ちなみに熱が9度近くありますw多分明日も仕事行けないのでわんちゃん明日も投稿します。
ここ一年程で、人類の生存圏は大きく広まった。
理由は色々とあるのだが、やはりブラックスミスの存在が大きいだろう。
彼が表に出てくる事はほとんど無い為、現状性別すらも分かっていないがここでは便宜上彼という事にしておく。
事の発端は、竜王国を主な拠点として活動しているアダマンタイト級冒険者、十六夜の月が自分達の装備品を公開するイベントを行った事にある。
何故彼女達がそのような事を行ったのか定かでは無いが、長らく弱小国であった竜王国の本格的な復興が理由の一つではあるのだろう。
当然といえば当然だが、そのイベントでは他にも鍛冶師やマジックアイテムの製作者が自身の作品を展示したり、
その展示品でオークションを開いたり、更には会場となる都市へ一定の金額を支払えばイベント期間中、特定の店では食べ放題が出来たりなど、
数多くのイベントがあり、彼女達の活動で竜王国が復興への大きな一歩を踏み出したのは間違いない。
そしてイベント中、主催者である十六夜の月がスポンサーを紹介した。
本人は顔を出さなかったが、その代わりに自身の作成したマジックアイテム等をオークションに出すと言い出した。
勘のいい者は十六夜の月のスポンサーである人物が作成した物という時点で興味を持っていたが、イベント参加者の大半はそこまで気にしてはいなかった。
だが、十六夜の月のセレネが彼の装備品を自分も使っていると公言した事で誰しもがその品を一目見ようと興味を抱いた。
まず出されたのは見る限りでは普通のネックレス。
だがその効果はイベント参加者達の度肝を抜いた。
まず付与されている効果の一つは
更には一日に一度だけ装備者の死を無かった事にするという有り得ない効果。
他にも一日に三回まで自身の望む属性のエンチャントを武器に付与出来る効果と、自己強化の魔法が一日三回まで使えるという効果。
最初に提示された金額はなんと金貨100枚。
この時点で多くの参加者が脱落したが、それでもまだ金額は上がっていく。そして……このマジックアイテムは最終的に金貨270枚で落札された。
そして購入者はなんと蒼の薔薇のラキュース。彼女はセレネに誘われて参加しただけらしいが、
欲に負けて手持ち全てと仲間のお金を借りて落札したらしい。ちなみに、王国に帰ってからお金はきちんと返したという。
他にも競りに出された物は多くある。売れ残った物は一つとしてなく、商品を落札したのは全て名のある人物だったという。
そして、イベントの最後に今回のスポンサーであるブラックスミスが竜王国に店を出すという話になった。
どうやらブラックスミスはマジックアイテムや武具以外にも詳しいらしく、多くの分野の商品を取り扱うつもりであるらしい。
だが最初は武具や装備品をメインに据えて活動するつもりであるとの事だ。
その後、このイベントは年に一度行われる事になり、竜王国と十六夜の月から取って竜月祭と呼ばれるようになった。
そしてブラックスミスの作品が多く流通した現在、その恩恵はほぼ全ての人間が受けているといっても過言では無い。
まず価格設定が非常に良心的である事。
流石に竜月祭で競りに出された程の物だと値が張るが、
銀級冒険者でも少し貯金をすればすぐ買える程度の値段で販売されている。
他にもブラックスミスの武器や防具には数多くの効果が付与されており、少し高いがそれでも多くの者が愛用しており、
数多くの冒険者達からブラックスミスの装備品を使用する事はステータスとされている。
ブラックスミスは他にも多くの人物と直接契約を結んでいるらしく、
例えばバハルス帝国のジルクニフや、竜王国のドラウディロン等は自身がブラックスミスと契約している事を公言している。
願わくば、これからもその力を我々人類の為に使って欲しいものだ。
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はーい。レミリア・スカーレットよ。
ここ一年程で私の計画の前準備は大きく進んだわ。まずブラックスミスのブランド化。
これはまあ、最初の頃は値段設定を間違えて大抵の人間が買えなくなっちゃったから、効果を少し減らした物を安く売る事で普及させた。
マジックアイテムはかなり安く売ってるけど、武器や防具なんかは安すぎるとブランドとは言えないから、相場よりも高めに設定してある。
それと、魔法陣の設置。これは優先的にやってたからもうほとんど終わっている。
本当は強度のテストとかもしたいんだけど、それをやるとツアーにバレちゃうからとりあえず全ての魔法陣に私の全魔力を注いである。
あとは魔力を感知されないようにするアイテムで魔法陣を隠しておしまい。
あとは……蒼の薔薇の強化ね。
元々ポテンシャルはあったから、私は彼女達のやる気を出させるだけで良かった。
まずはダリアとして接触し、これから私達では太刀打ち出来ない強力な敵が現れたら……という話をした。すると彼女達は勝手にやる気を出してくれた。
ラキュースは神官だから私が直接魔法を教えたり、イビルアイにはセレネとして咲夜が色々と教えていた。
イビルアイなんかはプライドが高いから、最初は他人から教わる事に抵抗があったみたいだけど、
それでも咲夜が助言をし続けていると自分から教えてくれと言い出した。……実にチョロい。少し心配になってくるわね。
そして彼女達の現在のレベルだが……恐らく平均して70程だろうか。
イビルアイがレベル80程ある為チームの平均値を大きく上げているが、それでもかなり強くなったと思う。
だがガガーランは才能の限界という奴なのか、レベル40程から全く上昇しなくなった。
流石にマジックアイテムを渡すのは不自然なので、私はレベルに依存しない戦い方を教えてやった。
レベル差があるとかなり厳しいこの世界で何処まで通用するかは不明だが、出来る限りの事はやった筈だ。
それに彼女達は同じレベル帯のユグドラシルプレイヤーが相手だとしたら大きく優位を取れる。
まず先程言ったレベルに依存しない戦い方を知っていること。これはゲームでしか戦った事の無いユグドラシルプレイヤーには理解出来ない技術だろう。
そして武技の存在。原作でクレマンティーヌが30レベル前後とは思えない動きをしたように、
武技を使いこなせると恐らくレベルで換算すると10以上は上の動きが出来るだろう。
そしてイビルアイ等の
それなり以上の才能と頭脳が無いと出来ない事だが、これも相手の弱点が分かっていればそこを突く魔法を開発する事が出来る。
一朝一夕で出来る事では無いが、切り札となる魔法を開発していれば奥の手を隠し持つ事が出来る。イビルアイも恐らく持っているだろう。
それと魔理沙だが、なんと十六夜の月ではなく蒼の薔薇に加入したらしい。
基本的には咲夜と共に行動しているが、冒険者としての活動では蒼の薔薇と一緒にいる事が多い。
互いに連携を取る事が多いので、緊急時は蒼の薔薇と十六夜の月は一つのパーティとして扱われることもある。
それに独学に限界を感じたのか、位階魔法を教えて欲しいとパチュリーに頭を下げたらしい。
いい心掛けね。プライドは大事だけど、それに囚われて目的を達成出来なくては本末転倒だからね。魔理沙のそういう所は素直に好感が持てるわ。
ちなみに既に第五位階くらいは扱えるらしい。それに魔理沙にはユグドラシルの縛りが無いので魔力系や信仰系、精神系の魔法を全て覚える事が出来る。
パチェは優先度の高い魔法から教えるつもりらしく、汎用性、火力の順で優先度を決めているらしい。
魔理沙からすると火力が一番上なんだろうけどね。教えてもらう側だから文句は言えないみたい。
というか、モモンガは魔理沙の兄弟子になるのかしら?そして嫌われていると。
まあ同じ図書館でパチェに魔法を教わる以上、どうしても顔を合わせる事はあるみたいだし、どういう関係になるのか楽しみね。
「ふぅ……そろそろ休まないと。」
ブラックスミスとして販売している作品は全て私が作っているのだ。
ここ一年ほどでかなり落ち着いたが、やはり偶には造らないと供給が追い付かなくなる。
「悪魔でも召喚してやらせようかしら?」
マジックアイテムを使えば悪魔でも私と同等の装備品を作る事が可能だろう。まあ、まだいいか。限界が来たら考えましょう。
私は慣れた動作で剣を鍛造しながら考える。
吸血鬼ってなんだっけ。
どこの世界に鍛冶師をやってる吸血鬼がいるんだと自身の存在に疑問を抱きながら私は鉄を打つのだった。