、将来的に新兵器を一つとXM-3」
「結構吹っ掛けられたな」
「これで、日本帝国(スポンサー)と強固な同盟関係が結べると考えるならば問題はないでしょ?」
モニクは微笑む
「しかし15(ギャン)の情報も渡したんですか?」
「オリヴァーさん、それは俺がモニク姉さんに頼んで、情報を流してもらったんです」
「何故ですか?」
「現在、帝國の方では新型の戦術機TSF-TYPE00『武御雷』を開発しています。コンセプトがギャンに近いんで、上手くいけば戦力の増強になります。それに“昔”俺はその機体に命を預けましたから・・・」
「なるほど、この世代で最高峰の機体ということですか、強化しといて損はなさそうですね」
「さて、これからの事だが。整備の方はドムとギャンを引き続き行う。少なくとも11月の頭までには両機は使えるようにしたいわね。私達はもっと自由に動くために正式な任官が必要となる。そのために明日から帝国軍練馬駐屯地に仮移設されている衛士訓練学校に移る。3日後には総合技術演習に参加。TSF操縦訓練の参加は予定されていない。この基地のシュミレーターで慣れているから必要ないとも言える。一週間以内には任官の予定だそうよ」
モニクはスケジュール表を見ながら淡々と語る
国連軍で正式に任官する場合、訓練学校に通い、総合技術演習という試験に合格し、衛士(パイロット)は戦術機の操縦訓練を始めて卒業、任官する。正規の軍人である武達が長々と訓練学校に通い、操縦訓練を受ける必要ないため、必須事項、宇宙世紀との違いと形式のために3日訓練校に入り、総合技術演習に参加する事となった。
「任官後はどうすんだ?」
「今の所副指令は何とも言っていないが、私の方としては私達一人一人の発言力と行動の制限を減らしたいわね」
「つまり、手柄を立てるって事か」
「そう、私は文官として副指令と帝國軍の仲介をしていれば何とかするわ。オリヴァーと武はミノフスキー粒子などの技術関連のレポートで名声は買えるでしょ。問題はロンズ大尉ね・・・前線で頑張ってもらう事になると思うわ」
「俺一人やたら命の危険があるな」
「私達もMSかTSFで戦闘に出るわよ、只ロンズ大尉は私達より出撃回数が多くなるってだけよ」
「人事だと思って・・・」
ケニーは怒りを通り越し、呆れた
「後は肝心なタケル君の幼馴染、鑑純夏くんと僕達が帰れる可能性だな」
「鑑については私達が任官してから“面接”できるように手配した」
「少年の幼馴染は現在、脳髄だけの存在なんだろ?・・・少年が会うのは兎も角俺達まで見に行く必要あんのか?」
「僕達が呼ばれた理由が彼女にあるなら、会って分かる事もあると思います、確証はありませんが。他に帰れる可能性を上げる方法としては2002年元旦までに出きるだけの変化をこの世界に与える事ですね・・・(後、可能性が残っているとしたら香月博士が因果律量子論を更に研究してくれる事と・・・G弾、五次元効果爆弾・・・)」
五次元効果爆弾、通称『G弾』はBETA由来の人類未発見元素で重力制御を行うグレイ・イレブン、11番目に発見されたG元素をわざと暴走させ超重力爆発を起させる兵器である。この爆弾は重力場であるラザフォード場(フィールド)を纏う。ラザフォード場の潮汐変形、重力偏差効果で光線や物理攻撃を無効化されるので迎撃不可能な爆弾と言われている。2発のG弾が横浜ハイヴで使われ、現在も重力異常が起きている。そのため横浜ハイヴ周辺では何も育たない。そして、武が過去この世界に呼ばれた原因もG弾による時空間の歪みがだと思われる。
「後2年と1ヶ月か・・・元々数週間の契約だったんだがな・・・追加料金とか払われるのか?」
「精神病院を恐れずに“異世界に飛んで2年と1ヶ月過したから契約違反だ”と言いたければどうぞご勝手に。私にそんな勇気はないわ」
「嬢ちゃん、本当に俺に含むものがあるようだな!」
ケニーは立ち上がる
「まぁ、まぁ、まぁ」
武は二人の間に入り、仲裁に入る
「では、僕は論文を香月博士に渡してきます。皆さん、明日の準備を怠らずに。モニクも程々にしてくださいね」
そう言い終えるとオリヴァーは一人会議室から出る。
モニクとケニーの口論(口喧嘩)が終ったのはそれから30分後であった。
○○○●●
西暦1999年10月29日
帝国軍練馬駐屯地、国連軍衛士訓練学校
武達は自分達の荷物を寮の部屋に置き、武達は待合室に向かう
待合室に向かうと、そこには国連軍軍服を着た女性がいた
20代前半、茶色い長い髪をした、武の恩師、衛士訓練学校教官、神宮司まりも軍曹である。
彼女は綺麗な敬礼で武達を迎えた
「大尉殿、中尉殿、お待ちしておりました!」
「まり・・・神宮司まりも軍曹・・・」
武は“昔”のように名で呼びそうになり訂正する。
「ジングウジ軍曹、出迎え有難う。モニク=キャディラック=マイ臨時大尉です」
「オリヴァー=マイ臨時大尉です、苗字が同じなので名前で呼んで下さい」
「ケニー=ロンズ、同じく大尉だ」
「白銀武中尉です」
四人は交互に自己紹介と敬礼をする。まりもは流暢に日本語を喋る三人を見て多少驚き、既婚者の二人を羨ましがる。
「軍曹、話は香月副指令から聞いていると思うが、これから世話になるわ」
「はい、前線で活躍していた大尉達です。今更訓練、そして私程度の者が教官として物を教えるのもおこがましいと思いますが、宜しくお願いします」
武達と夕呼が決めた設定は以下の通りである
1. オリヴァー、モニク、ケニーはそれぞれドイツ及びイタリア出身とする。両国とも戸籍情報は完全に把握不能なため本人がそう言った場合確認のとりようがない。
2. 彼らは前線で徴兵され戦う、部隊が全滅し前線より撤退、再編入前に腕を買われ香月夕呼博士に第4計画の人員としてスカウトされる。軍歴(戦歴)は一番長くて29歳のケニーが16歳で傭兵業を始め、13年としてある。
3. 武はBETA襲撃を生残る。その際戦術機を強化装備(パイロットスーツ)無しで操縦し脱出(話は一年戦争を生き残った時とほぼ同じにした)。生身、そして初搭乗にも関わらず操縦できた異様性からその存在は隠蔽され、今まで死亡扱いされていた。
「そんな畏まらないでください。神宮司軍曹はすばらしい教官だと聞いています。訓練期間中は訓練生として扱ってください」
“何時”も神宮司軍曹の生徒で始めていったため、武にとって最初から上官扱いされるのに慣れなかった。
「教官ちゃんも一々訓練生と俺達とで態度変えていたら疲れるだろ?」
サングラスを光らせるケニー
「ロンズ大尉は相手を教官として態度変える気は「ねぇな!」・・・聞いた俺が馬鹿でした」
「馬鹿はほっといてジングウジ軍曹、早速訓練を始めましょう」
「は、はぁ」
○○○●●
訓練所
仮建設された訓練学校の後ろには簡素な訓練所が設けられていた。
トラックでは数名の訓練兵と思わしき生徒が走っている。
「全員、集合!」
まりもの号令を聞き走り終わった順に訓練生が集まってくる
「先日話したとおり彼らは戦場で臨時徴兵され、生き残った臨時大尉及び臨時中尉だ。今度(こんたび)彼らは正式に任官する事になり、我々と共に訓練することになった。兵士としては先輩だ、短い間ではあるが出きるだけ彼らから学べ!」
まりもは眼前にいる4人の訓練兵にそう告げる
「軍曹、訓練生は彼女ら4人しかいないんですか?」
オリヴァーは学校というには少なすぎる生徒数に疑問を抱く
「いえ、彼女ら以外にもいるんですが、現在、明星作戦や訓練校移設などの影響で人員不足でして。他の訓練生は研修という形でいません。彼女らは訓練成果も良く総合技術演習を受ける資格があるため、残って訓練を終らせている所です」
「なるほど。では我々から自己紹介しましょう」
オリヴァーは訓練生達を見渡す
「オリヴァー=マイ臨時大尉です。出身はドイツです。戦場ではTSFの操縦もしましたが主に整備など技術士官としての仕事をしていました」
「モニク=キャディラック=マイ臨時大尉だ、同じくドイツ出身。TSFの操縦は勿論するが、文官が本業よ」
同じ苗字なため訓練生は不思議そうに二人を見た
「ああ、オリヴァーと私は夫婦だ、階級も同じなため名と階級で呼んでくれると助かるわ」
「俺はケニー=ロンズだ」
短く自己紹介をするケニー
「・・・ロンズ大尉は傭兵として戦場に立っていた御人だ、10年以上の軍歴を持つ衛士だ」
説明不足を感じたまりもがケニーの自己紹介を代りにした
「最後に、私は白銀武臨時中尉です。衛士として戦術機を乗っていました、主なポジションは突撃前衛(ストーム・バンガード)です。皆さんとは歳は余り変わらないので気軽に武か白銀と呼んで下さい」
やたらフランクな若い衛士な言葉に驚く訓練生
「お前たちも自己紹介せんか!」
まりもは何も言わない4人を叱る
「速瀬水月(はやせ=みつき)訓練生です!大尉達の胸、大いに借りるつもりです!」
アスリート体系の青いポニーティルをした活発そうな女性が元気に答える
「涼宮遙(すずみや=はるか)訓練生です。第205A分隊、隊長をしています」
薄茶色のショートヘアにピンクのリボンをつけた、おっとりとしたスレンダーな女性が水月に続いた
「大空寺あゆ(だいくうじ=あゆ)訓練生。宜しくお願いするわ」
金髪を赤いリボンでツィンテールにした小柄な女性が何故か武を睨みながら答えた
「玉野まゆ(たまの=まゆ)訓練生でござる。宜しく頼み申す!」
黒髪、ショートヘアに不思議な猫の髪飾りをつけた先に紹介したあゆより小柄な女性が時代錯誤した言い回しで答えた
「「「「(ござる?)」」」」
「大尉、中尉・・・玉野訓練生の喋り方は余り気にしないでください。直そうとしたんですか我々には無理でした」
少し疲れたようにまりもが答えた
「では、大尉殿(軍曹口調は訓練生相手のもので構わないわ)・・・んん、よし、お前達、訓練を続けるぞ!軽くストレッチした後に20週を30分で走るぞ!遅れた者は8週追加だ!」
「「「「「「「「はい!((了解!))(御意!)(おぉ~)」」」」」」」」
西暦1999年10月29日、僕達は帝国軍練馬駐屯地、国連軍衛士訓練学校にて訓練を開始する。技術士官である僕と文官であるモニクが衛士として任官するのは今後僕達もTSFに乗る必要性があるためである。体力訓練は流石にタケル君とロンズ大尉が断トツだった、実際何度も訓練していて若いタケル君がロンズ大尉を抜いていた。僕とモニクは何とか他の訓練生に追いていける程度だった。体力作りは多少はやるが元々パイロットとして鍛えている人達とは違いが出る。ちなみに座学はモニクとタケルの独壇場であった、タケル君は既に最低3度目の訓練だから分かる、僕も多少は資料を見ているため話についていけるが、モニクは何時のまにかこの世界で必要な情報を記憶したようだ、後は文官なため応用問題も問題なくといていた。
ミノフスキー粒子のレポートは問題なく受理され、学術雑誌に載るようである。これで続けて熱核反応炉を発表しても疑問に思われないだろう。整備の方はオート設定した。実際マニュアル整備でなければ出来ない事もあるが、09(ドム)は既に06MSS、ヴァル・ラングのオート整備でも直せる程になっている。取りあえず全て順調である。今の所不安があるとすれば明日の筋肉痛くらいである。
―西暦1999、10月29日 オリヴァー=マイ臨時大尉/訓練生