【凍結中】海兵になったルフィとウタが後に酷い目に遭う話   作:黒のエレメンタル

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空島編2 モンブラン・クリケットとの遭遇

『勝手に潰し合ってね♪』

 

 

肉を奪った海賊団を【狐海賊団(仮称)】と名付けたウタ准将。

海兵にすら通行料を要求してくる不届きな海賊団にぶつける事にした。

帆船と手漕ぎボート、どっちが速いのか明白なので押し付けるしか逃げる手段がなかった。

 

 

『それに無駄に能力を使いたくないしね』

 

 

せいぜい数千万ベリーの賞金首を討ち取るより、さっさと軍艦に帰って寝たかったのが本音だ。

しかし彼女はそこから逃げる事ができなくなった。

 

 

「音波!!“破壊の雄叫び(ハボック・ソナー)”!!」

 

 

通行料を要求してきた【ゴリラ海賊団(仮称)】のリーダー格から雑音を浴びせられたからだ。

歌姫として評価されてきたウタからすれば、あの雑音はルフィを侮辱される以上に苛立った!

 

 

『こんなのが歌なんて認めない!!』

 

 

この世に存在しないように抹消しようすると、あの雑音のせいで勝手に海賊船が壊れていった。

ショウジョウ海賊団の船長、“海底探索王ショウジョウ” 懸賞金3600万ベリーの大声は凄まじい。

それは水中で使う技であって、地上で使えば船を破壊する諸刃の剣でもあったのだ。

 

 

『自滅するなら手を下すほどじゃない…早く軍艦に戻らなきゃ!』

 

 

それを見て馬鹿らしくなってしまい、気絶したルフィを乗せたボートは軍艦が停泊している位置へと戻っていく。

ついでに追撃してきたフォクシー海賊団がその音波で船が破損するという二次災害が発生した。

そんな悲劇を回避した彼女は無事に軍艦に辿り着いて引き上げてもらった。

 

 

「おいウタ!なんで肉を突っ込んだんだ!?窒息するかと思ったぞ!?」

「だって肉を入れてくださいって口を開けてたじゃない!」

「せめて味付けしてくれよ!!」

「味付けしたら窒息しても良いんかい!?」ビシッ!

 

 

結果的に肉を食えたルフィは復活したが、どうやら肉を適当に突っ込んだのがまずかったようだ。

ルフィの抗議を華麗に流して部下からのツッコミを聴きつつ、ウタはさっさとこの海域から離脱するつもりだ。

 

 

「そういえばジャヤには黄金郷があったっていう伝説がありますぜ!」

「黄金郷?その割には貧相で汚い海賊団の住処にしか見えなかったけど…?」

「北の海で童話になってる『嘘つきノーランド』に出てくる黄金郷は、ここが舞台だそうですよ」

「ふーん」

 

 

物知りな部下の報告を聴いているウタであったが、それよりルフィの事が気になっていた。

『黄金郷』と聴いて目を輝かせているのを見て止めても無駄な気がしたがあえて発言した。

 

 

「ねえルフィ!黄金郷なんて探しに行かないわよ!」

「えぇーっ!行こうぜ!せっかく立ち寄ったんだし調べてみても…」

「だーめ」

「ケチィ!いいじゃんか!」

 

 

可愛い弟分は海賊になるのを諦めてくれたが、冒険については諦めていない。

それが分かっているからこそルフィの抗議を強く叱れなかった。

彼が海兵になったのは、自分が駄々をこねて信念を曲げてくれたからだ。

 

 

「ところでウタ准将!左手に握られている羊皮紙は?」

「えっ…」

 

 

抱き着いて冒険に行こうぜ!と叫ぶルフィを必死に宥めているウタ准将は、部下からの質問を聴いて左手を見た。

確かに海賊船の厨房に寄った時に肉を運ぶために麻袋などを拝借していた。

手癖でポケットに仕舞っていた何かを無意識に左手で握り締めていたようだ。

さきほどの海賊団の手がかりにはなると思い、その羊皮紙を開くと衝撃的な物が描かれていた。

 

 

「地図?」

「あーっ!これジャヤって書いてあるぞ!!やっぱウタも黄金郷を探したかったんだな!!」

「はぁ!?」

 

 

なんと狐海賊団から拝借した物で、よりによってジャヤという島の地図を入手してしまった。

すぐに破り捨てて海に流したいが、ルフィに奪われてしまって処分できなくなった。

 

 

「取舵一杯!目指すはジャヤって島だ!!」

「「「おう!!」」」

「なに勝手に決めてるのよ!!この軍艦の船長は私なのよ!!というか持ち場に戻りなさい!!」

 

 

ルフィは既に気の合う部下たちを連れて舵輪を占領して勝手に行き先を決めていた。

船長としてウタ准将は、抗議しようとしたが能力を使用した後遺症で眠くなっており、どうでもよくなっていた。

歌が大好きなのに能力の代償で眠くなってしまう彼女の思考能力は低下の一途を辿った。

 

 

「やーい負け惜しみ!!」

「……なんですって!?」

 

 

すると勝利を確信したのかルフィが両腕を曲げて指を小刻みに動かしながら煽った。

幼少期から彼とはライバル関係であり、何かと勝負をしてきた仲である。

ここで退き下がると負けた気がしてしょうがないので彼女は彼の挑発に乗る事にした!

 

 

「軽く調査するだけよ!何の手がかりも無かったらさっさとこの海域を離脱します!」

 

 

こうしてウタ一行は黄金郷を調査する為、ジャヤに向けて航路を取った。

その光景を目撃した海兵達は、さすが19歳児と17歳児だなと感心すら覚える。

19歳の准将と17歳の大佐を乗せた海軍本部の軍艦はジャヤを目指して航路を取った。

 

 

「なあ何でわざわざ島の反対側に来たんだ?町に行けば人に訊けるじゃねぇか!」

「私たちは海軍よ!何の罰ゲームでウェルカムトゥ海賊の町に行かなきゃならないのよ!」

 

 

モックタウンは海賊のたまり場である以上、人気が少ない島の反対側に軍艦を移動させた。

すると殺風景に相応しくない立派な建物が見えて来た。

 

 

「おい!あれ城じゃねぇか!もしかしたら黄金郷の事を知っているかもしれねぇぞ!」

「えっ?こんな辺境に立派な城があるわけが…」

 

 

ルフィは城を見つけて興奮しているがウタからすれば逆に怪しいとしか言いようがなかった。

こんな豪華な建物があるなら卑劣で横暴な海賊共が見逃すわけが無いからだ。

そしてなんでこんな建物が無事に残っているのか発覚する事となった。

 

 

「「「「張りぼてじゃねぇか!!」」」」

 

 

誰もが思った!これは城ではない!ただの板だと!

何故か古そうな民家が縦半分に割れており、解放感溢れる空間を活かしきれないと思ったのか。

匠の手によって、城の絵が描かれたベニヤ板で塞がっていた。

 

 

「こんな子供だまし初めて見たぞ」

「そうね、この建物を建築した匠の考えは分からないわね」

 

 

全てが非常識と言われるグランドラインの中でもこんな奇妙な建物は多くないだろう。

全員が一丸となってツッコミを入れさせたのでそういう意図で作られているのかもしれない。

少なくともツッコミを入れて空しくなったウタ准将はそう思って心を落ち着かせるしかなかった。

 

 

「てめぇら誰だ!!?」

「海兵だ!」

「そう見てぇだな。ところでよ!人の家を侮辱するのが、てめぇらの仕事か?」

 

 

家の持ち主なのか、頭部に栗みたいな物を乗せている半裸の男が話しかけて来た。

ルフィが即座に海兵と告げたのに敵意剥き出しな所を見ると彼も海賊なのだろう。

そもそもここは、海賊の休憩所みたいな物なので海軍が居る方がお門違いなのだが。

新たなトラブルのきっかけになるのを察したウタは、寝室に帰って寝たくなった。

 

 

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