私は領主である。26歳の時、無事にクィネラの父となった。
政治結婚といえど、とても嬉しかったことは今でもはっきりと覚えている。
小さい頃からとても頭が良く、聞き分けがいい子であった。それで領主の後継に相応しいかどうか、一度悩んだが、なんと3歳で神聖術を使いやがった。
こんな話は初めてだ。自分の娘でなかったら、思わず忌避感を覚えるほどだ。
妻によると、光素の生成らしいが…一体どこでそんなことを学んだのだ…
回復術式が使える妻を見たのか…今じゃあさっぱりわからない。そんなことよりもこの後にしでかした方の驚きが大きいだろう。
クィネラは頭がいいのか、同年齢の友達があまりいない。むしろ全くないと言ってもいいだろう。
だが、いつも神聖術を使う時は楽しそうだった。だから領主としてではなく、父として何かできるものはないだろうか。
もともと欲があまりないのか、神聖術以外には興味ないのか、クィネラはあまりそういうおねだりはない。
後継としてそういう我儘は良くないのだが、こうも何も求めないような感じはそれはそれで良くないだろう。
天職は10歳になったら領主や村長から授ける伝統がある。だが、決まりや条例としてどこにも明記されていない。
クィネラは領民を驚かさないように、自分でひっそりと神聖術を練習していた。
私は、公に自由に神聖術を使えるように、天職としてクィネラに授けたいと思う。
もちろん反対する人もいた。幸い領主の権力を振う前に、納得してくれた。強引に納得させれば簡単だったのだろうが、クィネラに対する感情は悪くなるかもしれない。
それからなんと神聖術の開発もやってみせた。纏う雰囲気も5、6歳の時から徐々に変わっていた。特にそう言った大きな出来事はなかったはずだが…いや、詮索はしない。何かに思い詰めた雰囲気なら別だが、こんな一種のカリスマのようなものは悪くない。…何が起こったのか興味はあるがな。
そして12歳の時、なんと一瞬で街道を敷設させた。…驚きの感情よりも、呆れの感情の方が大きいことにもう今更何もいうまい。
だけど、普段からその出鱈目を見た自分とは別に、領民は別だろう。詳しい事情は知らないが、どうもその一件で視線に恐怖を覚えたらしい。そう言ってくれた涙目のクィネラは本当にかわi…おほん、かわいそうだ。
ある日の朝、我が娘の悲鳴に聞きつけて、慌てて寝室に駆け込み、見たのは血だらけの娘だった。思考が止まってたうちに妻につまみ出された。
どうも普通の生理現象らしい。何も起きてなかったからいいんだが。
そしてクィネラは15になった時か…なんとおねだりをしてくれた…!
…内容はおねだり程度じゃなかったが。
よくステイシア神の神子だと呼ばれているクィネラだが、自分もそう思っていたことがある。実際にそうでも、私は父であり、クィネラを娘として扱うつもりだ。
象徴としてカセドラルと呼ばれていた白い塔を建てたのは領主としてみても悪くない。信仰を形として表すことで、よりわかりやすくなるだろう。そしてその上に神子として座ることで、民衆に対して影響力が増す…よく考えたな。
ただ反抗する人も必ずしも一定数いる。領主として、父として、娘の進む道を拒む障害物を消し飛ばそう。…そう考えた。
だが、致命傷を受け、娘に無様な姿を見られてしまった。挙句に私の傷を治し、敵も殲滅した。
すまない…そう言いたかったが、泣きそうな顔を見て、はっと気づいた。死に行く親に何も感じない娘は果たしてどこにいる?
だから、自分の命を守ることが、自分が娘に対してしてあげる大切なことだとわかった。
………それでも流石にあのクレーターはないだろう。
次回投稿は4日後の9月23日(金)です。
文章の出来が悪いな…ちょくちょく修正していくからよろ
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