【The back rooms】   作:T@ma

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【レベル霧 η: この道は】

Rは深い霧の中を進む。本当に濃くて仕方ない。その先が全くもって見えやしない。

 

何分か歩いた後、少しだけ霧が晴れる。周囲を見渡すと、地面は土から道路に変わり、周りは木が等間隔に植えられている。

よくある一般道路に過ぎない場所の道路の真ん中に出たようだ。此処も霧が濃くて遠くが見えない。

 

ヘンテコな場所に迷い込んでしまった。

どこから探索しようかとも思ったが、この道以外に行ける場所はパッと見見当たらない。もしかしたら霧のせいで見えないだけかもしれないが、どのみちこちらが探索も戦闘も不利になるのは間違いない。変な事はせずに分かる範囲だけ探索すれば良いのだ。

 

 

Rはずっと真っ直ぐに敷かれた道路を歩く事にする。

天気はさっきまでいた公園と似たような感じだが、雨は降っていない代わりに霧が濃く出迎えてくれる。嬉しくはない。

 

 

足元を見て歩く。白と黒の靴とヨレヨレのズボンが目に映る。これはRの1部であり、それ以上それ以下でもない。特に何の変哲もない物だ。

 

 

Rは色々思っていた。何の不幸も幸もなく、ただ平凡に過ごしていたこの男が未だにこの世界を歩き続けている理由は何なのか。第三者の一時の軽い遊びとして、自身の命の強さを賭けられている気分になっている。

そんな出来事は起こってはいないが、Rはその可能性を直ぐに冗談だと笑い飛ばす力がない。頭から拭いきれない程にはすり減っている。とぼとぼ真っ直ぐにだけ伸びているこの道をただひたすらに歩くだけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一体どれ程歩いただろうか。

ぐぅっとお腹の音がRの意識に呼びかける。

お腹がすいた…袋の中からアーモンドウォーターを取り出し、喉から胃にごくごくと流し込む。

 

 

そういえば今迄意識していなかったが、腹の音を聞いて空腹の事を思う。

何だか此処に来てからお腹が空く間隔が短い気がする。頻繁と言っても過言ではない。

この世界では何があってもおかしくない非現実の世界である。だからこの現象も此処にいると起きるものだろうか。ふと嫌な考えが頭をよぎるが、頭を振り、これは違うと否定する。

また暫くRはこの道を進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱりお腹が空く時が来るのが早い。やっぱり気の所為なんかじゃなかった。今はまだ袋の中に食べ物(と言うより飲み物)があるから良いものの、なければ餓死していた可能性もあるのか。

身震いして辺りを見回す。

 

 

チョロチョロッと何かが彷徨く。それの正体はすぐに分かった。全長6cm程のネズミが歩いていた。ネズミを見た途端に更に寒気が走る。

Rはそいつに近づこうとは考えない。向こうから攻撃してきたのなら正当防衛を盾に攻撃を返すだけだ。

ネズミはRを認識しているかのように顔をこちらに向けるが、特に興味を向けずにどこかに去った。

 

冷や汗をかきながら、ホッと胸を撫で下ろす。

どうやらこちらから敵意を見せなければ良いようだ。

それなら見なければ良い話だ。地面を見ないように前だけを見て進む。あと何km歩けばいいかなんて検討もつかないが。

 

 

 


 

 

 

 

気づけば霧は晴れて視界が悪かったあの場所はなくなっていた。

代わりにRを出迎えたのは、どこか見覚えがある遊園地だった。

 

【遊園地へようこそ!】

 

 

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