前略 トレセン学園のトレーナーですがブラック労働過ぎて今日もまたロイヤルビタージュース 作:雅媛
さて、始まります第二回アオハル杯の第11レース。東京競馬場芝3600m
前回はナイスネイチャを筆頭としたチームカノープスが、シンボリルドルフ達チーム生徒会から勝利しましたが、今回はどのようなレースが繰り広げられるのか。
まずは出走チームの紹介です。
第一チームは、チームアイルランドです。
メンバーはアイルランド王家のファインモーション、アイルランド王家からお忍びで来日した謎の仮面アネキアニキスキー、そしてファインモーションの同室、エアグルーヴの三名です。
「ご機嫌よう、ファインモーションです♪」
綺麗に挨拶をし、手を振るファインモーション
「麗しのプリンセス二人に挟まれて、もう死んでも構わないね」
ファインモーションにそっくりなウマ娘が、恍惚の表情をしています。王族がしていい表情ではありません。
「おい、ピルサドスキー!! なんで私の衣装はこんなになってるんだ!!」
一人だけ布面積が少ないセクシー水着を着せられて恥ずかしそうにしているエアグルーヴの色気がすごいです。おそらく彼女のデバフで他のメンバーの視界を狭めるのでしょう。
「このたわけがぁ!!」
エアグルーヴの悲鳴がパドックに響いています。
第二チームは、チーム大食いです。
メンバーは、大食いとして有名な、オグリキャップ、スペシャルウィーク、ライスシャワーの三名です。
「おなかがすいたな」
グー、とおなかを鳴らすオグリキャップ
「おなかがすきましたね」
グー、とおなかを鳴らすスペシャルウィーク
「おなかがすいたね」
グー、とおなかを鳴らすライスシャワー
三人ともおなかをすかせているようです。
第三チームは、チームアイドルです。
メンバーは、岩手のアイドル、ユキノビジン 苫小牧のアイドル、ホッコータルマエ 高知のアイドル、ハルウララの三名です。
「めんこいシチーガール目指してがんばるべ」
「とまこまい観光大使、ホッコータルマエだっぺ」
「ハルウララだよ!」
可愛らしい三名の登場に、会場は沸き立ちます。
「なんでアイドルなのに私は出れないんですか!!」
「ファル子さん、地方重賞荒らしすぎて地方から恨まれてますし、芝レースなのにダート適性のウマ娘集めてもしょうがないですから……」
残念ながら、スマートファルコンはエイシンフラッシュにより除外させられています。
第四チームは、チームゴルシです。
メンバーは、ゴールドシップM、メジロマックイーン ゴールドシップK カレンチャン ゴールドシップT タマモクロスの三名です。
「なんでゴールドシップはいませんの?」
「カレンは、この勝負服も好きだよ」
ゴールドシップの勝負服を着た芦毛ウマ娘3名ですが、ゴールドシップはどこにもいません。どこへ行ってしまったのでしょう。
第五チームは、チームお嬢様です。
メンバーはサトノダイヤモンド、ダイイチルビー、そしてここに居ましたゴールドシップです。
「ゴールドシップさん、じゃんけんに負けたんですから機嫌を直してくださいよ」
「ゴルシちゃん、自分のチームあったんだぜ……」
きらびやかな雰囲気のチームですが、ゴールドシップは不機嫌そうです。
残念ながらゴールドシップの、必殺、最初はグーと言いながらパーを出す戦略は、サトノダイヤモンドの狂気のチョキの前に敗れたようです。
「お嬢、がんばー!!」
「……」
応援するダイタクヘリオスを無視して、ケイエスミラクルに手を振るダイイチルビーの塩対応っぷりはいつも通りでした。
第六チームは、チームロイヤルビタージュースです。
メンバーは、ロイヤル、サクラローレル ビター、ビターグラッセ ジュース、リトルココンです。
「……」
三人とも目が死んでますね。
「ロイヤルビタージュースを飲ませましたからね」
トレーナーがどや顔でそんなことを言います。
それにしても、なぜローレルさんなんですか?
「ロイヤルとローレルって似てませんか」
それで選ばれたサクラローレルさんに憐れみしか感じません。
ビターは、ビターグラッセさんの名前でしょうが、ジュースとリトルココンさんは?
「この前ドリンクをライスシャワーさんに零されてましたから」
ライスシャワーさん、恨まれそうですね……
何にしろ、総勢6チーム、18名が揃いました。
発走は間もなくです。
前回のチーム生徒会のうち、エアグルーヴはファインモーションらアイルランド王家に、ハルウララはユキノビジンとホッコータルマエに取られ、新しくチームシンボリを作ろうとしたら大喧嘩になって空中分解したせいで、アオハル杯に出られず悲しみを背負ったションボリルドルフの振る旗を合図に、レースが始まった。
ハナを切ったのは、チーム大食いの3人だった。
ゲートから出ると、すぐにコースの芝を食べ始めた。
あまりに空腹過ぎたらしい。すごい勢いでコースがダートと化していく。これが地球温暖化による砂漠化現象……
ミホノブルボンは地球を冷やすため、アクシズを落とすことを心に決めた。
変わって先頭を取ったのはエアグルーヴだが、その後ろでアイルランド王家ペアが倒れる。あまりの色気に耐えきれなかったらしい。デバフは同じチームのメンバーには効かないはずだが、エアグルーヴの色気はルールを上回ってしまったようだ。
恥ずかしくなったエアグルーヴに抱えられ、二人はレースから退場していった。
すでに2チームがレースをしていないが、レースは続く。最後尾をロイヤルビタージュースで味覚を壊されてゾンビのように唸る、チームロイヤルビタージュースが走り、他の3チームは泣きそうになりながらその3人から逃げていた。いや、ハルウララだけは楽しそうであるが、ユキノビジンが必死に抱えて逃げている。
なんせ、ロイヤルビタージュースゾンビに捕まると、ロイヤルビタージュースを飲まされるのだ。そんな拷問を受けるぐらいなら皆必死に走るだろう。私でも逃げる。逃げないのはトレーナーぐらいだ。
向こう正面からコーナーを回り、1回目の直線に入ったところで、チームRBJのメンバーは、観客席に飛び込んだ。どうやら、コース上を走っている9名よりも、観客席の観客の方が多いと気づいたようだ。
阿鼻叫喚となる観客席。
ロイヤルビタージュースを飲まされて光る観客。
そんな騒ぎから、レース参加者は逃げるように速度を上げた。
無事、府中警察署対RBJ部隊によりチームRBJが制圧されたころ、レースは第二コーナーを回っていた。
すでに皆バテ始めている。
特に長距離適性も芝適性もないホッコータルマエはバテバテだし、ユキノビジンもハルウララを抱えていたせいで体力を使い切っている。
短距離メインのダイイチルビーとカレンチャンはすでにレースを諦め、流しながら雑談を始めていた。
カレンチャンが、ダイイチルビーにファッションについていろいろ話しているらしく、ユキノビジンも興味深そうにそれに混ざっている。
「お嬢、ファッションなら任せて!!」
ダイイチルビーにかまってほしいダイタクヘリオスが乱入したが、ダイイチルビーに大量のデバフと塩をまかれて退散していた。
そうすると、残るはチームゴルシのメジロマックイーンとタマモクロス、そしてチームお嬢様のサトノダイヤモンドとゴールドシップぐらいしか残らない。後、ハルウララは後ろでまだ頑張っている。
そんな五名を待ち受けていたのは、ダートコースだった。
「なんでコースがダートになってますの!?」
先ほどスタートした時は芝だったはずのコースには、ぺんぺん草1本も残っていなかった。
腹ペコ3人衆にすべて食われてしまったのだ。
残念ながらサトノダイヤモンドもゴールドシップもダート適性はG
タマモクロスのダート適性がFで、メジロマックイーンのダート適性がEだ。
急速に減速する4人に、ただ一人、ダート適性Aのハルウララが抜け出した。
レースはハルウララの圧勝であった。
ウララファン第一号のシンボリルドルフは泣きながら喜び、エアグルーヴはアイルランドの王家姉妹の内乱に巻き込まれ、東京競馬場はダートコースのみになって整備の人たちは号泣した。
だが、ブルボンの落とそうとしたアクシズはオグリに全部食べつくされたので、地球の平和は守られたのである。
そして、トレーナーは生徒と観客にロイヤルビタージュースを飲ませた罪で府中刑務所に再収監されるのであった。