あれから束の間の慰安旅行を満喫した私達はまたいつもの退屈な日常へと戻っていた。
まあ旅行といっても闘技場で賭けを楽しんだり珍しいマジックアイテムを見て回ったりしたくらいだ。
それにユグドラシル由来の
一つレベルが上がったらその度に習得する魔法を選ばなくてはならない訳で……
幸いにして私達はレベルを振り直すことが出来る為、何を取るのが正解なのか日夜研究に勤しんでいるという訳だ。
そもそも魔法を使う為の手順が複雑過ぎるのだ。ゲームじゃないんだぞここは。
私は聖騎士で神官な訳だから、タンクをしながらバフを掛けまくったり本当は色々考えなきゃなんだけど……
なんせこの世界は敵が弱いから私一人で大概なんとかなってしまう。
その点、咲夜は物覚えが早くてもう位階魔法を使いこなしている。
何処で覚えて来るのかは知らないけれど、まあ恐らく時間を止めて練習でもしているのでしょうね。
まあでも、私が本気で戦う事になったらまずダリアではなくレミリア・スカーレットとして戦う事になるからあまり心配する必要は無いわね。
私がこの
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さて、つまらない話はここまでにしましょう。
今は何とか幻想郷の連中と連絡を取れないかと試している所よ。
まあ特に意味はないんだけど、他にやることが無いのよね。
今の所、全然上手くいかないんだけどね。
「んー、やっぱ無理ね。このペースだと連絡を取るだけで何時になることやら。」
さて、他にも色々考える事はある。
一番重要度が高いのは、私達のチーム名だ。今の所呼び名が無いため単に名前で呼ばれているのだ。
本来はもう決まってなきゃ駄目なんだけど、妥協はしたくなかったから無理を言って組合に猶予を貰っているのだ。
「ねぇパチェ、何かいい案はない?」
「……知らないわよ。他のチームを参考にしてみたら?」
私が尋ねるとパチュリーが億劫そうにそう言う。
「帝国のは何の面白味も無かったのよね。その点、王国の冒険者はセンスがあるわ。」
「朱の雫と……蒼の薔薇だったかしら?確かに響きは悪くないわね。」
そう、その響きが重要なのだ。つまらないのは論外だし、奇抜過ぎるのもなんか嫌だ。
「私といえば、やっぱり紅じゃないかしら?」
「でも王国のチームと被るわよ?それに紅い要素が全くと言っていいほど無いわ。」
確かに……私は金髪で咲夜は紫。でも色から取るのは悪くないわね。
「紅い月……ダリア……咲夜……ハッ!十六夜の月!これよ!これしかないわ!」
私……天才かも!
「うん、まぁ……悪くはないんじゃない?」
あんまり私要素がないけど……まあいいわ!こんなの雰囲気よ!
さて、決まったからには組合に報告して……あとは、うん。またレベル上げかしらね。
そんな事を考えていると美鈴が図書館の扉を蹴り飛ばして入ってきた。
「お嬢様!」
「うるさいわよ!一体何……」
……血塗れで。
「えー。リ、リ……何とか王国?の貴族がこの屋敷は我が国の所有物だとか何とか言って大勢で押し掛けてきて……」
「何よ、イラッときて殺したって訳?」
「まあ、その……はい。」
はぁ……。王国が愚かなのは知っていたけれど、かなり距離があるからって油断してたわ。
「別に構わないわ。そいつらは話が通じない事で有名だし。」
「でも、敵対しちゃうんじゃ?」
まあ、これを機にレミリア・スカーレットとして名を売るのも悪くは無いわね。
「ふん、別に構わないわよ。私を誰だと思ってるの?まあ良い機会だし……とりあえずこの件の王国の対応を見ましょう。それで今後の方針を決めるわ。」
もし敵対するのなら、まあ……王国の人間は身を以て知る事になるでしょうね。……私達妖怪が何故恐れられているのかを。