【凍結中】海兵になったルフィとウタが後に酷い目に遭う話   作:黒のエレメンタル

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空島編5 サウスバードとの遭遇

「でもちょっと待って!そんな都合が良い鳥を政府が見逃すとは思えない!」

「なんかあったりする?」

 

 

1羽じゃ寂しいから何羽か飼うつもりだったウタ准将は、当然の疑問に行きついた。

そして方角を知る術として政府が正式に採用しないのに何かあると考えた。

 

 

「良い質問だ。何でこんな都合が良い鳥が政府に採用されてないのか…すぐに分かるさ」

 

 

頭に栗を乗せている男は勿体ぶって教えてはくれなかったが、大体彼女は察する事ができた。

要するに人間に敵意があるか、猛毒など人体に有害物質を持っている可能性があると!

 

 

『生身の部下に捕まえに行かせるのは危険そうね』

 

 

そう思ったウタは、ルフィたちに事情を説明して一足先に軍艦に戻ってコーヒーを飲んだ。

もちろん、サウスバードの捕獲は諦めていないし、4人に捕獲を押し付けるつもりなど毛頭ない。

一息ついた彼女は、手の空いている海兵を電伝虫の連絡で甲板に招集させた!

 

 

「今から【音符の戦士】を召喚するよ!覚悟がある者は挙手して!」

 

 

ウタ准将の話を聴いて屈強で勇敢な12名の海兵が挙手をした。

 

 

「……挙手した人は甲板で横になって!」

 

 

半数の兵が挙手をしたのを確認したウタは、甲板で寝転がるように命令を下した。

部下達の覚悟を見届けた彼女は、真剣な眼差しで歌い始めた。

 

 

「全てを投げ捨てても♪大事な物を守りたいんだ♪例えそれが修羅の道だと♪知っていてもー♪」

 

 

『庇護』という唄を横になった海兵に聴かせていると彼らの身体から黒煙が充満し始める。

やがて彼らの肉体から煙が離れた。

煙は成形されていき、人の形となって右手から槍が、左手から盾が生えていく。

そしてウタワールドにしか存在しないはずの【音符の戦士】が実体を伴ってこの世に顕在化した。

総勢12体の【音符の戦士】が、サウスバードを捕らえる為の駒となる。

 

 

「よし!音符の戦士たち!ルフィたちを守ってね!!私も行くからついてきて!」

 

 

ウタは音符の戦士12名と護衛兵達を伴ってルフィたちが居る場所に向かった。

 

 

「なんだこいつら!?」

「海兵だぞ!いつもと違うだけだ!」

「全然違うじゃねぇか!?」

 

 

モンブラン・クリケットは、化け物12体についてルフィに尋ねると海兵という返答をされた。

そう言われても、音符が擬人化したような兵士であり、顔を歪めて不気味に微笑んでいる。

どう見ても化け物にしか見えなかった。

 

 

「おいウタ!こいつらがこんなになるって事は凄く危険なのか!?」

「はぁーあー…危険だからそうしたんだよ」

 

 

一方、これに慣れているのか笑顔で質問しているルフィ。

それをウタは欠伸をしてから笑顔で返した。

ショウジョウ、マシラ、モンブランの3人は、とんでもない連中を引き入れてしまったのか!?

そう考えてしまって受け入れた事を後悔し始めた。

 

 

「音符の戦士になるとウタが目覚めている限り、何度も復活するんだ」

「嬢ちゃん…なんでこんな事を!?」

「これなら危険地帯でも部下達が命を落とす事が無いの!この土地で海兵を派兵できないしね!」

「でも化け物じゃねぇか!」

「失礼ね!ちゃんと人間としての意識もあるし、知能もある」

 

 

ウタにとっては、大切な友達である音符の戦士。

しかしそれは自身が創り出した物であり本当の友達とは言えなかった。

だが、今は中身が海兵の為、頼もしい隣人だと思っている。

 

 

「そして元に戻れる手段があるから問題ないわ!」

 

 

ウタは“赤髪のシャンクス”に捨てられてから今までの家族愛が憎しみに変化した。

同時に要らない子だと思い悩んだせいか、自分が孤独になるのを極力恐れた。

それと同時に何かを失うのが、嫌でしょうがなかった。

 

 

「海軍本部の准将を信じて!」

「まあ、そこまでいうなら信じるか」

「おやっさんが言うなら…」

「だな」

 

 

幾度も傷が重なるせいか、ルフィの負傷にはある程度、耐性ができている。

ただ部下が大怪我する度に大声で衛生兵に泣きつくくらいだった。

 

 

『死人が出るとまずいから!激戦区だろうが!毒が散布されようが…!』

『首を刎ねられようが!死なない音符の戦士にしたの!』

 

 

誰も犠牲にさせない様にウタウタの能力を磨き上げて、厳しい制約と引き換えに生み出した。

逆転の発想で、現実世界に音符の戦士を召喚しそれをウタワールドに居る部下達が操作している。

 

 

「私はここで待機しているから!音符の戦士は班長を3名で護衛についてあげてね」

 

 

 

ルフィ、ショウジョウ、マシラ、モンブランにそれぞれ護衛として3名の音符の戦士が加わった。

ルフィ以外の班長は、気味が悪くてサウスバードの捜索どころではないのは言うまでもない。

 

 

「やべぇ…!あいつらにサウスバードの姿を教えるのを忘れていた!!」

 

 

モンブラン・クリケットは、音符の戦士に気を取られてサウスバードの容姿を伝え忘れた。

しかしルフィ以外は容姿を知ってるので放置しようとした。

 

 

「聴こえたよ!どんな姿なのか教えてよ!!」

 

 

すると近くにいた音符の戦士がウタ准将の声で話しかけて来た。

 

 

「ええっ!?どういうカラクリだこれは?」

「この兵士達は別世界で一カ所に集まって、遠隔操作で動かしているの!」

「意味が分からん!」

「簡単に言えば瞬時に情報共有できるって事!武闘派の電伝虫の亜種だと思って!」

 

 

ウタワールドでは、音符の戦士に志願した海兵12名が寝ている。

その兵士に乗っている映像電伝虫が現実で見ている景色をモニターに放映している。

そのおかげで、ウタワールドに居るウタは、モニターでどんな状況か確認できる。

更に都合が良い世界なので、兵士全員に情報共有できる仕組みとなっていた。

 

 

「これは黄金で作られているが、サウスバードの姿だ」

「独特なトサカに大きなクチバシね!良く分かったわ!」

 

 

黄金で作られたサウスバードの像をちゃんと確認したウタは、ルフィに鳥の姿を伝えようとした。

 

 

「…ってルフィ!何やってんの!?」

 

 

ルフィの護衛である音符の戦士3名は、大カマキリや大百足、大蜘蛛、虫の大群と交戦していた。

そんな戦闘にルフィは興味はないのか呑気に虫取り網で虫を捕獲しているようだった。

 

 

「ルフィ!!後ろで戦闘が起こってるんだけど!?」

「そのおかげで良いもんが獲れたぞ!あとでウタの所に持って行くからな!」

「それよりサウスバード探そうよ!!モンブランさんから情報を頂いたから…って聴いてよ!?」

 

 

特に気にする事も無くルフィは虫集めに夢中になっていた。

それを高みの見物と言わんばかりに大木の枝に乗って黒幕気取りで笑うサウスバードが居た。

 

 

「危ない!!首が切れてるよ!?」

 

 

音符の戦士は、それぞれ動かしている海兵の技量で強さが決まる。

槍の叩きつけ攻撃を回避した大カマキリは、音符の戦士の首を鋭い鎌で裂いたが効果は無かった。

首を大きく裂かれた音符の戦士は、瞬時に傷は塞がって何事もなかったかのように交戦した。

 

 

『音符の戦士にして正解だった!危うく死人が出る所だったじゃない!』

 

 

兵士が生身だったら死んでいた事件を映像電伝虫を通して見せられたウタワールドのウタ准将。

ただ、ルフィの周りだけやたらと虫に妨害されているのを見て彼女は疑問を抱いた。

何かあると感じ取った彼女は、重点的に護衛である3人の視点で調べ始めた。

 

 

『絶対ルフィを狙っている奴がいる!見つけ出してやるんだから!!』

 

 

そう思って彼女は、何度か発生した虫の襲来を確認していたら同じ方角から来ているのが判明。

何で方向が偏っているのか答えは分からなかったが、想像はできる。

サウスバードはその名の通り、南に顔を向ける不思議な鳥である。

つまり、さっきからルフィたちに襲い掛かって来る災厄の元凶がサウスバードと見抜いた。

 

 

「ふふん!そこまで分かればこっちのもんよ!」

 

 

ルフィを狙うサウスバードを発見した音符の戦士は即座にウタワールドに居る上官に報告した。

そいつは、さきほどのモンブランさんから拝見させてもらった黄金製の鳥の像と一致している。

 

 

「そいつがサウスバードよ!捕まえて!!」

 

 

ウタ准将の命令により、サウスバードはあっさりと音符の戦士に捕獲された。

 

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