原作知識持ちが行かされる実力至上主義の教室 作:arc
プールだヒャッホイ! 三馬鹿じゃないけど女の子の水着はいいよね! 潤いがある。
レースはちょうど平均みたいなタイムだったぜ。可もなく不可もなくみたいなコンセプトの体だろうかマイボディ。
「もう私を誘わないで。迷惑なの」
堀北が櫛田の誘いを断るよくある光景が繰り返されていたが、今日は追撃が入った。
この発言を受けて堀北に直接聞こえるレベルの陰口が飛び出す。
本来ならこの日に平田から堀北に関する頼み事をされるはずだが、スキップされた。男とのイベントすらカットされ出したか。櫛田との連絡先交換イベントも原作より明らか遅かったんだぜ?
まあ堀北としゃべったことのない相手に頼む訳もないか。頑張ってイジメを抑止してくれ。俺の居心地のために。
教室で授業中に池たちが平田と軽井沢が付き合い始めたという話をしている。
ということは次の授業は地獄の前フリ小テストか。よーし85点取っちゃうぞー。
茶柱から『成績表には反映されない』がオープン!
とっくにクラスポイント消えてそうなこのクラスで何に反映するんだか分からんな。過去問ヒントの為に学校的にカットできない訳だが。
──ついに、Dクラスの地獄が始まる。
……地獄の始まりが池のセクハラからと言うのも冴えない話だ。
0ポイント振り込みの判明、授業態度の悪さによるポイント振り込みの減額、説明されていないと言う平田の反論に対する常識と言う正論からの、マイナスにはならないと言う煽り。
……やっぱ私情込めすぎだろコイツ。
そしてクラスポイントが発表される。
おーおー、他は変わらんがBクラスのポイントは大分増えたな。
D、0!
C、490
B、890!
A、940
平田がポイント差について言及すると、茶柱がAから優秀でDは不良品だと返してくる。0ポイントにまでするのは(マイナスの)偉業扱いでだ。
須藤がこれから馬鹿にされることに苛ついているが、初日から居眠りして今の流れの口火を切ったのはお前だろう。本当に1年時に役に立たねえなこいつ。2年の体育祭でようやくプラマイ0じゃないのか。まあここでは中間で退学する訳だが。
そして小テストの結果が発表される。なにかミスがあったのか80点だった。まあいいか。
そして以降の定期テスト赤点取得者は退学処分を受けることを知らされ、茶柱が結果表に引いたラインより下の奴等が喚く。うるせえ、勉強しろや。高円寺の成績もどうでもいい。
そして、この高度育成高等学校最大の目玉と言える望んだ進路に進める権利は、Aクラスのみだと告げられ、幸村と高円寺が軽く揉めた後に茶柱がいつもの『赤点を取らない方法』を示唆して退室していく。
マイナスの情報を叩きつけられて空気が悪い。諸々の嘆きが聞こえて来たかと思えば幸村が平田に突っかかって櫛田に宥められたり、平田が態度の改善を求めたことに須藤が反発して教室を出たり、その事に対する陰口まで付いてくる。
と、平田がこっちに来て、放課後に開く作戦会議への参加を俺と堀北に求めてきた。どうして余計なイベントはカットしないんだこいつ。
堀北は原作通りのセメント対応。俺も理由と答えを1つだけ伝えて不参加を表明する。
「須藤があの態度じゃ意味がない」「基準は分からないが部活動で評価されればポイントが与えられるんじゃないか」と。
ただの非協力的な奴だとはわざわざ思われたくないからな。
放課後になると、面倒に巻き込まれないうちにさっさと帰ることにする。
特に問題なく校舎を出れたことに大きな安堵と微かな不満、不安を感じる。いや、とりあえず入試で50点遊びをしたような過去がなかったであろうことを喜ぼう。
部屋のチャイムが鳴った。嫌な予感がするが、想像通りの相手なら部屋の前にいるところを見られるとまずいので急いでドアを開ける。ため息が出る。
「どうして来たんだ?」
「また綾部くんと話をしたかったからね」
答えて勝手に入ってくる。
ロックをしてベッドに座る。俺に惚れたから告白しに来たというなら歓迎するが、違うのは分かりきっているのでもてなす気にもならない。床なり椅子なり勝手に座ってろ。
「俺は契約を果たしてほしいだけだ」
「綾部くんの考えはほとんど当たってたよね。まるで知ってたみたいに」
話をしに来たくせにこっちの言葉を無視して顔を覗いてくる。ちょっと近い。
「そうでもない。赤点で一発退学は驚いた。小テストがデモンストレーションでなければ7人も一気に退学する羽目になっていたからな。ああそうそう、Bクラスは惜しかったな。でも差は小さいからまだまだ逆転は全然狙えるぞ。うちのクラスと違って」
「その事についてはお礼を言いたいんだけどさ、本当に仲間を裏切ってなんとも思わないの?」
「この期に及んで授業態度を改めようとしない赤点取得者を仲間とは思えない」
本当にな。中間で馬鹿が消えたら考えてもいいが。
「一之瀬こそ今日の情報を受けてクラスで話し合いしたりしないのか? Dクラスと違って赤点回避には気を使う必要ないかもしれないが、BクラスはAクラスでの卒業にはこだわらないのか?」
「そんなことないよ。Aクラスで卒業したいと思ってる」
「だったら俺にこだわってないでどうやってAクラスに上がるかを考えた方がいい。俺はあそこには干渉していないのにお前らより上だったんだぞ」
Aクラスにも馬鹿はいるのにこの結果は完全に統制されていたと言える。5月にルールが開示されたあとでもポイント差が広がってるんだぞ原作じゃ。
一之瀬がルールを見抜いていたとなって求心力がさらに高まっていたとしても、ここからの減少量をAクラスとトントンにできるかくらいだろう。
一之瀬の目的が見えてこないな。文句を言うためだけに来た訳じゃないだろうし、俺の指摘も言われなくとも理解しているはずだ。
「本当にDクラスのために動く気はないの?」
まさかそういうことか? イメージにそぐわないがその為に来たのか?
「それはケースバイケースだ。徹頭徹尾Dクラスの為に動かないなんてポリシーがあるわけじゃない。ちょっと勉強や運動をがんばるくらいでメリットがあるなら協力するとも。だが」
今回のポイント変動については、教師の反応という最初の介入ポイントを逃した時点で
「予想を確信した時にはどうしようもないと判断したから一之瀬達に情報を売って自身のポイントを確保することに決めた。Bクラスは情報を広めて完全に問題行動がなくなったか? こっちは本来マイナスをどの程度突き抜けたか怖くて考えたくもないぞ」
Bクラスでもあっただろう問題を盾に自身の行動の正当性を主張する。Bクラスでも問題はあった。いわんやDクラスを、だ。
「恐らく中間テストで何人か退学者が出るだろうが、それもDクラスに良いことだと俺は思っているよ。不真面目不勉強な生徒が消えて、残った生徒にも緊張感が生まれる。問題児がいなくなれば少しは騒がしくなくなるだろう」
一之瀬には特に反応がない。何故か嫌悪感が増した気がするが。確認したがっているだろう言葉を出すか。
「まあDクラスの為に動くことがあるといっても手間にもならないようなことか、俺の利益に繋がるならの話だ。DクラスではAクラスには上がれない」
スタンスを明言する。クラスごとの勝ち上がりを考えていない。聞きたかったのはこれだろう。
卒業時のクラスをどうするかは別に考える必要があるが。
一之瀬は嫌そうな顔で頷く。聞いてきたのはお前だろ。そんな顔はやめろ、傷つく。
「じゃあ綾部くんは私達がAクラスで卒業するために協力してくれるかな?」
「報酬次第だ。それに友人がいなくて影響力の少ない俺じゃやれることに限りがあるぞ」
一之瀬の誘いに事実上の肯定と、原作知識による過大評価に対する釘を刺す。
……なんだぼっちで悪いか。絡みたくないのを避けようとすると仕方ないんだ。櫛田はカウントアウトしてるぞ。
「ふーん、それじゃ私達がAクラスに上がるためにはどうしたらいいと思う? このままポイントが下がるのを押さえるだけじゃ差が変わらないよね?」
「まあ今は下がらないようにするしかないんじゃないか? この時点で結果が決まって残りは消化試合なんて馬鹿なことはないだろうから、なにかポイント変動するイベントがそのうちあるだろ。あとはそうだな、平田にも言ったが、部活動で優秀な成績を残せたら可能性はあるな。1年では厳しいだろうが」
今言える情報を出す。あたりさわりがなくてすまんな。こういう特別試験が待ってるぜ! とか言えるわけないからしょうがないが。
「ああ、Cクラスはガラの悪そうな奴が多いから気を付けた方がいいかもな。必要があるかはさておき、本気で警戒するなら防犯セットやレコーダーなんかを準備した上で集団行動を心がけた方がいい」
一之瀬が表情を険しくする。
「そういうのってあると思う?」
「Aクラス入りを諦めないなら可能性としては。まあ頭悪そうなのも多かったから中間以降の話だとも思ってるが」
もう本当に今言えることはないな。お開きにするか。いや一之瀬が出るところを見られないか注意は必要だが。
「もう今日はいいだろ。あとついでにポイントの振り込みは明日の夕方以降にしてくれ」
「そうだね、分かった。それじゃまたね」
ふう、こんなことになるならサッカー部に入って柴田がらみで自然に接点を作っておいた方が良かったか? それも痛し痒しだな。まあいい、中間テストとその結果を待とう。いやテストまで三週間とか長いんだが。
関係が(秘密)同盟なのに向こうからの感情がネガティブな件。
※プールの授業でわかるDクラス43人説。
見学16人。
レース参加者男女合計26人、泳げなくて不参加1人。
見学者でテンキー部分押し間違えて3が6に変わったのかな?(第二十二刷で話しています)