そして3日後、その日はやってきた。
のっぴきならない理由、ということで味龍には2人とも事前に休みを届け出ている。春桃としては色々聞きたい様子だったが、あくまでプライベートだからとそれを遠慮してくれた。
当日、タバサのスマホには指定の時間と一緒に、災禍が泊まっている宿の近くの裏路地に来るようにメッセージが届いていた。おそらくそこで扇舟のテストをして、合格なら共に目的地に、不合格ならそのまま帰ってもらうという流れになるのだろう。
扇舟は出発前に右手を初の実戦投入となる戦闘用の義手に変え、今は先導するタバサとともにヨミハラの街の中を歩いている。
だが、その顔には緊張の色が濃い。災禍が課すテストの件は勿論として、その災禍本人と顔を合わせるからというのもあるのだろう。
指定された裏路地は人通りも少なく、同時にそこには誰もいなかった。扇舟自身、少し予定より早く動いた自覚はある。少々待つことになりそうかとため息をこぼしたところで、ふと違和感に気づいて周囲を見渡しつつ、身を固くした。
「ん、扇舟も気づけたっぽいからやっぱりテストは問題ないよ。そう思わない、災禍?」
不意にタバサが誰もいないはずの前方の空間へと声をかける。すると、誰もいなかったはずのところに1人の女性の姿が現れた。
壁に寄りかかったまま腕を組んで長い髪から右目だけを覗かせ、科学的な雰囲気を放つボディースーツに身を包む、機械の脚を持つ美女。
光学迷彩を解いたふうま災禍、その人だった。
「前もそうだったからタバサちゃんは私の存在にはっきりと気づけたんでしょうけど、その女が同じかはわからないわね。確証を持てていたのかは怪しいところ」
「ふうま災禍……」
扇舟が相手の名をポツリと口にする。
かつて主を殺された女と殺した女。ふうま災禍と井河扇舟。
十数年の時を経て、2人は再び顔を合わせた。
「久しぶりね、井河扇舟。お前に対しての恨みつらみはある。でも、タバサちゃんはお前を戦力になると紹介してくれた。だから、私が使えると判断したら協力を仰ぐつもりでいる」
普段の災禍と比べ、表情も口調も厳しい。それに気圧されてか、扇舟はうつむき気味であった。
が、次の瞬間。そんな扇舟の背中がバシーン、と平手で思いっきり叩かれた。
「痛っ……! た、タバサちゃん!?」
「シャキッとしなよ。過去のことで負い目を感じてるのかもしれないけど、今やるべきことはそれを悔いることじゃないでしょ。……私と一緒に戦ってくれるんじゃないの?」
扇舟の目がハッとしたように見開かれる。一度閉じてゆっくり息を吐き、再び目を開いた時。もうそこに迷いの色はなかった。
「そうね、そうだったわね。……ありがとうタバサちゃん。私はやるわ」
「……良い目になった。それならテストする価値はあるわね。さっきのままなら、もう帰そうと思ってた」
災禍が構える。つられるように扇舟も左手を前にしたオーソドックスな構えに。
「テストは簡単、私と模擬戦をやってもらう。私が納得できるだけの力を発揮できれば合格。このスーツの特殊機能と邪眼は使わないであげる」
「助かるわ。……目が合うと視界と意識を奪われるというあなたの邪眼の恐ろしさは噂でよく耳にしていたから」
「え……。災禍、そんな能力持ってたんだ」
場の張り詰めた空気を全く読まずにタバサが口を挟んでくる。場の雰囲気が崩され、苦笑を浮かべながら災禍が答えた。
「若様から聞いてなかったのね。……ただ、私の邪眼は使用中にそちらに全意識を割かないといけないために、この体が隙だらけになるから使い所が難しいの。それに、この間のフュルストみたいに防護能力の高い相手には通用しないし」
「あ、そういうことなんだ。なら今まで使わなかったのも納得。……邪魔してごめん。始めていいよ」
どこまでもマイペースなタバサに、災禍は困った心を消しきれないまま相手の扇舟を見つめた。その相手も今ので一端緩んだ口元が再び引き締め直されている。
(……いい具合にリラックスした、か。もしタバサちゃんが狙って言ったとしたら天才ね。まあ、彼女の場合は天然でしょうし、それもまた才能なのかもしれないけれど)
先程まで負い目で戦う空気にすら無かった扇舟は、タバサの喝で一気に戦意が増した。が、今度は少し入れ込み過ぎな気配があったように災禍には感じられた。
そんな気負いも今の空気を読まない発言で取れ、目の前の相手はベストコンディション。まさしく、かつて対魔忍で指折りの近接戦闘術の使い手と言われた相手そのもののように見える。
それもこれも、全てタバサがきっかけだ。狙ってやったとしたら、先程災禍が思った通りモチベーターとして天才。しかし当人にそのつもりは全く無いだろう。それでも、扇舟にはかなりプラスに働いている。
ともあれ、舞台は整った。再び張り詰め直された空気の中、互いにジリジリと間合いを詰めていく。
先に動いたのは災禍だった。間合いに入ったと同時、右脚を一閃しての上段回し蹴り。扇舟はその軌道を見切り、上体をスウェイしつつ半歩分引いてそれを回避した。
一旦間合いを取り直し、災禍は驚いたような表情を浮かべる。
(なるほど……。タバサちゃんが言うだけのことはある。様子見で蹴ってみたとはいえ……こうもあっさりかわすならばブランクは問題ないと見ていいわね。……遠慮はいらない、か)
並以下の対魔忍なら反応できずにそのままダウンしていただろう。それよりやり手であっても、防御が間に合う程度か。
災禍としては安全策を取って確実に防御にくる、と踏んでいた。が、余裕を持って、完全に軌道を見切られて回避されている。
もはや遠慮無用。十数年前、ふうま一族を苦しめたあの井河扇舟が目の前にいるのだと、災禍は自分に言い聞かせた。
再び両者が対峙、災禍が間合いを詰め直す。右の前蹴り、と見せてフェイント。代わりにその足を地につけて軸足とし、上段への左後ろ回し蹴りへと変化させる。
相手は今のフェイントにつられて防御が中段に下がっている。そこを狙った形だ。
一方の扇舟は身をかがめてその左後ろ回し蹴りをかいくぐった。そのまま災禍が得意とする蹴りの内側の間合いに入るべく肉薄しようとする。
災禍もその動きは読んでいた。重心を後ろに向けながら全身を沈み込ませて、今蹴った左足を地につける。そのまま体を回転させた勢いを生かし、右足で地を這うような足払いへ。
小さく跳躍されて避けられたのを見たと同時に本命。手で体を支えつつ、左足で思い切り地を蹴る。
2回続けた相手の左側からの攻撃とは反対側。扇舟の右中段へと蹴りを放った。
「はあああっ!」
跳躍回避後、着地のタイミングを狙った、これまでと逆側からのトリッキーな動きによる一撃。これを防御させて勢いを止め、間合いを取って仕切り直す。そう災禍は考えたのだが。
「ふっ!」
小さく息を吐き、扇舟は蹴りを防御する瞬間に左の掌で
次の瞬間にはもう距離が詰められ、災禍が立ち上がろうとするより早く、その眼前に右の手刀が突きつけられている。
「ハァ……ハァ……」
おそらく、ここまで息の詰まる攻防は久しぶりだったのだろう。扇舟はわずかに息を荒らげ、突きつける手刀が揺れていた。それを見て災禍は小さく笑う。
「……いいわ。合格よ。このぐらいで息を乱すなんて、やっぱり随分入れ込んでたのね」
その言葉を聞いて、扇舟の肩から一気に力が抜けていた。
傍から見ていただけならば、この程度で一喜一憂しているような相手に協力を頼んで大丈夫だろうかと思うかも知れない。だが、実際に拳を交えた災禍はその実力を身をもって感じ取っていた。
(これがかつて井河一族、ひいては対魔忍で最高クラスとまで謳われた近接戦闘術の使い手……。ブランクがあったとはいえ、それを感じさせない動きだった。……最後の中段蹴り、意表を突いたはずなのに、まさかいなされるとはね。絶妙のタイミングと技法でエネルギーの方向を変えて勢いを殺す、まさに達人の技……。驚いたわ。そして、何より……)
チラリ、と災禍の視線が扇舟の右手に注がれる。
(……
舐められた、とは思っていない。当然災禍も本気を出してはいない。あくまで模擬戦、だから攻撃用の右手は極力使わないという方針を取ったのだろうと災禍は推測する。
あるいは、相手を間違えてでも傷つけたくない。そんな思いがあったのかもしれない。
「……変わったわね、井河扇舟」
思考を巡らせ終えた災禍は、そうポツリと呟いた。
「
「……ええ。それでいいわ」
話はまとまった。ここまで黙って様子をうかがっていたタバサが「それじゃあ……」と切り出す。
「扇舟も一緒に戦うってことでいい?」
「私のテストは合格だからね。勿論よ」
「そ。よかったね、扇舟。……で、そうとなったら詳しいことを話したほうがいいと思う。私は事の重大さをあまり把握してないんだけど、多分扇舟にとっては驚くようなことだろうし」
「そうね……。ひとまず、移動しながら話しましょう。目的地はヨミハラの外れ……辺境外緑部よ」
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3人は辺境外緑部と呼ばれる、ヨミハラでも特殊な地区を目指して歩いていた。そこは、地下でも育つ魔界由来の植物が群生し、天井部の光る苔によって地下であるにも関わらず明るくなっている。
そんな自然環境を利用して農業を営んだり、富裕層の別荘があったりするのがこの地区だ。そのため、「ヨミハラの勢力同士では争わない」という不戦協定が結ばれている地区でもある。裏を返せば、ここでの協定を破ればヨミハラの全勢力が敵に回るということに他ならない。
しかし、だからといって敵が襲ってこないとは限らない。エレシュキガルと死霊卿はそんな協定すら無視するような連中だ。だからこそ、タバサと扇舟の力が必要だと災禍は助力を頼み込んだのだ。
そんな辺境外緑部近辺へ足を踏み入れた辺りで、災禍は以前タバサに説明したことと同様の内容を扇舟へと話し終えていた。
が、話を聞き終えた扇舟が明らかに動揺しているのわかった。
「……淫魔族に協力するですって!? 私が五車にいた頃には絶対にありえない考えよ、そんなの!」
「でしょうね。あなたがいた井河長老衆は自分たちで対魔忍を支配すること、ひいてはそれ以外の勢力までの支配すら目論見そうな連中だったもの」
「それもあるけれど……。『対魔』忍よ!? 『魔』と『対』さないで共同歩調って……。対魔忍の存在意義を根本的に揺るがしかねないことだと私は思うのだけれど!?」
「……意外と細かいところを気にするのね。まあこれはアサギが下した決断だから、私にどうこう言われても困る。……さっきも言ったけれど、淫魔族と言っても一枚岩ではない。それこそ、かつての対魔忍が井河内部でもアサギと井河長老衆とで争っていたようにね。その派閥争いというか、後継者争いは他に余波を生むような厄介なことになりかねない。何より、エレシュキガルと死霊卿は凶悪な存在。そちらは対魔忍としても放ってはおけないわ。だから、敵の敵は味方でいくってことよ」
扇舟と対照的、災禍は特に気にした様子もなしに答えている。
そんな2人を見つめつつ、話が止まった頃合いを見計らってタバサが口を開いた。
「ねえ、災禍。前に話を聞いたときからちょっと気になってたんだけど、死霊卿ってのは死霊術師……ネクロマンサーとは違うの?」
「どうかしら……。私も詳しいことはあまりわからない」
「そっか。……まあそれはいいや。次の質問が本命。ここまで来たらもう帰れとは言われないだろうから聞きたいんだけど」
思わず災禍に怪訝そうな表情が浮かぶ。「何?」と返されたのをきっかけに、遠慮なしにタバサが鋭い質問をぶつけてきた。
「災禍は私にこの話を持ってきた時、どの勢力にも属さないフリーに近い戦力を求めた。でも、災禍は対魔忍だし、命令の出処もアサギから。……最初は淫魔族と対魔忍が共同歩調を取ることが表沙汰になるとまずいからだとか、他の対魔忍に知られたくないからとかが理由だと思ってた。でも、ヨミハラで起きる一件にも関わらず、静流にすら話を通さないで災禍にだけというのはどうにも引っかかる。今挙げた理由なら、静流ぐらいには伝えてもいいはず。でもそれすら出来ないとなると、何かもっと重要な……対魔忍同士ですら伏せておきたいような、そんな理由があるんじゃないの?」
災禍の表情が硬くなった。同時に、タバサは心の動きを読んで今の発言が図星だったと推測する。
「……私はアサギから直々に密命を帯びただけ。今のところはそれしか言えないから、詳しいことはまた後で話すわ。でも、さすがに鋭いわね。少しだけ言っておくと、現在淫魔族の間で起きている後継者問題……。そこには、対魔忍としても無視できない存在が関わっているから。……今言えるのはここまで。あとは実際に“彼女”に会ってからね」
それきり、災禍は口をつぐみ、先導して歩くだけになってしまった。
ややあって、目的の館に到着した。警備のインキュバスと思われる、執事のような格好をした淫魔族がタバサと扇舟を訝しげに見つめている。が、災禍が何かを話すとすぐにそれをやめ、館の中へと招き入れてくれた。
「あ、災禍さん! 来てくださったんですね!」
館の中では3人のサキュバスの少女たちが出迎えてくれた。その3人を見て、「あー……」とタバサが声をこぼす。
「どうかした、タバサちゃん?」
「扇舟は気づかない? あの2人……」
そう言ってタバサが指さしたのはピンクの髪をした2人のサキュバスだ。
「……タバサちゃんの知り合い? どこかで見たことがあるような……」
「そりゃあるよ。たまにうちに食べに来てる」
「そうなの? 全然気づかなかった……。よく覚えてるわね」
「それから向こうの1人」
銀の髪に右目を閉じたままの残りの1人の方も指さした。
「私と面識がある。味龍で働くことを決めた日、ふうまと一緒に会った。えっと……アレッキィ、だっけ」
「え!?」
不意に名前を呼ばれ、アレッキィがタバサの方を向く。そこでようやくタバサのことに気づいたようだ。「ああ!」と声を上げる。
「確かアンナを探してた時にふうまと一緒にいた異世界の子!」
「ん、そう。久しぶり」
「あの、災禍さん。この2人は助っ人……ということでいいんですよね?」
2人いるピンク髪のサキュバスのうち、大人しそうな方が災禍に尋ねた。
「ええ。タバサちゃんと、井河扇舟。2人ともフリーで腕が立つから協力を頼んだの。……タバサちゃん、さっきちらっと聞こえたけど、もしかしてこの2人って……」
「たまに食べに来てるよ。……いつも当店を利用してくれてありがとう。これからもご贔屓に」
「お店? 食べに来てる? ……あ! 味龍の店員!」
そう言ったのはピンク髪のサキュバスのもう1人、少し高飛車な雰囲気をまとわせた方だった。
「ついでだからこの子たちも紹介しておくわ。今話してたのがミレイユ、さっき話してたもう1人のピンクの髪をした子がミーティア、それからタバサちゃんと明確に面識があったみたいだけど、そこの銀の髪の子がアレッキィ。私が少し前にここに来た時に親しくなった子たちよ」
紹介を受けてミレイユ、ミーティア、アレッキィの3人が軽く頭を下げる。相手が予想よりも礼儀正しく、「魔と対するべき」という主張だった扇舟は少し戸惑ったのだろう。慌てて返礼してそれに応じた。
「……淫魔族って一口に言ってもいろんな人……人って言い方でいいのかな? とにかく、一括りには出来ないってことだよ。フェルマだってそうだし」
「あ……」
タバサが扇舟の内面を見通したのだろう。不意にそう言われ、そういえば友人もサキュバスであったことを扇舟は思い出していた。
「さっき扇舟は対魔忍がどうこうって言ったけど、全部敵とみなすよりも、共同歩調を取れそうなところとはそうした方がいいってことじゃないかな。……ま、私は敵とみなしたらそいつらが全滅するまで叩き潰すしか方法を知らないけど」
いいことを言っていたはずなのに後半部分で台無しだ。思わず扇舟の顔に苦笑が浮かんだ。
「……そんな柔軟過ぎる考え方は私が五車にいた時には思いつきもしなかった。すごいのね、アサギは」
「確かにアサギがすごいのは認める。でも、今私は若干不信感を抱いてもいる」
「え……?」
タバサが災禍の方へ一歩分歩み寄った。
「災禍、さっきの話の続き。ここに着いたら話すって言ってたことを……」
「ええ、勿論話すわ。……ミーティア、“彼女”はまだ……」
儀式に入った幻影の魔女の世話をしているミーティアに災禍が尋ねる。だが、ミーティアは表情を曇らせて首を横に振った。
「……目を覚まされてはいません」
「そう……。2人とも着いてきて。なぜ他の対魔忍に言うことすら出来なかったか。説明するわ」
ミーティアと災禍が先導する形でタバサと扇舟についてくるよう促している。
「じゃあ私とミレイユは見回りの確認と強化の報告に行ってきます! 行こう、ミレイユ!」
「そうね。“魔女様”を守るためだものね」
「魔女様……。ああ、さっき災禍の話の中にあった幻影の魔女のことね。……『幻影』か」
2人の話から思い出した「幻影」という単語。それが気にかかり、扇舟は口の中で小さくひとりその単語を呟いた。
「どうも魔女って言われるとあの森の中にいた魔女団の連中とかオカルティストのことをイメージしちゃうんだろうけど、きっと違うんだろうな」
タバサもタバサで、ケアンにいた頃のことを思い出しているようだった。
「2人とも行くわよ」
その間に災禍とミーティアとの距離が少し離れてしまったらしい。慌ててタバサと扇舟は後を追う。
これから向かう先はこの隠れアジトである屋敷の奥、礼拝堂だ。そこに魔女様がいるということだった。
「……淫魔の王、幻夢卿ことカーマデヴァの後継者として指名された淫魔族の大幹部、幻影の魔女」
しばらく無言で歩いていた4人だったが、不意に沈黙を破るように災禍がそう言葉を発した。
「その魔女については様々な噂が飛び交っていた。曰く、魔族ですら無く人間である。曰く、にも関わらず淫魔の王である幻夢卿の地位に最も近い存在である。そして……曰く、その幻影の魔女とは……元対魔忍である」
「元対魔忍!? それで『幻影』って……まさか……」
そう呟いた扇舟は、反射的に自分の機械になった左手を右手で握り締めていた。
「……タバサちゃんは、私がこの話を振ったときに『運命』って単語を口にした。それはおそらく、私の依頼に怨敵であるはずの扇舟が協力することになるかもしれないから。そうでしょう?」
「ん、そうだね」
「でも、運命でいうならば……それだけじゃない。“彼女”は……扇舟、あなたにとっても因縁浅からぬ相手なのだから」
「あぁ……。そんな……もしかして……」
館の奥にある礼拝堂。そこでは、不気味な紅い魔力の奔流を体に絡みつかせた、1人の女性が眠るように佇んでいた。
豊満な肉体を黒と白のレオタードのようなスーツで包み、頭にあるうさぎの耳を思わせるような特徴的な黒のリボンが目を引く。
その姿を目にし、扇舟の語気が強まった。
「やっぱり……そういうことだったのね……!」
「彼女が幻影の魔女……。淫魔族の新たな女王として指名された魔女様よ」
無意識のうちに手に力が入る。驚愕と、怒りと、疑念と。感情がごちゃ混ぜになっていることを自覚しつつ、扇舟はその魔女様である“彼女”の名を口にした。
「
今日更新されたメインチャプター、ライブラリーの過去も含めた話だったんですけど、ライブラリー関連の話はほんと面白いですね。佐郷文庫時代の立ち絵まで追加されてかっこよすぎる。隙を見つけて話に登場させたいと改めて思いました。
ネクロマンサー
マスタリーのひとつで、生命・イーサー属性とペットの扱いを得意とする。自前スキルに耐性下げはないが冷気と毒酸もそこそこ。また、常駐バフで物理耐性を下げられるので、もう片方のマスタリーが物理を得意とする場合の相性も悪くない。
文字通りの死霊術師。同じ死霊繋がりで死霊卿からタバサが連想している。
お約束通り骨を呼び出したり、なんかよくわからない毒をばら撒くぽっちゃり系モンスター(ブライトフィーンド、通称毒デブ)を呼び出したり、敵に命中後に死霊になる弾丸を撃ち出したりと豊富なペットを持つ。
特に骨は他のペットと比べて性能が控えめな代わりに、常駐であるにも関わらず他を寄せ付けないほど圧倒的な数の召喚が可能。
基本的に常駐ペットはスキル変化で数を増やしてもせいぜい2体、時限ペットでも5体程度が限界な一方、スケルトンはその気になれば10体以上を常駐で召喚可能となっており、ツリー内のスキルにもある通りまさしく「
さらに本体の戦闘力も決して低いわけではなく、キャスターと思いきや近接もいけるハイブリッドタイプ。
常駐バフスキルでヘルスが強化され、豊富なライフスティールの手段で生存性を保つことができる。
一方でバフがかなり偏っており、DA強化や耐性強化がしにくい。あるにはあるのだが、排他でペット向きの内容になっている。
そのためにもう片方のマスタリーをかなり選ぶタイプ。そちらで不足分をうまく補完出来ないと装備と星座への依存性がかなり高くなってしまう。
特に昔はデモリッショニストとの相性の悪さが顕著だった時期があり、両マスタリーをカバーできる装備が微妙(もしかしたら無かったかもしれないレベル)+得意属性が全く噛み合わずに互いのシナジーが薄すぎるなどという状況から全クラス中最悪の相性とまで言われ、「NO ITEMS, NO SYNERGY」とネタにした謎のザリガニAAが日wikiに存在するほど。
今では両マスタリー向けの装備がある程度充実したことと、ヘルファイアマインでイーサー耐性が減少できるようになったことでかなりマシになっている。
他に欠点として、Act3で同盟を結ぶ勢力が片方に限定されてしまうという面もある。
とはいえ、貴重なイーサーとペットを使うマスタリーということで噛み合うマスタリーとはとことん噛み合う。
DLC追加クラスの中では汎用性は低めかもしれないが、その分爆発力を秘めていると言えるかもしれない。
デモリッショニストと組み合わせた問題のクラスは「ディファイラー」、ナイトブレイドと組み合わせたクラスは「リーパー」となる。