The Back Rooms Story 〜Fanmade〜 作:犬社長
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忘れてしまった思い出がある。
遠い昔に経験した、とってもとっても不思議な出来事。
ソレは、家の薄暗い地下室の先にあった、不思議な不思議な世界の記憶。
〈この物語は、本編で語られる事の無かった放浪者トム・マクフライの、『幼少期』の記録補完である。〉
ーーーーーーーー思い返せば、子供の頃の自分は好奇心に満ち溢れていた。
あの背丈より高い垣根の向こう。
道路を挟んだ隣のブロック。
両親に連れられて行ったバレービューセンター。(…ソコにあった両手が葉っぱで出来てる巨人の像は、子供にとっては不気味すぎたが。)
ーーーーーーーー目にする何もかもが、新鮮で、驚嘆に満ち溢れていた様に思う。
実家の裏庭に有る地下室の鍵が開いている事、そして、その奥の暗闇に
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「も〜〜良い〜〜か〜〜い!?!?」
「ま〜〜だだよ〜〜〜!!」
のどかな昼下がりの庭に響く、大人と子供の声。
短く切り揃えられた芝生を走る、幼く短い足。
「どっか…!どっかに隠れる場所はーーーーーーーー」
その時、幼いトム・マクフライは父親とかくれんぼをしていた。
父親はトムを見つけ出すのが異常に上手く、いつもトムは見つかってばかりだった。
(ーーーーーー今日こそは、今日こそはパパから隠れきってやる…!)
そんな強い意思を持っていたトム少年は、たまたま見つけた地下室の鍵の閉め忘れに、内心ガッツポーズを決めた。
ーーーー父親も、僕がまさか地下室に隠れるとは思うまい。
…そうトムは考えて、地下室への階段を慎重に降りていく。
幼い体には、若干段差が高すぎるコンクリの階段を降りきり、トムは地下室の暗がりを覗き込んだ。
「……わぁ…暗いなぁ……。」
微かにじめっとした空気が漂う地下室は、正直言って苦手だった。
ーーーーが、しかし。
「あれ…?ーーーーなんだろ。あの光……。」
その日の地下室はいつもと違った。
暗闇の先に、明るい場所が見えるのだ。
ーーーートムの中の好奇心が疼いた。
「…………?」
トムは、光へ向かって歩き出す。
まるで、誘われる様にーーーーーーーー
「ドアだ……!」
ーーーー辿り着いた光の発生源は、壁に取り付けられた《黄色いドア》だった。
微かに開いているドアの向こうから、蛍光灯のハム音と、やけに黄色く見える光が差し込んで来ている。
…少なくとも、トムの記憶にこんなドアは無い。
パパが、新しい部屋でも作ったのだろうか?ーーーーそんな事を思いながら、トムはドアノブに手を掛けた。
向こうに広がるは、
刺激される知的好奇心。
しかし何故か、その向こうに行ってしまってはダメな気がする。
行ったら最後、二度と戻って来られない様な気がする。
しかしーーーーーーーーーーーー
「もしかしたら…この先に行けば見つからないかも…!」
トムは扉を開けて、その先へ行った。
彼を呑み込んだドアは、音も無く消える。
何の痕跡も残さず、世界から、完全に。
………この日、
………to be continued
in The Back Rooms
トムマクフライ編は、大体3話位に分けて書こうと思ってます。
〈補完編〉と言っても、あんまり書く事は多くないので、結構直ぐに終わっちゃうかも…?