Vampire Lord   作:Crimson Wizard

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新作です!
普通にレミリアが主人公ですが、前世の記憶を通して若干レミリアの人格形成に影響を与えています。
ちなみに他作品の技も使います。


転移前
第1話


 

私はレミリア・スカーレット。

強く、美しく、この世に私を表現出来る言葉など存在しない。

 

「そうは思わない?パチェ。」

 

「……また何を言ってるの?私は覚妖怪じゃないのよ。会話をする気があるのなら主語をつけなさい。」

 

気怠げな雰囲気を纏う、まるで寝巻きのような格好をした全身紫色の魔女は

訳の分からない友人の言葉をそう切って捨てる。

 

「全く、長い付き合いなのにつれないわねぇ。」

 

「はぁ……本当、レミィの相手は疲れるわ。

出来る事なら誰かに変わって欲しいわね。全く。そうは思わないかしら、覗き魔さん?」

 

紫色の少女がそう言うと、彼女達のすぐ横の空間がパックリと裂ける。その空間の中には気色の悪い目玉のようなものが見え隠れしており、

そんな空間の裂け目の上に導師服を身に纏った妙齢の女性が腰を掛けた。

 

「人聞きが悪い事を言わないでくれるかしら?また貴女達が何かおかしな事を企んでないか確認しに来ただけよ。」

 

「あら?紫じゃない。全く、私たちを問題児みたいに言わないでくれない?ちょっと太陽を克服する為に必要な事を考えてただけよ。」

 

紫と呼ばれた女性はため息を吐きながら言う。

 

「それを企むって言うの!……はぁ。

ちょっと魔女さん。貴女の友人なんでしょ?何とかしてくださらない?」

 

「……無理よ。」

 

全く、この私を厄介者みたいに押し付け合うなんて失礼な奴らね。

この身から溢れ出るカリスマが分からないのかしら?

 

 

まあ、冗談はこの辺にしておきましょう。

私には誰にも言ってない秘密がある、それは……

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

実は私って転生者なのよね。

……いや、それだけ聞くと痛い奴みたいだけどそうじゃなくてね、

 

正確には前世の記憶的なものがあるのよ。

それと、その前世とやらの人格が酷すぎたのよね……

 

まあ、記憶ってよりは知識として知ってるような感じだし、

そもそも本人はとっくに成仏してるでしょ、多分。

 

それで、生まれてからどのくらいだったかしら?

自我がハッキリしだしてからなのは間違いないのだけれど……

 

あの時は驚いたわ。

訳も分からない知識と記憶が流れ込んできて、頭が割れるかと思ったわ。

記憶はなんていうのか、動画?的なものを観せられてるみたいだったわね。

 

そして、その死因もまた酷かったのよね。

知識によると、厨二病…?っていう病気だったらしくて……

 

なんか治療法のない不治の病らしいわ。

それで、アルバイトっていう仕事?をしてたら強盗が押し入って来たらしくて、

その時に何を血迷ったのか知らないけど銃を持った相手に素手で挑んだらなんか勝っちゃったらしいの。

 

……でも、ほかの仲間が居たらしくて人質を取られて動けなくなっちゃったの、普通にバカよね。

それでボコボコにされて拘束された後、実は人質(仮)は強盗の仲間だったらしくて……

要するに、まんまと強盗の自作自演に引っかかってるのよ。

 

人質は敵だったって事が分かったタイミングで警察が現場に来たらしくて、

助かったかと思ったらパニクってた警察に犯人と間違えられた挙句に発砲されて死んでるのよ、コイツ。

 

……なんでこんなのが私の前世なのかしら?

もっとこう、大悪魔とかそういうのじゃなかったの?

 

私だったら恥ずかし過ぎて自殺するわ。……もう死んでるけど。

 

まあ、ちょっと偏りがあるけど役に立つ知識もあるわ。

特にゲームとか、アニメとかいうものは本当に素晴らしいわ!

 

私たち妖怪は肉体的には強い代わりに、精神的に不安定だと存在自体が揺らぐのよね。

長い間娯楽がないだけで存在が消滅することもあるのよ、かなり極端な話だけれど。

まあ、大妖怪クラスになると流石にそんなことはないけど……

 

つまり娯楽は場合によっては食事よりも大切ってこと。

それに私は今、弱点の日光を克服したり精神的に強くなったり、

人間に依存しないでも存在を保てるようになる実験をしているわ。

 

これは革命よ!妖怪は、種族としての弱点だけは克服出来ない。

吸血鬼は流水に弱い。太陽の下を歩けない。

他にも色々あるけど、生まれた時から存在する弱点は克服出来ないようになってるの。

 

でも、この研究が完成すれば鬼の力と天狗の速さを併せ持つと言われる吸血鬼に死角など無くなるわ!

ふふふ、素晴らしいわ。……まぁ、ほとんど研究はパチュリーに任せきりだけれど。

 

まあ、紫にバレたら邪魔されるのは分かりきってるから敢えてここでバラしておけば、

余計な警戒はされなくなる筈。ふふん、流石私ね!

 

……でもこんなことを考えつくのは、前世の記憶があるからなのよね。

かなりアホだったみたいだけど、私の役に立つなら何でもいいわ。

 

私は既にアニメ、ゲームなんかの必殺技を私流にアレンジしてかなり強くなっているわ。

本来、私も東方ってゲームか何かのキャラクターだったらしいけど、間違いなく原作の私よりは強いはずよ!

 

まあ、ソイツは他のゲームとかアニメとかの方が好きだったらしくて、

そもそも東方?ってのにそんな詳しくないみたいなのよね。

 

でも、ゲームがどうとか関係ないわ!私は私よ。

まあ要するに弱点を克服したスーパーレミリアちゃんは究極生命体(アルティミット・シイング)って事よ。

 

私はアニメやゲームに登場する、カッコイイ技を知り尽くした。

更に吸血鬼だったり影だったりといった私に近い能力を持ったキャラクター達から学んだ事は多いわ。

勿論、それ以外にも試せるものは全て試したわ。

 

某海賊漫画に登場するような覇気とかは流石に無理だったけどね、

まあ、アレ使えたら間違いなく世界取れるけど地味だったし別にいいわ。

 

あとはゲームの技ね。魔法だったりスキルみたいな物で真似をできそうなものはかなりの量があったわ。

前世の私は、色んなゲームをやり込んでたみたいで特に役に立つものはアクションRPGってのに多かったわね。

 

特にドラゴンズド○マってゲームの魔法は派手だったし真っ先に習得したわ!

まあ、前世の私はマジックアーチャーだったらしいけどね。

ソーサラーってジョブの魔法の方が派手じゃないの!なんで使わないのかしら。

 

ああ、それと私には妹が居て一時期は狂気に呑まれて大変だったけど、

私が前世の知識を総動員してその癌みたいな物を取り除いたの。

 

お陰で少しひねくれてたけど元々可愛い妹がもっと可愛くなったわ!

それと、そのゲームってのをこっちでもやりたいけど紫がダメって言うのよねぇ。

 

妖怪から娯楽を取り上げるなんて、拘束されて目の前で焼肉を食べられるくらいの拷問だわ。

 

自分は外の世界を好きに行き来してる癖に……

これだから年増妖怪は。

 

「何か馬鹿にされたような気がするわね。」

 

「あら、被害妄想かしら。歳はとりたくないものね。」

 

まあ、紫ともいつもこんな感じだし、なんか色々と退屈ねぇ。

 

「それで、パチェ?研究は順調なの?」

 

特に気になるのは、私が吸血鬼を超えるための研究。

後は、咲夜が霊夢と魔理沙辺りを自分と比較して何か必殺技みたいなのが欲しいって言ってたわね。

 

「……どの研究?」

 

「勿論、私のが最優先よ!」

 

紅魔館(ここ)の主は私だもの!

 

「はぁ……まだ無理よ。あのね、種族の弱点を克服するっていうのは、

精神が主体の妖怪は下手したら消滅するような事になるの、だから誰も成し遂げてないのよ。」

 

「何を言ってるのかしら。私の辞書に失敗なんて文字はないわ!

それに、少なくとも今の私が視ている運命には失敗する世界線なんてないもの。」

 

能力を使って確認したもの、間違いないわ!

 

そう言うと怪訝な顔をするパチュリー

 

「待って、それっていつもの嘘じゃないわよね?」

 

「何よ!人を嘘つき呼ばわりしないでくれる?」

 

全く、いつ私が嘘を吐いたっていうのよ!

喧嘩を始めた私たちをみてスキマ妖怪はため息を吐きながらどこかへ消えていった。

 

「ああ!もう、だから本当に失敗する可能性は見えないのね?」

 

頭をガシガシと掻きながら再び同じ質問をするパチュリー

 

「だから、そう言ってるじゃない。

流石に自分が消滅するかもしれないってのに嘘なんて吐かないわよ。」

 

全く、私のことをなんだと思ってるのかしら。

……すると途端に黙りだすパチュリー。

 

なんか怖いんだけど……

 

「レミィ、それが本当なら今すぐにでも妖怪や吸血鬼としての弱点を克服する事自体は可能よ。」

 

…………え?

 

「え?……本当に?今すぐ?」

 

「本当よ。ただ、勿論失敗する可能性はあるわ。」

 

……結局どっちなのよ。

 

「何よ、私の能力を信用していないの?」

 

「違う。そうじゃなくて、

念には念をいれて他の妖怪なんかで実験をしなくていいのかを聞いてるのよ。」

 

ああ。私の能力を抜きにして、

パチュリーの魔術的観点から見たこの実験自体の成功率が100%ではないって事ね。

……でも駄目ね。

 

「ダメよ。ソイツが種族の弱点を克服しちゃったら私が初じゃ無くなっちゃうじゃない。」

 

パチュリーは頭を抱えている。

 

「もう……分かったわよ、ただし責任は取らないわよ。」

 

「いいわ、ドンと来なさい!」

 

「はぁ…貴女に何かあったら私は妹様に殺されるんだけどね。」

 

ため息を吐きながらも準備を始めるパチュリー。

 

「ふふ、大丈夫よ。私はパチュリーの腕を信用しているわ!」

 

「……全く、現金なんだから。ほら、そこに横になりなさい。」

 

ジョジョ!俺は人間を辞めるぞッ!を思い出すわね。

……いや、私は吸血鬼を辞めるのかしら?

 

「さて、念の為にちょっとずつ進行していくわ。

身体に違和感があったらすぐに言いなさい。」

 

「分かったわ。」

 

「ちなみに、1時間くらいで終わるわよ。」

 

1時間……んー、かなり暇ね。

仕方ないわ、じゃあ寝ましょう。

 

「じゃあ、暇だし私は眠っておくわ。

ふわぁ〜……おやすみなさい。」

 

んー、流石に起きたら終わってるはず。

 

………………すぴー

 

「……は?ちょっと待ちなさい!それじゃあ違和感とか……いや、寝るの早すぎでしょ。」

 

頭を抱えている魔女、だが当の本人は寝てしまった。

 

「……全く、仕方ないわね。」

 

魔女は、ため息を吐きながらも友人の我儘を叶える為の実験に全ての意識を集中させた。

 




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