原作知識持ちが行かされる実力至上主義の教室   作:arc

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念のために言っておくと後書きでネタバレ注意。
話の進行段階と微塵も関係のない原作ネタバレがあります。


櫛田封じと佐倉の救済

 

 体育祭が終わった次の登校日、朝のショートホームルームで茶柱から軽い連絡事項のあと、Cクラスの問題行為によりDクラスに対してクラスポイントが100移動すること、龍園と木下の停学が伝えられた。加えて堀北には交代費用も兼ねて50万ポイントが賠償金がわりに支払われると。

 喜びと困惑でざわつく生徒を置いて茶柱が出ていくと平田が前に出た。

 

「櫛田さんが裏切り者を装って龍園くんと接触したことで向こうの作戦が分かったんだ」

 

 その言葉から始まりAクラスの一部と極秘で協力していたことを説明、秘密にしていたことの謝罪、堀北の怪我を止められなかったことの謝罪、そして櫛田への感謝で言葉を締める。

 

 秘密にされていたクラスメイトも、結果として負傷させられた堀北すらも結果を出したと許された流れでその平田から感謝をされた櫛田に称賛の声が降り注ぐ。それを櫛田は戸惑ったように受け取る。

 

 

 

 セーフ! ここで暴発したらどうしようかと思ったぜ。

 

 

 そう、これが櫛田封じの策である。櫛田を刺激してボカンとやられたくはない、しかし陰で裏切り行為をされてもたまらない。

 

 なので櫛田は裏切るふりもするぞ、と周知させる。こうすれば他のクラスは櫛田に裏切りを持ちかけられても信用できないだろう。なにせ櫛田が裏切るふりしてCクラスが沈んだ実績つきだ。フェイクニュースだけど。

 これで櫛田への秘密の開示が収まるといいんだが。さすがに高望みかな。

 

 もちろん櫛田としては望ましくない展開だろう。しかしこの流れを拒否するのは本当にDクラスを裏切っていたということになる。名指しされているというのはすなわちバレているということだ。

 証拠を握られているかもしれない平田との信用勝負はさすがに分の悪い賭けになるだろう。

 

 堀北を少し怪我させたことだけを戦果に裏を見せるくらいなら多少の不自由を受けてでも今のポジションを守ることを櫛田は選んだ。これで少しは落ち着くといいんだが。

 

 まあ堀北もひとまずは結果を見ると言うだけで真実を伏せることに納得したわけではないので合わせて注意が必要だが。

 

 

 

 今日のお勤め終わり、さー帰って休もう、といきたいんだけどな。佐倉の様子がヤバい。陰の気が極まって特殊能力が覚醒とかしそう。なんなら精彩を欠いているとはいえ櫛田が声をかけようとして止まるくらいヤバい。

 

 と言っても俺が直接どうこうできる話でもない。なので一之瀬と下校中に頼みたいことがあると話す。人通りの途絶えないなかで話すことでもないので俺の部屋に招く。

 

「本当は一之瀬に頼むようなことじゃないんだけどな、うちのクラスの佐倉を助けてほしいんだ」

「佐倉さん? 確かに暗い雰囲気だなあとは思ってたけど」

「今日は特にひどいんだ。櫛田ですら声をかけられなかったくらいにな」

「櫛田さんでも? 一体どうして……」

 

 俺は立ち上げたパソコンでグラビアアイドル雫のブログを表示する。

 

「へー、綾部くんってこういうの見るんだ。こんなの私に見せてどうしたいの? なんかずいぶんと肌を見せてるのがあったけど、そういうのを私に着せたいわけ?」

 

 ちげえよ。最初から肝心の画像を出しておかずに余計なところを見られたせいでひどく冷たい声で責められた。思わず体が震えちゃったね(ガチで)。

 更新が滞ってることもあり最新の画像が色々無理したのか水着だったせいだ。

 例の写真を拡大する。これが水着画像だったらどうなるんだろうな。俺以外の誰かに試してほしい。

 

「この写真で気になるところはないか?」

「え? うーん、可愛いとは思うけどそういう話じゃないよね? あ、この子が佐倉さんってこと!?」

「そう言うことだ。部屋のドアが寮と同じだろ」

 

 ホントだー、なんて言ってる一之瀬を余所に画像を消してストーカーのコメント部分まで移動する。

 一之瀬の様子を見ながらコメントを表示し続けていくと、どんどん表情が険しくなっていく。

 

「佐倉さんの連絡先は?」

「し、知らない。櫛田なら知ってるはずだけど」

 

 間近で美人に睨まれるのってすげー怖いんだな。知りたくなかった。

 櫛田から連絡先を聞き出したのかまた別の所にかけながら荷物を持ってドアに向かう。電話を切るとそのまま部屋から出ていった。

 

「だ、大丈夫だよな?」

 

 なんか段階を色々すっ飛ばした気がするが一之瀬ならうまくやってくれるだろう。多分、きっと、メイビー。

 

 

 

 翌日の朝、一之瀬が佐倉と一緒に教室まで入って来た。佐倉を席まで送り届けると教室を出ていく。外にはAクラスの女子複数が待っていた。集団登校かな? 

 すでに教室に来ていた生徒は何事かとざわめき、佐倉は居心地悪そうにしている。ただ、昨日みたいな闇を背負ってはいない。上手くケアしてくれたんだろう。

 

 昼休みにも一之瀬が来て、佐倉を連れて出ていった。俺は食堂へ向かったが一之瀬達は別の所へ行ったようだ。食事を終えて戻ってきたら佐倉が気がかりがなくなったような雰囲気で弁当を食べていた。昨日との落差ですごく明るく感じる。

 逮捕までいったかは知らんがストーカーの対処が出来たんだろう。スピード展開だな。

 

 放課後、帰る準備をしていると三度一之瀬が現れた。佐倉と俺を呼んで、一之瀬を真ん中に3人で帰ることになった。変な注目を浴びるなあ。

 

 主に一之瀬が佐倉に話しかけていたのだが、周りから人通りが途絶えたタイミングで足を止めて一之瀬が佐倉を促す。

 

「あ、あの、綾部くんが一之瀬さんに私が悩んでいることを教えてくれたって聞きました。ありがとうございます」

 

 と佐倉が礼を言ってきた。この組み合わせで帰るならそりゃそういうことだろう。

 

「いや、俺は人任せにしただけだし、それにもう少し前から佐倉の様子がおかしいのには気づいてたのになにもできなくて悪かったな」

「そんことないです。綾部くんが──」

 

 何度か同じような応酬が繰り返されてループしそうなところを一之瀬が取りまとめて、3人で雑談しながら帰った。一之瀬お前、雫本人の前で雫の水着写真どうだったとか聞くんじゃねえよバカ野郎。




暫定クラスポイント
A1616
B696
C42
D349

体育祭に直接関係のないことは体育祭中にはわざわざ伝えなかっただけです。全学年にアナウンスすることでもないので(別件で考えどころではある)。
クラスと同様に体育祭の組も連帯責任なのでノータッチ。
プライベートポイントについてはすっかり忘れていた模様。投稿前に後から付け足した。

そもそも平田の切り出し方が悪いから七割くらい暴発しそう。

担任受け持ちの生徒がよそのクラスの生徒に相談してその担任に話すことで解決するとか上層部からの茶柱の評価が落ちそうな話ですね。



今回の話書いてる途中にふと思ったんだけど2年生編の5巻って長谷部に対する因果応報も含まれてて面白いよね。
脛に疵はあるけど真の善人として描写されている一之瀬を冷めた目で見ていた長谷部が信を寄せた偽善者櫛田のせいで親友の佐倉が退学する。これは美しい流れ。
いやこの時点だと蟻を踏み潰したから死刑宣告されるくらい釣り合ってないけど。因果関係が弱すぎて(というかないに等しい)応報に差がありすぎる。
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