「(やっべえよ……!ものすっごいやっべえよ……!)」
マルコに連行されたハヤトはある人物の前にいた。
「そいつがか?」
常人の何倍もと思える鍛えられた巨体に逆三日月の白いヒゲ。
海賊王“ゴールド・ロジャー”と唯一互角に渡り合った伝説の大海賊。
エドワード・ニューゲート、通称“白ひげ”。
そんな生きた伝説が目の前にいる。
「そうだよい親父。しかし、変な技を使って抵抗するから連れてくるのに苦労したぜ」
「ほぅ?変な技だと?」
「ああ。急に分身したり水を操ってびっくりしたよい」
「そうか。それで……」
白ひげがじろりと見てきて、ハヤトは体を強張らせる。
「海賊の船に攻撃を仕掛けたんだ。覚悟はできてるんだろうなぁ?」
「………海賊船を見かけて襲われる前に攻撃を仕掛けたことに何か問題が?」
毅然とした態度で言い返すハヤトに何人かが身構える。
「それに海賊なら攻撃されたことでぐちぐち言わないでもらいたいな」
「言ってくれるじゃねえか小僧」
その時白ひげからハヤトへ強烈な圧が襲い掛かる。
「っつ!!」
ハヤトは圧にどうにか飲み込まれずに踏ん張る。
「それとな、船の上ならこっちだって戦いようはあるんだよ」
ニヤリと笑いながら忍び刀に手を添えて、写輪眼を発動して白ひげを見る。
「グラララララ!面白いことを言うじゃねえか小僧!」
白ひげは面白そうに笑いだすとハヤトへ向けていた圧を消す。
「別にお前をどうこうするきはない。ただ、見たことのない技だったからな。どんな奴なのか少し興味があってマルコに連れてきてもらっただけだ」
「え?………そうなの?」
ちらっとマルコの方を見ると、呆れた様子で頷く。
「そうだよい。それなのにお前が変に暴れるからこっちは疲れたよい」
連れてこられた理由を知ったハヤトは膝をついて頭を抱えだした。
「マジか~!!」
「ん?お前のその眼は何だよい?」
戦闘時に見せなかった写輪眼にマルコが近づきながら尋ねてきた。
「ん?ああ、これは俺の一族だけが開眼する眼だ」
「へえ~変わった一族もいるもんだな」
「まあな。それじゃ要件は終わったから俺はそろそろ……」
「ちょい待ちだよい」
そそくさと退散しようとしたハヤトの肩にマルコが手を置き逃がさないようにする。
「え~と、まだ何か?」
「確かにお前の言う通り海賊が攻撃されたぐらいでぐちぐち文句言ったらきりがないよい。けど……」
「けど?」
「攻撃した奴にはきっちりけじめをつける必要があるよな?」
けじめという言葉にハヤトは体中から汗がじっとりと浮かび上がる。
「あははは……確かにそういうのは大切ですね」
肩に置かれた手を引き離そうとするが、尋常じゃない力で掴まれて離せなかった。
「ちなみにだが、逃げられると思っているのかよい?」
すでに隊長格の船員がハヤトを逃がさない様に囲んでいた。
「………私はどうすればいいでしょうか」
両手を上げて降参のポーズをとるハヤト。
「(はぁ……こういう時の対処法ってこれしかないよね……)」