【凍結中】海兵になったルフィとウタが後に酷い目に遭う話 作:黒のエレメンタル
「総員戦闘配置!3連装砲塔は目標に照準を合わせろ!!」
「待って!交戦する気はない!!」
「もう無理です!!」
必死に交戦を避けようとするウタ准将の命令を無視して部下達は交戦の準備に入った。
乱戦で軍艦を沈められるくらいなら双方とも叩き潰す!!
戦闘能力が評価されて准将になったウタと、10年以上も士官をしている部下との差が出た。
「なんだあいつら?俺たちに盾突く気かめメ~~」
「我々神兵に喧嘩を売るとは第2級犯罪者メ~~!」
“
敵だと判断した彼らは、いつでも沈められる海賊3名を無視して軍艦を襲撃しに行った。
「おいおい、なにやってんだあいつら…」
神兵7名を率いていたスカイピアの神官、シュラは私情で動き出した彼らに呆れていた。
呆気なく3名を追い詰めた事もあり、次の目標はあいつらにするつもりではあった。
それでも“神”の命を無視して次の獲物を狙いに行ったあいつらに失望した。
「敵7名!こちらに向かってきます!!」
「飛んでいるって事は【六式使い】か!?」
「
「接近させるな!!銃弾の弾幕を張れ!!総員構え……撃ち方始めぇ!!」
当然、襲撃してくる敵を海兵たちが呑気に指を咥えて待っているわけもない。
数の暴力が正義と言わんばかりに銃弾の雨を撃ち込む!
しかし、空中を飛び回る敵に精度の低いマスケットでは効果が薄いのは彼らも分かっている。
「こんなもので我々を落とせると思ったのかメ~~~!」
「スカイピアには存在せぬ“
銃弾の雨をぶち込んで軌道修正をさせて動きを限定させる。
そしてノコノコと乗り込んできた所を海軍本部の尉官クラスが交戦を開始した。
1万mの標高で体調を崩している一般兵では戦える相手では無かった。
「ウタ准将が出る必要はありません。我々に任せてください」
「ううっ……狐海賊団のせいで全てが台無し」
交戦した連中は統一された武装と服装を身に着けている。
ホワイトベレー部隊の上位組織であり、戦闘に特化した集団というのはすぐに見抜けた。
ウタは、エンジェル島に寄港して物資を調達するという手段が喪失したのを嫌でも実感した。
『なんてこと!!肉が調達できなくなったじゃない!!』
戦闘を極限まで避けていたのは、肉を合法的に調達できなくなるから。
海軍旗を降ろしてまで現地民と敵対しないように配慮したのもこの為でもあった。
「青海人メ~~~!中々やるな!!」
「尉官クラスを舐めるな!!」
「それにしては動きが鈍ってるメ~~!やっぱり大した…ぐほっ!?」
“
大気の薄さもあるが、地上から1万mを半日足らずで到達したせいで身体が慣れていなかった。
所詮、青海人はこんなもんだと思った神兵は背後から銃弾を4発喰らって死んだ。
「てメ~~~!卑怯だメ~~~!」
「お前ら全員生かして帰さん!!」
「この行為は、第1級犯罪者だメ~~!分かっているのかメ~~」
「羊みたいに鳴くお前らを全滅させればバレねぇよ!!」
交戦してしまった以上、彼らには【事故死】してもらう。
ルフィ大佐に肉を喰わせられず泣いていたウタ准将の想いに応えるべく隠蔽工作をする気だった。
尉官に気を取られた神兵を一般兵で構成された班が銃撃して次々と射殺していった。
その様子を見た猿山連合軍の構成員たちは「おっかねぇ…」と他人事に思っていた。
「“
「鉄塊“
鉄さえも両断する
逃げようとして、もがく最後の神兵に槍やカットラスを構えた下士官達が襲撃した。
結果は火を見るよりも明らかで軍艦に乗り込んだ7名の神兵は2分足らずで全滅した。
「マジかよ」
高みの見物をしていたシュラは、神兵が呆気なく全滅して驚いた。
元から使えない奴らだと思ったが青海人如きで死ぬなど考えた事もなかった。
「誰かが生きるということは誰かが死ぬということ…この結果もそうだな」
紫色の羽毛が特徴的な三丈鳥フザを乗るシュラは自身の考えが間違っていないのを確認した。
目を風から守るゴーグルをしっかりと身に着けて強襲する準備は整っている。
久しぶりに歯応えがある強敵たちを前にして楽しそうに“
「いくぞフザ!!空を飛べない奴らに目にもの見せてやれ!!」
巨鳥フザを乗りこなす“スカイライダーのシュラ”は海兵を殺しにかかった。
3連装砲塔が砲撃するが高速で飛んでくる3つの砲弾は彼にとって遅く見えた。
優雅に砲弾を回避した騎兵は高熱を放つ槍で不審人物たちを串刺しにするつもりだ。
「さっきの奴らと違います!!まるで攻撃を読んでいるようです!!」
「見聞色の覇気使いか!?俺たちじゃ相手にならんぞ!?」
再度海兵たちが銃撃を開始するが種が割れている以上、効果が無かった。
3名の尉官が月歩で攻撃を仕掛けるが、1万mの場所では本領が発揮できなかった。
「ほう?青海人でも空中戦をできる奴らが居たのか!」
“
とっさに右腕で槍の矛先を逸らした海兵は軍艦の甲板に激突した。
「野郎!!」
「無駄だ!我ら神官に貴様らが敵うはずも……!?」
「チッ!外したか!」
海兵が短剣を投擲したがそれを“
しかし、投擲した先に居たもう1人の海兵がカットラスで短剣を弾き返した。
余裕で回避したつもりのシュラには想定外だったようで頬を霞めて傷を作る結果となった。
「おのれ!青海人如きが!!フザ!やれ!!」
激怒したシュラはフザに命じて火を吐かせた!
火の弾を回避した海兵に“
だが、その槍は届く事は無かった。
「“JET
「ぎゅあああ!?」
「ぐええええ!?」
騒動で駆けつけて来たルフィが回し蹴りで三丈鳥のフザごとシュラを叩き落した。
いくら見聞色の覇気が使えても速度に対応できないのであればやられるだけだった。
「大佐殿!?」
「なにやってんだよ!こんなに軍艦を壊したらウタに怒られるぞ!」
「「申し訳ありません!!」」
軍艦内で最強の男である大佐に頭を下げる尉官たち。
落下して姿が小さくなっていく上官の後を追っていく。
空を飛べないルフィの足場となって彼らは軍艦の甲板に辿り着いた。
「怪我人は?」
「5名、1人は右腕を貫かれて火傷をしているけど命に別状はないわ」
「誰も死んでないよな?」
「もちろん!」
「そうか、みんな生きていて安心した……運動したらお腹空いた」
ウタの報告を聴いて安心したルフィは、気が抜けたのか腹が鳴った。
何かないかと視線を動かしたら気絶した巨大な鳥が軍艦の甲板に突き刺さっていた。
「なあ!この鳥を調理して食べようぜ!」
「いいですね!さっそくコックを呼んできます!」
「焼き鳥パーティ楽しみだな!!」
「食べる部位が少ないから戦闘をした海兵だけでやりましょう」
哀れなフザは瞬く間に焼き鳥にされて海兵やルフィの腹の足しとなった。
火を吐く三丈鳥が焼き鳥になるとは皮肉な結末である。
「こいつはどうする?」
「仕留めるとルフィ大佐がうるさいからな…牢屋にぶち込んでおけ」
相棒が焼き鳥になったのを知る由もないシュラは海楼石の錠を付けられて牢屋にぶち込まれた。
ルフィの温情のおかげで彼は命を救われたともいえる。
軍艦内で唯一不殺を貫く彼の姿勢を馬鹿にする兵は居ない。
むしろ、その心意気に感動して賞金稼ぎや傭兵が彼を慕って部下になったくらいだ。
「リーダー格みたいだから、いざとなったら交渉に使えるだろう」
「これじゃあ、海賊と変わんねぇな」
「海軍旗を降ろした時点で無法者と変わんないぞ」
「それもそうだな」
だが、待ち受ける未来を考えれば、気絶している間に一思いでやってくれた方が救われた。
後にシュラは1人サイズの島雲に載せられて死ぬまで空を彷徨う事となる。
「オヤビン、やっぱりこいつら強い…」
「なんか出れる空気じゃないんですけど大丈夫なの?」
「誠意をもって接すれば大丈夫…だと思う」
フォクシーは自分たちじゃ歯が立たなかった神兵軍団を一蹴した海軍にビビっていた。
手配書には「DEAD OR ALIVE」と書かれているが基本的には海軍は生け捕りを狙う。
しかし、この海兵たちは躊躇いも無く撃ち殺して特に気にせずに笑っていた。
そこにノコノコと出て来たところで死体が3つ増える未来しか思いつかなかった。
「よく喧嘩を売ろうとしましたねオヤビン」
「ププププ、初手で眉間を撃ち抜いてくる女将軍の部隊じゃこんなもんでしょ」
「ぐぬぬぬ…」
神兵の死体を海雲に落として証拠隠滅を図る海兵を物陰に隠れて目撃している一同。
今すぐにでもフォクシー海賊団の団員を助けてもらおうと思ったが動けなくなった。
「よし、俺は降参してでもあいつらを救って見せる……俺の首1つで救えるなら安いもんだ」
「「オヤビン…」」
フォクシー海賊団を立ち上げて初めて仲間になったポルチェとハンバーグ。
船長の覚悟を見て瞳を涙で歪ませた。
「おい貴様!!そこで何をしている!!」
「海兵さん!海賊2名を捕まえました!」
「「オヤビン!!?」」
海兵に銃口を突き付けられて思わず本音が飛び出したフォクシー。
さきほどまで感動話だったのに瞬く間に海兵に売られてビビる2人。
「涙を返してよオヤビン!!」
「やっぱこんなもんだったか」
「しょうがないだろう!!こんなにあっさりバレると思わなかったんだ!!」
覚悟は決めていたが、実際死ぬると言われるとそんな事は無い。
部下2名に殴られ始めた彼は必死の弁明をしようとした。
「両手を上げろ!!」
「「「はい」」」
20を超える銃口を突き付けられた彼らは大人しく投降して両手をあげた。
「なにやってんだあいつら?」
「どうやら大人しく降伏したようね」
最後の焼き鳥を噛み締めているルフィの疑問にウタが返答した。
空を見上げれば日が地平線に近づいている。
世界を平等に照らす太陽は、ここでも平等だったようだ
「准将殿!出航準備は整ってますが…いかがなさいますか?」
「ここに留まっていても新手が来るだけだから急いで出航させて」
「了解しました!速やかに出航させます!!」
戦士ワイパーの代わりに神官シュラを乗せた軍艦は動き出した。
それを見聞色の覇気で感じ取った者が居る。
「ヤハハハハ!!“神”に盾突く者がまだ居たのか」
“神”は笑った。
暇つぶしにもってこいの集団を見つけてご満悦だった。
果物を手に取って噛みついて果汁を存分に味わいながら彼らでどう遊ぶか考えた。