原作知識持ちが行かされる実力至上主義の教室 作:arc
はい、憂鬱な体育祭がやってきましたよ。組が勝利してなおかつ2位以上じゃないとクラスポイント減るとかいうクソイベは今からでも遅くないからやめようぜ。
結局平田は動く決断ができずじまいだった。まあ俺が提出したのは櫛田が不審な証拠であって裏切った証拠とまでは言えないからな。動いて好転する未来なんて俺にも見えないし。
でもまあ変に動いて不和の種を蒔きたくないからって、情報流出の疑いがあるのに無策で挑む訳にもいかない。
なので一之瀬にこっちのリストを渡して、龍園達のオーダーを予想した上でオーダーを組んでもらうことになった。Dクラスの情報流出がバレてるとは気付かれないようなさりげなさで、という面倒な条件付きで。オーダーの確定待たせた上にこれだ、すまんな。
しかし平田も思いきったというか不安になるというか、データ付きで全オーダーを渡すとは思わなかった。今後のこと考えてる?
有力選手と高円寺の順番くらいの予定だったんだが。その程度の情報を教えるだけで勝てるか俺も不安だったけどさあ。
目の前の体育祭に全力なだけならいいけど壊れてないよな平田? 三馬鹿退学の傷が癒えきっていないところに裏切り者からクラスの崩壊危機の情報知らされて許容限界越えたとか言うなよ? 俺が安全にクラス移動できるまでは保ってくれよ?
はい、開会式が終わって100メートル走が始まります。須藤がいないのでトップバッターは平田、Cクラスからは野村と鈴木。(裏切りが)決まったなこれ。なお、俺は龍園に直接マークされる模様。挨拶だけならいいんだけどな。うるせえ。高円寺も例によって例のごとく。
堀北のここでの相手は伊吹だぞ。当たり前だな。
第二種目、ハードル競争。
龍園俺のマークしっぱなしかよ。可能性としては考えてたけど続けるのか。柴田とセットだぞざまあ。
堀北はCクラスの陸上部ペアが相手です。おーい平田ー、堀北に注意事項伝えとけよー。もうそんなことないって楽観は捨てる時期だぞー。お前の相手は同じままだったからこれが続くぞ。
第三種目、棒倒し。
いかに真剣にやってるかのように見せながら負担なく負けるかの競技だ。4人足りないとか勝てるわけないだろ。
第四種目、玉入れ。
女子が勝ってくれるようにお祈りだ。勝った。これで団体競技でのスコアは互角だ。
第五種目、綱引き。
男子が負けて女子にお祈りの種目再びですね。もっとあるけど。
一戦目、負け。二戦目、相手がやってきたので勝ち。クラスの代表格に注意事項として伝えてあるので原作よりはダメージ低いぞ。BとCでなんか言い合ってら。なお三戦目は、まあ言うまでもなく。
女子はまあ順当に勝ってくれました。坂柳の分1人足りないしね。
第六種目。魔の障害物競争。
いやそんな物騒な枕詞ついてないけどな。原作堀北的にはそんな感じだっただろう。
龍園の煽りと探りがうるさいだけの男子編終わり、堀北はどうなるかな。審判席のあたりをチラッと見て堀北に目を戻す。
後ろを向くな馬鹿、平田に注意されてないのか? 原作よりは状態がましなのか、木下を置いて5位でゴール。人のなけなしの善意をなんだと思ってやがる。まあ、お高い保険が無駄にならなそうでなによりだと思おう。
第七種目、二人三脚。
いないので須藤の荒業が炸裂しません。
堀北と櫛田のペアが3位になりました。だからいらんところで原作ブレイクをするなと。まあ原作より怪我軽そうなんでテーピングしたらましになるかな。
10分間の休憩時間、校舎の方の目立たないところで一之瀬と落ち合う。話を聞いて笑ったせいでえらく非難されてしまった。Bクラスを3位に落とすことすら視野に入ってきた。
一之瀬と別れて保健室に寄るとちょうど堀北が出てくるところだった。
「堀北、怪我は大丈夫か?」
「あなたの顔を見るまではよくなったと思っていたわ」
顔をしかめながら言ってきた。このやろう。時間もないし用件だけ言って戻るか。
「Cクラスがお前を訴えると言ってきても和解案を飲むな。何か知ってると思われないようにしながら相手が訴えるように誘導しろ。そうすれば俺達の勝ちだ」
「なんですって?」
「ああ、それと順位落としてもいいから怪我が悪化しないようにしろ。このクラスじゃ交代用の10万ポイントの捻出も苦しいからな」
相手の疑問に答えず言い捨てて戻ることにする。念の為に俺と平田で100万ずつ借りてはいるけどな。
「綾部くん、堀北さんと話してたみたいだけどどんな話をしてたの?」
クラスの待機場所に戻ると櫛田に声をかけられた。どれだけ堀北を注視してるんだよ。恋しちゃってるのかな?
「怪我の具合を聞いたらえらく邪険にされただけだよ。後は交代費用がバカにならないから悪化しないように言ったくらいだ」
「そうなんだ。怪我、大したことないといいね」
櫛田はそう言うと騎馬戦のためにグラウンド中央に向かう。女子が消えてくこの隙に平田を少し離れた場所に呼んで一之瀬から聞いた話を伝える。万全を期すべきではあるが、残りの競技はほぼ茶番だ。怪我だけ気を付けようぜ。
昼休憩のお時間です。堀北は人の忠告を聞かずに200メートルを全力疾走しようとして途中でペースダウンしてたのでまあ、保健室でしょうね。煽りじゃなくて本気で忠告だったんだぞ? ポイント消費を抑えるためでもあるが。
弁当を取ってAクラスの方へいく。失敗だった。一之瀬の隣に座らせようとしてくる。龍園が動くのが見えた。神崎に目配せして先にトイレに行くと言って離れる。
龍園が保健室に入ったのを確認してから神崎に保健室から見えないところに潜んでもらう。面倒をかけて済まない。保健室に近寄る。
「決まりだ。今から教師、そして生徒会へ訴えを出すぞ木下」
途中で擦り傷つくったりしながら来たからちょうどいいタイミングか。
「この状態を見れば学校も深刻なことだと分かるはずだからな。不良品の勝つためなら何でもやるって凶悪なスタンスを野放しにするわけにはいかない」
来月からの不良品はお前らだよバーカ。
「ちょっと手当てしてもらおうとして来たら……一体どういうことですか?」
保健室に入って中を見渡した後に茶柱に聞く。
「そこの木下が堀北に負傷させられたと言っている。堀北はそんな事実はないと主張している。それを納得できないから龍園たちは学校にこの件を訴え出るという話だ」
「そんな……堀北さんはそんなことしません! ねえ、堀北さん!」
こういう展開があることをあらかじめ教えてやったのに迷ったような目をしてやがるからそれっぽいことを言いながら睨み付けてやる。
ホント人任せにせず直接確認しに来てよかったよ。勝つだけならもう出来たがリターンを最大化させるためには虚偽の訴えを起こさせないとね。
「ええ、繰り返すけど私は潔白よ、そちらが訴えるというなら受けて立つわ」
「おいおい、人のカレシに勇気付けられてんなよ。まあいい。行くぞ木下」
そう言って龍園は木下と出ていく。
しかしこの保健室の空気はどうしたもんかな。堀北はこれでよかったのか自信なさげだし、櫛田はおろおろ感を出し、茶柱はなんか馬鹿にしたような目で見てくる。
まあいいや、表向きの用事を済ませよう。
「すいません、傷の手当てをしてください」
手当てをしてもらって保健室を出るともう龍園達の姿は完全にないので合図をして戻る。
あの後、茶柱は用が終わったとばかりにさっさと退室し、櫛田はこれでよかったのかな、みたいな変な雰囲気をつくり、堀北はそれに不安げにこれでよかったと返す。
ただ少し櫛田に訝しげなものを感じたようだ。嫌われてるとは分かっていてもこんなレベルのことを仕掛けてくるとまでは想像しにくいのだろう。
外に出ると龍園と木下に坂上が付き添って審判席に向かっているのが見える。Aクラスの場所に戻ると神崎が審判席に向かうのが見えた。平田の方を見ると向こうもこっちを見ていたので頷く。神崎すまん、先に食べとくな。これでチェックメイトだ。
「ルール違反ではないが悪質な行為があった為、該当者2名を退場処分とし、関与していた全ての競技の獲得点数を剥奪する」
ということで、1年のCクラスのテンションだだ下がり、Bクラスも巻き添え食らってさあ大変。
リザルト。
赤組ぶっちぎりの大勝利。
1年の各クラス結果
1位、Aクラス。プラス50ポイント
2位、Dクラス。変動なし
3位、Bクラス。マイナス150ポイント
4位、Cクラス。マイナス200ポイント
暫定クラスポイント
A1616
B696
C142
D249