【俺にとっては朗報】家に戻ったと思ったら超絶美女と同衾してた件について【おまいらにとっては悲報】   作:クラウディ

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書きたくなったので、書いてみたら思いの外筆が乗ったので投下する。





【俺にとっては朗報】家に戻ったと思ったら超絶美女と同衾してた件について【おまいらにとっては悲報】

1:名無しのネット民

というわけでタイトル通りのことが起こったからおまいら知恵を貸してくれ

 

2:名無しのネット民

死ね

 

3:名無しのネット民

くたばれ

 

4:名無しのネット民

もげろ

 

5:名無しのネット民

こういう時、どんな返事をしたらいいのかわからないの

 

6:名無しのネット民

↑殴ればいいと思うよ

 

7:名無しのネット民

辛辣だなぁ……

 

 

ま、俺も同意見なんですけど(ヘヴィマシンガン)

 

8:名無しのネット民

リア充は敵だぶっ殺す

 

9:名無しのネット民

ヤロォブックラッシャァアアアアアアア!!

 

10:名無しのネット民

お前みたいなやつは最後に殺すと約束したな

 

あ れ は 嘘 だ

 

11:名無しのネット民

夜道には気を付けるんだな

 

12:名無しのネット民

住所特定すっぞ

 

13:名無しのネット民

>>12 やめとけ俺たちもポリスメンに捕まる

 

それはそれとしてリア充死ね

 

14:名無しのネット民

おまいらに期待した俺がばかだったわ

 

話を聞いてくれたら美女の写真投稿しよっかなぁ~と思ってたんだけど

 

15:名無しのネット民

ガタッ

 

16:名無しのネット民

ガタッ

 

17:名無しのネット民

ガタッ

 

18:名無しのネット民

ガタッ

 

19:名無しのネット民

ガタッ

 

20:名無しのネット民

ガタッ

 

21:名無しのネット民

ガタッ

 

22:名無しのネット民

キリッ

 

23:名無しのネット民

バッ

 

24:名無しのネット民

おうガタキリバは予算崩壊するからやめろ

 

それはそれとして美女の写真オナシャスセンセンシャル!

 

25:名無しのネット民

おまいらみたいにあからさまな釣りに釣られクマ―!

 

26:名無しのネット民

釣りじゃん萎えたわ

 

27:名無しのネット民

はい解散

 

28:名無しのネット民

釣りじゃないんだよなぁ……

 

(毛先に近づくにつれて黄金色になっていくロングストレートな茶髪をうなじあたりでまとめているグラマラスな美女が優雅な所作で茶を飲んでいる写真)

 

29:名無しのネット民

オファッ!?

 

30:名無しのネット民

ヌッ!

 

31:名無しのネット民

なんだこれは……たまげたなぁ……

 

32:名無しのネット民

なんだこの美女!?

 

33:名無しのネット民

あぁだめだ……エッ過ぎますねこれは……

 

34:名無しのネット民

ふぅむ……毛先だけが黄金色になっているという、一歩間違えばプリンヘッドになりかねないような手入れのしにくい染色をあえて選び、しかしその砂金のような美しさが全く崩れることがないさまはまさに芸術

顔の輪郭もむくみなどで膨れているわけではなく、健康に気を使っているのか輪郭はふっくらとしつつシュッと流れるようだ

簡単にたとえるなら、生命の神秘の結晶体である赤子のように柔らかい肌であろうことが写真だけでもわかる

そして、その胸部装甲は豊満であった……

 

35:名無しのネット民

>>34が全部言ってた

 

36:名無しのネット民

>>34 おま評論家

 

37:名無しのネット民

>>34 なんで写真だけでそんな分析ができるんだよ

 

38:名無しのネット民

キモッ(誉め言葉)

 

39:名無しのネット民

おい、言葉を慎めよ

 

40:名無しのネット民

これもエボンの賜物だな

 

41:名無しのネット民

エボン教徒は評論家じゃねぇんだよ!

教えはどうなってんだ教えは!

 

42:名無しのネット民

ティーダのコンボ気持ち良すぎだろ!

 

43:名無しのネット民

脱線シスギィ!

 

44:名無しのネット民

話戻せよおまいら

 

45:名無しのネット民

ってか、>>1コテハンつけといて

 

46:仙衆夜叉の陽天

おけ

 

47:名無しのネット民

なんじゃそれww

 

48:名無しのネット民

仙w衆w夜w叉wのw陽w天w

中二病乙ww

 

49:仙衆夜叉の陽天

草生やすな

 

写真の美女が俺をそう呼んできたからつけただけだぞ

 

50:名無しのネット民

サーセン

 

51:名無しのネット民

サーセン

 

52:名無しのネット民

サーセン

 

53:名無しのネット民

サーセン

 

54:名無しのネット民

ソーメン

 

55:名無しのネット民

ファミチキください

 

56:名無しのネット民

ちくわ大明神

 

57:名無しのネット民

誰だ今の

 

58:名無しのネット民

そんなことより……なぁ陽天ニキ

ニキの名前ってそんな仰々しいものか?

 

59:仙衆夜叉の陽天

んなわけないだろ

 

……と言いたいところだが、今の名前じゃなくて俺の記憶にはない昔の名前としてなら心当たりがある

 

60:名無しのネット民

 

61:名無しのネット民

ん?

 

62:名無しのネット民

流れ変わったな

 

63:名無しのネット民

ひとまず聞こう

 

美女と同衾云々は後だ

 

64:名無しのネット民

そうだそうだ!

美女と同衾したことも洗いざらい話せよな!

 

65:名無しのネット民

このスレ女に飢えてる童貞多すぎてワロタ

 

俺もだ

 

66:名無しのネット民

同じく

 

67:名無しのネット民

同士よ……

 

68:名無しのネット民

俺たちがついてるぜ……

 

69:名無しのネット民

お前ら涙拭けよ

 

70:仙衆夜叉の陽天

童貞たちが慰めあってる光景はさておき、事の経緯からだ

 

71:名無しのネット民

はよ話せ

 

72:名無しのネット民

下半身が寒いんだよ!

 

73:名無しのネット民

ズボンはけよ

 

74:名無しのネット民

>>73 待て、もしかしたらふんどし一丁で寒中水泳してるかもしれないぞ

 

75:名無しのネット民

まだ夏なんディスが……

 

76:名無しのネット民

南極にいるんでしょ(ハナホジー)

 

77:名無しのネット民

おう盛大にズレてってるぞ

修正かけろ修正

 

78:名無しのネット民

お、そうだな

 

79:仙衆夜叉の陽天

修正入ったので、またズレる前に話していくゾ~

 

1.俺氏、いつものように早朝(5時)に山登りしに行った

2.俺氏、山頂で見る変わらない景色に一日の始まりを実感する(山頂到達時間30分)

3.俺氏、体をある程度動かした後、爆速で家に帰宅する(7時帰宅)

4.俺氏、自宅の扉を開けたらすさまじい美女がいて、突然抱き着かれる

5.俺氏、翌日に美女と同衾してた

 

こんな感じだな

 

80:名無しのネット民

ハイ解散

 

81:名無しのネット民

なぁんだ、ただの妄想か

 

82:名無しのネット民

写真も加工したのか

完成度たっけぇな

 

83:名無しのネット民

太郎ちゃん!早く部屋から出てきなさい!

 

84:名無しのネット民

働けニート

 

85:名無しのネット民

妄想してる暇があるなら将来困らないために勉強とかに頭働かせろ

 

86:名無しのネット民

>>85 優スィ……

 

87:名無しのネット民

>>85ニキ、ツンデレか

 

88:名無しのネット民

>>87 ツンデレだな

 

89:仙衆夜叉の陽天

嘘じゃねぇっての

まぁ、信じられないようなことだしな

俺だって、突然こんなこと言いだしてるのはアホだと思ってるし

 

90:名無しのネット民

あら素直

 

91:名無しのネット民

素直なのはいいことだ

 

92:名無しのネット民

まぁ、本当の悩みがあるなら聞いてやらんでもない

 

93:名無しのネット民

なんだかんだ言ってもちゃんと話聞いてくれるスレ民優しいなぁ……

 

94:名無しのネット民

釣りだと仮定したうえで聞くからな

もし釣りだったらネットという世界に一生おもちゃにされるから考えて発言しろよ

 

95:名無しのネット民

>>94ニキ、ツンデレニキだな

 

96:名無しのネット民

名無しのネット民? 豪華な名前だねぇ

あんたは今からツンデレニキだよ!

 

97:ツンデレニキ

……どうとでも言え

それより続きを話せよイッチ

 

98:仙衆夜叉の陽天

おけ

まぁ、小説スレだとか妄想スレみたいな感じに冗談だと思って聞いといてくれよ

 

俺、前世は異世界人だそうな

 

99:名無しのネット民

は?

 

100:名無しのネット民

う~んこれは中二病患者

 

101:名無しのネット民

あいたたた!

 

102:名無しのネット民

くっ!我の右腕がうずく!

 

103:名無しのネット民

上の奴らはにぎやかしだから気にせず進めてくれイッチ

 

104:仙衆夜叉の陽天

>>103 ありがとう

 

話を戻すと、前世の俺はこことは違う世界「テイワット」なる世界で生きていたそうな

そこは属性ならぬ「元素」というエネルギーを用いた魔法などが使えたり、そんな元素が集まった結果「魔物」が誕生したりなど、まさしく俺たちが思い浮かべるようなファンタジーな世界らしい

俺の隣で寝ていた美女(今は「鍾離」っていう名前らしい)が昨日話してくれたことで、世界に関することをざっくりまとめてみるとそんな感じだ

なぜ彼女がそのことを知っているのかについては、テイワットでの俺と主従関係的なのを結んでたらしいとのこと

 

105:名無しのネット民

ほぉ、美女と主従関係ですか

 

裏山

 

106:名無しのネット民

裏山

 

107:名無しのネット民

裏山

 

108:名無しのネット民

絶許

 

109:ツンデレニキ

「今は」鍾離……?

どういうことだイッチ

 

110:仙衆夜叉の陽天

鍾離と名乗る彼女が言うには……

なんと彼女、そのテイワットに存在する七つの国の一つ、「璃月(リーユェ)」を統治する神様「岩神モラクス(国民は尊敬の意を込めて「岩王帝君」って呼ぶらしい)」ご本人……ご本神? とのことだ

 

111:名無しのネット民

…………はい?

 

112:名無しのネット民

え、なに? 神様?

 

113:仙衆夜叉の陽天

そう神様

 

114:名無しのネット民

「Oh My God」のGod……?

 

115:仙衆夜叉の陽天

Really

 

116:名無しのネット民

ファッ!?

 

117:名無しのネット民

イッチには何言ってもよかったけど、美女が言うのは説得力があるなぁ!

って、マジの神様なのか!?

 

118:名無しのネット民

いやぁ、さすがに釣りでしょ

 

119:名無しのネット民

>>118 いや、俺は信じてみるよ

面白そうだから

 

120:ツンデレニキ

うーむ……その女性……鍾離さんだったか? は、酔ってるというわけではないよな?

 

121:仙衆夜叉の陽天

>>117 おいこら

 

>>120 酔ってない酔ってない

素面でこれを言ってきたよ

 

122:名無しのネット民

えぇ……そっちも中二病こじらせてるの……?

 

123:名無しのネット民

証拠はありますか?

 

124:仙衆夜叉の陽天

証拠……俺がやってもお前ら信じないと思うから、鍾離にちょっと魔法とか使えるか聞いてみる

 

125:名無しのネット民

頼むぞ~

 

126:ツンデレニキ

……さて、イッチが行ったわけだが、お前らどう思う?

 

127:名無しのネット民

俺は半分信じてる

 

128:名無しのネット民

俺は面白そうだから乗ってる

 

129:名無しのネット民

ちょっと信じるのは無理

 

130:名無しのネット民

>>129に同じく

 

131:名無しのネット民

ところで特定班いるか?

 

132:名無しのネット民

いるぞ~

ちなみに俺は信じる派

写真に加工がないか確認したけど全くないことだけが分かったから

 

133:名無しのネット民

マジか……

 

134:名無しのネット民

でもそれだけじゃ信じれなくない?

 

135:名無しのネット民

>>134 ほんそれ

イッチはあんだけの美女が知り合いなだけの奴かもしれないし、まだ妄想の範疇を出ないからな

 

136:名無しのネット民

それなんだよなぁ……

あと、イッチのコテハンである「仙衆夜叉の陽天」ってのも気になる

 

137:名無しのネット民

夜叉って創作ではよく聞くけど、実際はなんだろなぁ……

 

138:名無しのネット民

調べてみたが、インド神話の鬼神の呼称らしい

簡単に言えば、神様の眷属(部下)のことだ

さっきイッチが言ってた、「鍾離さんとの主従関係があった」ということが本当なら、神様の鍾離さんに付き従う部下がイッチ(の前世)だと思われる

 

139:名無しのネット民

はえ~サンガツ

 

140:仙衆夜叉の陽天

ただいま

 

141:名無しのネット民

お、イッチが戻ってきた

 

142:名無しのネット民

で、証拠になりそうな魔法とかは使ってくれたのか?

 

143:仙衆夜叉の陽天

これ

 

(おそらく庭先であろう場所にそびえたつ、きれいに整えられ、時折脈動するように光がともる岩の柱を映した動画)

 

144:名無しのネット民

え、ナニコレ

 

145:名無しのネット民

石柱……?

 

146:名無しのネット民

不思議なオブジェだなぁ……(遠い目)

 

147:ツンデレニキ

いや、その……なんだこれ?

 

148:仙衆夜叉の陽天

鍾離が元素を集めて立ててくれた石柱

ちなみにもとからあったわけでも加工してるわけでもねぇからな

鍾離が庭先に向かって手をかざしたら、ニョキって感じに生えてきただけだからな

 

149:名無しのネット民

はえーイッチの住んでるところ田舎なんですねぇー(石柱からは目をそらす)

 

150:名無しのネット民

うん……これはやばい

 

151:名無しのネット民

久々にマジなやつ来たかぁ……

 

152:名無しのネット民

……と、とりあえず、いったん今日はこの辺にしねぇか?

 

153:名無しのネット民

そ、そうだな!

今は情報を整理したほうがいいよな!

 

154:名無しのネット民

というわけでイッチ

しばらくは俺たちのほうで情報整理するから鍾離さんとイチャイチャしてろよな!

 

155:仙衆夜叉の陽天

お、おう……

 

156:名無しのネット民

……

 

157:名無しのネット民

……

 

158:名無しのネット民

……

 

159:名無しのネット民

……

 

160:名無しのネット民

……

 

161:名無しのネット民

……

 

162:名無しのネット民

……行ったか?

 

163:名無しのネット民

行ったみたいだな……

 

164:名無しのネット民

そうか……

 

165:名無しのネット民

……スゥ……

 

166:名無しのネット民

えぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!???

 

167:名無しのネット民

嘘おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!???

 

168:名無しのネット民

くそがぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!

 

169:名無しのネット民

裏山スィいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!

 

170:名無しのネット民

落ち着けぇ!!

 

171:名無しのネット民

あーもう滅茶苦茶だよ!!

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「えっと……帝君……じゃなくて鍾離?」

「どうしたんだ陽天? いや……今は◯◯だったな」

「あ、あぁ、そうだけど……」

「……すまない。やはり陽天と呼ばせてくれ」

「別にいいけど……」

 

某県某市の片田舎に住む青年は人生に一度はあるかないかレベルの混乱の境地にあった。

その原因となっているのは、テーブルを挟んだ先に座る女性。

 

彼女の名は「鍾離」。

 

青年が住んでるこの日本のある地球とはまた違う世界――「テイワット」に存在する七つの大国の一つである、「契約」の国「璃月(リーユェ)」の統治神「岩神モラクス」本神だそうだ。

「そんな彼女がなぜ、自分のような凡人のところに……」青年の心のなかにはそのような疑問が渦巻いていた。

 

「えっと……まず、あなたがここに来た理由は?」

「……あなたなんて他人行儀な呼び方はやめてくれ陽天。君と私の仲だろう?」

「……鍾離」

「ふふっ、なんだい陽天?」

「~~!」

 

「流石に初対面の人を呼び捨てにするのはまずいだろ……」そう思って話しかけても、美女に悲しげな顔をされてしまえば男は折れるしかない。

しかし、出会ってから一日しか経ってない状態で美女を呼び捨てはなかなかハードルが高いものだ。

だが、「女を悲しませるのは男の恥だ」と幼少よりいわれ続けた青年にとって、その程度のハードルは飛び越えなければならない。

そう決意して彼女を呼び捨てにしてみると、華が咲くような笑みを浮かべられ、恥ずかしくなってしまった。

そんな感情を頭をかきむしるようにして紛らわせ、今度こそ本題を切り出す。

 

「なぁ、鍾離。そっちの俺ってどんな感じだったんだ?」

「……そうだな……一言でいえば任侠に溢れる好青年でありながら、純氷が如く純粋で、空に浮かぶ太陽のように熱い男。であるが故に、多くの者に慕われていた人物……。恋愛には疎いくせに、男も女も灯りに近づく蝶のように引き寄せ……そして、私たちに何も言わずどこかへ消えていった大馬鹿者だな」

「…………」

 

青年は頭を抱えて叫びそうな感情に駆られていた。

「なにしてんのそっちの俺ぇ!!!」と、叫べるものなら叫びたかったが、そこは人がいる手前、喉の奥にしまっておいた。

 

「それ本当に俺かよ……よく似た別人って言われた方がまだ納得できるわ……」

「ふふっ、その辺りは今の陽天にもあると思うぞ? 魂だけではなく、肉体も夜叉の時よりは衰えたが、それでも鍛えられてる」

「そうですかい……」

 

鍾離の掛け値なしの称賛に生返事を返す青年。

正直、自分はそんな人間ではないと思っているが故の居心地の悪さだった。

 

「……そういえば、鍾離は今日はどこに泊まるんだ?」

「陽天が泊めてくれるわけではないのか?」

「その『え?当たり前でしょ?』感はなんですかねぇ……まぁ、別にいいけど」

「ふふっ、感謝する」

 

また華の咲くような笑みを浮かべる鍾離の姿を見て、なんとも言えない感情が浮かびながらも、青年は一先ず行動を開始するのであった。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

『お、俺は、誰、ですか?』

 

初めて出会ったときは少し特殊な場所から来ただけのどこまでも普通な迷い子だと思ってた。

 

『こんな俺を拾ってくれるんですか? 戦うことしか出来ませんけど……』

 

戦うことしか出来ないという割にはなんでもそつなくこなし、人のためにと奔走できる青年だった。

 

『帝君、お茶いれてきました。少しだけスイートフラワーティー入れたんで、甘味はあるけど甘すぎないようにしました。あ、甘雨姉もどうですか?』

『この書類は……ふぇ? あ、な、なんですか陽天!? か、顔が近いですよ!?』

『やっぱり……書類に夢中で気づいてなかった……』

 

『起きなさい陽天!! 修練の時間よ!!』

『む、無理ぃ……もう15連勤してるからぁ……』

『言い訳しない!!』

 

『魈兄。今度、槍での戦い方教えてくれよ』

『……何故、我に頼む……』

『帝君は忙しそうだから魈兄しか頼めそうにないんだよ』

『……一度だけだ』

『! ありがとう! 今度杏仁豆腐作ってみるよ!』

『フン……』

 

『浮舎兄、大丈夫なのか? 層岩巨淵の妖魔退治……。あの黒い泥とかスッゴい危ないし……』

『心配するな陽天。我にもしものことがあれば、璃月を誰が守るのだ?』

『……魈兄とかもいるから大丈夫。そんなこと言っててもし、浮舎兄に何かあったら俺、絶対に怒るからな……』

『……もしもの時には、お前を呼ぶさ、陽天。頼りにしてるぞ』

『……わかった』

 

『応達姉、これで止まってくれよ! 絶対に死なないでくれ! あんたが死んだら、悲しむのは俺だけじゃないんだ!!』

『ア゛ァ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!』

『ッ! 帝君! 俺ごと応達姉を閉じ込めてください!! 業障を焼き払います!』

 

『まったく……無茶のしすぎよ陽天。こんなに傷だらけになって……』

『伐難の言う通りだ陽天。半分死んでたようなものだぞ』

『あはは……応達姉を助けられたから安いもんだよ』

『『そういう問題じゃない!!』』

『ヒェッ……』

 

仙人や夜叉の皆とも仲は良く、親代わりとして側にいた()が嫉妬するほどだった。

 

『帝君、大丈夫ですか? 悩みがあるなら俺にいつでも言ってください』

 

『帝君、ご飯行きましょ!』

 

『気晴らしに散歩行きましょ! 財布忘れないでくださいね?』

 

『帝君』

 

『帝君!』

 

『帝君?』

 

『て、帝君? な、何故、『女』になってるんですか……?』

 

……だから、陽天となら結ばれてもいいと思ってた……。

 

『て、帝君? 俺はただモンドとかに行こうとしてるだけなんですけど……なんで足を岩で固めるんですか……?』

 

お前はどこかへ行く度に女をたらし込むだろう?

それは駄目なんだ。

 

『いやいや! 俺はそんなことをした覚えは……』

 

……バルバドス。

 

『うっ!』

 

バアルゼブル。

 

『ぐうっ!』

 

マハールッカデヴァタ。

 

『うぐぅ!!』

 

他にはどれだけいたか……。

 

『やめてください帝君! 分かりましたから!』

 

……それで良いんだ陽天。

さぁ、今日も散歩をしよう。

 

『……七神の中では最古の神なのに……。ただのわがままお嬢様じゃん……』

 

なにか言ったか?

 

『いえ! そんなことはありません!』

 

……そんな日常が、いつまでも続くと思ってた。

 

『お、れは、ゲホッ! ゲホッ! ガフッ……! こ、れ以上は、無理そ、うです……』

 

あぁ、消えないでくれ陽天。崩れないでくれ。

 

『泣か、ないでくだ、さい……。帝、君……。そもそ、も、異物、の俺、は、この世、界に、いては、いけな、いんです……』

 

沈んでは駄目だ。皆が君を待ってるんだ。

だから、頼む……。

 

『帝君、今まで、ありがとう、ございました……』

 

あぁ、崩れてしまった……。

消えてしまった……。

失くなってしまった……。

 

私を照らす陽天……。

私の心も知らずに消えてしまった陽天……。

人に恋した私の側にいた陽天……。

 

もう、帰らない帰ってこない私の……。

 

『そういえば鍾離は知ってるか?』

 

なんだ……?

 

『最近の璃月の土地には、炎元素使いで様々な武器を巧みに扱う黒髪の青年が、時たま魔物に襲われてる行商人を助けてるんだって』

 

……なに?

 

『そいつにオイラたち出会ったんだけどさ、ヒルチャールの王を何匹も相手にして全然怯んでなかったんだよ。挙げ句の果てには、ヒルチャールの王を持ち上げて投げ飛ばしたりとか、まるで仙人たちみたいな強さだったから、鍾離は知ってるんじゃないかって……』

 

炎元素使い……様々な武器を使う……ヒルチャールの王を何匹も相手にして全く怯まずになぎ倒す……。

 

まさか……陽天……!?

その男はどこで会える!?

 

『わわっ!! いきなり掴むなよ鍾離!! オイラの翼がしわくちゃになるだろ!』

 

そんなことはどうでも良いんだ!

どこで出会えるんだ!?

 

『ヒッ!? それは、どこで出会えるか分からないけど、オイラたちは、帰離原で出会ったけど、って、お、おい! どこ行くんだよ鍾離ぃ!』

 

居てもたっても居られなくなり、すぐさま店を飛び出した。

 

もう一度、陽天に会える。

 

その想いだけで、私は帰離原全域の存在を感じとる。

 

どこだ……どこにいるんだ陽天……。

 

…………! いた!

 

すぐさま自身の肉体を元素へと変換し、その場所まで移動する。

そこにいたのは……。

 

『フゥ……シィッ!!』

 

あのときと変わらず、愚直に拳を振るい続け、魔物を打ち倒す陽天の姿があった。

 

あぁ、また、会えたな陽天……。

 

『! ……帝君?』

 

あぁ、そうだ。私だ陽天。

また会えたんだ。積もる話もあるだろう。

今度こそ、お前に……!?

 

『……時間切れか……。すみません帝君。話に関してはまた今度に。俺は皆を守らなくてはならないので』

 

そう言う陽天の体は、まるで霞のように薄れていく。

まるで、魂が消えるかのようだ。

 

い、やだ……。

また、私の前から消えるのか陽天……。

それだけは……それだけは……!

 

『え?』

 

気づけば、陽天の体を抱き締めていた。

その体に温もりはないが、しかし、昔と変わらない感触は残っていた。

 

そして……。

 

「えっと……あなたは誰ですか? もしかして、家間違えた……わけではないか……」

「あ、あぁ……!」

 

少し変わっていたが、確かに生きている陽天がそこにいた。

仙人や夜叉の名前、それこそ私の名前すら覚えてないが、その名前を出す度に、無意識ながらも懐かしむような顔をする陽天を見て、私は確信したのだ。

 

――「やっと、また会えたのだ」と。

 

「えっと……鍾離、とりあえず飯食べる?」

「あぁ、よろしく頼む。陽天の料理は美味しいからな」

「~~!」

 

私の称賛に恥ずかしそうにしながらも少しだけ得意気に口角をあげる彼の姿が愛おしい。

 

今度こそ、君を失ったりはしないよ、陽天。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

かくして、世界は本来の歴史から逸脱する。

 

「陽天」と呼ばれる青年が「あの世界」で起こした変化の数々は、未来にどう影響するのか。

 

それは、本人たちにはまだ分からないことだ。







※後書き※

勢いだけで書いた。
反省も後悔もしてない。



※キャラ紹介※

・主人公(スレ名『仙衆夜叉の陽天』)(原神世界『陽天』)

簡単に言えば、夢を通して自分の意識体を送れる超能力者(自覚なし)(ご都合主義)。
だけど、夢を見てるときは現実の記憶はハッキリとしない。
素で女を落としまくるプレイボーイ。
それどころか、男すら落として女にさせる魔性の男。
そしてピュアッピュアなピーチボーイでもある。
誰かが押し倒してたらその人と結ばれ、結ばれていたとしても押し倒されたら断れないので、必然的にハーレムになる。

「おら、俺ら非モテの夢だぞ」そんなコンセプトがあるようなないような。


・鍾離(TS)

皆大好きあずきバーシールドを張れる先生。
本作ではスパダリクソニブピーチボーイを拾って世話してたら、落とされてメスにさせられた人。
鍾離先生のTS絵は最高だから、皆も見よう!

皆はこの間の復刻で手に入れられたかな?

え? 俺?

…………君のような勘の良いガキは嫌いだよ。



感想もらえると作者のやる気と作品へのモチベが上がるので、どしどし送ってください。

それでは~

(・ω・)ノシ


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