前略 トレセン学園のトレーナーですがブラック労働過ぎて今日もまたロイヤルビタージュース 作:雅媛
さて、トレーナーの一つ目の仕事はコスプレしながらゴールドシップの世話という仕事であり、これが本業である。そして、あとの2つは副業と言えるだろう。
一つは生徒会の関係のお仕事である。
生徒会の仕事の多くを生徒に任せるのは止めたわけだが、生徒会のしていたお仕事の内容自体が、無駄で削っていい代物ではない。というか結構重要なお仕事が多い。
なので、学生にやらせないその分をだれがやるかという話になるが、まあ当然無茶苦茶引っ掻き回したトレーナーの仕事になった。
細かい作業まで全部自分で直接やる必要はないが、仕分けし、手順を整え、指示をして、確認する。そういったことをやるのがトレーナーである。
本来トレーナーの仕事ではないが、もうトレーナーがやらないとどうしようもないほどしっちゃかめっちゃかだった。
「決裁書類と資料がいっぱいだー!!」
肩書として、生徒会顧問代行という偉そうな役職、実際は貧乏くじであるそれを受け、嬉々として仕事をし続けるトレーナー。
ワーカーホリックのトレーナーは仕事がいっぱいあるだけで無駄にうれしくなってしまう変態性癖の持ち主だった。
もちろんトレーナーのテンションが上がっている理由はそれだけではない。
生徒会顧問代行になった以上、権限と予算を握ったのだ。
学生の頃、庶務として活動していたころは、あんなこといいな、出来たらいいなと妄想するだけで実行は一切できなかったことが、今ならできる可能性があるのだ。
もちろん、新しいことを始めるということは、今までの仕事に加えてさらに仕事が増えることである。今ですら、生徒会顧問だけで動かすのが無理なぐらいの仕事の規模なのに、ここでさらに仕事を増やすことなど正気の沙汰ではない。
だがトレーナーは狂気のゴルシちゃんトレーナーである。
仕事が増えるのを一切躊躇していない。生徒会の修羅場を潜り抜けてきたトレーナーだ。面構えが違うのだ。
その、仕事を増やすことになりそうな新しいことが、三つ目のトレーナーの仕事であった。
アオハル杯
グランドライブ
これらの新企画を無事開催しないといけない。
アオハル杯の問題は参加のインセンティブだ。
賞金は出せないし、実績になるかどうかも今のところ未知数だ。
初めてやる企画のため、予算もそう多くあるわけではない。
これら、レースの結果について何もない状態でどこまで人が集まるのかが、わからない。
さらに言えば、参加者の上位層が厚すぎるのも問題だ。
提案者のタイキシャトルは確実に出るだろうし、生徒会のメンバーも出る確率が高い。
生徒会長であるシンボリルドルフなんて、基本最強で彼女が出ればまず負ける気がしない。
タイキシャトルはマイルならそんなシンボリルドルフすら上回るかもしれないウマ娘だ。
こんな二人が走ったら、一般参加のウマ娘など確実に勝てないだろう。そんなレースが楽しいかどうかはかなり疑問符が付いた。
かといって、この二人に出るなとは言いにくい。
そのあたりをどう調整して、出来るだけ多くの生徒が楽しめる競技にするかが問題であった。
グランドライブの方も似たような問題がある。
レースに関係なく思いを伝えたい、というのならば、有名なウマ娘をセンターに持ってくるのばかりなのはNGなはずだ。
有名なウマ娘というのはレースに強いウマ娘がほとんどである。有名なウマ娘優先ではウイニングライブとそう大きく変わらない。
だが、有名なウマ娘と、トレーナーのようなモブウマ娘、観客はどちらに集まるかと言えば前者である。学校のイベントならいいが、これはライトハローの会社という民間企業が運営するイベントであり、集客が必要だ。
集客を考えれば、センターに有名なウマ娘をドーンと持ってきて、ということになる。
「まー、会社は赤字さえ出なければどうにかごまかせますよ~」
夜11時を越えれば、学生たちは寮に帰らないといけない。
そのあとは大人の時間であり、トレーナーの寮の部屋にはライトハローが今日も押しかけていた。
毎夜酒を飲んで酔っ払っているので追い出したいが、なんだかんだでお昼のお弁当を含め三食作ってくれるし、掃除などもしてくれるので、トレーナーとしてもライフラインとして追い出しにくい部分があった。
トレーナー自身、家事ができないわけではないのだが、時間がないためそのあたりはかなりずぼらな生活をしていた。
そんな酔っ払いライトハローがトレーナーに絡みながら雑なことを言っている。
「今回ファルコンさんが発起人ですし、彼女含めた逃げ切りシスターズを中心にもってくればかなりの人が集まるでしょう。でも、それは彼女らの人気です。一般の学生ウマ娘は憧れこそすれ、自分が出ようという気持ちにならないでしょう」
「あー、わかりますー。だって、あのメンバーが出てるライブなんて、私だったら出るという発想に至らないですもん」
二人とも未勝利ウマ娘であるため、モブの気持ちがよくわかる。
人気者のライブの前後に出たら、一気に観客が盛り下がりかねないのもよく理解していた。
「そもそも、普段のウイニングライブと振り付けが一緒でなくてもいいと思うんですよ」
「どういうことです?」
「ウイニングライブって、センターとサイドとバックが明確に分かれているじゃないですか」
「そうですね」
センターはずっとセンターで、サイドはずっとサイド、バックダンサーはずっとバックダンサーなのがウイニングライブだ。目立つ順もそれで決まっていて、役割は固定である。
「レースを前提にしているからそうなるわけで、グランドライブだったら誰がセンターとか固定する必要もないでしょう? だったら目立つ子を1曲で次々変えてもいいと思うんです」
「たしかに。ただ、そうすると振り付け練習が別途必要になりますよね」
「それは確かに問題ですよね……」
焼酎のロイヤルビタージュース割を流し込むトレーナー。
アルコールとロイヤルビタージュースが血管を巡る気がする。
「勝てる子は放っておいてもウイニングライブできるんです。でもこの企画では、目立たないマジョリティのウマ娘にもライブの楽しさを分かってもらわないといけないのが目的です。やっぱり民間でやるべきイベントじゃないよなぁ」
営利性を無視すればそう難しい話ではないのだ。
学園のような公的な教育機関がやる話だろう。だが、ウマ娘で利益を上げている上位組織のURAがうるさそうである。
「でも先輩の現役時代なら、ソロライブしてもそこそこ人が集まりそうですけどね」
「いや、こんな未勝利ウマ娘見に来る人なんてほとんどいないでしょう」
「いやいや、先輩のライブの時、未勝利なのにすげー人集まってたじゃないですか」
「バックの子見に来る人なんていないでしょ、偶然ですよ」
トレーナーは現役時代、掲示板にもほとんど載れていないので、ほぼバックダンサーが定位置である。
ゲート破壊とかしたので、そういう面で少しだけ人気があったトレーナーである。
「ウマ娘のファンになるのって、レースだけじゃないと思うんです、先輩みたいに。そのウマ娘ごとのいいところをアピールする機会があれば、ウイニングライブと違う雰囲気にできそうだと思うんですけどねぇ」
「アピールの機会かぁ。そもそも、グランドライブをアピールの機会にするとか?」
「どういうことです?」
「メイクデビュー前の学生の情報なんてほとんどないじゃないですか。でもライブとか、練習風景の公開とかで、アピールして、あわよくばスポンサーついたらラッキーかなと」
「スポンサーですか、良いですねー」
二人には縁がなかった話だが、有望なウマ娘にはスポンサーがつくことがある。
スポンサーからは援助金が支払われ、各種消耗品から移動費、果ては勝負服作成費用まで負担してもらえるので、利便性が変わるのだ。例えば新幹線移動はグリーン車になり、蹄鉄も軽いが消耗が激しいアルミ合金製などが使い放題になる。
スポンサーが居なくても学園側から支給があるため必ずしも困るわけではないが、スポンサーがつくのは一種のステータスであった。
一方スポンサー側も、パンフレットなどに小さくだが名前が出るため、広告効果があるのだ。だがスポンサーになるには、1人につき何百万とかかるためそうそうつくことはない。
前評判が高い子のみの特権のような部分があった。
「でも、スポンサーの前状態としてのライブだと、イベント側がもうからないんですけど」
「そこでもう一歩進めて、スポンサーの方に仕事を膨らませればいいんですよ」
「というと?」
「組合でスポンサーをやる方式です」
地方から出てきたウマ娘だと、地元有志が団体でスポンサーをやることがある。
だが別に、集団の住所が近ければならないというルールはないのだ。
1人で何百万も負担するのは難しいが、一人当たり数万円なら出せないことはないだろう。それで組合にして、スポンサーになる方法もあるのではないか、という話である。
「宣伝効果微妙じゃないですか?」
「その辺は適当に特典つければいいんですよ。それこそスポンサー限定ソロライブとか」
自分で対応する幅を増やせば、収入源は増える。
もちろん仕事も加速度的に増加するのだが、酔った二人はそれに気づいていない。
夜も更け、酔った頭で二人はグランドライブの企画書をまとめていくのであった。
そういえばトレーナーさんの毛色ってなんだろう(未設定) 皆さんの印象は?
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鹿毛 一番多い
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栗毛 こっちも多い
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黒鹿毛 いうほど黒くない
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芦毛 白くて結構目立つ
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青鹿毛 青なのにこっちの方が黒い
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青毛 ウマ娘にいないレアな真っ黒
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栃栗毛 こっちもレアだけどウマ娘にはいる
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白毛 超レア
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お前にレインボー