“乗っ取られ”の少女、対魔忍世界に迷い込む   作:天木武

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Act83 よく来てくれたな、歓迎するぜ!

「どういうこと? なんでウルグリムが……」

『端的に言えば君を探しにこの世界に来た。始めはここと別な街にいたのだが、運良く案内人が見つかってね。トントン拍子に君が今働いているという店までたどり着けた、というわけだ』

 

 普段無表情なはずのタバサにしては珍しく、明らかに驚いているとわかる。この世界にいるはずのない同郷の人間と話していると考えれば、無理もないのかもしれない。

 

『この道具は非常に便利だが、詳しいことは直接顔を合わせて話したい』

「それは同感。……おそらく私が知ってるウルグリムに違いないんだろうけど、もしかしたら別人ってこともありうる。平行世界って言うのかな、私が知ってるケアンと似てるけど微妙に違う世界から来たウルグリムだって可能性も否定できないから」

 

 ふむ、と電話口で唸る声が聞こえた。

 

『その辺のことは私は良くわからないから、他ならぬ友自身がそう言うのであれば従おう。使えるのであればだが、いつものようにリフトゲートを使ってくれれば一瞬だからな』

「あ、それなんだけど……。実はリフトが使えない。クトーニアンの連中のリフトをくぐったときとかシャッタードレルムでも使えなかったから、まあそう言うこともあるって思ってるけど。あるいはこの世界はイーサー自体が存在していないみたいだから、それも影響してるかもしれない。とにかくリフトは使えない」

『む……やはりか……。リフトを使えるならとっくにケアンに戻ってきているという考えも聞いたから、もしかしたらとは思っていたのだが……。では私自身がそちらに行くしかないな。それともここで待ったほうがいいのか。どうすればいい?』

「ちょっと待って」

 

 タバサはスマホを口元から離した。自分だけでは判断しかねると、成り行きを見守っていた銃兵衛の方を向く。

 

「今、私がいた世界の友人と話してる」

 

 思わず銃兵衛は「は!?」と間の抜けた声を上げざるを得なかった。

 

「なんか会話がおかしいと思ったら、お前のいた世界って……。じゃあ別な異世界人がこの世界に来たってことか!?」

「ん、そう。探しに来たんだって。で、味龍にいるらしいけど、このままヨミハラで待つべきかこっちに来るべきか尋ねてる。この件、もう少しかかりそうな気がするけど、どうしたらいい?」

 

 銃兵衛が口元に手を当てて考え込む。しばらくして、「……戦力は多いに越したことはねえし、その方が面白いか」とポツリと呟いた。

 

「お前の友人って言うぐらいなんだ、腕は立つんだろ?」

「向こうが本調子じゃないときなら私が優位になるぐらい。純粋な剣の腕だけだったらおそらく私より上」

「そのタバサの実力を知ってる奴って言うと……。篝、確かフュルストの件でタバサが戦っているところを見ていたって言ってたな。実力は……」

「化け物ですよ、化け物! 私は剣術とかあまり詳しくわかりませんけどね、そういうのが全部お上品に見えるぐらいの戦い方ですよ!」

 

 もう少し言い方というものがあるだろうと思った銃兵衛だったが、篝に対する文句はグッと飲み込む。代わりに、その評価を受けたタバサへと声をかけた。

 

「よし、タバサ、こっちに来るように頼んでくれ。ただ、これからヨミハラを出てここまで来るにはちと時間が遅い。夜が明けてからでいい」

「わかった。……ウルグリム?」

『聞こえていた。本当にこの道具はすごいな。それに聞こえてきた感じでは友の戦い方も相変わらずのようだ。……とにかく、言われたとおりにしようと思うが、私はこの世界について詳しくはない。ここまで連れてきてくれた案内人と変わるから、詳しいことはそちらに話してくれ』

 

 電話の向こうで何やら話し合う声が聞こえた後、話す相手が変わったのがわかった。聞こえてきたのは女の声だった。

 

『えーっと、あんまり状況がよくわかってないんだけど、そこはセンザキなんだっけ? そこにこの異世界のオッサンを連れていけばいいわけ?』

「ん、多分そう」

『で、センザキのどこに行けばいい?』

「どこ? ……どこだろう」

 

 電話の向こうからため息が聞こえるのがわかった。

 

『……そっか、あんたも異世界人か。詳しい人に変わってくれる?』

 

 その言葉を受け、タバサは無言で扇舟へとスマホを差し出した。

 

「何?」

「詳しい人を出せ、って。こっちに来るって話になったみたいだけど、どこに行けばいいかとか言ってたような」

「扇舟さん、今日はもう遅いから明日……そうだな、10時頃でいいか。その頃に駅前に来るように言ってくれ。使いの者を出すから、見た目も教えてほしいって」

 

 頷き、扇舟はタバサのスマホを耳に当てた。

 

「もしもし? えっと……」

『明日の朝10時にセンザキの駅前ね。こっちは女とオッサンが1人ずつ。名前はアンネローゼとウルグリムよ。まあ闇の街の住人なら、こっちがそれなりの雰囲気出しておけば気づいてくれるでしょ』

「わかった。そう伝えておく。……あ、もし今夜ヨミハラの宿が決まってないなら、味龍の店員に高坂静流って人が店長をしてる酒場を聞いておくといいかもしれない。そこの2階が宿泊所になってて、私とタバサちゃん……異世界人の子が寝泊まりさせてもらってる。静流さんは対魔忍だから信用できるはずよ」

『それは助かるわね。ヨミハラでオッサンと2人夜を明かすとかどうしたもんかと悩んでたところだった。じゃあ明日は指定時間にセンザキに着くように動くから』

 

 そう言って電話は切れた。ひとつため息をこぼしながら扇舟はタバサにスマホを返した。

 

「明日、指定時刻にセンザキの駅前に来るって。女が1人とオッサンが1人。名前はそれぞれアンネローゼとウルグリムだって彼女は言ってた」

「アンネローゼ……。アンネローゼだと!? まさかアミダハラの魔女剣客探偵か!」

「知ってるの?」

 

 扇舟が銃兵衛に問いかける。逆に何故知らないのか、といった様子の表情で彼は見つめ返した。

 

「扇舟さん、あんた以前はアミダハラに……。あ、そうか、すまん」

 

 そこでようやく銃兵衛は気づいた。確かに以前扇舟はアミダハラにいた。が、そこはアミダハラ監獄だ。外のことなどわからないだろう。

 

「いいわ、気にしてない。それでそのアンネローゼっていうのは……」

「さっき言ったようにアミダハラにいる魔女剣客探偵だ。凄腕の剣士であると同時に美人だって噂は耳にしてる。……こりゃ楽しみだ。タバサの友人はいい案内人を見つけてくれたな」

 

 ケケケ、と銃兵衛が特徴的に笑った。付き合いの長い紅はそういうところをこれまでも見ているのだろう。呆れた様子で彼を見つめていた。それから、ふと思い出したようにタバサへと問いかける。

 

「タバサ、ちょっといいか? さっき扇舟は『女1人とオッサンが1人ずつ』と言った。ということは、お前の友人はオッサンなのか?」

「オッサン……。まあ確かにウルグリムはそこそこ年齢がいってるか。そういうことになるね」

「年の離れた異性が友人……。異世界人だからか、なかなか珍しいな。……いや、それよりも。その友人……ウルグリムと言ったか? お前は『純粋な剣の腕だけならばおそらく上』と言っていたはずだ。お前も相当な腕前だと思ったから興味があったのだが……」

 

 そう言われた途端、タバサに嫌そうな表情が浮かんだ。紅が何を言いたいのかを読み取ったのだろう。

 

「何? 手合わせしたいとか? 私はやりたくないから。もしウルグリムがやるっていうならあとは勝手にやってって感じ。あの人は皇帝直属の部下に当たる『ファーストブレイド』だったから、実力は文句無しだよ。……というか、こういうこと言い出すとか、紅って凜子に似てるタイプだね」

「凜子? 秋山凜子か? 彼女を知っているのか?」

「知ってるも何も、五車にいる時に無理矢理手合わせさせられたよ。たまたま私が勝っちゃったのもあってか、その後の滞在中はもう1度手合わせしてほしいってしつこかったし」

「勝った……? あの凜子にか!?」

 

 心願寺一族は本来ならば五車を追放された身。足を踏み入れることは許されてはいない。

 だがかつてとある事件があった際、例外的に五車学園に顔を出した時があった。その時に紅は凜子と模擬戦を行い、互角の戦いを披露している。つまり、凜子の強さを身をもって知っているというわけだ。

 

「でもあれは不意打ちというか、凜子が私の剣を知りたがってて、その隙を突けたからというか。もう1回やったら勝つのは厳しいと思う」

「だとしても1度勝ったというのは事実だろう。……そうか、あの凜子に、か」

 

 何やら納得したように紅は1人で頷いている。それを見てか、「そろそろいいか?」と銃兵衛が口を挟んできた。

 

「紅、計画を詰めて今夜仕掛けようかと思って来てもらったが、やめだ。明日、タバサの友人と、もしかしたら手伝ってくれるかもしれない美人魔女剣客探偵が来てからにする。今夜はダメ元で船に連絡を入れ、あとは部下に監視ってのがせいぜいだろうな」

「わかった。詳しい話は明日、役者が揃ってからということでいいか?」

「ああ。今日は一旦解散としよう。2人がセンザキに着くという10時頃にまたここに来るということで。……扇舟さん、すまないが今夜はここに宿を取ってもらうことなる。勿論俺のシマの店だし代金は俺が持つ。超高級ホテルとまではいかないが、安全は約束するぜ」

「ありがとう」

「部下に案内をさせる。明日の迎えもさせるから、まあゆっくりくつろいでくれ」

 

 改めて扇舟が礼を言って部屋を出たところで、サングラスに黒服の男が(うやうや)しい態度で先導してくれた。どうにも落ち着かないが、銃兵衛なりの気遣いもあるのだろうからと、ついていくことにする。

 と、そこで扇舟はずっと気になっていたこと――計らずも味龍で春桃がウルグリムに対してした質問と同じことをタバサに尋ねていた。

 

「ねぇ……。もしタバサちゃんの友人……ウルグリムさんだっけ? 彼が元の世界に戻る方法を確立させてこの世界に来たのだとしたら……。タバサちゃんはどうするの? やっぱり……戻る?」

「んー……。どうだろう。正直、帰りたくないぐらいにこの世界は気に入ってる。でも私はあくまでケアンの人間だし。ウルグリムがわざわざ連れ戻しに来たのに帰るのを拒否っていうのはちょっとな、って思って悩んでるところ」

「そう、よね……」

 

 タバサが異世界人である以上、いつか別れの時は来る。そのことは扇舟もわかっていたはずだった。だが、いざそうなるかもしれないという状況になってみて、本当はただ目をそらしていただけだったのかもしれない、と気づいていた。

 

「とりあえず今の時点ではなんとも言えない。だからそこまで落ち込むことはないと思う。それに……。いや、いいや。とにかく、もしかしたらこことケアンとの世界間を行き来する方法ができたって可能性も否定はできない」

 

 扇舟の心の中を読み解いたのだろう。安心させるようにタバサがそう声をかけてきた。

 

「……そうね。以前トラジローちゃんにズバッと言われたときも思ったことだけど、これじゃどっちが年上かわからないわね」

「別に年がどうこうの問題じゃないようにも思えるけど……。まあ少し前向きになれたならいいか」

 

 思わず扇舟の顔に苦笑が浮かぶ。とにかくなるようにしかならない。明日、タバサの友人という男に会ってからか、と思うことにした。

 

 

 

---

 

 銃兵衛が用意してくれたホテルは確かに超高級、とまではいかなかったものの、ヨミハラの安宿とは全くの別物だった。普段ヨミハラで寝床としている宿泊所とは比較ならない広さと綺麗さ。さらには銃兵衛直々の客ということで、夕食に加えて飲み物のルームサービスまで振る舞われている。こんなVIP待遇のような扱いをされて大丈夫なのかと、扇舟は逆に不安になるほどだった。

 翌日もリムジンではなかったとはいえ、銃兵衛の部下が運転する車で彼の本拠地でもあるカジノまで送迎してもらっている。

 

 そんな扱いに扇舟は戸惑いながら、タバサは普段と特に変わった様子はなく、カジノの中にある銃兵衛の部屋へ2日連続の訪問となった。既に心願寺の3人は来ていたようだが、アンネローゼとウルグリムはまだのようだ。

 

「おう、おはようおふたりさん。とりあえず最低限のもてなしはしたつもりだったが、昨日は良く眠れたかい?」

「あんなVIP待遇のような扱いを受けたのは久しぶり……もしかしたら初めてのレベルよ」

「何か裏があるんじゃないか、後から高額請求されるんじゃないか、とかって扇舟が不安そうにしてたよ」

「ちょっ……! タバサちゃん!」

「ハハハ! んなことしねえよ。2人は客人、しかもこっちの不手際でわざわざここまで来てもらってるんだ。あのぐらいは最低限の礼儀ってもんだよ」

 

 やはり器が大きい、と扇舟は改めて思っていた。この若さにしてセンザキのギャングの頭になっているのも納得といえる。これだけのカリスマ性、そして実力もそれに伴うものなのだろう。

 

「失礼します。ボス、迎えに出ていた者から連絡です。センザキ駅前でお客人をおふたり車に乗せた、と」

「おう、丁重に案内してくれ。……さて、美人魔女剣客探偵と異世界人、どんなかねえ。ワクワクする」

 

 ニヤニヤと笑みを隠しきれない銃兵衛を見て、紅はため息をこぼしていた。

 

「……扇舟、さっきの銃兵衛の態度で大物かも、と思ったかもしれないが、こいつはこれが本性だ。結局、自分が楽しむことを最優先にする。だからあまり過大評価はしないほうがいいぞ」

 

 こちらの考えを見事に読んでくる。そんな紅にドキッとした扇舟だが、当の銃兵衛本人はどこ吹く風だ。

 

「ケケケ。否定しねえよ。でも折角の人生なんだ、楽しくてなんぼだろうよ」

「……そうね。その考え方は、間違っていないと思う」

 

 楽しく生きる。それができる銃兵衛が、扇舟には少し眩しく映った。

 

「そう言うなら、扇舟さんもそうすりゃいいんじゃねえか? もう心を入れ替えたならいつまでも辛気くせー顔してないで、楽しく生きりゃいいんだよ。若には許してもらったんだろう?」

 

 そんなふうに考えていたところで投げかけられた言葉だった。思わず銃兵衛の方を見つめ直す。が、ややあってその目を伏せた。

 

「……ふうまくんが許す許さないの問題じゃないと思うの。私は許されざる罪を背負った。だから一生をかけてでも償っていかなければならない。……その償い方も、どうしたらいいかわからないけれどね」

「だからといって楽しく生きちゃいけない、幸せになっちゃいけないみたいな考え方はどうかと俺は思うけどな」

「今の私は幸せよ。かつては友達も、こんな風に心を打ち明けられるような相手もいなかった。母の言いなりになって、母に認めてもらいたいという歪んだ感情だけで手を血に染め続けてしまった。……でも今は違う。タバサちゃんはこんな私を友達だと言ってくれたし、共に戦えることも嬉しく思ってるわ」

「……まあ当人がそう言うなら、俺が口を挟むようなことでもないんだろうけどな」

「ねえ、扇舟。昨日も言おうか迷ってやめたんだけどさ。今の話を聞いてどうしても気になったから、やっぱり言うね」

 

 そこで、扇舟と銃兵衛の会話にタバサが割り込んできた。

 

「確かに私は扇舟を友達だと思ってるし、大切に思われるのも悪くない気はしてる。でも、私に依存しすぎるのは良くないように思える。もし私がケアンに帰ってこの世界からいなくなった時、生きる意味を失うなんてことになるのは嫌だし、だから……。えっと、なんだろう……。突き放すようなことを言いたいわけじゃないんだけど……」

 

 もしかしたらタバサもあまり抱いたことのない感情で、どう言葉にしたらいいのかわからないのかもしれない。そうわかった扇舟はタバサを責めるようなことはせず、膝を折って視線も合わせてから、まっすぐに見つめ返した上で口を開いた。

 

「……大丈夫、言いたいことはわかるから。確かにタバサちゃんがいなくなったら悲しいけど、でも私のせいであなたを束縛するようなことはしたくない。私は、こんな私を信じてくれたふうまくんをがっかりさせないように生きないといけない。そう思ってる。でもそれはタバサちゃんも一緒かな、って。……もしタバサちゃんがこの世界を離れてしまったとしても、またいつか会った時にがっかりさせないように。さっき彼が言ったみたいに楽しく生きる、っていうのは私の気持ち的に難しいけれど、私なりに生きてみようって思うわ」

 

 くりっとした目で扇舟を見つめつつその話を聞いていたタバサだったが、ひとつ頷いた。

 

「……ん、口先だけの出任せじゃないみたいだね。安心した。まあすぐに帰るってことになるとも限らないし、昨日も言ったことだけど、もしかしたら私のリフトの力を応用して世界間の行き来が可能になることもあるかもしれない。とりあえずまずはウルグリムに会ってからかな。今すぐ帰らないといけない、というのでなければ、少なくともこの件は片付けるつもり。それに、その後味龍にも顔を出したい。……あ、そうなったらふうまたちにも会っておかないとか」

 

 気づけばこの世界で多くの人たちと出会っていたことの証明に他ならないだろう。我が子を見つめるような目をしていた扇舟は、満足そうに小さく笑みを浮かべていた。

 

「失礼します。ボス、お客様が到着されました」

 

 と、そこで銃兵衛の部下が恭しく報告にやってきた。その後ろ、美女剣客と中年紳士のコンビが部屋へと足を踏み入れる。

 ニヤリと銃兵衛が笑みをこぼしつつ立ち上がり、大げさ気味な身振りとともに口を開いた。

 

「よく来てくれたな、歓迎するぜ! 美人魔女剣客のアンネローゼさん、それに……タバサと同じ異世界からの訪問者のウルグリムさん!」




「シャングリラ・フロンティア」って今期のアニメがあるんですが、1話の大体7分ぐらいの辺り。ゲーム店で大量のゲームが棚に並んでるシーンで、手前のキャラがフェアクソを裏返したタイミングで棚に見たことあるパッケージが……。
帽子を被っている男のような黒っぽいシルエットに、左手付近にはカラスのような鳥類。そして独特なフォントと色合いのタイトル文字。

どう見てもGrim Dawnじゃねーかこれ!
隣に見えるのはおそらくSkyrim、他にもポケモンやモンハンやゼルダなど……。グリドンはそんな超有名タイトルと並ぶゲームだった……!?
でも実際面白いゲームだよ、マジで。時間めっちゃ溶けるよ。



ファーストブレイド

本編24話でもタバサが軽く触れているが、ケアン最大の国であるエルーラン帝国の皇帝に仕える懐刀。本編中でタバサが述べている通り、ウルグリムがこれに該当する。
隠密・暗殺・諜報など、皇帝直々の命令とあれば汚れ仕事であろうと全てを引き受ける、まさしく皇帝の右腕。
弱みを握るためか、お偉いさんである大尋問官の妻と寝ることさえあったらしい。本人曰く、ふくよかで活発だったとか。

ファーストブレイドになった人物は過去の経歴や本名といった全てを失う。
そのため、「ウルグリム」という名は本名ではなく、皇帝がイセリアルに乗っ取られてしまって彼にとっての主を失った、すなわちファーストブレイドの肩書を失って以降名乗るようになった名前である。
乗っ取られた皇帝はかろうじて意識を保ちつつ、自分の命を奪うことと息子を安全な場所に避難させることを彼に命令しており、これが彼のファーストブレイドとしての最後の仕事となったようだ。
ちなみに「ウルグリム」はどうやら神話に登場する名前らしい。

ケアンの世界では貴族が戦闘員や諜報員としてナイトブレイドを雇っているのだが、ファーストブレイドもナイトブレイドの一種と言えるため、ナイトブレイドの技法を扱う。
本編79話で武装難民に投げつけたナイフはファンタズマルブレイズという設定になっている。
とはいえ、貴族が雇っているようなナイトブレイドとは格が違うようで、そういった連中は雇い主が不正をやらかしてファーストブレイドが動くような状況になったら手も足も出ないから恐れているレベルだったとか。
クロンリーギャングのネメシスであるファビウスも昔は貴族に雇われたナイトブレイドだったが、問題を起こしたか何かでファーストブレイド時代のウルグリムに捕らえられ、処刑寸前にクロンリーに助けてもらったという設定があるらしい。
この辺り昔はフォーラムで見られたのだが、以前も軽く触れたように今はもう見られなくなってしまっている。残念。
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