あるトレーナーの話   作:撹拌された抹茶

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区切りが良かったので本日は3話分投稿します。


ただいま

ハウスに着き、ボーマンダたちをボールに戻した2人は玄関に向かう。ダイゴがドアノブを握ろうとした時、勢いよくドアが開かれた。内開きのドアでよかったと思うダイゴと少女を他所にドアを開けた張本人であるミクリは目を見張って2人を見ていた。目覚めてすぐに外に出かけてなかなか帰ってこない少女を心配していたのにダイゴと一緒に仲良く帰ってくるものだから驚いたのだろう。

 

「ただいま、ミクリ。」

 

ダイゴの声にハッとした顔をしたミクリは普段通りの顔をする。

 

「おかえり、2人とも。」

 

そう笑うミクリに少女はあー、とかえーと、とか歯切れの悪い言葉を発した。その様子にハテナマークを頭に浮かべたミクリと2人の様子を見て面白そうに笑うダイゴ。ダイゴが肩を震わせていることに気づいた少女は顔を赤くしてダイゴを睨みつけた。

 

「んふ、、、ほら、お嬢さん。約束しただろう?」

 

「分かってますよ!猶予、猶予をください。」

 

「猶予ってなに。」

 

ダイゴと少女が何を言っているのか分からないミクリは困惑の色を見せ始めた。

 

「えっと、あのー、そのー、、、。」

 

「???」

 

頭にハテナしか浮かばないミクリと、未だまごまごしている少女に笑っていたダイゴが助け舟を出した。

 

「お嬢さん、落ち着いて。深呼吸しよう、ほらスってー、吐いてー。もう1回、スってー」

 

ダイゴの指示通りに深呼吸をする少女。

 

「スってー」

スーーーーー

 

「まだスってー」

スーーーーーー

 

「まだまだスってー」

スーーーーーーー

 

「限界までスってー」

スーーーーーンゴホッ,ケホッ…スーーー

 

「まだ行けるよー、ほらスってー

「いや鬼畜か?」

えーーー?」

 

「えー、じゃないよ。お嬢さんも言う事聞かなくていいから。」

 

「ェ"、ゲホッ。オ"ェ、ゲホッゴホッ……ア"ーーーー。の"と"い"か"い"か"す"る"。」

 

「だろうね。」

 

流石に限界が来た少女はと咳き込む。空気を吸いすぎて喉が乾燥してまって声が上手く出せない。ミクリに止められたダイゴは何故?というような顔をしている。

 

「でも緊張は解れただろう?」

 

「いやそうかもしれないけど。」

 

ダイゴたちを他所に唾を飲み込んで何とか潤すことが出来た少女は、ゴホンと咳払いをしてミクリを見上げる。ミクリはダイゴから目を離して自分をじっと見上げる少女を困惑しながら見返した。

 

「ミクリさん"ケホッ。」

 

「うん?大丈夫?」

 

「大丈夫です、多分。、、、えっと、、、あのですね。」

 

「うん。」

 

「た、ただいま、です。」

 

顔を真っ赤にした少女は言いたかったがことをミクリに言う。ミクリ本人はキョトンとした顔をしたあと、目尻を下げた。

 

「ああ、おかえり。」

 

二度目のおかえりに少女も口元を緩める。

 

「さぁ、夕食にしよう。2人とも手を洗っておいで。」

 

ミクリは2人を家の中へ誘い、ダイゴたちは返事を返して一直線に洗面台に向かった。

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