「いや~一人旅も久しぶりだな~」
マルコからの勧誘から時間が経って、ハヤトの期間限定の雑用係は終了した。
ある日、白ひげから突然モビーディック号を降りても構わないと言われた。
どういう意図で言ってきたかはわからないが、ハヤトはその言葉に甘えてモビーディック号を降りた。
降りる際には何人かの船員に降りないでくれと引っ付かれた。
別れたくない気持ちで言ってくれて嬉しいと思った。
だが、一番の理由がハヤトが船を降りたら自分達が事務仕事をすることになるため、事務仕事をしたくないから降りないでくれだった。
思わず俺の感動を返せって言いだしそうになったが、引っ付いた船員を力づくで振りほどいて自分の船に戻った。
そうして白ひげ海賊団の面々と別れたのであった。
「こうして一人だと……凄く静かだな……」
シャンクスの船の時も白ひげの船でも楽しく騒がしく過ごしていた。
「あ~いかんいかん。忍具の手入れでもしよう」
寂しくなってしまったハヤトは、気を紛らわすために忍具の手入れを始める。
「起爆札はともかく苦無や手裏剣の予備は欲しいけど、何処か売ってたらいいけどな~~んん?」
この世界で苦無や手裏剣があるかなと思いながら手入れしてると、まだ距離があって小さいが船っぽい存在を見つけた。
「海賊か?よく確認しよう」
前回よく確認しないでとんでもない事態になったこともあり、今回は別れる際に貰った望遠鏡で船を確認する。
「ん~と……あ、海賊船だ。旗印は……知らないところだな」
まず髑髏の旗と印を確認すれば、海賊船だが見たことのない旗印だった。
「まあ、こっちに気づいてないなら別にいいか」
かなり距離もあり、ハヤトもどうにか見つけたこともあって気づいてないと思った。
ひとまず手入れしていた忍具をポーチにしまっていると、先ほど見た海賊船がどんどん近づいてきていた。
「ありゃ、あっちにも気づかれたか」
海賊船はすでに視認できる距離まで近づいてきた。
「ならいつも通りに……え?」
印を組もうとした瞬間、ハヤトの体から突然6本の腕が生えてきた。
「おいおい!これって!?」
この現象にハヤトは心当たりがあった。
生えた腕は体を拘束しようとする。
「このままじゃヤバい!ふんぬぅぅぅぅぅぅ!!」
どうにか拘束されない様に力を振り絞って抵抗する。
「こうなれば……一か八かだ!」
ハヤトは抵抗しながらも海へ飛び降りる。
「(拘束する力が弱くなった!それじゃ反撃開始だ!)」
拘束力が弱くなった隙を逃さず、ハヤトは腕を振りほどくとポーチから起爆札を取り出す。
そのまま起爆札を船底につけると、急いで海中から浮かび上がる。
海中から飛び出すと、海賊達が銃を構えてまっていた。
狙い撃ちにしてやると笑いながら見ていたが、突如船底から爆発が起きた。
船底に穴が開いて浸水して船が大きく揺れる中、ハヤトはお目当ての人物を見つける。
海賊達の中に一人だけ長い髪を後ろに束ねた少女がいた。
「悪いな少し眠ってくれ」
少女の後ろに回ると当て身をして少女を眠らせる。
「影分身の術」
影分身を1人出すと少女を任せて船に戻らせる。
影分身を見送ると、海賊達はハヤトの周りに囲んでいた。
「おいおい!随分と余裕だな!」
「まさか1人で俺達を相手する気か?」
「よくも人の船に穴開けてくれたな!」
海賊達は船底に穴を空けられたことに怒っており、少女のことなど気にしていない様子だった。
「さて、流石に海水でべたつくからさっさと終わらせるか」
「死ねや!」
囲んでいた海賊の1人が剣で斬りかかってきたが、ハヤトは難なく避けると大きく跳躍する。
そして、空中で印を組むと大きく息を吸う。
「火遁・豪火球の術!」
ハヤトの口から大きな火の玉が海賊船へと放たれる。
「逃げろ――!!」
海賊達は自分達へ放たれた大きな火の玉に船を捨て、大急ぎで海に飛び込んでいた。
どちらにしろ火の玉は船に命中して燃え始めていた。
「よっと、戻るとするか」
足の裏にチャクラを集めて海面に立つと、ハヤトは海賊達のことを確認せず自分の船に戻るのであった。