色々あって遅れてましたが、少し落ち着いたので戻って参りました!
別作品の方も上げてるのでそちらも良かったら!
ドラウディロン・オーリウクルスは連日の執務に疲れ果てていた。
「はぁ……頭が痛い。なんなら腰も。」
「陛下、その形態で年寄り臭い事を言わないでください。
それで例の彼女ですが……名が売れる前ではありますが招致でもしてみます?」
ちょっと愚痴るとすぐに口を挟んでくるこの無礼な男は竜王国、つまりこの国の宰相だ。
……何故かいちいち言い方に棘があって癇に障るが。
「形態言うな!……だがまぁ、こんな弱小国に招かれても普通は無視するだろうな。
メリットが無さすぎるし、まだ名前も売れていないのだ……色々と勘ぐられるだろう。」
実は、ここ最近竜王国の冒険者組合で新人が入って来たらしい。
竜王国は例年、というか数ヶ月に一回はビーストマンという亜人種に侵攻されており、かなり疲弊している。
ビーストマン共は人間を貪り食いながらも侵攻を止めず、ここ数年で竜王国は領土を幾つも失った。
スレイン法国とは表向き友好的な関係を築いてはいるが、
その実情は法国の数ある特殊部隊、その内の部隊一つを多額の金銭と引き換えに短期間貸し出すのみ。
それも他の任務があるとかで遅れることは多々あるし、なんなら金だけ毟り取られた事もある。
だが、竜王国は弱小国であり人類の生存圏でも大国である法国に強く出る事が出来ない。
そうした竜王国の現状を知り、義憤に駆られた若者が冒険者として登録するくらいなら実によくある話だ。
まあ、そういう者はビーストマンに食われて死ぬか竜王国での活動を諦めて他国に渡るかの二択だが。
「まぁ、無駄になるかもしれんが、一応やるだけやっておけ。」
「はいはい……了解しました。」
……こいつ、相変わらず喋り方一つでいちいち人をイラつかせるな。
「それで、その者はどういう性格なのだ?」
「……例の冒険者とやらですか?報告書に書いてあるじゃないですか。
酒を呑む暇があるんだったらもうちょっと真面目に執務をして下さいよ。」
元々の仕事量が多すぎるんだ!私もできる限りの事はやってるんだぞ……
そもそもなんだ!わざわざ子供のような拙い字で兵士達に向けた手紙を書くとかいう作業は!
兵士だけで何人いると思ってるのだ、こんなの執務でも何でもないわ!素面でやってられるかボケ!
それにこの男は相変わらず全くと言っていい程自分に敬意を払わない。こんなナリでも国のトップだぞ!
「でも……こんなの、呑まなきゃやってられんだろ。」
……また都市が一つ落とされたらしい。今もそこで命を掛けて戦っている者がいる事実に心が痛む。
「……まぁ、陛下の気持ちも分かりますが。」
そうして執務室は少ししんみりした雰囲気となったが……
そこに突然ノックが鳴り響く。
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私と宰相は目を合わせて訪問者に許可を出した。
「入室を許可します。」
宰相がそう許可を出すとそこには伝令兵の格好をした若者が緊張した面持ちで立っていた。
……この国にはまともな人員がいない為、本来は官吏を通すような場面だろうと一兵卒の人間が直接国のトップに報告に来ることもある。
これだけでもこの国がどれだけ切羽詰まっているのかという現状が分かるだろう。
「失礼します!」
「あぁ、それでどうしたのだ?」
女王である私が笑顔で訪ねると少しホッとした様子になる兵士。……こんな格好をしているのにもきちんとした理由があるのだ。
「はい!実は新しく我が国の冒険者組合で登録をした新人が女王に会わせろなどと申しておりまして……
現在城の前に居座っております。本来このような些事はその場で片付けるべきなのですが、
組合の人間が言うにはその新人とやらはかなりの実力者らしく、等級は
一応上からの指示を仰ぐようにとの事です。」
ほう……この兵士は一兵卒にしては報告がしっかりしているな。商人か何かの出身かもしれんな。
それにしても……
「なるほどな。報告ご苦労、下がっていいぞ!」
「はっ、失礼致します。」
私が子供のようにそういうとその兵士は笑顔で執務室を出ていった。
相変わらず騙しているようでなんか罪悪感があるな……
「それにしてもタイミングが良いな……
とりあえずその者には会っておこうか。あと宰相、先程の兵士は官吏にしよう。この国は文官も足りていないのでな。」
「ええ、了解しました。」
ふむ……それにしても何故私に会おうなどという話になるのか?
冒険者ならば政など鬱陶しがるものだろうに。
まあ、取り敢えず会ってみれば分かる事だ。
「おい宰相、その者をすぐに客人として案内してやれ。
このあとセラブレイトの奴が食事に誘って来ていたがこれを理由に断ろう。」
「……それが理由ですか?」
おい、なんだその目は。確かにあのロリコンは気色悪いがあんなのでもこの国には必要な人材だ。
断じて相手にするのが面倒くさいからなどという理由で断る訳では無い!……少しくらいそういう気持ちもあるが。
「まぁ、とりあえず任せたぞ。」
まあ女らしいし、アイツよりはマシだろう。
「ええ、了解しましたとも。女性のようですし……今度は同性愛者だったら面白いですね。」
「おいやめろ!私はノーマルだぞ!……本当にそんなのだったらどうするんだ。」
ああ、なんだか会うのが怖くなってきたな……
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全く、私の只者ではないこの圧倒的なオーラが分からないのかしら。
「ねぇほら、私こう見えて結構強いのよ。この国の為に来たんだから少しくらい良いでしょ?」
「だ、だめです。」
……もー!どうしようかしら。
あれから冒険者登録は色々あったけど上手くいったわ。
その後軽い気持ちでドラ、ドラ……ちょっと待って、魔法使わないと思い出せないわ。
あ!ドラウディロン・オーリウクルスっていうのね。その女王に会っておこうと思ったんだけど……
まあそりゃあ通さないのが当たり前よね。んー、魅了の魔法でも使おうかしら?
そう思っていると現場の責任者が伝令兵を通して上に指示を仰いだらしく、
少し待つように言われたあとに女王陛下がお会いになられると言われた。
へぇ……私みたいなのでも相手にするんだ。
この国がどれだけ切羽詰まった状況なのかが分かるわね。
普通は得体の知れない人間を国のトップに会わせたりしないわよね……
ちなみにだが……
今の私は冒険者活動をするにあたって名前と姿を変更している。
見た目は私の髪の色を紫にしてそのまま20後半くらいにした美女!
身長は170cmくらいあるし、女にしてはかなり高い方ね。
そして鎧をつけてはいるけど分かるくらいのボンキュッボンよ!
……魔法じゃないわよ?
そして名前はダリア。まあ、まんま花の名前だけど花から名前を取るのはよくある事だし大丈夫でしょう。
そもそもこの世界にダリアがあるのかしらないけれど……
ちなみに、パチェに頼んで魔法を掛けた黒い鎧を作って貰ったわ。少し紅いラインが入ってるのがポイントよ!
結構本格的に作ってもらったから正直、私の普段着よりかなり性能がいいわ。
まあサイズは装備者に自動調整されるから普段の私でも着れない事は無い。
余程の事がないと多分着ないけどね。それとこの際武器も持つ事にした。
少し長めのバスタードソードで、まあ両手使いが基本の武器ね。
昔クソ親父からレイピアの扱い方なら教わったことがあるけど……
流石に両手剣は使った事ないからパチュリーに魔法の本を借りて少し練習したわ。
精神と時の部屋じゃないけれど、ある程度のメニューに沿ってそれをクリア出来たら次に行く事が出来るみたいな
まさに効率を求める魔法使いらしい魔本だったわ。
まあ実際には異空間に飛ぶ訳じゃなくて、
使用者に幻覚的なモノを見せる類の魔本だから、現実の肉体とは動かし方に若干の違和感が残るけれど……
そのうち慣れるでしょうし、それはもう気にしないでいいわ。
剣は少し違うけどあれよ、鎧のせいでほとんどセ〇バーオルタみたいな感じよ。
まあ髪が紫色だし全体的に暗い雰囲気になっちゃうけどね。
それと容姿の変更は、流石に吸血鬼の時には出来なかったけど、
パチェの協力により妖怪という幻想ではなく、私という個としての存在を確立した今なら存在が揺らぐことは無い。
よって全く問題ないのだが……
流石にそろそろパチェを休ませないと怒られるわね。昨日も凄いジト目で見られたし……
お礼はちゃんと渡したんだけどね。
まあ姿と名前を変えたのは私がレミリアだとバレたく無いわけじゃなくて、正直ただの気分よ。
でもまあ、紅魔館の主として以外にも対外的に使える身分にする予定だから積極的にバラす予定はないわね。
さて、これから女王様に会うんだし騎士っぽい格好もしてる。
冒険者として活動する際はちょっと演技をして礼儀正しく振る舞うってのも面白そうよね。
じゃあ、今から女王と対談するのは紅魔館の主であるレミリア・スカーレットではなく、
新人だが礼儀正しく実力のある女冒険者、ダリアということにしましょう。
普段はこんな事しないから楽しそうね。さて、私はダリア。
軽い気持ちで来たけど、本気で演技をするのもいい暇つぶしになるわ。所謂ロールプレイってやつね……
さて、女王陛下とやらの姿も気になるしさっさと始めましょう。
私の本気の
是非高評価よろしくです!