【The back rooms】   作:T@ma

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※このレベルは海外ファンダムwikiを翻訳し、筆者なりに書き表しています。これが正解とは限りません。




【レベル4007: 感覚遮断】

Rが従業員専用扉から入った先は、真っ白な廊下に出た。廊下と言われたら廊下なのだが、絶対に廊下!と言えるような廊下ではない。見た感じでは、廊下の向きによって広さが違うようだ。気をつけるに越したことはないが。天井は蛍光灯があり、それが照らしている。

 

Rは歩く時に違和感を感じる。なんだか足取りが僅かに重く感じる。まるで床が足を引き止めようと掴みにかかるような。此処は部屋の床さえも邪魔してくるのか!?床が泥濘のように沈む感覚がする!

早めに脱出しないと!

しかし焦りは時に人の脳に混乱やダメージを与える。

Rは錯乱している。現実では無い別世界に引きずり込まれて、もう何日経ったのか。確認する術もないRの体内時計も、時間という概念すらも音を立ててヒビが入り始めている。それは同時に精神も蝕む事を表している。

 

Rは精神不安定に陥り始めていた。自身の不甲斐なさや、過去のトラウマを引き出しては悲観的になっていた。これまで閉じ込めてきた思いや感情を胸にしまいこんでいた分が、泉の如く流れ溢れていたのだ。

自身の性格の向き合いを拒んできたRには、とても大きすぎる代償だった。此処からは一刻も早く抜け出さないといけない。

Rは無理にでも押し込もうとする。こんな気持ちになるのは、此処に来て初めてだ。フラフラと道ある先へ進んでいく。扉やエレベーターなどがたまに存在するが、Rの目には入っていなかった。

 

真っ白な食堂に辿り着く。窓がない以外は特に変わりは見られない。

机の上にお皿が並べられている。お皿の上には、今まさに出来上がったかのような料理が並んでいる。お肉や魚、デザートが並んでいる。のにも関わらず、人影が一切見えないのだ。だが今のRの心境は、そこまで考える力を持ち合わせていない。

その料理を一目見て、「美味しそう」や「食べてみたい」という感情はなく、ただ食べ物という概念だけを理解して、食らいついた。

 

久々に食べたその味の全てに、涙がポロポロ出てくる。今迄、己にさえも嘘をつく癖がついていたRは、蓋をしていた分がまたはち切れ出すのではないかと思うくらいに衝動だけを身にしていた。

その衝動がRの身体を貫くかの如く、一瞬にして意識をかっさらっていったのを知る者は、Rを含めて誰もいなかった。

心情不安定になったRは気づけなかった。嗅覚が無くなっていた事を。違和感を覚える臭いの先に辿り着けなかったRの口からは、薬の錠剤らしき物の欠片がこぼれ落ちたのも、誰も知らない。

 

(薬はどこに意識を引っ張っていくのか)

 

彼の幼少期、両親からの愛を受けなかった。父と母は所謂エリートという分類だ。彼も両親と同じ道を辿るべきだと課せられた。彼の意思なんて聞いてもいなかった。齢16の時に彼は反抗をしたが、力には逆らえずに敗北を味わった。その瞬間から、人を疑い、深入りされる事を嫌った。そんな彼は大きく表情に感情を出す事を、いつの間にか忘れていたのかもしれない。

 

目覚めたRは、頭をかきながら身体を起こす。だがまだ完全に取り除けたわけではない。黒い気持ちは未だにRの心に取り憑く。Rはかいていた手を床に強く叩きつけた。

クソッ!こんな思いになるならば、思い出さなければ良かった!

もうこんな所からおさらばさせてくれ!もうお前さえも!

Rは手荷物の袋の中からかっぱらった食事用のナイフを1本取り出し、自身の手首の血管を鮮やかに切り離しながら、全てを知ってどうでもよくなったような笑いを上げながら、天井に向かって高笑いをする。

なんでこんな簡単な事をすぐに思いつかなかったんだ!ああ!バカバカしい!こんなゲームの付き合いもウンザリだ!

 

Rはやがて意識を保つのも難しくなった。力を保てなくなったRは前方に倒れ、手からはRの鮮血に染まったナイフが音を立てて、床に倒れる。手首からは彼のSOSを吐き叫ぶように血が溢れる。白い部屋は少しだけ穢れた物を除けば、赤と白が異様な雰囲気で流れているだけにすぎない。そんなのは、誰かが望んだ結末だったのかもしれない。

望んでいた奴が静かに微笑み、ニタニタ笑うだけだ。

 

ようこそ楽園へ

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