ペルソナ4の足立さんのそれからです。

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足立さんのそれから

 結局、僕は何を求めていたんだろうか?

 僕は大人だ。

 だから知ってる。

 頑張っても報われないこと。

 空回りばかりなこと。

 期待されても成果を出せないこと。

 

 そしてこんな田舎に飛ばされた。

 でも、こうしてビールを飲みながら土手で川を見ていると、なぜだろうここが僕の居場所なんだと思える。

 今は、そう思えるんだ。

 

 前は違っていた。

 こんな何もない田舎……でも、どうしてだろうな。

 本当は自分が見ないだけにしてたんじゃないかって、今は思える。

 ありふれた田舎さ。

 何もない……そう思っていたのは間違いだった。

 それはさっきのこと。

 

「あっれー? 足立さんじゃーん。ちーす」

「あ、サツのヘタレじゃん」

 

 そう、僕の嫌いな彼らの友達。

 タヌキに族潰しの除け者。

 

 そんな彼らが、一人で酒飲んでた僕に話しかけてきた。

 

「足立さんさぁ、青龍伝説見る?」

「はあ? 何それ」

 

 アチョーとたぬきは格好をとる。

 

「僕がさあ、なんていうの? カンフー映画? 好きなように見える?」

「今は見えないかな。昔は好きだった。憧れてた。そう見える」

 

 何も言い返せなかった。

 銃が使えるから。それは嘘。

 本当は彼のような正義の味方に憧れてたところはあった。

 

 族潰しは言う。

 

「さっきヘタレって言った手前悪いんすけど、実はしつこい奴がいるんすよ。警察でなんとかしてくれませんかね」

 

 なんだコイツら。

 縁も恩もない俺を頼ろうってのか?

 どうする?

 いや、どうしたい?

 本当は僕はどうしたいんだ。

 

「あーそうね、青龍伝説だっけ。見てみるよ、族のしつこいのもなんとかしてやるよ」

 

 俺は何を言っているんだろうか?

 うるせーな、一人にさせろ。

 そう、言いたいはずなのに……

 

「マジっすか! あ、じゃあ足立さんこれあげますよ」

 

 なんだ? と思ったらジュネスの割引券だった。

 

「俺野菜食わないんでどうしようかと思ってたんす。野菜だけの割引券なんすよね。キャベツはなんと8割引なんすよ」

「8割ぃ!?」

 

 思わず手渡された割引券を見る。

 確かに野菜だけの割引券でキャベツは8割引きだった。

 

「これから足立さんは予定あんの?」

「ん? あー、鳴上くんとこで寿司かな。ななこちゃんと。堂島さん遅くなるらしくてね」

「あ、逃げてんすね」

「そーそー」

 

 この族潰しは実は嫌いではなかった。

 自分にとても近い匂いを感じていた。

 鳴上くんよりも、むしろ似ている。

 

 僕を受け止めてよー!

 

 あれは傑作だったな。

 そして、乾いた笑いが出たんだった。

 僕は一人だった。

 マガツイザナギ。

 強いだろう? 当然さ。

 僕の心は本当はそこまで強い。

 鳴上くんの操るイザナギなんて、それだけじゃあとても届かない。

 

「あ、そういやあ足立さん。りせちーがここでコンサートするらしくて俺ら特別席で見れるんすよ。よかったらきてくださいね」

「そういえば探偵王子も久々に来るらしいねー」

 

 興味をそそられるような、呆れるような。

 つまらないような、面白いような。

 そんな話を彼らはしていた。

 僕は聞いてみた。

 

「アレはどうなったのさ。あのクマのマスコット」

「ああ、アイツは帰りましたよ。時々こっちにきますけどね」

「ふーん」

「雪子の旅館でもバイトしてるしねー」

 

 さして興味もない。

 いや……

 

 僕の罪は裁けない。

 しかし、背負おうじゃないか。

 悪人として自覚して生きようじゃないか。

 数多ある生き方? ないさ。

 運命? 違う。

 僕の選んだ生き方さ。

 

 だがなぜだろう、とても罪深く後悔し、同時に清々しい。

 俺は強い。

 それが今は、よく分かる。

 

 そして、一人じゃないんだよな。

 

 彼女たち二人のことは永遠に忘れない。

 咎人だ。俺はな。

 神に弄ばれたわけじゃない。

 俺が選んだ、俺の道だ。


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