【復刻】ソロモンの白狼になって宙を駆ける   作:5の名のつくもの

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アンケートが割と突出しているので先に投稿していきます。

※アンケートは投稿日22時に締め切ります
※投稿日22時過ぎよりアンケート更新


コンスコンを救え

私は再びソロモンから出張に出向いていた。

 

「コンスコン少将が率いられる部隊を遠くから見守れとは…」

 

「ドズル・ザビ中将の腹心と呼ばれる方ですから心配は杞憂だと思います。意外とドズル中将は心配性なのかもしれませんね」

 

「派遣されたのがなぜ我々なのか解せないことに変わりありません」

 

サイド6ではコンスコン少将が率いる機動部隊が連邦軍を待ち伏せるだろう。両国に対して中立を宣言しているサイド6から少しでも外れた途端に襲い掛かる。やや卑怯な手を使って勝とうと試みた相手はジオン軍の畏怖の対象である白い悪魔ガンダムを擁する木馬ことホワイトベースだった。ガンダム以外にも見た目の割に強力な支援型MSを2機揃え、更にMSを撃破できる火力を持った重戦闘機を有する。数は少ないからと侮っては忽ち撃破されてしまう。油断どころの話ではない敵に対して、コンスコン少将の手持ちはムサイ級軽巡洋艦2隻とチベ級高速巡洋艦、そしてリックドムが12機だった。強襲上陸艦1隻に差し向ける戦力にしては過剰に見えても相手を考えれば妥当な数字と言える。

 

しかし、コンスコン艦隊を送り込んだ張本人であるドズル中将は心配性を発動させた。確かに自分の腹心を信頼している。同時に相手が化け物である以上は「もしも」のことを考えもする。ただでさえ人が少ないジオン軍は優秀な人材を保持しなけれなならず、懐刀をコッソリと出張に出向かせて危険な場合は直ちに救援に入らせ安全策を採用した。

 

「遠方まで出れるような戦力は私たちしかいなかったのでしょう。私は外様ですから危険な任務を担わせても痛くない。大尉は一種の監視役として下手を許さないと思われます」

 

「一見して非情な行動こそドズル・ザビ中将の気遣いによるものというわけですか」

 

「緊張感に包まれることは良い事ですが仲間に向けられては堪りません。一時だけでも内憂を離れさせて士気が下がることを避けたとも言えますね」

 

コンスコン艦隊に遅れて送られたのはザンジバル級ケルゲレン1隻だった。万が一の救援用の予備にしては少なすぎた。しかし、戦争は数が重要でも質が捨て去られてはおかしい。ケルゲレンにはMSが3機格納された。言わずもがなシン・マツナガ専用ザクⅡR1A型、ザクⅡ高機動試験機、リック・ドムである。チューンが施された上に操るパイロット皆がエース又はそれに準ずるパイロットのため侮ってはならなかった。

 

そんな戦力がソロモンを離脱しても要塞内部はさほど気に留めない。なぜなら、一名を除いた元の戦力は完全なる外様だったから。ソロモンは猛将ドズル・ザビ中将を慕う兵が多く士気が高いことは素晴らしいが、逆に言うと外から来た外様には少々厳しかった。

 

「名将コンスコンですから全滅はあり得ません。とはいえ、最悪の場合として全滅の恐れが生じれば私が一人で行きます。ミイラ取りがミイラになる必要はございませんので」

 

「えぇ、その方がいいでしょう。この中で最も宇宙戦の経験が豊富で技術のあるシン大尉が適任者です」

 

「もちろん、大尉ご自身が危険となった時は潔く撤退してください。コンスコン艦隊救援に出た者が撃破されては元も子もありません。それこそミイラ取りがです」

 

「ちゃんと理解していますからご安心ください」

 

「そういえば、アイナ様。くだらぬ噂話で聞きましたが、サイド6には軍の特殊な施設があるとか」

 

「私も聞きました。何やら常人を超えた勘の鋭さを持ち、精鋭部隊が束になっても勝てないと言うパイロットを育てているとです。にわかには信じられませんが、もしかしたら大尉が?」

 

「御冗談を仰ります。確かに私はエースたる実力を持っています。しかし、そんな超常的な力は微塵も秘めておりません。私は積み上げた経験と訓練(努力)でどうにかしているだけですよ。新しさが全く感じられない古き兵士に尽きました」

 

彼を除いた者達は笑う冗談としていた。だが、実際にサイド6には病院施設が存在する。人々が頼る総合病院だと誰もが思うも詳細は不明のため怪しさを隠せなかった。変な研究をしているとも噂された。残念なことに絶対的な確証は得られず、強力な統制によって守られたままだった。

 

~サイド6~

 

中立を宣言していたサイド6は交戦中の地球連邦軍とジオン軍が揃ってしまう異常に包まれる。しかも、よりにもよって地球連邦軍の最高戦力ホワイトベースが来てしまった。ジオン軍は連邦軍を牽制しているが中立地帯で戦闘はご法度のため、お互いに見て見ぬふりをして熱戦を避けることは幸いである。

 

そんなサイド6の一端で、カップルらしき若い男女の組み合わせは車を走らせた。

 

「道が悪く少し揺れるが、気分は悪くないかな?」

 

「悪くありません。ただ…」

 

「どうしたのだ?何か引っ掛かることが」

 

運転手の男は隣の神秘性を漂わせる彼女の体調を案じた。この戦いを一変させるだろう彼女を無駄に消耗させるわけにはいかない。また、個人的な好みの感情もあって彼女を守りたかった。ただし、本人からは肉体的か精神的かを問わず疲労は感じ取れない。むしろ、元気そうである。どうやら、彼女が秘める特異な体質が「何か」を捉えてしまった。

 

「いる…私と同じ存在がいる」

 

「何…まさか認めたくはないがな」

 

「そして、来る…捉えられない光が」

 

(来るとは何がだ。コンスコンは既に到着して待ち伏せを敷き、敵軍が追加されるとも考えづらい。コンスコンへの増援は本人が自信満々である以上はあり得ないことだぞ。一体何が来るとララァは感じ取っている)

 

彼女は察するに2つの存在を強く感じった。片方は自分と同じ存在であり男としては認めたくなかったが「もしや」と思わざるを得ないことが数度かある。もう片方は完全に分からず思考を重ねても答えを導き出せなかった。敵か味方の増援を予期していると考えるのが順当だろうが、敵軍は当然として友軍が増援に駆けつけることは自信に満ち満ちたコンスコンを大きく傷つける。したがって、来ると言われてもピンとくる物と者が微塵も無かった。

 

止められない流星でも迫っているのだろうか。長い付き合いで適当なことを言っているわけがないと断じ、冗談でも何でもなく何かが迫っていると気を引き締める。中立地帯で要らぬ損害や軋轢を生じさせないため用心するに越したことは無かった。

 

この翌日、待ち伏せを仕掛けたコンスコン艦隊は傷ついた戦艦(強襲上陸艦)と内蔵する戦力を相手にした。繰り出した12機のリックドムは3分も経たずに失う。また、軽巡洋艦2隻も圧倒的な戦闘力を見せつけた白いMSによって撃沈されてしまい言い逃れの出来ぬ惨敗を喫した。中立地帯で黒に近い濃さのグレーを渡ったため、これ以上は相互に自重してコンスコンは再起を狙い、連邦軍はドッグに戻って何とか補給及び修理を受けられないか務める。なお、彼は私情が挟まっているため必ず木馬を仕留めなければならないと焦り、翌日に再びグレーを突き詰めた待ち伏せを決行した。

 

なお、傍観者を決め込んだ男女は観覧の客としてテレビ放送を楽しみにしている。

 

~翌日~

 

「フッ。案の定コンスコンは焦り、白いMSと木馬にしてやられたか」

 

「必然と言えますわ。言ったでしょう。白いMSが勝つと…」

 

ここまでは2人とも想定した範囲内であり、リベンジを果たせなかったコンスコンを憐れんだ。だが、その憐れみを呈する間もなく、予想だにしていない参戦に心を乱される。急にカメラが切り替わったかと思えば、見慣れない白く塗装されたザクⅡが捉えられた。

 

「あ、あのMSです。私が予見したのは」

 

「白い塗装に狼の紋章…ソロモンの白狼かっ!」

 

続く




「白いMSが勝つわ」

「どっち?」
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