あるトレーナーの話   作:撹拌された抹茶

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ツワブキ・ダイゴという人

数十分後、ポケモンたちがご飯を食べ終わったことを確認し、1匹ずつ撫でてからボールに戻すとハウスの中へ少女は戻って行く。

 

リビングにはいつの間にか帰っていたミクリがおり、机にはダイゴの話通りジムから貰ってきたであろう多種類のサンドイッチが並べられていた。

 

「美味しそう、、、。」

 

「ふふ。そうかい?」

 

「ポケモンたちはご飯食べれたかな?ホウエンは暑いからバテてるだろう。」

 

「はい、中にはバテている子もいましたが、皆平気そうでした。ご飯も完食していましたから。」

 

「ならよかった。じゃぁ、僕達も頂こうか。」

 

それぞれサンドイッチを手に取り食べていく。

少女が手に取ったのは野菜のサンドイッチであったが、野菜は瑞々しくアクセントのベーコンがすごく美味しい。

 

「美味しいかい?」

 

「あ、はい、とても。アローラの野菜や果物も美味しいですが、ホウエンは水分量が多い気がします。シャキシャキして美味しいです。」

 

「あぁ、そうか。君はアローラ地方も行っていたんだったね。」

 

「えっ、あ、はい。」

 

「1人で?」

 

「どの地方も基本1人で旅しておりました。誰かと一緒に旅するのが嫌なわけではないですが、慣れてしまったら1人が楽でして、、、。」

 

「なるほど。じゃぁ、ご飯は自炊?」

 

「その時もありますし、ポケモンセンターで食べる時もありました。ガラル他方のワイルドエリアと言うところにいた時はカレーが基本でした。」

 

「ワイルドエリアかぁ、名前は聞いたことはあるけどまだ行ったことないなぁ。」

 

ダイゴもミクリも旅の様子は聞くが、少女のバトルの話などは空港での約束通り一切聞かなかった。その事に少女は内心安心した。

 

食べ終わったサラダサンドの次にたまごサンドに手を伸ばす。王道のスクランブルエッグが沢山入ったたまごサンドで、なかなかボリューミーなサンドイッチだ。

 

「ガラルにはワイルドエリアとは別に鎧の孤島と冠の雪原と呼ばれるエリアがありまして、冠の雪原では化石ポケモンが野生で見れて、初めての時は驚きました。」

 

少女がそう話しながらたまごサンドを食べようとした時

 

 

バン!!

 

 

誰かが机を思い切り叩いた音が響いた。

 

「え、、、。」

 

少女は困惑の表情を浮かべながら音の出処へ目を向けると、そこにはこちらを食い気味に見るダイゴと目が合う。

 

(え、怖)

 

正直な感想だった。

 

「それは本当かい!!!???」

 

ダイゴは物凄い勢いで少女に詰め寄る。

そんなダイゴに少女は詰め寄られた分、距離を取る。

 

「え、えぇ。本当ですが、、、。」

 

若干引き気味で少女が答えるとダイゴは更に興奮し出す。

そこで、ミクリから待ったがかかる。

 

「こらダイゴ、女の子を怖がられちゃいけないよ。お嬢さんが驚いてるじゃないか。少し落ち着きたまえ。

すまないね、ダイゴは石に目がなくて、化石ポケモンや鋼タイプのポケモンが大好きなんだよ。驚いたかもしれないが、ダイゴという男はこういう奴だから慣れてくれると嬉しいな。」

 

「は、はぁ、、、なるほど。」

 

ミクリの静止によってダイゴの若干の暴走は止まり、また、ミクリのフォローによって少女も困惑しながらも納得の意を示した。

 

 

「ゴホン、驚かせてすまなかったね。石や化石の話になると少しばかり気分が昂ってしまうんだ。慣れてくれると嬉しいな。」

 

「承知しました。善処します。」

 

「ありがとう。それで早速で悪いんだが、どんな化石ポケモンがいたか教えてくれないか?」

 

「はい、承りました。

野生でいたのは、カントーのオムナイト、オムスター、カブト、カブトプス、プテラ。このホウエンのリリーラ、ユレイドル、アノプス、アーマルド。イッシュのプロトーガ、アバゴーラ、アーケン、アーケンオス。カロスのチゴラス、ガチゴラス、アマルス、アマルルガです。全て現地の人に聞きました。」

 

「オムナイト、カブトプス、ユレイドルまで、、、。

ミクリ!僕は決めたよ!いつかガラルの冠の雪原に僕は行く!!」

 

「あぁ、好きにしたらいいと思うよ。」

 

テンションがかなり上がってしまっているダイゴを華麗に受け流す。

そんな時、タマゴサンドを食べながら少女はふと思ったことを口に出す。

 

「化石や石がお好きなら、手持ちのポケモンには化石ポケモンがいらっしゃるのですか?」

 

「あぁ、勿論いるよ。相棒はメタグロスだけどね。」

 

「メタグロスですか。かっこいいですよね、あのボディ。」

 

「あぁ!そうだろう!僕のメタグロスはめざめいしやひかりのいしにも全く劣らない輝きがあるんだ。見てみるかい?」

 

「あ、いえ、、、。」

 

「ふふ、遠慮しなくていいよ。」

 

ダイゴは快く、いつの間にか出したボールを机から少し離れたところに投げる。

 

ポンッとモンスターボールが軽快な音を立て出てきたのは、はがねタイプらしい銀鉱石のような色をした普通の色とは違うメタグロスだった。

 

「色違いのメタグロス、、!」

 

ダイゴのメタグロスは、流石チャンピオンのポケモンと言うべきか激しいプレッシャーを放っている。

 

「どうだい?かっこいいだろう。」

 

「ダイゴのメタグロスはいつも見てもCOOLだね。」

 

「はは、ありがとう。」

 

ミクリがメタグロスを褒めるとダイゴは自分の事のように嬉しそうにしていた。

 

一方少女はメタグロスを見てから体が固まってしまっていた。メタグロスのプレッシャーに当てられたのもあるが、それ以上の物を少女は感じていた。

 

「どうかな、僕のメタグロスは。」

 

メタグロスに目が離せなくなっていた少女にダイゴが声をかけると、突然横から聞こえた声に驚いたのかハッとした顔をする。

 

「あ、はい。流石チャンピオンのポケモンですね。プレッシャーで固まってしまいました。色違いのメタグロスなんて初めて見ましたし、、、。」

 

そうなんでもないように伝えると、そんな少女にダイゴはニコリと笑う。

 

「触ってみる?」

 

ダイゴは少女にあろう事か、先程プレッシャーで萎縮していた相手にさらに近づいて触ってみないかと言ってきた。その誘いに再び少女は硬直する。

 

「あ、あぁ、いえ、、、。恐れ多いので、また、機会があればその時に、、、。」

 

次の機会なぞあるか分からないが、少女はとにかく当たり障りなく断れるように言葉を選んだ。

 

「そうかい?じゃぁ、また別の機会に。」

 

ダイゴは少女の望み通りになんでもないようにメタグロスをボールに戻した。少女は少しホッとし、動揺を隠すためにずっと手に持っていたタマゴサンドに齧り付いた。

 

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