前略 トレセン学園のトレーナーですがブラック労働過ぎて今日もまたロイヤルビタージュース 作:雅媛
最強を決めるトゥインクルスタークライマックス、という触れ込みだが、もちろん最強と言っても一人には決まらない。
ウマ娘にとって、距離やバ場は重要な要素であり、それぞれ得意分野がある。全部で最強など、皇帝シンボリルドルフでも無理なのだ。
だからこそ、今回、7種類のレースが開催されることとなった。
そして、そのメインレースに選ばれたのは…… ダート2400mレースであった。
どれをメインレースにするかというアンケートを、ライトハローが募集したのだが、なぜかダート中距離に一番人気が集まってしまったのだ。
理由はわからないが、選ばれたからには仕方がないということで、東京競馬場では年に1回しか、しかもPreOPクラスでしか実施されないダート2400mというレースがメインレースとして実施されることになったのであった。
メンバーは、ダートと言えばと名前が挙がるメンバーが何名もそろった。
ダートGI(JpnI)11勝のコパノリッキー
ダートGI(JpnI)10勝のホッコータルマエ
純粋な数字ならば二人より劣るが、ダート最強と言われるクロフネやホクトベガ
かなり年は上だが、年度代表ダートウマ娘に選ばれたことがあるカリブソングやナリタハヤブサ
集められるだけ集めたといわんばかりの錚々たるメンバーである。
そんな中で、明らかに浮いているメンバーが二人だけいた。
一人はみんなの生徒会長、シンボリルドルフである。
芝とダート、間違えました? と、皆が疑問に思った出場者だ。シンボリルドルフが最強クラスであることに異論があるものはいないだろうが、ダートを走っているのは見たことがなく、未知数すぎる。
もう一人は、みんなのトレーナーであるゴールドシップトレーナーである。
ゴールドシップの陰謀により雑に出場させられていた。なお、実力は現役時代未勝利クラスなので、推して知るべしである。
ロイヤルビタージュースの力を借りて、かなりパワーをブーストしており、髪のゲーミングっぷりがいつも以上であるあたり、どれだけのロイヤルビタージュースの試練を経てきたかがわかるだろう。
そんな、異物が2人紛れ込んだ、最強決定戦トゥインクルスタークライマックス、ダート2400mが今始まった。
ゲートが開き、ハナを取ったのは七色に輝くトレーナーだった。
なんだかんだでスタートは上手いのと、RBJエネルギーを使ったすさまじい加速で、スマートファルコンのさらに前に出たのだ。
「しかし、退けぬ!!!」
金色に輝きながら、スマートファルコンが加速し競り合い始める。
幾度の敗北を経て、元斗○拳を継承した金色のファルコンが、負けを認めるわけにはいかないのだ。
「それ、私の役割!?」
誘導バをしていたトウショウファルコが文句を言う。彼女の名前の由来こそ、北斗の拳の登場人物の金色のファルコなのだ。
尾花栗毛のトウショウファルコは外見の良さも有名だったので、皆さんも一度写真をご覧いただきたい。
閑話休題、人のアイデンティティを奪いつつ、スマートファルコンがRBJトレーナーを追走する。
RBJ光りをするトレーナーと、闘気で黄金に輝くスマートファルコンは非常に眩しい。
だが、その程度でひるんでいたら最強など遠い。そして、ここにいるのは皆、『最強』なのだ。トレーナー以外は。
そんな眩しい二人を追いかけて、第二コーナーを曲がっている間に、トレーナーはどんどんと外にぶれていった。
単純に、RBJでブーストされた身体能力に、技術がついていっていないのだ。特に、ダートコースは内側なのでコーナーがきつい。
そのまま外へぶれていったトレーナーは、外ラチにぶつかり……
ちゅどーん!!
と七色の光を放ちながら爆発した。
「汚い花火だ」
誰かがそんなことをつぶやいた。
七色の汚い花火が打ちあがった程度で、レースは無事終了した。
もう予想外である一人のシンボリルドルフは、ダート適性が足りな過ぎて、無事最下位になり、ただの狸として高知競馬場のダートコースに打ち捨てられていた。
「これで、イベントは全部終わりましたね」
何事もなかったかのように復活したトレーナーは、ゴールドシップとともにライブを眺めていた。
さすがにまだジュニアのゴルシちゃんは、最強決定戦には出ていなかった。
「トレーナー、光ったり爆発したりロイヤルビタージュース配ったりしかしてなかった気がするが」
「ひどいですよゴールドシップ、私はちゃんと事務作業とか事務作業とか事務作業とかしてました。1日30時間ぐらい」
「24時間超えてるじゃねーか」
「ロイヤルビタージュースは時間をも歪めるんです」
堂々と言うトレーナー。
果たして本当かどうか、ゴールドシップには判別がつかなかった。ロイヤルビタージュースならそれくらいできるんじゃないかと思ったのもある。
「そう言えばトレーナーっていっつもロイヤルビタージュース飲んでるじゃん」
「そうですね、私の血であり肉でもあります」
「それはそれでこえーよ。でさ、じゃあやる気あげるスイートカップケーキ一杯食ったらどうなるんだろうなと思って」
「さあ、試したことないですね」
ウマ娘から唾棄されるロイヤルビタージュースにくらべ、やる気が上がるプレーンカップケーキ、スイートカップケーキは引く手あまたであり、常に品薄なのだ。
そんなの自分で食べるぐらいならゴールドシップにあげるのがトレーナーであった。なのでいつもトレーナーは絶不調である。
なので、ゴールドシップは試しにスイートカップケーキ3つぐらい食べさせたら面白くなるんじゃね、ということで持ってきたのだ。
「え、どうするんですか、それ」
「無理やり食わせる」
「ダメです、そんなに入らないですって」
「ダメと言っても口は正直だな」
トレーナーもウマ娘であって、ロイヤルビタージュースに慣れていても甘党だった。
匂いでよだれが止まらなくなっている。
「もごぉ!?」
「おら、全部食え」
「もごもごもご」
全部詰め込まれたトレーナーは、ケーキを咀嚼し、飲み込む。
そして、ぴかーッと光ると……
ただの普通の白毛ウマ娘が落ちていた。
血色もよく、普通のウマ娘である。
「……チッ」
「舌打ちされた!!」
「もっと面白いものになるかと思ったのに、案外普通だったからな」
不満に思うトレーナーであったが、普通に戻った今では、クソ雑魚未勝利ウマ娘でしかないのだ。
ゴールドシップにおでこを押さえられ、腕を振り回すぐらいしかできないのであった。
ということで、この辺で一度終わりにしようと思います。
匿名にしたらどれくらいになるかと思い、匿名投稿をしていました。
読んでいただきありがとうございました。
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雅媛(みやび)