原作知識持ちが行かされる実力至上主義の教室 作:arc
当話比クオリティダウンでお送りしております。
3日目
えー、本日は原作の流れに沿ってやること特になし。なので食料の探索と収穫やっておしまい。トウモロコシイベは先回りしたからね。
4日目
浜辺が寂しくなってるぜ。
「いやーびっくりだよね、ほんと。彼は普通じゃないと思ってたけどここまでなんて」
「おまえも偵察か? 綾部」
一之瀬と神崎に声をかけられる。
「探索のついでにな。また後で全員いなくなったのを確認しにくるが」
「Cクラスの無人を確認することに何の意味がある?」
「龍園以外がリーダーの可能性を排除することだ」
2人の表情が変わる。
「ひとまずこの場を離れよう」
一之瀬に近付いて場を変えるよう促す。
森に入って周囲を確認後、話を続ける。
「2日目に龍園の元に向かった時、手元に無線機があった。リタイア前提に遊ぶだけなら無用の長物だ。で、DクラスとBクラス、共にCクラスからの追放者がいるとなると?」
「スパイからリーダーの情報を受け取って指名すると言うことだな」
「そうだ。他にも重要なことがある。派手に遊んでたがポイントを使いきれる程じゃなかった。少なくとも100ポイントは余っていたはずだ。ちょうどいいところにビニールの目隠しで中がさっぱり分からないAクラスのベースキャンプがある」
「AクラスとCクラスで取引をしたと言うことか」
「トイレを2つも置いてたからそうだろうな」
神崎は訝しげな目を向けてくる。
「どうしてそこまで話す。BクラスとDクラスの不戦については聞いているが、ここまで協力的にされるとは思っていなかった。一之瀬が恋人だからか?」
薄々気づいていたが、やっぱり神崎に話を通してないな。何がしたくて、何をしたくないんだこいつは。
「俺が一之瀬と取引をしたからだ」
「あ、そ、それは」
「まさか、一之瀬を脅して付き合わせたのか!?」
神崎が何を勘違いしたのか、驚愕と怒りを露にして問いかける。
一方の俺はそれを聞いてさぞ間抜けな顔を晒したのだろう。神崎の緊張がほぐれていく。
「取引内容はBクラスがAクラスで卒業できるように協力する。代わりに俺をポイントによるクラス移動でAクラスにさせてもらう。そういうことだ」
神崎の表情がまた少しこわばる。手が痛い。
一之瀬がこっちを睨むので睨み返す。
「どうして言っちゃうの?」
「どうして神崎に言ってないんだ?」
本当にな。そもそも
「初めは神崎か、2人にまとめて話すつもりだったんだよ。クラス対抗のシステム諸々の予想を。なぜか一之瀬だけに話すことになったが」
首を振る。今はこの試験の話を進めよう。
「話を戻すぞ。AクラスとCクラスが組んでるならリーダーをあからさまじゃないようにばらせばいい。体調不良によるリタイアは正当な理由として受理される。最終点呼の前にリタイアさせてリーダーを交代すれば指名を外したクラスとのポイント差が有利になる」
「そっか、だから……」
「葛城は慎重だからなにか証拠がないとリーダー指名をしない可能性がある。荷物にデジカメとか持ってるかもな。ああそれと、Aクラスのリーダーは戸塚弥彦だ」
渡す情報はこんなもんか? 思い出したらまたBクラスに寄ればいいか。
「どの程度リスクを取るかはそっちに任せる。うまくコントロールしてくれ」
強引に離れて2人と別れる。食料を探しながら、平田に対して原作を考えると今日がリミットだぞ、と考える。俺が話した作戦の実行ではなく成功までのリミットだから厳しいなとは思いながら。
5日目
女子が騒いでおります。下着泥棒事件が発生した模様です。鞄はなんとなく触られにくい位置に置いたから多分俺は大丈夫だろう。俺の鞄に入れてたら殺すぞ伊吹(肉体的には勝てないやつ)。
平田に促されてテントを出たら女子の視線マジでコワッ、となった。
やはり軽井沢の下着が盗まれたとさ。荷物検査の流れは避けられない。最悪俺でさえなければどうでもいいがもう。
平田が自分の鞄を開けたので俺も続く。セーフ、後は知らね。誰が当たったか知らんが平田はやはり隠蔽した模様。犯人不明である(伊吹)。
生活区画を男女分けする際、テント移動に駆り出されましたとさ。彼女持ちプラス消去法。堀北? 俺を睨んでただけだぞ。
平田の負担が大きいからという理由で俺が駆り出されたのに半分は俺1人でやるはめになるのはなんでだろう。
夜、焚火の番をしていても理不尽にテントを移動させられることはなかった。少し大げさに動かしておいたからな。これが原作知識の力だ。
6日目。
これに関しては当たり前だとしか言えないが原作通りの曇天だぜ。ファンタジーや超科学のある世界でもなし、学校生活の変化だけで天候変わってたまるかって話だな。
平田が皆を鼓舞して今日一日がんばろーぜってことになった。グループ分けの結果、俺が綾小路の代わりとして、堀北、櫛田、佐倉の原作チームマイナス山内となった。ハーレムだぜ。
……空気悪くてたまらないっす。堀北はまあ俺のせいもあってか普段よりさらにチクチクしてる。櫛田は振る舞いはいいよ振る舞いは、でも内面知ってるから胃に優しくない。佐倉はすげえ陰々鬱々してる。
ああ、そういや諸々スキップされた結果事件は起こってないけどストーカー継続中な訳か。元々だけどそりゃ陽気になれない。今考えてもなにもできないから後回しにしよう。
俺はスルーしようと思ってたんだが堀北がキャンプが空になることを考えてか伊吹を誘っていた。まあこいつが他クラスを信用するわけないか。
俺と櫛田との間で会話が少しあったくらいで、静かな探索行でした。しばらく休んでキャンプに戻るように言って逃げる。
火を着けるとかそんなやベーことする気にもならないからこっちは失敗かね。回避策とA、Cのリーダー教えてるから原作よりは悪くならんだろう多分。
雨が降りだしたので対処に追われるが放火が起きていないのでスムーズだぜ。うん、テント1つ潰れて寝床どうすんだこれ、考えてなかったけど。
最終日
点呼時、気付かない内に伊吹消えてら。堀北もおりゃん。おまけに誰も動揺しとらん。どういうことですかねこれは。いや、うん、多分分かるけど分かりたくない。女子のギスギス感も消えてる。結果発表待ちだな。
といわけでけっかはっぴょーう。いやもうちょい後だけど。
『ただいま試験結果の集計をしております。暫くお待ち下さい。既に試験は終了しているため、各自飲み物やお手洗いを希望する場合は休憩所をご利用下さい』
みんな休憩所に行くに決まってるんだよな。平田や櫛田はまめだな。クラスメイトに声をかけて回ってる。
そしてやっぱりいました、この場で唯一のCクラス、ワイルド龍園です。BクラスとDクラスの様子を見て眉をしかめている。俺は隠れている。
今度こそ結果発表である。
「ではこれより特別試験の順位を発表する。最下位は───Cクラスの0ポイント」
「続いて3位はAクラスの20ポイント。2位は……Dクラスの219ポイントだ」
「そしてBクラスは……324ポイントで1位となった。以上で結果発表を終わる」
2位と1位の発表でちょっと止まったな。差はポイント節約とボーナスか。高円寺のリタイアもあるけど。池だけは残って働けよバーロー。
ここで各クラスの様子を見ていきたいと思います。
Aクラス。まさに阿鼻叫喚の様である。葛城の想定では270ポイント丸々残しながらスポットボーナスに加えてリーダー指名で500オーバー余裕ですのはずなんだよね。それがこの結果で龍園にプライベートポイントまで流すはめになる。あーかわいそかわいそ。
Bクラス。大勝利。完全に決まったね。喜んで大はしゃぎ。俺も混ざりたい。
Dクラス。こっちも勝利。みんなが平田を称えて平田もみんなに感謝する。
……龍園が血走った目で原因を探してて怖いんだが。
平田が明確に俺を見据えて近寄ってくる。今日気付いてからずっとしていた嫌な予感が最大限に強くなる。
「綾部くん、ありがとう。君のおかげでリーダー指名を回避できて、AとCのリーダーを当てることができた。本当に助かったよ」
Dクラスでまたどっと歓声があがる。俺への称賛がなされる。やったねと喜べない。
龍園がお前か、と言うように敵を見つけた目をして笑う。「ワイルドな笑顔カッコイイー」と思える思考回路がほしいぜ。
完全にわざとやってるんだよな平田のやつ。俺はこんなにDクラスの為に働いたというのに。
……入学2日目には切り替わったクラスへの意識の違いが変化していないことを見抜かれてるのかやっぱ。綾小路の内面変化を見抜いたやつは違いますねえ。でもその有能さは別の方向に使ってくれ。
疲れたからもう今日は休んで明日の俺に考えさせよう。
暫定クラスポイント(夏休み明け変動予定)
A1026
B1266
C492
D219