前略 トレセン学園のトレーナーですがブラック労働過ぎて今日もまたロイヤルビタージュース   作:雅媛

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第六話 グランドライブっていろんな人が踊って唄えば曲とか被るのも出てくるのかな、まあゴールドシップは阿波踊りをするから関係ないのですが

 初めて行われたグランドライブは盛況であった。

 

 大規模な広場を借りて、そこにウマ娘たちがそれぞれ小さなステージを作り、そこで観客へライブを披露している。

 1つのステージを見ても、1組がずっとライブをしているわけではなく、何組かが入れ代わり立ち代わりライブを披露している。

 

 参加者は、思い思いに興味が湧いたライブを覗き、気に入ったライブがあればそこを鑑賞し、気に入ったウマ娘を見つければ一口スポンサーとなる。

 優に万を超える参加者が居り、イベントは大成功と言える状況だった。

 

 もちろん有名どころも何組も出ているのが成功した理由の一つだ。

 発案者のスマートファルコンを中心とした逃げシスや、生徒会のグループ、黄金世代のグループなど、もともと人気のあるグループには多くの人が集まっている。

 だが、デビュー前の子たちや、デビューしてすぐの子たちのライブも、いや、そういう子たちの方がむしろ人が集まっている、そんな雰囲気もあり、当初の目論見である、誰にでもファンに自分の気持ちを伝えるというのは達成できているように思えた。

 

 

 

 さて、そんな盛況なイベントであるが、ゴールドシップとそのトレーナーも参加していた。

 ソロライブよりも複数でやったほうがいいだろうと、ゴールドシップが友人であるウオッカとダイワスカーレットを誘い、3人で行われるライブをする予定である。

 

「で、トレーナー。これなんだ?」

「かっくいーでしょ?」

 

 ドヤ顔するトレーナーだが、ゴールドシップは頭を抱え、ウオッカとダイワスカーレットは茫然としていた。

 なんせ、ステージがケバケバしいのだ。

 ミラーボールが幾つも置かれて輝いているし、七色のビームライトがまばゆい光を放っており眩しいぐらいだ。そしてトレーナーもいつも通り無駄にレインボーに輝いている。ぶっちゃけ舞台が騒々しすぎる。

 もっとも、これでもライブの曲やダンスが激しいものであったら、まだ許容範囲だっただろう。このケバケバしさに負けないアピールをする余地があったはずだ。

 

「なあトレーナー。私たちのダンス、なんだったっけか?」

「ヤダなぁ、ゴールドシップさん、阿波踊りに決めたの忘れたの? それとも今更盆踊りが良くなっちゃった?」

 

 そう、チームゴールドシップのダンスは阿波踊りなのだ。

 バックミュージックも鳴り物による二拍子の祭囃子であり、とてもこのケバケバしさに対応できるような代物ではなかった。

 

 普通じゃ面白くないと嫌がったゴールドシップに、阿波踊りを提案したのはトレーナーだ。確かにこんなところで阿波踊りを踊るやつはいないだろうし、何なら踊れる参加者を巻き込んでもいいとか考えて、ゴールドシップが了承したのは確かだ。

 だが、このステージはないだろう。

 困惑の余り、口を半分開けて、ウオッカとスカーレットは茫然としていた。

 

「ほら、ウララちゃんの所はよさこい踊りして、大好評みたいだし」

「ああ、そうだな」

「ウチもきっとうまくいきますよ」

「……そうだといいな、トレーナー」

 

 ウララは高知出身ということで地元のよさこい踊りをしているらしい。しかもバックダンサーはシンボリルドルフとエアグルーヴという豪華メンバーである。

 彼女本人のアイドル性とバックダンサーが相乗効果を起こして客が殺到してヤバいことになっているらしい。

 しかし、高知の隣、徳島の伝統的な踊りである阿波踊りなら、これに勝てるとトレーナーは無邪気に信じていた。

 

 

 

 ぴかぴかと光るミラーボールとビームライト

 流れる軽快な祭囃子

 そしてそろって踊るゴールドシップたち

 

 見に来た多くの参加者は、覗き、困惑し、二度見をした後、静かに去っていった。

 何が起きているか、常人にはわからない。

 ウオッカやスカーレットにもわからない。

 というかゴールドシップにもわからない。

 トレーナーと同じレベルにたどり着かなければわからないだろう。

 

 残念ながらロイヤルビタージュース中毒な程度で基本何でもできる優秀なトレーナーが、芸術センスが壊滅的だということを知らなかったゴールドシップの失敗であった。

 いままではライトハローがフォローしていたが、現在はグランドライブの運営と大量の一口スポンサーの申込みを捌くのに忙しく、トレーナーの面倒を見ていなかったのだ。

 こうして、トレーナーがその才能を存分に発揮して頑張った結果、ご覧のありさまになってしまったのである。

 

 それでも怖いもの見たさに人は徐々に集まってくる。もしかしたら光に変な洗脳効果でもあるのかもしれない。

 ゴールドシップは困惑した。虚ろな目で皆、ライブを見ているのだ。まるでゾンビに囲まれているかのような雰囲気に、さすがのゴールドシップもビビっていた。

 ウオッカとダイワスカーレットはもう半泣きである。

 トレーナーだけがなぜか満足そうにしていた。

 そんな地獄のようなライブもおわる、そんなタイミングでさらなる事件が起きた。

 

「ということでゴールドシップさん、フィニッシュ行きますよ!!」

「ちょっと待てトレーナー、その手に持ってるスイッチはなんだ。なんでどくろマークがついてるんだ」

 

 トレーナーが奥から謎の赤いスイッチを持ってきたのだ。

 なぜかどくろマークがついており、不穏な雰囲気を醸し出している。

 

「押せばわかりますよ!!」

「押すなよ!! 絶対に押すなよ!!」

「わかりました!! ポチッとな!!」

 

 ゴールドシップの願いもむなしく、トレーナーはスイッチを押した。

 その瞬間、セットはすべて爆発し吹き飛んだ。

 

 

 

 グランドライブは一部の問題を除き大成功に終わった。

 年2回開催されることが決定し、新たな伝統としての第一歩を歩み始めることになる。

 

 だが、その裏でイベントの立役者だったトレーナーは、たづなさんにしこたま怒られるのであった。




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  • 大人には欠かせないお酒
  • 滋養強壮たっぷり ウナギ
  • RBJ(ロイヤルビタージュース)
  • 何も知らないアグネスタキオン(未登場)
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