夕日が西の空に浮かんでいる時、カルデラ壁の上でその沈んでいく様を西日に照らされながら眺めていた。黄昏れる少女の頭は今日のことで埋め尽くされ、悔恨の念に駆られていた。
傷つけてしまったミクリやボーマンダ、ブースターのこと、自分が眠っている間にポケモンセンターに行ってくれたであろうダイゴのこと。自分のピンチに駆けつけてくれた彼に次会った時何を言ったらいいのかわからない。少女はダイゴは己をミッションに参加させたのを後悔していないか心配だった、だって、ミクリがそんな表情をしていたからダイゴももしかしたらそうなのかもしれないと思ってしまう。
ポケモンたちもそうだ、こんな自分のために戦ってくれたポケモンたちを守ることも叶わず、敵に首を絞められて意識を飛ばしてしまった。あの子たちをポケモンセンターに連れていくのはトレーナーである自分の役目なのに、それすら全うすることができなかった。幻滅しただろうと思うと怖くなってしまう自分が嫌で少女は無意識に握りこんだ拳に力が入る。
「そんなに強く握りこんだら切れてしまうよ。」
不意に後ろから声を掛けられる。まさかこんなことろに自分以外いないと思っていた少女は驚き、背すぎが伸びたのがわかった。
「ツワブキさん、、。」
「ふふ、ごめんよ。驚かせるつもりはなかったんだ。」
少女が後ろを振り向くとそこに立っていたのは昼間ハウスにいなかったダイゴだった。
ダイゴは少女の顔を見るとニコリと笑って近づいてくる。
「目が覚めて良かった、気絶した時は本当に焦ったよ。すぐ近くの病院へ行って診てもらったんだけど、何ともないと言われてね、ハウスに連れて帰ったんだけど、、。うん、顔色も悪くないし元気そうだね。」
ダイゴの話しを聞いて少女は病院まで連れて行ってもらったのかとまた申し訳なくなり、顔を俯けてしまう。少女はまた自責の念駆られたのか、今は誰ともいたくない気分だったがダイゴはそんな少女の横にストンと腰を下ろした。どうやら1人にはさせてくれないらしい。
「君をハウスに運び込んだ時、ミクリの奴、久しぶに狼狽えていたんだ。まぁ、男の人に首を絞められての気絶したとなると当然焦るよね。」
ダイゴは困ったような顔をしながらも何処か可笑しそうに笑う。そんなダイゴに少女が謝罪の言葉を口にすると、彼は心底不思議そうに首を傾げた。
「どうして謝るんだ?」
「だって、私勝手にそらのはしらに行って、勝手にあの2人組に襲われて、逃げれば良かったのにできないバトルなんかして、私のせいでボーマンダとブースターが倒れて、、。なのに、レックウザとツワブキさんに助けて貰ってしまいました、、。私が全部招いたことなのに、ポケモンたちに、ミクリさんに悲しい顔をさせてしまいました。、、、まだ2日目なのに迷惑をかけて、足を引っ張って、、申し訳ありません、、。」
自責の念にかられ続ける少女の顔に影が落ちていく。少女はチラリとダイゴの顔を見るが、彼はまだ分からないという顔をして首を傾げている。それが何故か無性に腹立たしくて唇を噛み締めると少女は感情を爆発させてしまう。
「なんで、怒らないんですか!私、迷惑しかかけていないじゃないですか。ポケモンたちだって、ツワブキさんにポケモンセンターに連れて行ってもらって、その間私はベッドで呑気に寝て、、、。」
「呑気にって、気絶してたんだよ?仕方がないと思うけど。それにミクリのことは気にしないでいいよ、少し動揺してるだけだから。」
少女が感情的になっていても対してダイゴはなんでもないような顔で答えるものだから益々少女は苛立ってしまい、感情の爆発からか堰を切ったようにボロボロと泣いた。少女は特に泣くつもりはなかったし、ダイゴに苛立てる立場じゃないことだとわかっていたが今日のことを思い返した時の自分の不甲斐なさと、自分を絞め殺そうとしてきたオトギリを思い出した時の恐怖心、色々な感情が一気に出てきて自分で自制ができない状態になってしまったのだ。泣き出した少女にダイゴは最初は少し驚いた顔をするが、すぐに笑って見せた。
「どうして泣くんだい、君は何も悪いことをしてないだろう。」
「だって、、全部、わたしが、あそこに行かなかったら何も、、、。」
少女はボロボロ流れる涙を手で擦りながら、言葉を発する。ダイゴは擦っちゃだめだよと言いながら少女の背中を撫でた。
「そもそもね、君がそらのはしらに行くことは昨日からわかっていたんだよ。僕もミクリも、わかっていて行かせたんだよ。」
「そ、れは、、どうして、ですか。」
「君があそこに惹かれているのに気づいたからさ。レックウザに関係するあそこに惹かれる君にレックウザとの縁を感じたんだ。だから、きっと何か起こしてくれると思って君に行ってもらった。まぁ、あんな危険人物と鉢合わせになるなんて思っていなかったけどね。」
そう、少女は気づいていないがダイゴたちは少女とレックウザが何かしら繋がりを持っていることに気づいて利用しようとした。少女がレックウザの姿をまたひと目見るだけでもいい、小さいことだけで良いからミッションの進展があればと思ったのだが、まさか生死に関わるような危険に晒されるとは予想していなかった。
「あの時、僕は仕事であの付近を飛んでいたんだ。そしたらたまたま塔に向かって飛んで行く大きな影を見つけて、行ってみようと思ったんだ。そしたら遠目から君が男に首を絞められているのが見えて血の気が引いたよ。同時に君を1人で行かせたことにも後悔した。助けに行こうしとしたけどレックウザに先を越されて、結局僕は牽制する以外特に何も出来なかった。」
そう眉を下げて話すダイゴ。
「本当に謝らなきゃいけないのは君じゃなくて、僕達だ。君をひとりにするべきじゃなかった、すまない。」
そう言って謝るダイゴに少女は泣きながらふるふると首を振る。違う、違うのだ、私が戦えなかったのが悪いのだと、心が弱い私が招いたことなのだと言いたかった。
「ち、ちが」
「何も違うことは無い。僕達は3人しかいない、だからちゃんと3人で戦わなきゃいけなかった。だから、もうひとりで戦わせることはもうしない。」
そう少女を見て話すダイゴの目は酷く真っ直ぐだった。それに少女はもう何も言えなくなっていた。それにダイゴは困ったように笑った。
数分後やっと涙が止まった少女にダイゴはずっと気になっていたことを聞く。
「そう言えばできないバトルなんかして言ってたけど、バトルできたの?」
「あ、いえ、バトルをしてくれたのはボーマンダたちだけで私は指示は出してないです。言った通りバトルできないので。」
ダイゴは驚いた顔する。
「じゃぁ、トレーナーの指示無くポケモンたちだけで戦ったってこと?」
「はい、バトルできなくなった後ワイルドエリアで指示がなくても戦えるように特訓してたんですけど、今日が初めての対人戦で、、、やっぱりトレーナーとのバトルは野生とは全然違いますね。」
そう眉を下げて笑う少女にダイゴは少し目を逸らしたあと、また少女に視線を向ける。
「ねぇ、君はどうしてバトルできないんだい?というより、しなくなった、が正しいよね。」
ダイゴの質問に目を開いて固まり、終いには俯いてしまった。それに少し焦ったダイゴは言いたくないなら言わなくていいとフォローを入れようと口を開いたが、それは少女の本人に遮られてしまう。
「本当に呆れるほど瑣末な理由なんです。幻滅すると思うので聞かない方がいいですよ。」
そう少女は顔を歪めながら言うが、ダイゴは聞きたいと答えた。それに少女は困った顔をしたが、自嘲するように笑ったあとぽつぽつと話し出した。
「ツワブキさんも知っているように私は2年前にカロスのチャンピオンリーグに挑戦しているんです。
私、そこで四天王の方に完膚なきまでに負けてしまって、甘くないことはわかっていたのでずっと挑戦し続けたんです。」
ダイゴの黙って聴いている様子から口を挟む気は無いようだ。いや、黙って聞いてくれている、と言うよりかは全てを話せと言われている、と言う方が正しいかもしれない。決して圧を掛けられている訳では無いが、有無を言わさないそのオーラに、少女は全てを諦め、全てをさらけ出してしまおうと思った。
少女は言葉を改めて自分の生い立ちから、語り始めた。
少女はシンオウ地方、ハクタイシティで生まれ育った。長閑な街、穏やかな家族、優しい祖父母。春風駘蕩な暮らしだった。
幼い少女には特に好きなものが2つあった。言わずもがなポケモンたちと、自身の祖父が語る物語だった。
祖父は趣味で考古学研究をしていて、よくカンナギタウンに行っては土産話を少女に聞かせた。祖父は趣味を超えてマニアと言える域まで入っていて、他の人が知らないような話まで知っていた。
誰も聞いたことがない話、しかもただのマニアが語る話なんて、他の人が聞けば法螺話だと蹴り飛ばすだろう。しかし幼い少女に取っては祖父の話は摩訶不思議で、心が踊る物語だった。そこで知ったのだギラティナの存在を。
強く惹かれた、いつか会ってみたいと願うほどに。
そうして九歳になる日、少女は運命の出会いをした。
朝、目を覚ました枕元には1つの球体が置かれていた。
コロンとしたそのフォルムからポケモンのタマゴであることがわかった。少女は文字通り飛び上がった。
「そのタマゴから孵ったのが、私のボーマンダなんです。
ボーマンダ、あのときはタツベイか、、、タツベイがタマゴから生まれた時は、本当に嬉しくて嬉しくて、タツベイを抱っこして街中自慢して回りましたよ。」
「ふふ、そうなんだね。」
(9歳が40kgのタツベイ抱っこしたの、、、?)
少女のボーマンダは通常の1.5〜2倍。それで言うとタツベイも通常よりも大きかったはずだろうと考えたが、ダイゴは気の所為ということにした。
ダイゴがそんなことを考えているなんて露も知らないまま、少女は話を続けた。
少女とタツベイは出会ってから片時も離れたことがなく、誰しもが認めるパートナーだった。それは、トレーナーになって多くの仲間ができてからも、ずっとわかることない事実だ。
大好きなポケモンたちと巡る旅は楽しかった。一人旅でもポケモンたちがいれば寂しさも恐怖もなかった。
不思議とバトル好きのポケモンが集まる少女は、シンオウ地方のポケモンリーグを優勝しても、チャンピオンリーグに行くことはせずに、更なる力を求めた。メガシンカのためにカロス地方に、Zワザのためにアローラ地方に、ダイマックスのためにガラル地方に、気がつけば4つの地方を制覇してしまっていた。それほどにただ真っ直ぐにポケモンたちとバトルの探求をしていた。その時にはもうギラティナの存在なんて覚えていなかった。
4つの地方を巡り終えた少女は、遂にカロス地方のチャンピオンリーグに挑戦することした。だが、チャンピオンリーグは破格の強さだった。
それまで負けという負けを知らなかった少女は、バトルで全く歯が立たない、そんな経験は初めてのことだった。それでも、諦めることは無かった。
ポケモンと試行錯誤を重ねて、四天王たちのアドバイスを真摯に受け止め、謹厳実直に努力していた。
今となってはそれが少女の首を絞めたのかもしれない。
どれだけ工夫しても、改善しても、終ぞ四天王の1人も倒すことができなかった。四天王も少女の実力は確かだと思っていたので、最後はなんと声を掛ければいいのかわからなかった。
何故か勝てないのか、何故自分はこんなに情けないのか、弱いのか、そんな事ばかりを考えるようになってしまった。真面目すぎた少女は自分を追い込み、自己嫌悪の日々を作り上げた。
何より少女が辛かったのはポケモンたちに勝たせてあげられなかったことだ。勝てないことでポケモンたちが肩を落とす姿も、申し訳なさそうに少女を見る悲しげな目も、何もかもが、少女の心を蝕んだ。
そんな時だ、ポケモンたちとめげずに頑張ろうと特訓をしていた花が綺麗な丘で、ポケモンハンターと鉢合わせしたのは。
ポケモンたちを守るために戦った。強いハンターではなかった。それでも、少女は負けた。
崩れ落ちるボーマンダを見届けて、少女は絶望した。
ポケモンたちを守れなかったこと、ではなく、ポケモンバトルに負けたことに対して。
ギラティナの存在を思い出したのは、ガラル地方のワイルドエリアに引きこもっていた時だ。
たまたま何となくで見ていたインターネットニュースで、シンオウ地方のグラシデアの花畑で起こった事件の記事を見つけた。詳しくは書かれていなかったが、ギラティナのこと、そして祖父から聞かされていた反転世界が記載されていた。
それからのめり込むようにギラティナ情報を集め、調査団の存在を知って、少女は思ったのだ。
ギラティナに会えば、初心に帰れるのではないかと。そうすれば新しい心でバトルができる、ポケモンたちを喜ばせることができると。
そして少女はシンオウ地方に帰り、ナナカマドに会うことを決めた。
これが今までの少女の全てだ。
「はは、おかしいでしょう?普通なら、ポケモンたちを心配するはずなのに、負けて守れなかったことを悔やむはずなのに。自分のことばかり、考えて。そんな自分が嫌になって、これ以上情けない自分を晒してポケモンや人に呆れられたり幻滅されるのが怖くなって。バトルするのが怖くて、トラウマになったなんて。
本当に最低ですよ、反吐が出る。」
ね、瑣末なことでしょう?そう笑う少女。
(己の話を瑣末だと笑い、嫌悪を示し、、、そして会えるかも分からない朧気なものに縋ることしかできなくなったのか)
ダイゴは目を細めて、ふぅと息をついてから少女を顔を向ける。
「僕は瑣末なんて、思わないよ。だって頑張ってきたんだろう?」
ダイゴの言葉に少女はへ?と間抜けな声を出す。
「だって、その苦悩は君にとってとても重要な事なんだろう?」
「だ、だって、バトルに勝てない、幻滅されたくないって理由だけで、、、。」
「まぁ、確かにバトルに勝てないって言うのトレーナー誰しもがぶつかる壁だろうけど、そんなの人それぞれだろう?どんな壁に躓くのかは人それぞれだ、どの壁を重要視するのかもね。君にとってバトルに勝てないというのは試練なんだ。バトルにどうしたら勝てるか、トレーナーは何度もその壁にぶつかってるそれを何度も乗り越えていく、君は比較的遅くに来てしまったからその乗り越え方が分からないのさ。だって、君にとってその試練はとても重要な事だから。」
そう言って笑うダイゴに次はポカンと口を開ける。
そしてダイゴはこう言葉を続けた。
「だからこそ、その試練を乗り越えた時、君は今まで以上に強くなれる。理由に大きいも小さいもないよ、それこそ如何しようも無い事なんて無いさ。ある事象において自分自身がどう受け取り、どうするのか、それがプラスでもマイナスであってもその過程こそが成長というものなんだ。それにね、君のポケモンたちは勝てないことを不満に思ったことはないと思うよ。きっと、君と一緒にするバトルが好きなだけ、君だってそうだろう?」
「それに君が人に幻滅されたくないって思うのは変なことじゃない。君が、自分がその時に思ってしまったことが人としてダメな事だとわかったから、悔やんだからそれを知られたら幻滅されると思ったんだ。誰だって、人に嫌われることを避けることは人の心理として普通な事だよ。君は普通の気持ちを持っただけ、、、何より君は道徳心がないわけが無いんだ。だって、君はポケモンを大切にしている。ポケモンたちも君が大好きだ。
ポケモンを大切にできて、自分の行いを悔やめる君が、道徳心がない酷い人には僕は見えないな。」
ダイゴの言葉に少女はまたぼたぼたと涙を流し、大きく何度も頷く。
だってそうなのだ。負け続ける少女をポケモンは一度も責めなかった、負けた日は少女に寄り添ってくれて、どう勝てるか一緒に悩んで、考えてくれて、ポケモンハンターの事件があったあとも誰も幻滅して見放そうとしなかった。自分自身も負けることに怒ったことは無かった、だって戦ってくれるのはポケモンたちであるから当たり前だし、ポケモンのことは大好きなのだ。ただ、ポケモンたちに勝たせてあげられないこと、他を思いやる行動が取れなかった自分が恥ずかしくて悔しくて嫌で仕方なかった。
不意に腰のポーチが揺れていることに気づきモンスターボールを取り出すと、ボールはポケモンの意志を反映しているかのようにカタカタと震えていた。ポンっと音を立てて出てきたのは彼女の相棒であるボーマンダだった。ボーマンダはダイゴの言葉にその通りだと言うように頷き鳴き声を上げる。それに更に涙が止まらなくなって、ボーマンダに抱きついてありがとうと何度も言った。ボーマンダも少女の頭にすりすりと己の頭を擦り付けた。それを微笑ましそうに眺めるダイゴが声を掛ける。
「ねぇ、お嬢さん。」
「、、はい。」
少女はダイゴに向き直り、ダイゴを真っ直ぐ見る。
「これから恐らく今日以上に怖い、苦しくて嫌な思いをするかもしれない、それでも君はこのミッションに参加するかい?」
ダイゴの問いに少女は涙を拭うと笑って答える。
(今度こそ最後まで戦いたい、頑張りたい。ポケモンと共に。)
「えぇ、勿論です。ツワブキさんとミクリさんとポケモンたちと、一緒に戦わせてください。今度こそ、彼らを倒します。」
少女が泣きながらも決意を持った顔をしたのを、ダイゴは安心した顔をして笑った。
「よし!じゃぁ奴らに結局僕たちが1番強くてすごいことを教えてあげようか。
、、、あ、そうだ君の堅苦しい態度は今日で終わりにしてくれ。」
ダイゴの突拍子もない言葉に少女は驚いた声を上げる。
「だって3人でこれから頑張っていくのに堅苦しい態度だと壁出来ない?仲良くしようよ。」
ダイゴは少し子供っぽい顔をしながら言う。それに少女はぐっとした顔をする。
7年間一人旅だった少女にとって、誰かと仲良くすることは少し苦手になりつつあった。少女にだって友達はいるが、誰かと仲良くする方法を完全に忘れている。特に対象が大人の男性となれば、余計に困惑ものだ。
「わ、分かりました。」
と、少女が答えるとダイゴはにこりと笑った。
「それじゃ、僕のことも下の名前で呼んでもらおうかな。」
「え!?いや、それは。」
「あ、そうだ。君、ハウスを出る時と帰ってきた時返事しないだろう。これからはちゃんと言おうね、折角なんだから。」
ミクリちょっとしょげてたよと言うダイゴ。少女は、話聞いてないなと心の中で悪態を着くが、そんなことはつゆ知らず、ダイゴは帰ろうかと笑ってエアームドを出して飛び乗った。
少女は少しムッとした顔をしたが、すぐに顔を綻ばせた。
「はい。
帰りましょう、ダイゴさん。」
そう言ってボーマンダに乗る少女に、ダイゴは優しい笑みを返したのだった。