原作知識持ちが行かされる実力至上主義の教室 作:arc
翌日のホームルーム、馬鹿みたいな話を聞かされた。
・Cクラスの生徒がAクラスの生徒に殴られたってよ。
・Aクラスの生徒はCクラスの生徒に散々挑発された上で殴りかかられたから反射的に殴ったってよ。
・診断書取ったってよ。口の中切れた程度。
・相手が先に手を出したんだー、目撃者出てきてくれー!
龍園さあ、雑じゃない? 俺が気付いてなかっただけで、綾小路がいない分全体的に下方修正食らってるのかな?
暴力性+腕っぷしぶっちぎりの須藤が消えて真面目に成立する範囲を狙うとこんなにスケールダウンするのかね。
俺にもBクラスにも関係ない、というかAクラスからマイナスされるならプラスだしな。
なので休み時間は昨日読みきれなかった本を読むことに費やす。もう本当にイベントないだろ。
と思って日々を過ごしていたら一之瀬が部屋を訪ねてきて
「女の子に告白されたことってある?」
ときた。俺に代わったことでこっちに関係しないと思っていたイベントを変に持ってくるなよ。ここに来る以前のマイボディの過去が分からないんだよ。
察しのよさを発揮したように先回りするか。
「同性に告白されて戸惑ってるのかもしれないが、受け入れる気がないなら変な小細工をせずにきっちり断った方がいいと思うぞ」
一之瀬が怯む。
「で、でも……少しでも相手を傷つけないようにしたくて。どうにかならないかな?」
「諦めろ。告白を受け入れない時点で不可避だ。彼氏役を誰かに頼んでも別れたとなったらまた告白される。ずっと頼むのは相手に負担だ。本当に付き合っている相手がいるならそう言ってやれ」
いないのは知ってるがそう言って突き放す。
不満そうな目でこっちを見てくる。だからどうにもならない。
「綾部くん、彼氏のフリ、してくれないかな?」
嫌そうに言う。どうしてそんな誰も幸せにならない提案をするんだ。
「嫌に決まってるだろ。俺は目立ちたくない」
「でもBクラスのみんなと軽い交流は持っておきたいんでしょ? 接点づくりにちょうどいいじゃない」
「どう考えても目立ちすぎるだろ。お前が神崎に話を通して不自然じゃない状況をセッティングさせてくれればそれでいいんだよ」
「それじゃ女の子への認知度が低いよ。この方法ならBクラスの誰と話しても不思議に思われなくなるよ」
睨み合う。なんでこんなに物わかりが悪いんだこいつは。原作ではちゃんと向き合って断ってただろうが。
「明日の放課後すぐに体育館裏に来て」
言い捨てて部屋を出ていく。呆気に取られて止め損なった。見られてないだろうな。
という訳で体育館裏に向かう。色々考えたが、こっちとしては一之瀬との関係を絶つわけにはいかない。これが生命線だ。
だからと言って不必要な注目を浴びたくないのは変わらない。だいたいBクラスリーダーの一之瀬と付き合ってて特別試験中にBクラスが大勝するとか怪しまれるに決まってるだろ。具体的には船上試験。情報漏洩の疑いで吊し上げられること間違いなし。
体育館裏でしばらく待っていると一之瀬がやって来た。どう言えば翻意させられるか考えていると近寄ってきて
「私たち、付き合おっか」
起こったことをあまり理解できていない気がする。
俺達は付き合うことになり、一之瀬を呼び出した白波を泣かせることになった。少し前に俺から告白して付き合うことになったらしい。白波に疑われても付き合いはじめてそんなに経っていないからキスして証明なんかはできない、でもお互いもっと好き合えばそういうこともするんじゃないかな、だってさ、へー。白波への説明中から手を繋いだまま寮まで帰った。
頭が回っていない感じと共に、頭の隅で誰かがまずい、まずいと叫んでいる気がする。これまで考えてきた避けるべき相手の名前を叫んでいるところに南雲の名前が加わった。これまでは注目される要素がなかったからな。
もう寝よう。
タイムリミットが翌日まであるとはいえ、感情が分からない綾小路の言葉より響かない主人公の言葉よ……
須藤が退学したことによって佐倉のイベントがスルーされました。しかし導火線に火は着いたままです。
前書きに書くと予防線になるから後書きに書くんだけどさ。
なんだこれってなって低評価増えそう。