書き殴りのため本編があらすじです。
映画を見た作者の妄想。

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響くUTA声と最前列の音知らず

 

 燃え盛る美しかった町並み、折り重なるように横たわる人だったもの。

 海軍に追われ遠ざかっていく船の旗に描かれるのは、左目に3本傷のある髑髏マーク。

 

「シャンクスが、赤髪海賊団が全てを奪った!!」

 

 血を流すエルジアの王だった男ゴードンは、血を吐くように小さな歌姫ウタに告げる。

 歌うとすぐに眠ってしまう寝起きのウタはその言葉を疑えず、しかし家族に置いていかれたという事実はその心を深く深く傷付けた。

 

「置いていかないで、どうして、なんでだぁーー!!!」

 

「ウタ、すまないウタ、シャンクス…」

 

 桟橋の先端で海に飛び込みかねないウタを必死に抑えていたゴードンは、音楽家として鍛えられた耳が拾った音で驚愕とともに振り向いた。

 

 そこにはウタより少し年上の、ある理由からゴードンもよく知る少年が傷付きながらもしっかりと自分の足で立っていた。

 

「馬鹿な、いや、そうか、そうか、“君”なら!!」

 

 叫び疲れ泣き疲れ、腕の中で眠る悲劇の歌姫を大事に抱えながらゴードンは少年のもとに歩ていく。

 

「頼む、君なら、シャウロ君ならこの子に何かあったとき、真っ向から立ち向かえる!」

 

 ゴードンの言葉に首を傾げるシャウロは、その腕の中で眠るボロボロのウタに驚いた後微笑みながら髪を優しく撫でた。

 

 

 この日世界に誇る音楽大国エルジアは滅び、名の売れてきていた赤髪海賊団の悪名が一気に広がる。

 生存者3名という未曾有の被害を受けたエルジアだったが、この国から音楽がなくなることは一日たりともなかった。

 音楽に関しては世界最高峰の知識を持つゴードンの英才教育は、小さな歌姫をまたたく間に稀代の歌手へと成長させた。

 歌うとすぐに寝てしまうのは変わらずとも、成長したそのUTAは更に多くの人を魅了して離さない。

 

『ウタありがとう、今日も最高だった! これで明日も頑張れるよ!』

 

『あなたのおかげで、暗かった村に笑顔が増えました』

 

『終わっちゃうのやだよ、ずっとず〜っとウタの歌を聞いてたいよ!』

 

 声、そして映像をリアルタイムで共有できる新型の電伝虫は、ウタの音楽を世界に届け、世界の悪意を純真無垢な歌姫に届ける。

 

 世界の悪意をその身に受け止め、ウタの中の悪魔が綺麗だった想いをいびつに歪めていく。

 

「見てなさい、いえ、聞きなさいシャウロ。あたしがあなたに、そしてシャンクスに最高のUTAを届けてやるわ」

 

 これは世界に喧嘩を売った歌姫と、そのウタを最も近くで見ていた観客の物語。

 

「あたしは、新時代を作る女よ!!」

 

 この日もステージ(テーブル)に立って吠える彼女に、椅子に座ったシャウロの変わらぬ拍手と笑顔が贈られる。

 

 





 ONE PIECE FILM REDを見終わって頭に浮かんだ妄想。
 一番歌を聞いて欲しい人に届かなくて、それでも届けようとする強いウタちゃんが見たいんじゃ

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