麺棒様、誤字報告ありがとうございます!
RED編が物凄い難産です。
ウタをエレジアの前に助けたり、別の人生を生きてたりする作品を描かれてる方は居ますが、劇場版にオリ主を加える作品を描いてる作者の方が居ないのが凄くわかります。
下手に入れて、登場人物の活躍を減らしたくは無いですし。
大筋は浮かんでいますが、何処にどのようにオリ主達を登場させるかが悩みに悩んでいる今日この頃。
筆が進まないあまり、既に二回目となる劇場版の上映に行ってきましたマル
さて、今話ではいよいよウェルテクス海賊団の面々の能力などが明らかになって参ります。戦闘シーンは下手くそですが、お許しください!
15.ウェルテクス海賊団
アインの申し出に、ゼニスは顔を彼女に向けた。
アインはゼニスの視線を受け、その視線を真正面から受け止めた。逸らしそうになるのを拳を固く握りながら我慢した。
しばらくその状態が続いた後、ゼニスが口を開いた。
「分かった。」
それだけを口にした。「やれるのか?」とも「がんばれ。」とも言わなかった。一言了承したのみだった。
そしてアインも、それ以上は求めていなかった。
「ありがとうございます!」
『
テゾーロの能力である『ゴルゴルの実』が覚醒して自由自在に生み出せるようになった黄金で一度気絶した海軍を全て呑み込む。そして、ただの塊だった黄金は徐々にその形を変えていき、遂には黄金の船が完成した。
それはその名の通り、ノアの方舟を連想させる代物であり船の周りの地面は黄金がまるで波打つかのように揺らめいている。
呑み込まれたはずの海軍は全て、船の甲板で眠っていた。
その船にテゾーロとステラは飛び乗ると、計画は次の段階へと進行する。
『
ステラが彼らを囲むように手を広げると、それに呼応するように光が広がりそれが彼らを包み込む。次第に彼らから煙のようなものが湧き始め、空中で一定の高さまで昇ると浮遊するように留まった。
煙に見えるそれは、目に見えない程凝縮された彼らの記憶。この島に上陸してから、気絶するまでの記憶そのものである。
他の者が見ても煙にしか見えないそれも、『メモメモの実』の能力者であるステラの目にははっきりと一つ一つが記憶として写っている。
それら一つ一つを確認して、どこを弄ってどこを弄らなくてもいいのかを搾取していく。そして整理が完了したら新たに能力を行使する。
『
浮かび上がっていた煙の一部がステラに向かって移動を始める。そしてその煙、記憶はステラの手元まで移動して、ステラの掌の上で青く発光した後持ち主へと帰るように再び記憶だまりへと戻っていった。
書き換えの編集した記憶を持ち主を間違えないように慎重に、しかしスピーディーに返還していった。
すべての記憶を返還し終えるころには方舟は、海軍の軍艦前に到着しておりテゾーロはステラの作業が終了したのを確認すると、方舟の黄金を操作して触手のように動かし海兵を軍艦へと運んでいった。
そうして何事もなくテゾーロとステラは役割を完遂した。
『
『
それぞれがそれぞれの
アルクェイドの真祖の力の一つである空想具現化で創り出されたのは、空気の膜。しかし当然ただの膜にあらず、外からのあらゆる干渉を無効化してしまう無敵のバリアにもなり得る代物。その膜を広げて、スフィンクスの住人全てを包み込む。
続いてサボの悪魔の実の能力『キョリキョリの実』によって黄猿とエネル、ウィーブルとアインの戦いの余波が届かないだけの遠い距離を選択して距離を切り抜いた。
距離が切り抜かれたことによって、数十キロの移動に通常ならば数十分も必要なところをわずか数秒での移動を可能とした。
そして最後に、日和が『ベクベクの実』で周辺の風のベクトルを操作する。目的は風を集めて強風を引き起こし、創り出された膜ごと住民を移動させること。
何メートルもできることではないがそれを見越してのサボの距離操作である。わずか数十センチの移動で住人の安全は確保される条件はそろうのであった。
こうして彼らの連携によって、スフィンクス住人の安全は無事に速やかに確保された。
『5000万ボルト
「おっとと~…それッ!」
「ヤハハハ!なるほど、貴様は光か!」
エネルは挨拶代わりに放電を放つも雷速で迫るそれを、当然のように躱して反撃に高速で移動した黄猿は勢いそのままに蹴りを放つ。が、それを
雷速で移動するエネルと光速で動く黄猿にはその程度の距離はあってないようなものである。エネルもそんなことは百も承知であるが、今の一瞬の攻防でもエネルはしっかりと黄猿の動きを確認していた。
「そういう君は~雷かな~?」
しかし相手も歴戦の猛者である海軍大将である。隙など、泥濘などありはしない。
端から両者ともに能力が分かったところで対策が難しい強力な実であり、対策が立てられようともそれに抗うすべも用意してある。
『
エネルは太鼓を
『ッ
いくら黄猿といえども覇気が纏われた雷を受けるのはまずいと距離を取っていく。光を発生させ、その光を辿って光速で移動していく。反射を利用して四次元の移動を行いながら移動していくが、雷速で移動している雷鳥のそれを追いかける形で移動し続ける。
『
キリがないと感じた黄猿は、巻くことを諦め迎撃に動き出す。光を収束させて剣を作り出し、向きを雷鳥に向き直りその雷を切り裂いたその時、後ろに覇気の気配を感じて咄嗟に振り返ったその先には、雷で出来た獣が目前まで迫って反射的にその雷獣も切り裂いたがすぐに失態を悟る。
雷鳥も雷獣もただの囮。本命は…。
『3億ボルト
『ピカピカの実』と『ゴロゴロの実』どちらも悪魔の実の中でも最強クラスの能力と言っても差し支えないものだ。
しかし、破壊力はエネルのゴロゴロの実で貫通力は黄猿のピカピカの実。速度は黄猿に軍配が上がるも、自由自在に動き回れるエネルに対して、直線上にしか移動できない黄猿。短距離での移動はほぼ同速と言っても過言ではない。
何より、光と雷では性質が異なる。単体では威力を持たない光に対して、そこにあるだけで威力を持つ雷。
能力に頼り切っている黄猿に対して、身体を使い、能力を使い、頭を使いながら闘っているエネル。
互角とも言える能力同士のぶつかり合いにおいて、その差はとてつもなく大きなアドバンテージとなっていた。
黄猿のすぐ後ろまで迫っていたエネルが最初とは比べ物にならないほどの発光を帯びながら放たれたそれを、黄猿は危機一髪で躱した……はずだった。
威力もさることながら雷撃の太さも最初に比べはるかに太く、目算を誤った黄猿はわずかに掠ってしまう。雷にそのわずかな差は大きなもので、感電によって黄猿本来の光速は一瞬その動きを止めてしまう。
その一瞬を待っていたエネルは、
『
あらかじめテゾーロに用意してもらっていた限界まで凝縮していた黄金を二つ取り出し、電熱で溶かしてその形を変形させていく。
エネルが能力で変化させられるギリギリまで海楼石が混ぜ込まれたそれで、黄猿の手と足を縛り拘束する。
もしエネルの技を知っていたら、もしエネルの狙いを知っていたら、もし掠ることすらもアウトだと知っていたら黄猿の敗北はなかったかもしれない。
しかしそのことも考慮に入れて戦っていたエネルに対して、能力を過信していた黄猿では初めから立つ土俵に差が出ていた。そしてこの結果がすべてだった。
「待たせたな、始めようか。」
アインに向けていた視線を切って、その先をバッキンとウィーブルへと移す。悪びれなくそういうゼニスにバッキンは苦い顔をする。
「何が待たせただい!覇王色を送り続けて常に牽制してたくせに!」
なにもバッキンとウィーブルは律儀に待っていたわけではなく、動けなかったのだ。覇王色で牽制されていた為に。それでもそれがなくなった今、順番は変われどやる事は変わらない。
「どうせ全員やるんだ、やっちまいな、ウィーブル!」
その言葉にウィーブルは雄叫びを上げながら、手に持った薙刀を振りかぶり飛び上がる。その巨体からは想像できないほど身軽に飛び上がったウィーブルは、その巨体を生かして勢いそのままにアイン目掛けて薙刀を振り下ろす。
アインは軽やかなステップで躱す。が、その威力はアインの想像を超えていた。薙刀の叩き付けられた地面にはクレーターが出来、そこを中心に暴風が発生する。その風によって体制を崩されたアインにウィーブルはすかさず追撃を開始する。
真っ向からやり合っては勝ち目がないと先の一撃で感じたアインは距離を取るべく、『モドモドの実』のオーラを
冴え渡る戦闘勘で薙ぎ払うのではなく、回避を選択したウィーブルは追撃をやめて距離を取った。それを確認したアインは今度は自分から仕掛けて出る。
右手に持った短剣で斬りかかる。膂力もリーチもウィーブルに分があるものの、身軽さとモドモドの実をうまく活用して食い下がる。それでも覇気もウィーブルに分がある以上、徐々にアインが押され始める。
遂にアインの真後ろには最初の一撃で作られたクレーターがあり、下がれなくなったところでウィーブルの振り上げの薙刀を弾いた勢いそのままにウィーブルを飛び越える。
そして着地の寸前にウィーブルの背中を蹴り付ける。体格に差がありすぎる為ダメージなどないに等しい。しかしその不意打ちはウィーブルにタタラを踏ませた。
片足をクレーターに踏み入れたのを確認したアインはモドモドのオーラを飛ばした。狙いはもちろんウィーブル………ではなくクレーターが出来たその地面。戻す時間は30分。
戻された地面はウィーブルの脚を飲み込んで平らな地面へと還る。重心を崩されたウィーブル目掛けてアインは飛び掛かる。生み出されたモドモドのオーラ3つと短剣に纏わせたオーラ、計四つのオーラが当たれば一気に48年還る。
今のアインに持てる全てを注ぎ込まれた攻撃はウィーブルを捉えて、血飛沫を上げた……だけだった。
「………え?」
まさかの結果に呆然とするアインに、脚を引き抜いたウィーブルの薙ぎ払いが命中した。咄嗟に短剣でガードするもウィーブルの武装色の覇気が圧倒的に強く、衝撃はアインへと届いた。
圧倒的な膂力と圧倒的な覇気の暴力に晒されたアインは吹き飛ばされ、何度も地面を跳ねながら無惨にも転がった。
そう二人の間には圧倒的な覇気の差が存在していた。アインが攻撃に纏わせた覇気よりもウィーブルが咄嗟にガードに纏った覇気と余りにも差があった為、その能力は無効化されてしまったのだ。
最近になってゼニス指導のもと覇気を伸ばし始めたアインと強敵と戦い続けてきたウィーブルを比べる事は酷なことであり、この結末は始まる前からわかっていた事。そう考えながらゼニスは見ていた。
故にアインの申し出を受けたゼニスは、何も言わずに送り出したのだ。彼女がより成長する為に。そしてその目論見はゼニスの期待以上のものだった。武装色に差があるにも関わらず、ウィーブルに確かな傷をつけて見せた。
あの時の二人の差は『覇王色の覇気』だった。無意識だろうが、あの時確かにアインは覇王色を纏っていたのだ。
そこまで考えたところで限界を感じたゼニスは、能力を行使してアインの元へ駆けつける。ボロボロのアインは体のあちこちから血を流しながら、四つん這いで土を握りしめながら涙を流していた。
「……苦しいか?」
そんなことは無いだろうと、ゼニスは内心思っている。同時に当然苦しいだろう、とも思う。矛盾した考えではあるだろう。
苦しいだろうがそれ以上に泣くのは、悔しいから。
期待に応えられなくて、悔しいから。
浮かれていた自分が、情けないから。
「情けないですッ!」
そうだろうと、ゼニスは思う。
今回アインが自分から申し出たのは、成長した自分を見てもらいたかったから。他の仲間たちが強すぎて疎外感を感じていたから。
だから、自分もウェルテクス海賊団の一員なのだと自分に証明したかったら。
覇気は以前よりも増した。能力も以前より使いこなせるようになって、手から離して同時に3つまでオーラを操れるようになったし。30分間隔での最大12年を戻せるようになった。それでも負けた。
それが悔しくて、悲しくて、情けなくて。
「お前は確かに強くなってる。だからあんまり焦るな。お前はもうウェルテクス海賊団の一員なんだ。居なくなったら、みんな悲しむだろう?」
「…はいっ!」
ゼニスに頭を撫でられながら、拳を強く強く握りしめて。それでもゼニスの声に確かに頷いた。
メラメラの実を食べたサボが好きな方、申し訳ありません!
ネタバレになりますが、本作でサボには狙撃手を担当してもらおうと思っています。その関係上、サボには『キョリキョリの実』を食べて貰いました。
メラメラの実の行方は、いずれ発覚します。
『キョリキョリの実』
距離を自在に変化させることができるパラミシアの一つ。
1メートルを中間に距離を創り出して1キロにしたり、1キロの中間の距離を切り抜いて1メートルにしたり出来る能力。
距離の限界は能力者の力量次第とされる。
使い方によっては某アニメの最強のように、擬似的な無限を創り出すこともできるかも?