最後の贈り物は幸せなBADENDとしよう 作:勝てなくても努力して勝つのが好き
うおおお!これを乗り越えればあとはライブ感でSSが書けるんや!
今回は前半捏造独自設定がいっぱいあります。
鉄塔の森、贖罪の街、愚者の空母、鎮魂の廃寺、煉獄の地下街、嘆きの平原。
GOD EATER無印にはMAPがいくつかあるが、無論これらのMAP以外の場所にもアラガミは出現する。そしてその多くは山林地帯や、海浜地帯に集まっている。では大崩壊以前の普通の町々はどうなのか? という点だが、アラガミがいるには居るのだが、非常に少ないことで知られている。
おそらくアラガミの体躯の大きさに対して、町は建物間の間隔が狭く動きづらいためだと思われる。
当然、フェンリルの庇護下に入れない人類は一定数居る。
それはフェンリルのことが気に喰わなかったり、純粋に悪事を起こして追放されたり、単純に外部居住区のキャパシティにすら収まりきらなかったりする場合だ。フェンリルの庇護下にいない人間の多くは、フェンリルを目の敵にしていたり、イカレタ宗教──テスカトリポカを本物の神と見立てた集団生贄自殺なんかは有名──をやってたりするわけだが、大体生存している場所は2択になる。
1つは山岳地帯でアラガミと一緒に、生きるか死ぬかの自給自足サバイバルをしながら暮らす仙人みたいな生き方をしてる異常者。
もう1つは町の中にある喰べ残された建物の残骸に身をねじ込み、寿命を浪費する生き方しかできない哀れな人間だ。
フェンリルはこの後者に対して【人道的な措置】として、定期的に残飯なんかを送ったりしてるわけだが、榊博士が今回私に見せてきてるのはその時の報告書、それと蒼穹の月の時、エリック君率いる捜索隊に回収された私の医療カルテだった。
「で、これがなんですか?」
「順番に話そうか。まず、この鎮魂の廃寺近辺の人間の生存確認による食料の供給時のリストと報告書だ」
榊博士はPDF報告書を開封し、画面に提示する。リストの中身は食料と、水、襤褸切れみたいな布と使用期限の切れた”偏食因子”だ。
これはアラガミ化しかけた人間、あるいは何らかの要因によってオラクル細胞に侵された人間擬きへの対抗策にして延命策で、ソレを殺すことも遠くに運ぶことも出来ない意志薄弱な周囲の人間への救済措置とされているものだ。
使用期限は切れている為、十全な効果は期待できないし、なによりゆっくり壊れる家族や友人、仲間をみている無事な人間の精神が持たないので、救済といいつつ、あるのはクソみたいな地獄の口減らしなわけだが。
「いつ見ても気分は良くないですね。で、よくあるフェンリルのお優しい”慈悲”の一覧に何か引っかかることでも?」
「いかにも、今見てもらったのは供給リスト。そしてこれは現地の人間から”回収”された資材のリストだ」
次ページへ進められたリストには有効活用されるために回収された、遺体やその遺体が持っていたであろう鉱物や嗜好品がよく記載されている。今回見せられたのもおおよそは同じだ。
ただ一点、再利用可能な状態で”正しく使われた偏食因子”の空カートリッチを除けばだが。
「ニーナ君には釈迦に説法だと思うけれど、偏食因子の正しい使用方法はフェンリル職員、その中でも研究部と医療部、それと現場神機使い、でなければ説明されない。正しく使用された空のカートリッジは十全な洗浄工程の後再利用も可能だが、これまでフェンリルがこういった外部から回収したカートリッジで、再利用可能だったものは存在しない」
「つまり、これの使用方法を知っているフェンリル関係者が外に流れている。あるいは外部の教養のないとされる人の中に、自分たちではなくフェンリルの資源の再利用の大切さまで理解し、気が回せる人材が生えてきたわけですか」
「確率的にも間違いなく前者と見ていいだろう」
「まあそうですね。そこに否定はないですよ」
「では、次にニーナ君のカルテだ」
捜索隊として編成されていた、偵察班の中でも応急処置ができる人材が書いたモノ~アナグラで治療を担当した医療班の人の書いたモノだ。私のケガ、健康状態についての記載がある。
基本的に私は怪我を負うことも少ないので、医療班のお世話になることはほとんどない。精々回復錠を飲んで終わりだ。だけどこの時は演出として利き腕ではない左腕を折っておいたんだけど、それが何か捲れたかな。
「ニーナ君の報告では救助に入ったはずのリンドウ君のアラガミ化が深刻で、ディアウス・ピターとアラガミ化が進行したリンドウ君による思わぬ挟撃にあった際に壁に叩きつけられて出来た怪我。だったかな?」
「そう報告した覚えがありますね」
「ではこの君の左腕の骨折についてだが、虚偽報告があるんじゃないかな。
骨折痕のレントゲンをみるに、キミの左腕は広い面おそらく壁と、自身で握った瓦礫を使って腕を挟むように叩き折ったように見える。これも否定するかい?」
「よしんば榊博士の言う通り私の腕が折れたのが別のタイミングだったとして、私が自らの腕を折る理由がないでしょう」
「……」
榊博士が言葉を止めた。そう、実際問題わざわざアラガミがどんどん湧いてくる戦場で、自らの腕を自損するなんて自殺行為はよっぽどの理由がないと出来ないし、どんな理由があっても普通はしないんだ。
仮に私の骨折理由が別にあると見抜いたところで、それがリンドウさんの生存証明にはならない。
「正直なところ、私としてはこの話をするのは大きな賭けだった。
ニーナ君の言う通り、私はツバキ君にリンドウ君が生存している可能性を伝えている。ただ、それは2つの仮説を提示した時、彼女自身がニーナ君を信じたんだ」
「……話が見えませんね。リンドウさんを信じるなら分かりますが、何故私がそれに出てくるんですか」
「私が建てた仮説はね、簡単に言えばニーナ君はヨハンや本部の連中の忠実な駒、あるいは手を組んだ魔女という説と、ニーナ君がその善性からヨハンや本部の上層部を裏切り、秘密裏にリンドウ君を逃がしたのではないか。というものだ。ツバキ君は後者を信じたというだけだよ」
「情報量の多い極論を2つ並べて思考を誘導するのは詐欺師の手口ですよ。それの中間やあるいはもっと別のナニカがあるかもしれないでしょうに。少なくとも、私が言えるのは報告書通りのことだけですね。腕の骨折は……戦闘中のアドレナリンで気づかなかっただけで別のタイミングで折れたかもしれません。
後から思い返すとあそこだったかなというだけです」
「では、鎮魂の廃寺付近での捜索を行っても構わないね?」
「存在しない人を探す余裕はないし、上が許可を出しませんよ」
「確率的にはあり得ないことだが、長期的な眼を持つ人材が失われるくらいであれば保護のために尽力するのは”人道的”だろう? いいアピールになる。上も許可を下ろすだろうね。
そして、先の空のカートリッジの出現時期とリンドウ君のKIA時期がぴたりと一致するのを聞けば、アナグラの皆は真相を知るために奔走してくれる。違うかな?」
「……」
今度は私が押し黙る番だった。実際問題、私はリンドウさんの現在位置を把握していない。原作の流れから特異点と合流しやすくなるように、鎮魂の廃寺方面へ誘導したのは私だし、それにリンドウさんが従っているのなら、たしかにリンドウさんはいま鎮魂の廃寺付近の旧時代の建物群に身を潜めているかもしれない。というか、終末捕喰まで起こせれば助けられる可能性があったから生かしていたんだ。なのにこれじゃあ全部が崩れる。どうする。先に向かって存在ごと消すか? いや、仮に見つけられたとして、それが気取られた時点で私は失敗する。リンドウさんに諸々話したのは失敗だったな。もう会うことも無いだろうと思って完全に油断していた。
切り替えよう。ここからはリンドウさんを助けようとしながら遅滞させつつ原作を急進させるか、あるいはリンドウさんを助けたうえで終末捕喰を起こすまでリンドウさんを黙らせる必要がある方向にシフトだ。
「……仮に本当にいたとして、フェンリルが出来るのは処分だけですよ。言いましたよね? 榊博士が与えてる希望はまやかしなんですよ」
「そこで虚勢でもどうぞとキミが言わない時点で、私はリンドウ君の生存を確信したよ。ヨハンに連れられているとはいえ、まだまだだね」
「……はぁ、わかりました。降参です」
両手を上げて降参のポーズをする。
強張らせていた顔は気が抜けたと同時に力が抜けて自然と笑顔になったような表情を造る。「敵わないなぁ」ということを伝える擬態。
少なくとも一個私の隠し事を暴いたんだ。満足して100%の追撃はしてこないはずだ。
「せっかく頑張ってるんですから、あんまりいじめないでほしいですね。で、何を聞きたいんですか?」
「ふむ、ではズバリ聞かせてもらうけれど、なぜ自傷と、リンドウ君の秘匿を?」
「だって榊博士も支部長も胡散臭いですから。能力は信用できても、人格は信用してませんから。裏で何考えてるかわかんないですし、リンドウさんみたいな良い人を助けるなら、私1人でやるのが一番良いと考えただけですよ。あの人が勝手に動かないように少し脅しもかけましたし、完璧だと思ったんですがね」
「実に興味深いね、つまりニーナ君が蒼穹の月の時に現場に居たのは偶々かい?」
「ええ、おそらく榊博士が考えているとおり、私は支部長の指示で特異点の捜索を行ってました。アリサちゃんとユウ君のミッションでの情報を聞いてから、ソレが特異点と仮定して捕獲を敢行。失敗して歩かされまくった先に、蒼穹の月に居合わせたんです」
「リンドウ君の暗殺に関与しているのは?」
「大車ダイゴの独断、あるいは大車を操ってた人物がいるかもしれませんが、それは極東の利権を妬んだ本部の人間でしょうね」
「……ニーナ君の考えで構わないから聞かせて欲しい。ヨハンは関与しているかい?」
「絶対に無いです!
……と、言いたいところですが、多分ないと思います程度が精々です。
さっきも言いましたけど、貴方たち胡散臭いですから。でも、あくまで私の視点では怪しくないはずですし、私情としても無いと思いたいところですね。一応、私の権限で調べれる範囲では、金の流れも、人の流れもあまり怪しいところはありませんでした。なんなら榊博士のが怪しかったくらいです。ほら、初恋ジュースとかで」
力強く断言して、そのあと少し語気を弱める。
真実味を増させるために妄信ではなく調べた結果として、印象を与える。
政治だけなら私が足を引っ張らなければヨハンさんは榊博士に負けないし、なによりリンドウさんの件は私の独断で生かしてるのも事実だから、ヨハンさんからしても何のこと? っていう話で探られても痛くないはずだ。
それに、榊博士としても旧友が大義の無い非道なことをするなんて、信じたくは無いだろうしね。
「そうか、ありがとう。ではリンドウ君の状態は?」
「腕輪は私が助け出した時点で破損済みなのはマジです。なので直接偏食因子の投与をさせました。それ以降に関してはさっきの資料を見る限り、まだ自我はある状態でしょうし、特異点とも接触しているでしょうね」
「ほう、実に興味深いね、何故そう思うんだい?」
「適合率の高い神機使いとはいえ、流石にこれだけの長期間腕輪もなくアラガミ化を堪えるのは不可能。なのに耐えれてるのは理由があるです」
「それが特異点だと?」
「ええ、特異点が死ぬか、終末捕喰が起きるまでは腕輪代わりの宝玉が右の拳にはめられてるんじゃないですか?」
「宝玉?」
「見かけから勝手につけた名前なんで、正式名称は知らないですけどね。
推測するに、特異点の高濃度情報集積因子の結晶。それが満たされるか、機能を失うまではアラガミ化することは無いと思います」
「ニーナ君、その言い方だとまるで見てきたようだが、キミは現状のリンドウ君の状態を知ってるのかい?」
勿論知っている。と言っても、私が知ってるのは精々が原作の途中に入ってたアニメーションムービーと、その前後の思い出を語るGE2以降のリンドウさんの語り口程度。
あとはこの世界で集積した情報、知見から来る予測なわけだけどね。
「あー……アハハ。
説明は難しいからしないですし、リンドウさんの今の状態は知らないけど、過去に見たものと、さっき榊博士が見してくれた情報から予測が出来るだけですよ。リンドウさんはまだ暫く身を隠してもらった方が安全に助けれると踏んでいます」
面の皮が厚すぎる女加納ニーナ
一人称小説なのであくまで目立たないキャラが多く居ますが、こいつの視点みたいかも!とかありますか?気が向けばそのキャラ視点で一話進行させます
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