タバサがケートス狩りを終えてヨミハラに帰ってきてから、およそ半月程が経過していた。
11月最後の週。そろそろ12月という、1年の最後の月を間近に控えた時期である。
戻ってきた後、タバサは扇舟の新しい義手を見せてもらっていた。展開する爪と、そこに毒を塗布する機械仕掛けのギミック。マヤが操縦したゼクスという超科学の代物を見てしまった後では衝撃が薄れるというものでもあるが、「やっと戦う準備が整った」という扇舟は、どこか頼もしくタバサの目に映った。
そこまではいいのだが、まだ共に戦う機会は訪れてはいない。相変わらず時折店内でのケンカや、ドロレスが持ち込んだおかしな事件などあったりもしたものの、前者は店員の相手ではないためにあっさりと鎮圧、後者はタバサが出前に出ていたタイミングだったために、タバサ当人からしたら「よくわからないことがよくわからないうちに終わっていた」という程度でしか無く、相変わらずの平穏な日々であった。
(まあ……。扇舟にはちょっと悪いかもしれないけど、あの義手を使わなくていいならそれに越したことはないのかも。危険なことに出会わないってことに他ならないだろうし)
時折そんな風にも考えるようにもなりつつ、バイトをしていたある日の昼過ぎのことだった。
「……ん?」
不意に、タバサが常に身につけているスマホが震えた。
タバサが連絡先を交換している相手は少ない。どうでもいいような案件で電話をかけてきたりメッセージを送ってくる可能性は低いと言える。
今回はメッセージだったが、もしかしたら緊急性が高いかもしれないと、タバサはこっそりとスマホを覗き見た。
そこには、少し前にフュルストの一件でタバサに協力を依頼し、その後は顔を合わせる機会がなかった災禍からのメッセージが表示されていた。
『お仕事中ごめんなさい。でももしこのメッセージに気づいていて、可能であるなら、出前注文を私が取るから持ってきてほしいの。また面倒なことに巻き込むことになりかねないけど、お願いしたいことがあって……』
文面から察するに、この間のようにまた力が必要になったのだろう。
一応小太郎とはちゃんと話せたが、災禍とはまだだった。機会がないといえばそれまでだが、もしかしたら当人にもその辺の後ろめたさがあるかもしれないし、タバサ本人としても一度ちゃんと話したほうがいいことはわかっていた。
無論、面倒事云々に関しては、荒事ならばタバサの得意分野である。そういう意味でも、顔を出すことで腹は決まった。
(でも予想するような展開になったら……。扇舟が一緒に戦うことは無理かな)
扇舟はかつてのふうまの頭領、ふうま弾正を実質的に死に追いやったという過去がある。弾正の秘書といて仕えていた災禍とは拭い切れない確執が存在するだろう。
災禍に協力するにしても、扇舟には話を伏せたままか、あるいは災禍の名前を出して諦めてもらうことになりかねない。一緒に戦う機会はまたさらに先になってしまいそうだ。
ともあれ、幸いと言っていいものか、今トラジローは既に出前に出ていていない。出前の担当が回ってくるなら自分で都合がいい、とタバサは予想を立てる。
「おーい、タバサ。手が空いてるなら出前いいか?」
果たして、その予想通りに春桃から出前の要求が入ったのだった。
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災禍の泊まっている宿へと入るのは2度目だった。
タバサが特徴的だったからか、受付の男は覚えていたらしい。
「味龍の出前だったか?」
「ん。201から頼まれた」
「今度来る時は俺の分も何か持ってきてくれ。ツケでそのうち払うからよ」
「お店でならツケができるかもしれないけど、出前ではやってない。直接店に行くかお金を払うといい」
「そうかい。……あーあ、味龍か。食いてえなあ」
名残惜しそうにブツブツと文句を言う男を尻目に、タバサは災禍が寝床としている201号室へと足を運んだ。
「味龍の出前を持ってきた」
前回出前を持ってきた時、災禍は「表立って動けない」と言っていた。ならば今もそうだろうと、タバサはあくまで出前ということを主張して部屋をノックする。
ドアが開き、しかしどこか気まずそうな災禍の顔が現れた。それからやはり無言で部屋へと手招きをする。
「今回もお腹は減ってる?」
自分を呼び出す口実に出前を取った可能性も考慮に入れ、タバサはそう尋ねた。元々気まずそうだった災禍の顔にさらに苦いものが浮かぶ。
「ええ、減ってるわ。ご飯とタバサちゃんへの話と、両方が目的」
「わかった。じゃあはい、注文の魔草あんかけチャーハン」
タバサがおかもちから料理を取り出した。
黄金の卵の衣をまとった、しかしネギ以外余計な具は一切入っていないシンプルチャーハン。そしてそれと別な注ぎ口付きの器に、熱気が逃げないようにラップがかけられたあんが入っていた。
「なるほど……。分けて提供してるのか」
「お店だとかかった状態で出すけど、出前だと時間が掛かる分、あんが染み込みすぎるのを避けたいって春桃が言ってた。時間とともにあんが染み込んでチャーハンが変わっていくのも楽しんでほしいとかって」
「考えられてるのね……。とりあえず、いただくわ」
「ん。私への話は食べながらとか、なんなら食べ終わってからでもいいから」
タバサに余計な気を使われたかもしれないと、やはり災禍の表情は晴れない。それでも、あんをかけてから「いただきます」と一口料理を頬張ると――。
「ああ……。やっぱりおいしいわ」
その表情が少し和らいだように見えた。
「ありがとう。多分春桃も喜んでると思う」
普段どおり無表情ではあったが、タバサが代わりに礼を言った。
それからしばらく食べたところで、災禍がチャーハンを食べるために使っていたレンゲを一旦置く。
「……いつまでも食べていちゃ話が進まないわよね」
「いいよ、食べ終わってからでも」
「そうはいかないわ。……この間の件でタバサちゃんに謝らないと」
「謝る? それは私の方だと思うけど。勝手に二車骸佐を殺そうとしてたわけだし、ノマドと問題を起こしかねなかったんだろうし、何よりふうまに対してかなりきついこと言っちゃったし」
「でも若様はそのことに対して問い詰めたりとかは何もしなかったんでしょ?」
タバサが無言で頷く。が、そうしてから「あ」と何かを思い出したようにこぼした。
「もしかして何か言われた?」
「ふうまには言われてない。……でも話を聞いたらしい鶴は不満だったみたいで、この間五車に戻った時に家の前でケンカを売られて戦うことになった」
「えぇ……。あの子、ほんと見境ないのね……」
「まあ私が勝ったから問題ないんだけど」
さらっとタバサはそう言ったが、問題は大有りだろうと思わず災禍は頭を抱えそうになった。
「そのことはいいや。災禍は謝るようなことは何もしてない。謝るならむしろ私の方だろうと思ったけど、災禍が特に気にしてない。ならこの話は終わりでいいと思う」
「そうね……。タバサちゃんがそう言うなら」
「で、本題の方。食べてからでもいいんだけど、頼み事があるなら聞くよ」
ここまでの話は文面にあった「また面倒なこと」には当てはまらない。そう思い、タバサが尋ねた。
「……ええ。前回同様、荒事の助っ人をお願いしたいの。しかも今回は状況がより厳しい……」
「その件にふうまは?」
「全く関係していない。だからタバサちゃんの協力を得られるかどうかもわからないと思ってる」
「うーん……。じゃあ悪いけど内容次第かな。災禍には前回私が勝手なことをしたせいで迷惑をかけたことはわかってるから、その穴埋めをしたいとは思ってる。でも、無理そうな依頼を安請け合いはできないし」
冷静な判断だと災禍は内心で思っていた。
タバサの行動原理は自分に関わること、それから彼女にとって身近な人――小太郎や扇舟といった人物が関わることだと災禍は予想を立てている。
自分がそこに入らないことは少しばかり寂しいが、無計画にその範囲を広げては、いつか手が届かないものが生まれるかもしれない。その順位分けをしっかり出来ているという点では、少なくとも彼女はよく呼称されているような狂犬ではないと言えるだろう。
「……私がヨミハラに来ていたのは、実はこの件のためなの。フュルストの件は本来予想外だった……」
「え、そうだったんだ」
「私の本来の任務は他の対魔忍……静流さんでさえも知らないことよ。知っているのは、私に直接密命として依頼したアサギだけ……」
「じゃあ詳しく聞いたら私も引き返せないか。……今の話から推測すると、戦力が必要だけど他の対魔忍の協力は得られない。他の勢力も厳しい。だから、フュルストの件同様にフリーの私に声をかけた。そんなところ?」
さすが、と感心しつつ災禍は首を縦に振った。
「状況的に言えばフュルストの時より更に厳しいわ。でも、タバサちゃんの戦闘をこの目で見て、あれだけの力があるならばって思ったの」
「ん、わかった。手伝う。状況を詳しく教えて」
「え……」
先程の予想から考えるに、まさかこんなあっさりと承認してもらえるとは思っておらず、思わず災禍が呆気に取られる。
「前回より厳しいとなると災禍は死地に飛び込むようなことになりかねない。災禍に何かあったらふうまは悲しむだろうから、私としても決して良い気分じゃない。それって私の仁義に反するし、手を貸していたら、なんてことを考えるかもしれないって思うと寝覚めも悪い」
「タバサちゃん……」
どうやら自分が考えていたよりも、目の前の少女には気に入られていたらしい。少しそのことを嬉しく感じてしまう。
「……ありがとう」
一言礼を述べてから、災禍は詳しく話し始めた。
今回の件には淫魔族が絡んでいるということだった。
少し前に淫魔族の王、“幻夢卿”ことカーマデヴァが死去したことにより、現在、淫魔族は後継者の問題で大きく揺れている。幻夢卿は魔界の九貴族と呼ばれる、魔界を支配する者の一角でもあるため、その座に着いた者は強大な力を手にすることになる。
その後継者としてカーマデヴァは死の間際に「自分の子には自由に生きて欲しい」という思いから“幻影の魔女”と呼ばれる大幹部を次の幻夢卿へと指名した。が、そのカーマデヴァの意思を重んじる大幹部・アンブローズを筆頭とする派閥と、決定に納得がいかずに王の意思に反することにはなるが彼の子を後継者にすべきと反発した、やはり大幹部のイシュタルを筆頭とする派閥が争う形となった。
しかしカーマデヴァの死去に伴い、封印されていたイシュタルの姉・エレシュキガルが復活。自分の封印に協力したアンブローズとイシュタルへの復讐と、新たな幻夢卿の座を狙っているということだった。しかもその復活には九貴族の一角・“死霊卿”も関連しており、同盟関係まで結んでいる。
高位淫魔族で絶大な力を持ち、悪辣この上ないと評されるエレシュキガルと、手段を選ばず勢力拡大を狙う死霊卿。そんな連中が相手では内輪揉めをしている場合ではないと、アンブローズとイシュタルは和睦を結び、エレシュキガルに対抗することとなった。
そしてエレシュキガルは邪魔者を排除するべく、今ヨミハラにいる幻影の魔女を狙っている。
今現在、幻影の魔女は新たに淫魔族の女王となるべく、亡き王から受け継いだ力を己のものするための契約の儀式を行っていて無防備な状態。さらに、アンブローズとイシュタルは幻影の魔女を幻夢卿の位に就けるよう、3日後に根回しのために魔界に赴むく予定である。狙われるとしたらそのタイミングである可能性が高い。
言ってしまえば淫魔族の派閥争いである。だが、その影響が周囲にも及びかねないという危険性を孕んでいる。
実際、先のフュルストの一件ではタバサたちは交戦しなかったものの、館の外ではエレシュキガルの配下や、彼女に協力する死霊卿の尖兵も戦闘に加わっていた。
特に、死霊卿は対魔忍からしても因縁深い相手であり、甲河の里を滅ぼしたという過去もある。そのため、被害の拡大やパワーバランスの崩壊を防ぐためにもエレシュキガルを敵とみなし、穏健派といえるアンブローズとイシュタルの側に協力することを決めたようだ。
ただし、相手が相手だけに表立って動くことは難しい。そこで、アサギは災禍にだけ直接密命を下していた。災禍はアンブローズの信頼を勝ち取り、対魔忍陣営からの使者として協力関係を結ぶことに成功している。
だが一方、穏健派に属する淫魔族は直接戦闘が不向きな者が多く、戦闘はかなり厳しいことが予想される。そのために、災禍はどの勢力にも属さないタバサに声をかけた、というわけである。
「……要するに、淫魔族の跡継ぎ問題で内輪揉めが起きそうだったけど、もっとヤバい奴等が徒党を組む形になったからそんなことをしている場合じゃない、と。それで、そのヤバい連中は対魔忍にとっても無視できない存在だから、対魔忍も首を突っ込むことにした。でも、表立っては動けないから今災禍がこうして単独で動いてる。こんな感じで合ってる?」
「まあ、大体は合ってるわね」
「なるほどね。そりゃ戦力も足りないか。正義の味方っぽいはずの対魔忍が淫魔族に協力するとなると色々波風も立つだろうし。だから対魔忍からの協力はおろか、静流にすら声をかけられない、と」
「えぇ……。まぁ、ね……」
「ちなみに、なんだけど。味方か敵か、とにかく関係してる淫魔族の中にフェルマって人いる?」
「フェルマ……?」
災禍は記憶を探っているようだった。
「いえ、いなかったと思うけど……どうして?」
「味龍の常連で、確かサキュバスとかいってたはずだから淫魔族だと思って、今回の件に絡んでるのかなって。……まあちょっと気になっただけ」
「でもどちらの派閥にも属していなくて、実力があるのであれば手伝ってもらいたいところではあるわね」
「うーん……。私個人としてあんまり良い気分はしないし、それにフェルマは戦闘は苦手そうだから……」
「そう……」
だが今の言いようでは猫の手も借りたい、ということなのだろうとタバサは推測した。
だとするならば、災禍はなりふりかまっていられない状況にあるのかもしれない。
「……私は信じないけど、これが運命ってやつなのかな」
少し考え込んだ様子を見せた後、不意にタバサがボソッとそう呟いた。どういう意味だろうかと災禍が首を傾げる。
「ねえ災禍。戦力が欲しいなら1人心当たりがある。実戦はブランクがあるけど、十分戦えると思う。ただ、災禍にとっては助けてもらうことを嫌悪する相手」
「嫌悪? そんな相手なんて……」
そこまで言いかけて、災禍は言葉を切っていた。
嫌悪する相手、実戦のブランク、そして、タバサと交友関係にある存在。その条件で思い当たる相手は1人しかいなかったからだ。
「……井河扇舟」
彼女にとっての主人の
「扇舟は私と一緒に戦うことを望んでる。それで最近戦闘用の義手を作ってもらってたんだけど、もう完成してその準備は整った。扇舟自身が静流を通して報告したらしくて、アサギもこのことは知ってるみたい。『五車に敵対しないなら』という条件付きで容認してる。だから次に私が戦う機会があったら一緒に戦おうって話になってた。でも、今回の件を依頼してきた相手は扇舟を許すことのできない災禍。扇舟には黙ってるか、あるいは依頼人が災禍だからってことを明かして諦めてもらって、私だけ手伝うつもりでいた」
災禍は口を真一文字に結んでいた。
「部外者の私が『もう許してやれ』、なんてはとても言えない。災禍に協力することで、それが罪滅ぼしになるとかって甘い話じゃ無いってこともわかってる。……でも、扇舟はずっと過去を悔いてる。災禍に
部屋が沈黙で満たされる。そうしていたのは数十秒か、あるいは数分になるほどだったか。
「……わかったわ」
重々しく災禍が口を開いた。
「タバサちゃんがそこまで言うなら少し信じてみる。あの女……いえ、彼女にも手伝ってもらいたい。ただし、こちらはあくまで戦力として必要としているから、タバサちゃんと一緒に来てもらった時に少しテストをさせて頂戴。足手まといになるようなら帰ってもらうということになるけど、それでいい?」
「いいんじゃないかな。とりあえず、今日扇舟に淫魔族だなんだの入り組んだ話は伏せた上で聞いてみる」
「……お願いね」
軽く顎を引き頭を下げて感謝の意を示し、災禍はすっかりあんが染み込んだチャーハンをまた食べ始めていた。
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「……ってことが今日の出前の時にあってね」
その日の夜。味龍での仕事を終え、宿泊所に戻ってきて汗を流した後の自由時間に、タバサは扇舟に今日のことを話していた。
タバサが話を切り出した時はアルコールを飲みながら聞いていた扇舟だったが、災禍の名前が出てくると目に見えてその気配が変わった。酒を飲む手は完全に止まり、硬い表情でタバサの話へと耳を傾けていた。
淫魔族の話はあくまで伏せたまま、災禍からの頼みであることと、荒事で戦力がどうしても足りないこと、そして扇舟を必要としていることを伝えていた。
それが終わるとタバサは手に持った炭酸飲料の中身を口の中へと運び、それまで話して乾いた分の喉を癒やす。ケアンでは味わうことのできないであろう刺激と甘みで喉を鳴らし、「けふ」と小さく息を吐いた。
が、それでもまだ扇舟は固まったままだった。おそらく、かなり葛藤しているのだろう。
「私が勝手に話を進めちゃったから、困ってるなら謝る」
「……タバサちゃんが謝る必要はないわ。ただ、まあ困っているというか、驚いているというか……」
まだだいぶ残っていたはずの缶の中身を扇舟は一気に飲み干した。
「あのふうま災禍が、私が手伝うことに対して本当に了承したのね?」
「ん。ただ、さっきも言ったけどテストはするって。対魔忍の仲間内でも協力を頼めない任務らしいから。そのせいで戦力がとにかく足りないって」
「そう……。はっきり言って、どんな顔をして会ったらいいかもわからない。会った瞬間に蹴り殺されても文句は言えない……」
「じゃあそれを止められたらテスト合格、ってところかな」
ジョークかもしれないが軽く言ってくれる、と扇舟の顔に苦いものが浮かぶ。
しかし同時に、これは贖罪の機会を与えられたということになるのかもしれないとも思っていた。無論、困っている災禍を助けたからと言って許されるようなことではないだろう。それでも、対魔忍のために戦うことが贖罪に繋がるとわかっていながらも、五車を追放された以上それが困難と思っていた扇舟にとって、貴重な対魔忍との共闘の場でもある。
何より、災禍がテスト合格を言い渡したらであるが、そんな状況がタバサと初めて肩を並べて戦うことの出来る場となるわけでもある。
「……タバサちゃん。災禍にメッセージを送っておいて。話は聞いた。テストを受けるから、合格なら私も手伝わせてほしい、って」
「わかった。……私と会って間もない頃の扇舟ならまだしも、今の扇舟なら大丈夫だよ。味龍の皆との鍛錬に、新しく手に入れた武器。扇舟の協力は、戦力的に間違いなくプラスになるって私にはわかるから」
何よりも力づけられる言葉だった。小さく笑って感謝の気持ちを示した後、扇舟の表情には固い決意が浮かんでいた。
今日から始まった対魔忍RPGのレイドイベのビビ・ブラッド、死亡した対魔忍の生態パーツを使ったサイボーグってところでもしかしたらと思い、CVが扇舟も担当してる人とわかった時点でこれはもう間違いないな!と思ってストーリーを読んだら、扇舟全然関係なさそうでした……。
ストーリーラストの部分から見るに心願寺関係の人っぽいですね。
本編中にある「ドロレスが持ち込んだおかしな事件」は、対魔忍RPGのマップイベントである「魔法少女ココアと謎の魔界騎士」の部分に当たります。
味龍もちょっと出てくるのですが、直接的に話に絡んでいなかったのと、次にさっさといきたかったのでほぼ触れずに流す形にしました。
そしてその「次」に当たるのが、メインチャプター53の「女王の誕生」になります。
ちょっと前のフュルスト同様、ここも腰を据えて書きたいと思っていたところだったりします。